hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

小島寛之『世界は素数でできている』を読む

2018年01月31日 | 読書2

 

小島寛之著『世界は素数でできている』(角川新書K-151、2017年8月10日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

以下、KADOKAWAの解説

素数のすべてを総合的に解説する。めくるめく素数の世界を探索できる一冊。

本書では、素数についての話を繰り広げる。素数とは、1と自分自身以外では割り切れない2以上の整数のこと。こんなに簡単な素数が、古代から人々を魅惑しているのだ。
2、3、5、7、11……と神出鬼没に表れる素数。不規則に表れるように見えて、妙な規則性があったりする。素数を表す数式はいまだ見つかっていない。バラバラに見える素数だが、実は秘めた威力を持ち、私たちの身近にもあったりする。たとえば、パスワードを安全にするRSA暗号は素数を用いている。
第1部は、「素数入門編」。素数とは何か、どうして注目されるのか、数学者たちは何を見つけてきたのか、そんなことを解説していく。
第2部では、より深い素数の森を散策する。理系の読者には、「なるほど、そういうわけなのか!」とうなってもらえるはずだ。そして、文系の読者には、「へえ! 素数ってそんなに芳醇な世界観を持っているのか」と驚いてもらえるだろう。
本書は、素数のすべてを総合的に解説し、めくるめく素数の世界を探索できる一冊といえるのだ。

 

 

目次

はじめに
■第1部 素数のふしぎ
第1章 世の中は素数でいっぱい 
第2章 素数にハマった数学者たち
第3章 素数についてわかったこと・未解決なこと 
第4章 素数の確率と自然対数 
■第2部 素数が作る世界 
第5章 RSA暗号はなぜ破られないのか
第6章 虚数と素数  
第7章 難攻不落! リーマン予想 
第8章 素数の未来

おわりに

参考文献

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

各種ある素数に関する解説本の中では極めて分かりやすい本だ。その意味では「★★★★(四つ星:お勧め)」なのだが、素数、数論に興味を持つ人は少ないので「★★★」とした。

 

言葉だけでなく数式の引用があり理解が進む。しかも大抵の場合は、数値例が書いてあるので私でも理解できる。

ただし、この種の本を読むときの恒例どおり、読み進めると徐々に少し少しづつ理解が甘くなり、最後の方はただ読んでいるだけになる。

 

でも、確かに、素数は面白い。

 

小島寛之(こじま・ひろゆき)

1958年東京生まれ。東京大学理学部数学科卒、東大大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学博士。

現在、帝京大学経済学部教授、数学エッセイスト。

主な著書は、『完全独習 統計学入門』『世界を読みとく数学入門』『無限を読みとく数学入門』『確率的発想法 数学を日常に活かす』など。

 

温泉などに行くと下駄箱やロッカーは必ず素数の番号を選び、2017年が「西暦と和暦が両方とも素数になる」珍しい年であることを喜ぶ、「素数マニア」の一人。

(関係ないけど、私は子供の頃、風呂屋の下足札は必ず16(川上哲司の背番号)だった)

 

 

メモ

 

・素数は無限個ある。ピタゴラスが証明

・2以上の自然数は、素因数分解が必ず可能で、しかも唯一である。

 

〇ユークリッドの互除法

 126÷98=商1 余り28

  98÷28=商3 余り14

  28÷14=商2 余り0

   最大の除数14が最大公約数。

 

〇フェルマーの小定理

 「pを素数、aをpの倍数でない自然数とする。このとき、ap−1をpで割った余りは必ず1となる。言い換えるなら、ap−1-1はpの倍数となる」

 「フェルマーの小定理」は、素数でない判定には使えるが、素数である判定には使えない。

 

〇ガウスの素数定理

 x以下の素数の個数は、x÷logx で近似できる。

 

〇完全数

 自分自身を除く約数の和が、自分自身に一致する整数。メルセンヌ素数と密接な関係がある。

 例、6、28、496、8128

 

〇双子素数

 差が2である素数のペア。無限個あると予想されているが、未証明。

 

〇18世紀のフランスの女性数学者 ソフィ・ジェルマン 

 エコール・ポリテクニクには女性は入学できなかったので、学生を知り合いになって講義ノートを入手して独習した。ラグランジュの宿題に男性の偽名を使って解答して感心したラグランジュは彼女に自宅を訪ね、その後個人的に指導した。

