前作「竜に奪われた王国」はこちら。
トールキンの、指輪をめぐる中つ国(ミドル・アース)の物語ついに完結。全6本、よくぞ付き合ったなおれも。指輪が象徴するものって、葉っぱ系?(笑)
原題はThe Battle of the Five Armiesだから、直訳すれば五軍の戦い。三国志ですら三つなのに、五つもからんだらわけがわからなくなっちゃう。で、ご想像のとおりわけがわからなくなってしまいました(笑)。
もっとも、善良きわまりないホビット族、北欧色出しまくりのエルフ、その名のとおり小っちゃくて感情移入しやすいドワーフ、勇士も邪悪な奴もいる人間、そして見るからに邪悪なオーク(ちょっと亡くなった夏八木勲さんにも似ています。失礼)と、ルックスだけで見分けはつくようになっていますが。
それにしても最終作は陰惨なお話だ。最初から最後までほとんど殺し合いの連続。有機的な物語のつながりが感じられないので、いまひとつ弾まない。予定どおり二部作にしておくべきだったのでは……。しかしそのバトルがとにかく派手。「レッド・クリフ」や「300」的なマスゲームに加え、異形の生き物が参戦するのは確かに見ていてうれしい。壮絶に死人が出てますけどね。
ストーリー上しかたがないこととはいえ、ごひいきのアンディ・サーキス演ずるゴラムは出てこないし(猿で手いっぱいかな)、ベネディクト・カンバーバッチがせっかく声の出演をしているのだから、ビルボのマーティン・フリーマンとのからみを増やして「シャーロック」ファンを喜ばせてほしかった。
まあ、いろいろ御託を並べましたが、わかっていてもラストで「ロード・オブ・ザ・リング」のオープニングにつながったときはうれしかったし、このシリーズがどんどん『サイズが違う種族を同一画面におく』テクニックにみがきがかかっているのを痛感。うれしい。さあこれで指輪サガは終了。年末はSTAR WARSサガの再開だ。そこまでは意地でも死ねねぇ。