hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

楡周平「外資な人たち」を読む

2010年01月13日 | 読書2
楡周平著「外資な人たち ある日外国人上司がやってくる」1999年3月、中央公論新社発行を読んだ。

ある日突然、自分の会社が外資系企業に買われ、オフィスのレイアウトから社内ルールに至るまでがらりと変わってしまう。そして、やって来るのは日本市場についてまったく知らない外国人上司。10年前の本だが、こんな話はますます身近で起こっているだろう。

米国では普通でも日本ではありえない条件で家探しする上司につきあう外資系秘書のマキ。日本女性あこがれの外資系秘書も苦労が多い。諸外国を渡り歩き数々の言語をものにして、郷に入らば郷に従えとの実績を誇る外資の人が、3か月で日本語をマスターして会議に出席すると豪語した。しかし、日本語の壁は厚く、結局すべてアメリカ流で押し通そうとする。



楡周平は、1957年東京生まれ。慶應義塾大学大学院修了後、米国企業日本法人に入社。犯罪小説「Cの福音」を書き、30万部を売り上げる。作家専業となり悪のヒーロー・朝倉恭介ものなど、スリラーとハードボイルドとアクションを取り入れた作品を出版する。現在は経済小説を主に執筆。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

米国企業に11年勤務した著者が、日常の実態、具体的エピソードを通して、華やかな外資系企業の裏の日本人社員の苦労、あるいは外資な人たちの日本社会での奮闘と摩擦がユーモラスに語られる。10年前の本だが、事情は基本的には変っていない。

笑いながら読む本だが、私のようにローカルな人間から見るとトンチンカン(死語?)な外資の人の行動も、彼らの立場からの見方が書かれていて、「ウーン、確かにそれも無理ないか」と思わされた。日本は先進国でありながら、アジアでも独特の文化が残っている変な国なのだとあらためて思わされた。



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