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「點心茶室」でランチ

2018年01月30日 | 食べ物

 

吉祥寺・東急9階の「點心茶室」でランチした。

昼時だがすぐ入れたし、少ないが空席もあった。
窓際から吉祥寺通りを見下ろす

 


遠くに駅ビル「キラリナ」が見える。


私は「海鮮つゆそば ハーフサイズ」¥1,134

具の種類が多く美味。スープが旨味が出ているのに辛くないので危うく飲み干しそうになり、ハタと気がついて途中でやめる。

追加で「小籠包」¥540

相方が一つ無事食べて、熱くなくなっているのが分かってから食べた。中の汁をこぼさずに味わうのには吸うしかないのだろうか。スプーンに全体を乗せてこぼさずに食べたのだが、「小笠原さん! これでよかったのでしょうか}


相方は「中国湯葉入り 野菜たっぷりつゆそば ハーフサイズ」¥810

実はこれは注文と違う品で、相方は湯葉など少々食べてから気がついたが、取り換えてもらった。本当に頼んだのはやきそばだったが、写真撮るの忘れた。

二人で2千円と少し。我々元々少食には違いないが、それでも大方の人はこれでランチには十分だろう。

席の配置はゆったりとして、隣の話もそれほど気にならない。
吉祥寺には少ない、のんびりできる店だ。

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1月の花

2018年01月29日 | リタイヤ生活

1月中旬に配送された花

後ろは、正月の花の生き残りの黄色と紫の菊と松。


1月下旬配送の花

一日経って菜の花が少しだけ咲いた。

ガーベラは華やかなのだが、水を汚しやすく、毎日、水変えしてもあまり持たない。すぐに首をうなだれてしまうのだ。


中旬の花と正月の菊を一緒に活けた。下旬の花より豪華?


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東野圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』を読む

2018年01月28日 | 読書2

 

 東野圭吾著『パラレルワールド・ラブストーリー』(講談社文庫 ひ17-18、1998年3月15日発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

親友の恋人は、かって自分が一目惚れした女性だった。嫉妬に苦しむ敦賀崇史。ところがある日の朝、目を覚ますと、彼女は自分の恋人として隣にいた。混乱する崇史。どちらが現実なのか? ――存在する二つの「世界」と、消えない二つの「記憶」。交わることのない世界の中で、恋と友情は翻弄されていく。

 

 

 大学院生の敦賀崇史は、田町と品川の間で並走する京浜東北線にいつも乗っている女性に恋心を抱く。しかし、就職し、その電車に乗ることがなくなった崇史は、二度とその彼女に会うことはなかった。

 

 崇史には中学から大学院まで一緒で、足が悪く内向的な三輪智彦が親友だった。ある日、智彦は崇史に「恋人を紹介したい」と告げた。連れて来た津野麻由子は、あの女性だった。

 崇史と智彦はMAC(米国に本社がある世界企業バイテック社が研究と英才教育のために作った専門学校)に通っていて、彼女もMACに入ることになった。

 

 ある日、崇史が目を覚ますと、麻由子が恋人になっていて、崇史はそれを自然に受け入れていた。智彦が崇史に麻由子を紹介し、二人が付き合い始めたという記憶になっていたのだ。

 やがて崇史は、麻由子は智彦の恋人として自分に紹介されたのではなかったかとも思ったが、現状を考えると、それは夢だとも思う。

 

 智彦の補助者篠崎がパーティーの席で、MACに来るまで広島から出たことがないはずなのに、東京で育ったと主張し、仲間から出身高校などを聞かれて追及されると、混乱、混濁してしまう。天才である智彦が作り出した記憶を書き換える技術は極秘にされ、・・・。

 

 

 本書は1995年2月中央公論社より単行本刊行。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

 記憶が書き換える技術が開発されたということで、章が変わると違う記憶、状況の下で話がまた前へ戻っているので読んでいて混乱し、それが何回も繰り返されると、どうでもいいやと、解らぬまま読み進めてしまう。

 おまけに、麻由子が崇史と智彦のどちらを選ぶのか決めないので、よけい混乱する。

 

 東野さんの作品に時々あるように、最後の最後での結果がどちらに転んだのかが書かれていない。読者の好むようにというつもりかもしれないが、いずれの結論でも片方が不幸な結果になり、そんな状況で放り出されても困りますよ東野さん!

