事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「プロムナード」 道尾秀介著 ポプラ社

2011-01-23 | 本と雑誌

4591118134 ようやく直木賞受賞。今回も逃したら六回連続ノミネートの新記録をつくるところだったからちょっと残念な気もします(笑)。選考委員のなかでは、桐野夏生がどう評価したのか興味あるなあ。林真理子や渡辺淳一はどうでもいいです。

さて、このエッセイ集では、孫引きになるけどあまりに出来のいいアメリカン・ジョークが紹介されているので……

-ある大学の図書館建設に巨額の寄付をした人物が記念講演を行った。その人は学生たちの前で、いかにして自分が巨万の富を築き上げたかを語る。彼は17才のときに道端でリンゴを一個拾った。そのリンゴを綺麗に磨き上げて売り、その金で二個のリンゴを買った。それをまた綺麗に磨いて売り、四個のリンゴを手に入れた。二週間後にはリンゴを入れる籠も買うことができ、さらに半年後にはリンゴを運ぶための車も持つことができた。「そしてこの時です」と彼はつづける。「わたしの祖父が突然この世を去りました。数億ドルの遺産がわたしに転がりこんできたのです」

……ちぇ。こんな面白いジョークをあの道尾経由で知ることになろうとは(笑)

剛爺コーナーの逢坂剛は「困ったヤツだ」と思うだろうけれど、“ミステリ的要素”で作品を評価されることへの道尾の異議申し立ても理解できる。小説には、よくできた小説とそれ以外があるだけではないかと。

コメント
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