事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「第9地区」 District9

2011-01-02 | 洋画

District9img02 ようやくDVDで鑑賞。ヨハネスブルクが舞台になっているのだから、エイリアン(日本の税関がこの単語を使っていることが無神経だとむかし問題になっていました)と人間の関係性が人種差別を象徴しているのは理の当然。

しかし、作り手がめざしたのはそんな政治性ではないんだろう。途中から「ザ・フライ」のように異種混合のグチャグチャな大騒ぎ。

にしても、この映画における宇宙人のありようはすごい。地球に着いたときにはみんな餓死寸前。“上層部”が伝染病で全滅してしまい、働きバチだけになったのでモチベーション下がりまくり……どう見てもボートピープル。

だから地球に“移民”してからのエイリアンたちの悪行と、彼らの排斥を要求する現地民の対立は……あ、やっぱり政治的な映画なのかな。増殖をつづけるエイリアンたちに地球人が手をこまねくあたり、どこかで聞いたような。

そのあたりに意識的なのか、展開は白人と黒人が否応なしにタッグを組まざるをえなくなる「手錠のままの脱獄」、あるいはシドニー・ポワチエつながりで「夜の大捜査線」。で、あのラストにつながるわけだ。なにを「ゴールデンスランバー」やってるんだか。ここで“いい話”にしてどうすんだ(笑)。

「インデペンデンス・デイ」において、考えてみればあの上空に浮かぶUFO(ちかごろこの単語は使われませんな)こそが圧倒的だったのであり、「第9地区」が第一にめざしたのは、あの浮遊感だったのかも。母船の操作がほとんど「マイノリティ・リポート」なのもご愛敬。

フランス語なまりがとれない主役が、キャットフード(エイリアンの大好物)にむしゃぶりつき、自己嫌悪に陥るシーンなど、はずしている部分も多いんだけれどもわたしは気に入った。エイリアンたちを移住させるためにサインが必要、ってあたりの役所っぽさもいい。やっぱり山形で封切られたときに無理してでも観るべきだったなあ。

コメント (2)
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