 

 覚えておくべき主な登場人物が3名だけなのは結構毛だらけ猫灰だらけ。

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

敦賀崇史:友彦と中学から大学院まで一緒で親友。視聴覚認識システム研究班。

三輪智彦:崇史と中学から大学院まで一緒で親友。足が悪く内向的。頭が良く切れる。記憶パッケージ研究班。

津野麻由子:美人。MSCの研究員。智彦の恋人で、崇史の恋人でもある(??)

 

桐山景子:MAC研究員。崇史と同期入社。

須藤:MACでの崇史の上司。

小山内:MACでの教官

篠崎伍郎:智彦の研究補助者。

直井雅美:篠崎伍郎の恋人

杉原:脳内麻薬の研究者。化学屋。

大沼:MACの重役

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大きな雪だるま

2018年01月27日 | 散歩

西荻駅の南側、最近シャレた店が増えている通称「乙女ロード」。

道の両側にはまだ雪が残る。

ふと見ると、大きな雪だるまが!

紙コップ製だった。


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母親と息子

2018年01月26日 | 個人的記録

 

 息子というものは、母に関しては保守的で、母の母親以外の面を認めようとしないものだ。しかし、実際の母親は、女としての顔や、地域社会への顔などさまざまな顔を持っている。さらに、幼いときに思っていたように母親は絶対的に正しい考えばかりでなく、ときにはゆがんだ考えも持っていて、ごく普通の弱い女性の一人なのだ。

 

 不思議なのは、その普通のなんでもない女性が母親となると、子どもにとっては全てである存在となるし、実際にマリアさまのように子どもに絶対的愛情を注ぐのだ。

 

 男性は思春期に母親からなんとか独立しようと無理して反マザコンになろうとする。その季節を過ぎようとする高校生の頃、母親が足先を怪我し、足を引きずって医者に行くのに付き合った。帰り道、片足に包帯を巻いて、ほとんど歩けない母にじれて、「おぶうからさ」と不愛想にかがんで背中を出した。母はためらったが、人気のない道だったので、「じゃあ」と、背中にかぶさってきて、「とうとうおんぶされるようになっちゃたね」と言った。なんだこんなに軽いのかと、ちょっと拍子抜けで、意外だった。家族のために身を減らして来たのかなとも思った。

 

 この時を境にマザコンを脱したと思っていた。やがて自分も年取って、老いた母を見送り、さらに私も老いた今思う母は、献身的で愛情深い、あの母の姿だ。結局息子はマザコンのままで終わるのだなと思う。

 

たはむれに母を背負いて そのあまり軽きに泣きて 三歩歩まず   石川啄木

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遠い日の母と僕

2018年01月25日 | 個人的記録

 

今で言う高齢出産で生まれた一人っ子の私は、幼いときは母とべったりだった。

小学校の低学年だったのだろうか、近所の銭湯からの帰り道、まだ蓋をしていなかった川沿いの道を、いつものたわいない歌を二人でふざけて歌いながら歩いていた。
なぜだかふと思いついて軽い調子で私が言った。
「僕、もう本当はベタベタはいやなんだ」
母が歩みをピッタと止めて、ものすごくびっくりした顔で私を見た。そして、一呼吸置いて、言った。
「そうね、もうそうなのね」
たいした考えもなく出た一言で、なにか大変なことをしてしまったと思い、あとは黙って家まで帰った。

 

母を偉いと思ったのは、それ以降ぴたりと、私を幼い子ども扱いする態度は見せなかったことである。もちろん、母にとっては僕が唯一つであることは折に触れてわかってはいたし、何かと言うと取り越し苦労で私の心配ばかりしていたのだが。

 

しかし、その私も親となり、やがて息子も親となり、私は祖父となった。そして、遠い昔のあの瞬間のびっくりした母の顔を思い出して、かわいそうなことをしたと、今になって思うのである。

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顔の不思議

2018年01月24日 | 個人的記録

    

 

