こ、これは傑作。なにごとも起こらないにもほどがある高校生の日常。それがこんなにスリリングだなんて。
「落ち着きがない」のは誰なのかがラストであからさまになる仕かけ。主人公が西部劇によく出てくるバタンバタンするドアを開けて図書室に入ってから、今度はいきおいよく飛び出していくラストまで、息もつかせない。
図書部という地味でブンガクなサークルにいる彼ら彼女らが、教室で息苦しい思いをしていることもビシビシ伝わってくる。読み終えて呆然。くり返して言う。傑作だ。
ぼくは落ち着きがない (光文社文庫) 価格:¥ 500(税込) 発売日:2011-05-12 |