ショーン・コネリーが亡くなったのは本当に哀しい。
柄(がら)、の問題なんですよ。
007を演じて、そしてそのことに嫌気がさして(しかしこだわってもいて)誰もが知る俳優になったことを、彼は途中でその幸福に気づいたんじゃないか。「ネバーセイ・ネバーアゲイン」をつくった経緯は、そうでもなければ理解できない。
オードリー・ヘップバーンと共演した「ロビンとマリアン」
俳優としてのスケールが必要だった「王になろうとした男」
そして「風とライオン」
他の誰にも演じられなかっただろう「薔薇の名前」
柄といえばこれだ「小説家を見つけたら」
こんな言葉で片づけたくはないけれど。名優退場。
でも彼はどうやら人生を極めて激しく楽しんだ。いいなあ。
「わたしの名はボンド。ジェームズ・ボンド」
若山弦蔵さんの声でこれをおぼえているのは、月曜ロードショーの荻昌弘さんの解説をおぼえている人たちだな。確かユナイトとTBSは007の放映権でいろいろあったはずだし。
向こうの世界でも
「マティーニを。ステアではなくシェイクで」
とかかましてるかなあ。
でも根っからのスコットランド人である彼のことだから、スコッチをダバダバ飲むのかしら。RIP。