 人間の顔とは不思議なものだ。いや、不思議なのは僅かな差しかない顔を識別できる人間の能力の方だ。例えば、大勢の人の中から見知った人の顔を見つけ出すことは誰にでもできるだろう。双子でもないかぎり、一度しっかり覚えた人の顔を見間違うことはめったに無い。顔を識別できるだけではない。目は口程に物を言うと言われるように、顔に現れる微妙な感情の変化を敏感に感じ取ることもできる。

 

 一方、コンピューターでの人間の識別は目と目の間隔などを数値化して識別するもので、人間ほど微妙な差は識別できない。ましてや、感情の揺れをくみ取ることはまだまだ初歩的な試みが行われているだけだ。

 では、人間はどのようにして人の顔を識別しているのだろうか。詳しいことは今も解っていないと思う。たとえば、見知った人の顔はどんなになっているのか、目は? 眉毛は? と言われても、大きいとか太いなどとは言えても、細かいことは具体的に表現できない。似顔絵描きでもないかぎり、絵に書くこともできない。見れば識別できるだけなのだ。それは、書くことはできないが、読むことはできる漢字に似ている。

 

 顔にはその時の感情だけでなく、今までの歴史の積み重ねも刻まれている。新聞の犯罪者の写真を見ると、すれ違ったら脇に避けたくなるような顔をしていたりする。ベテランの職人さんの顔には、いかにもその道一筋に打ち込んできた人生を感じることがある。

 

 「さて」と言ってあらためて鏡を見る。そこには、相変わらず好きになれないわが顔があるが、もはや鋭さや、嫌味な点は影を潜め、そこにはただ大過なく過ごしてきた無難な人生しか見えない。ひねくれてツッパっていた青年も、ムキになって仕事していた中年もなく、ただ静かな老年があるだけだ。

 

 

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人生のスタート

2018年01月23日 | 個人的記録

 

 このブログ、年頭の1月ぐらいは毎日更新してやろうじゃないか、と22日間、頑張ってきた。暇なときに、いや昼寝と録画TVに飽きたときに書き溜めて、予約投稿機能を使って、まとめてアップしておいたが、ついに種切れだ。

 そこで、PC内を探して数年前の書き物を見つけた。お題は「人生のスタート」。

 

 

 人生のスタートをきった女性がいる。二週間も早くこの世に出てきたため身体は小さいが、元気一杯だ。思ったよりシワが少なく猿よりは人間に近い。さすが我が孫娘。

 

 まだほとんど眠っているが、ときどき起きて体中で泣く。足の指をそらせて、足を踏ん張って、小さな体を震わせて一生懸命泣く。顔をシワだらけに、真っ赤になって必死に泣く。そして、ふと泣き止んで眉を寄せて一人前の顔をしてから、また眠る。

 

 赤ん坊はこんなにも、か細くたよりないものだったのか。しかし、一途に、必死に生きている姿に、なんとしても守ってあげようと思う。母乳をしっかり飲んで、しっかり寝て早く大きくなって欲しい。息子が嫁さんに教わりながらこわごわと、顔を崩しながら赤ん坊を抱く。つい最近まで(?)幼かったあの息子が父親とは、まだ信じられない。

 

「周囲が笑っているなかで本人は泣きながら生れ、周囲が泣いているなかで、本人は微笑みながら死ぬ。これが幸せな人生だ」とアメリカン・ネイティブは言うそうだ。

 私もおそるおそる赤ん坊を抱いて思う。この子が中学まで、高校まで、いや可能なら幸せな結婚をするまで見守りたい。そして、私自身、やりたい事を残さずチャレンジし、微笑みながら人生の幕を引きたいものだ。

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東野圭吾『夜明けの街で』を読む

2018年01月22日 | 読書2

 

 東野圭吾著『夜明けの街で』(角川文庫 ひ16-8、2010年7月25日発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる――。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。彼女は真犯人なのか? 渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた・・・・・・。

 

