hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

初笑い武蔵野寄席を聞く

2010年01月15日 | 趣味

今年は、国民読書年でもあり、暮の31日から連続で続けてきた読書感想も、木、金と伊豆に出かけたので、14日間で種切れ。夕方帰宅した今日は、11日武蔵野公会堂で聞いた寄席の話。
101回と歴史ある武蔵野寄席で、350席の小さな公会堂が満席だった。

前座は「昔昔亭A太朗(せきせきていえーたろう)」による「たらちね
大家の紹介で妻をもらった八五郎だが、漢学者の父に育てられた彼女のバカ丁寧でむずかしい言葉づかいに往生する話。名前を聞かれた彼女は、「自らことの姓名は、・・・たらちねの胎内を出でしときは鶴女(つるじょ)と申せしが、それは幼名、成長の後これを改め、清女(きよじょ)と申し侍るなり」と答える。つい先日聞いた噺だったが、前座とはいえ劣らず、大声で立派に話し終えた。

講談「神田京子」
700人も落語家がいるのに、講談師は今や30人(?)で、絶滅危惧種で、しかも、女性がほとんど。講談を海外にも普及と、浦島太郎の話を見事なカナカタ英語でやった。その後は、ながーい、ながーい四十七士の討ち入りの話をさわりだけ1分でやり、アンコールと称して拍手も待たずにカッポレを踊った。
慌ただしい昨今、講談が生き抜くのは大変だ。

古今亭寿輔(ここんていじゅすけ)」の「死神
禿げ上がったちょび髭のオヤジが、派手な模様の衣装で出てきた。噺家700人の中でテトロンの着物は私だけと嘆いてみせて、「正月らしくめでたく・・・「死神」を」と始めた。
この話、名人三遊亭円朝がグリム童話をもとに作ったという。円朝は傍らの茶碗ととってお茶を飲むのも絶妙に自然なタイミングであったのに、自分は、さっきから、お茶碗ばかり気になって、注意の9割はお茶碗で、1割で落語をやっていると笑わせた。さすが、ボヤキの寿輔さん。そして、最後に座布団の上にばたりと伏せて死んでしまうという珍しい噺。

仲入りには、ロビーで甘酒をいただく。

「林家今丸」の「紙切り」
会場が大きいからと、OHPプロジェクターで作品を見せる。見事な恵比寿様で始まり、会場からのお題で、石川遼くん、加藤清正の虎退治、宝船。そして、紙切りの場合はシワはでませんからと、会場の男女ひとりずつを募集して、横顔を紙で描ききった。
昔の正楽そっくりに体をゆらし、しゃべりながら、紙を切るのだが、難しいお題をいただくと無口になると笑わせる。このセリフも正楽ゆずり。

最後が、「春風亭一朝」の「井戸の茶碗」まくらは、86歳まで元気だった師匠の彦六の話。「餅になぜカビが生えるのか」と訳を聞かれて、「早く食わないからだ」。右膝が痛くなり医者に行ったら、「老化ですね」と言われて、「左足も同い年なんですが」。アーモンドチョコをもらって、モゴモゴやった後、ポイと口から出して、「種があった」。
噺は、正直者のくず屋の清兵衛、金に困る頑固な浪人者と、若侍との3者で、仏像から出た50両と、井戸茶碗を売った300両をそれぞれ受け取る道理がないと押し付けあう噺。さすが古典落語の名人、渋く、しっかりと語る。

子供の頃から聞きなじんだ落語はいい。同じ噺を何回聞いても面白いのはなぜだろう。





コメント
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