第6作「吊された少女」はこちら。この作品と直接に連関しています。
未解決事件を捜査するカール、アサド、ゴードン、そしてローセのチームQ。実はいちばんの謎はこのチーム内部にあったりもしますが、今回も読ませる。
いつものように長いけれども、邪悪な動機とのんきな捜査陣のやりとりの交差というルーティンとは違っているのが今作の特徴。福祉の担当者と、失業給付を受け取って働かない女たちの激突である。
いやはやこれはすごかった。
北欧らしく社会福祉は充実しているものの、そのためにまったく働こうとしないモンスターたちが出現。福祉担当者はぶち切れ……これまでのシリーズでもっともストレートな展開。
邪悪な人物は最後に出てくる。この邪悪さはきつい。いったいどうやったら人間というのはここまで悪くなれるのかと絶望的になる。その邪悪さが、チームの謎とリンク。面白いっ!
第8作「アサドの祈り」につづく。
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