 建設会社に勤務し、妻と娘と幸せな家庭を持つ40代の渡部。会社に派遣されてきた秋葉を見ても当初はなんとも思わなかった。大学時代の友人と飲み会の後、訪れたバッティングセンターで、ひとり歯を食いしばってバットを振る秋葉に出会う。カラオケに誘い、飲みすぎて潰れた秋葉を、渡部は彼女の家まで送って行くが、途中でゲロを吐きかけられ背広を汚された。秋葉は「ごめんなさい」となかなか言うことができないと告げる。その後、何度か食事する仲になるが、とくに進展はしない。

 食事帰りに秋葉の実家(お屋敷)に立ち寄り、玄関先で出ようとする彼女の父親と出会う。いつもそこで別れるのに、なぜか秋葉は、父親に「お茶でもお出ししようと思ってるの、いいでしょう?」と言い出し、父親に別れを告げ、二人で家に入る。そして二人は・・・。

 

 

 本書は2007年6月角川書店より単行本として刊行。

 

 

私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

 

 男が謎のある跳ね返りの若い女性にどんどん惹かれていくところは上手く書かれている。離婚経験のある東野さんの体験が活かされているのか?? しかし、不倫小説などどこにでも転がっている。心理分析、とくに女性心理は東野さんの最も不得意とするところだろう。

 

 ミステリー性もぱっとしない。大騒ぎして、結局〇〇だなんて、バカバカしくなってしまう。

★(一つ星:無駄)は、いろいろな分野に挑戦する東野さんの応援団としては付けられないので、★★(二つ星:読めば)にした。

 

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

 

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東野圭吾『片想い』を読む

2018年01月21日 | 読書2

 

 東野圭吾著『片想い』(文春文庫ひ13-4、2004年8月10日文藝春秋発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが…。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。 解説・吉野仁

 

 帝都大のアメリカンフットボール(アメフト)部の仲間の同窓会で始まる。

 QB(クォーターバック)だった西脇哲朗はマネージャーの理沙子(旧姓高倉)と結婚していたが、二人は最近しっくりこなくなっていた。帰り道、哲朗と須貝はもう一人のマネージャーだった日浦美月を見かける。驚いたことに、LGBTの美月は現在は男として生きていると告げる。さらに「人を殺したんだ」と告白する。バーテンとして働いていたバーのホステスの執拗なストーカーを殺してしまったという。哲朗と理沙子は美月を警察に行かせないと決意する。翌日、須貝は去り、美月と付き合っていたアメフト部の中尾功輔が哲朗を訪ねてくる。

 LGBTの問題が壁を作る中で、事件の真相を求めてもがく哲朗。30代半ばを過ぎ、多くの問題を抱えながらかっての仲間は哲朗と再びフォーメーションを組む。

 美月、哲朗、理沙子、中尾はどう決断したのか。背景にある片想いとは。

 

 吉野仁氏の解説によれば、東野氏に「青春の残像を残した三十代半ばの男女をストーリーの主役にしよう」と本作の構想がひらめいたのはSMAPの「夜空ノムコウ」を聞いたときだという。

 すぐに「元アメフト部」が浮かび、LGBTはその先だろうという。

 

 初出は「週刊文春」1999年8月26日号~2001年3月30日号。単行本は2001年3月文藝春秋より刊行。

 

 

私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

 謎解きとしてはそれほどのことはないが、LGBTの問題と、かってのアメフト部の仲間の動きを絡ませて語っていき、大部な本をどんどん読み進めさせる力がある。

 

 2000年当時にLGBTの問題を、真正面から取り上げたのは先見性があったと思う。LGBTで各人の秘密が深くなり、話が複雑となる。とくにトランスジェンダーの〇〇は誰が好きなのか訳が分からない。

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

 

登場人物(ネタバレにつながります)

 

西脇哲朗:帝都大アメフト部のQB。

西脇理沙子:哲朗の妻。カメラマン。帝都大アメフト部のマネージャー。

日浦美月:帝都大アメフト部のマネージャー。神崎ミツル名で「猫目」のバーテンをしていた。

早田幸広:昭和新聞社のフリーランス記者。帝都大アメフト部の名タイトエンド。

須貝:損保勤務。帝都大アメフト部のエース・キッカー。

高城功輔:旧姓中尾。かって美月と付き合っていた。帝都大アメフト部の俊足ランニングバック。

高城律子:功輔の妻。

安西:帝都大アメフト部

松崎:帝都大アメフト部

 

