事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ヤッターマン」(2009 日活)

2009-04-24 | 邦画

Yattarman04  日活がなにを考えて「ヤッターマン」を実写映画化しようとしたかはよくわからない。なにしろリスキーな話ではないか。新シリーズが始まったとはいえ、三十年も前のアニメを今さら……。

 「キャシャーン」の成功(といっても15億どまり)がその背景にあっただろう。タツノコプロの作品の実写化は銭になる、とふんだわけだ。でもあれは地獄のような製作環境にCGスタッフたちが耐えたおかげであのレベル(それでもだいぶ批判はされた)に到達できたはず。「マッハGo!Go!Go!」にいたってはハリウッドでリメイクされたのはいいが、その「スピードレーサー」は大コケしている。

 しかしこのギャンブルに日活は勝ち、映画は30億を超える大ヒット。「ドラえもん」の上を行くと予想した人はいなかったろうなあ。日活に出資したことで批判をあびていた日本テレビも、今ごろ胸をなで下ろしていることだろう。

 さて、その「ヤッターマン」をわたしとほぼ同世代の三池崇史がどう撮ったか……んもうアニメそのまんまなのだ。「ポチッとな」「スカポンタン」といった決めゼリフだけでなく、キャラの動きまでアニメ的に展開している。

 三池はこう考えたはず。その不自然さが笑える、と。実際、そのとおりになった。櫻井翔や福田沙紀が(観客を意識してこわばった笑いをうかべ)変身するあたりの間(ま)の悪さなど、ねらっているとしか考えられない。生瀬勝久(ボヤッキー)とケンドーコバヤシ(トンズラー)という“笑わせる術に長けている”はずの男たちがことごとく外しているのも、皮肉ではなくて計算だろう。

 究極はドロンジョの深田恭子。誰も彼女を制御することをせず、ただ“弾ける”ことを求めたのだと思う。その意味で「ヤッターマン」は、映画であることすらやめて、深田のプロモーションビデオと化したかのようだった。なにしろカメラは深田恭子の胸からほとんど離れないのである(笑)。そして中年の観客であるわたしは、それだけでも金を払う価値はあったと満足したのでした。さあ次は綾瀬はるかで「ガッチャマン」をお願いします!

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