佐伯香里::通称カオリ、「猫目」のホステス。本名は佐伯カオルor立石卓(すぐる)

野末真希子:バー「猫目」のママ

向井宏美:バー「猫目」のホステス

戸倉明雄:カオリのストーカー。美月に殺害される。門松鉄工所専務。

戸倉泰子:戸倉明雄の妻だが別居。息子は将太。

戸倉佳枝:戸倉明雄の母。

 

有坂文雄:陸上部コーチ。

中原:陸上部チームドクター。大学助教授。

末永睦美:第一高校の陸上選手。戸籍上は女性。真性半陰陽。

 

広川幸夫:日浦美月の別居している夫。地元信用金庫の支店長代理。息子は悠里。

 

相川冬紀:その種の店「BLOO」(ブルー)の経営者?

嵯峨正道:劇団「金童」主宰

 

 

望月:警視庁の刑事

 

 

 

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底をさらけだしている井の頭公園池

2018年01月20日 | 散歩

 

久しぶりの井の頭公園。

西の端から見ても、


七井橋から東を見ても、


いつもは白鳥の足漕ぎボートが一杯の西を見ても


見えるのは、泥と池底ばかり。

池の水をすっかり汲みだして、かいぼり実施中だ。


外来種(青)8種、311匹に対し、在来種10種、1670匹で
かいぼりを繰り返していることで在来種が増えているらしい。


昨年10月末の台風22号の強い雨で地下水位が上昇し、12月末まで井の頭公園の池の周辺で湧水が湧き出し、池への井戸水の補給を止めていた(12月現在)。

今でも、盛んな湧水を、水門橋から


どんどん神田川へ流している。

井の頭公園駅の東側の公園には、陸に上がった白鳥がずらり。


居ました! 黒一点の眉が凛々しい白鳥が一羽!


3月初旬まで天日干しにされた後、元の水位に戻すという。

4月初旬にはまた池に写る桜が見られるだろう。

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東野圭吾『時生』を読む

2018年01月19日 | 読書2

 

 東野圭吾著『時生(トキオ)』(講談社文庫 ひ17-25、2005年8月15日講談社発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った――。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

 

 

 宮本拓実は勤めてはすぐに喧嘩して辞めてしまう根性なしの若者だった。花やしきで「トキオ」と名乗る少年と出会い、自分の住むアパートにトキオを居候させる。 拓実にはスナックで働く千鶴という恋人がいて、金に困っては金をたかっていた。

 千鶴が、とりあえずの金を渡して紹介した面接を、拓実はパチンコで金を使ってしまい、おまけに面接前に喧嘩してしまう。帰宅すると千鶴は突然姿を消し、置き手紙には別れの言葉があった。拓実には未練が残るある日、イシハラという名の危なそうな男が千鶴を探していると知る。拓実は、トキオとともに、何か大きな事件に巻き込まれているらしい彼女を探し始める。

 

 本書は2002年7月に講談社より単行本された『トキオ』を改題。

 

 

私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

 未来から過去へ舞い戻るという話で、そのまま信じられない話ではあるが、ダメ人間の親の拓実と、将来を知ってしまっていて心配な少年トキオとの、一見逆のやりとりが面白く、読み進められる。

 

 拓実の実母への恨みはガキそのもので、少しも同情できない。このあたりを軸とした展開が続くが、少々うんざりぎみだ。

 

 話の流れは面白く興味を持てるのだが、結局分かった謎の疑惑自体は、1979年に発覚したKDD事件がモデルで深味はない。

(1979年10月モスクワを訪問したKDD板野学社長に同行した社員2人がネックレスやブローチなど数千万円相当を持ち込んだのを税関が発見した。やがて、板野社長のでたらめな公私混同が世論から叩かれたが、郵政省への過剰接待、政治家への巨額献金は徹底究明されずに終結した。)

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

登場人物

 

宮本拓実:23歳の拓実は、ギャンブル好きで、仕事が長続きしない。自分を捨てた母を恨み、性格が屈折。

宮本麗子:拓実の妻。男性にだけ現れる先天的な病気・グレゴリウス症候群の遺伝子を持つ。

宮本時生(トキオ):拓実の息子。先天的な病気・グレゴリウス症候群で3年寝たきりなっている。

 

早瀬千鶴:拓実の恋人。スナックで働く。拓実を信じてはいつも裏切られる。ある日突然・・・。

宮本邦夫:拓実の養父。

宮本達子:拓実の養母。

東條須美子:拓実の実母。旧姓麻丘。貧困の中、病気になり、拓実を里子に出す。後、老舗の和菓子屋に後妻として嫁いだ。

 

坂田竹美:千鶴の友人。気が強く、しっかり者。イシハラに捕まった千鶴救出に協力。不幸な生い立ちにめげずに、前向きに生きる。

ジェシー:2m近い大男の黒人。竹美の恋人。元ボクサー。

坂田清美:竹美の母。夫の暴力から娘を守るために、夫を殺した過去をもつ。

 

岡部竜夫:千鶴と共に失踪した謎の男。

イシハラ・ユウジロウ:闇の世界のヤクザのような謎の男。秘密を持ち出した岡部を追い、一緒の千鶴を捜す依頼を受けた。

日吉譲:イシハラの子分。戦闘のプロ。

 

麻岡たつ:須美子の母

高倉昌文(まさふみ)国際通信会社勤務の謎の男。

柿沢巧(爪塚夢作男):拓実の父。幻の漫画家。病気の後遺症で歩けなくなった。

 

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東野圭吾『流星の絆』を読む

2018年01月18日 | 読書2

 

 東野圭吾著『流星の絆』(講談社文庫 ひ17-27、2011年4月15日講談社発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けたはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。著者会心の新たな代表作。

 

 題名の由来は、功一の言葉、「俺たちって、流れ星みたいだな」「俺たち三人は繋がってる。いつだって絆で結ばれてる。だから、何もこわがるな」から。

 

 神奈川県横須賀市にある絶品のハヤシライスが売り物の洋食店「アリアケ」の三兄妹、功一、泰輔、静奈は、夜中に家を抜け出してペルセウス座流星群を観に出掛けている間に、両親が何者かにより刺されて殺されていた。頼るべき親戚がない三兄妹は養護施設に入る。

 

 静奈が施設を出て、同居していた二人と一緒になって、すぐ静奈が資格商法に引っ掛かり、功一も勤めていたデザイン事務所の逃亡で多大な被害を受けた。以後、強く生きるため、三人も力を合わせて騙す方に回り、金持ちを詐欺にかけるようになっていく。作戦立案は功一で、武器は静奈の美貌と泰輔の擬態。詐欺金額が百万円以下はCクラス、百万以上がBクラス、上限無しがAクラスだ。

 

 いつまでも続けられないと最後のターゲットにしたのは洋食チェーン「とがみ亭」御曹司の戸神行成。1千万円の偽宝石を売りつけようというのだ。

 両親殺害事件後14年、時効になろうとしていた。戸神行成に近づくにつれ、「とがみ亭」を大きくしたのがハヤシライスで、その味が殺害された父親のレシピそのものだと確信する。さらに行成の父親の政行が、事件後家から出てきた人物に似ているとわかる。有罪となる証拠を持ち込み、順調に追い詰めていくが、静奈が行成に恋して、事態は複雑になっていく。

 

 

初出:『週刊現代』2006年9月16日号~2007年9月15日号

 本書は2008年3月に講談社より単行本として刊行。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

 兄妹3人が犯人だと決めつける根拠が決定的ではないという思いに最後まで引っ張られて、どうにもすっきりしないまま読み進めた。結局犯人は意外な人物だったのだが、これも完全には納得できない。

 

 東野さんの作品は、話の進め方が巧みで抵抗がなく、スイスイ読み進められて楽しいのだが、一方では、重いところがなく、軽い話をドライブしていくので読みやすいのでは、と思ってしまう。エンタテインメントの一つのあるべき姿なのだろう。

 

 以前住んでいた横須賀周辺の地名、横須賀中央駅、走水、衣笠などが出てきて、懐かしい。その他、吉祥寺、麻布十番など馴染みの地名も多く、引き込まれてしまう。

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

登場人物

 

有明功一(ありあけ・こういち):主人公。三兄妹の長男。事件当時小学6年生。

施設を出た後に勤めたデザイン設計会社が突然倒産して、下っ端なのに後始末を強いられる。その後、人を騙す方に回り、泰輔と静奈を実行役とする。父親秘伝のハヤシライスのレシピが書かれたノートを大切に持っている。

有明泰輔(たいすけ):三兄妹の次男で、事件当時小学4年生。

事件の夜に家から出てきた人物の顔を目撃。詐欺のため、種々の業種の人間に扮装する「擬態の天才」。

矢崎(有明)静奈(しずな):事件当時小学1年生。功一と泰輔の妹だが、血縁はない。愛称は「シー」。

美貌を武器に「高峰佐緒里」などの偽名を使い、男を虜にする。

有明幸博(ゆきひろ):横須賀の洋食店「アリアケ」の経営者。功一と泰輔の実父。事件の被害者。

ハヤシライスの味にこだわりを持つ。多額の借金を抱えていた。

矢崎(有明)塔子:静奈の実母。事件の被害者。幸博とは未入籍。

 

戸神行成(とがみ・ゆきなり):大手洋食チェーン「とがみ亭」専務。三兄妹のAランクのターゲットになった。仕事一途で真面目だが、静奈に恋する

戸神政行:「とがみ亭」経営者で、行成の父。

ハヤシライスを名物メニューに、14年前から急速に繁盛する。三兄妹の特Aランクのターゲット。

戸神貴美子:行成の母。

 

萩村信二:若手刑事。妻と子どもがいる。事件前に「アリアケ」で食事をしていた。

柏原康孝(やすたか):横須賀署のベテラン刑事。別れた息子が病死。

横山:白髪のベテラン刑事。

山辺:ベテラン刑事。

 

野口:功一の担任教師。岡田:泰輔の担任教師。津島:静奈の担任教師。

 

小宮康志:三協銀行日本橋支店営業部。志穂の大学の先輩。泰輔の変装。

南田志穂:背が高い美人。成長した静奈の偽名。

高山久伸:志穂に好意を持ち、志穂と小宮の勧める投資を行う。

川野武雄:理科教師。35歳。ユカリ(静奈)を温泉旅行に誘う。

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東野圭吾『変身』を読む

2018年01月17日 | 読書2

 

 東野圭吾著『変身』(講談社文庫 ひ17-9、1994年6月15日発行)を読んだ。

 

 裏表紙にはこうある。

世界初の脳移植を施され、一命を取り留めた青年、成瀬純一。恋人とのささやかな日常を取り戻した彼に異変が訪れる。凶暴化する性格、変わりゆく才能。変化を止められない純一は、提供者(ドナー)の影響を疑う。画期的な手術に隠された真実とは。他人の脳に支配されたとき、彼女を愛する心も消えてしまうのだろうか。

 

 成瀬純一(24歳)はある不動産屋で少女を助けようとして強盗に撃たれたが、世界初の成人脳片移植手術によって一命をとりとめる。
 しかし、大人しかったはずがキレやすくなり、絵を描くのが好きだったのに音楽が好きになるなど変わってしまい、職場でも嫌われる。
 やがて入れ替えられた右脳の提供者(ドナー)が、事件後自殺した強盗犯であったと知る。死後も意識は脳の中に残っており、徐々に純一の脳を支配していく。 恋人の恵に魅力を感じないようになり、移植手術した堂元教授の助手橘直子に心惹かれるようになり・・・。そして、・・・

 

 

 本書は1993年6月講談社ノベルスとして刊行。

 2005年に映画化。2014年にWOWOWでTVドラマ化。

 

 

私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

 

 脳移植など現実味がないSF調で、移植した脳に支配されるなど、どこかで聞いたような話で、現実味も新鮮味もない。

 荒唐無稽の話も、人物や生活に厚みがあり、深く描かれていれば、心を打つのだが、初期の東野作品には頭だけで作り上げたものも散見される。この作品が典型的。

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 

 

登場人物

 

成瀬純一:24歳。産業機器メーカーのサービス工場勤務。職場では、従順な「お利口さん」、恋人の恵にはジュンと呼ばれ、休みの日は絵を描いて過ごす。父も母も他界している。

葉村恵:純一の恋人。画材ショップ「新光堂」の店員。ソバカスがある。

堂元(どうげん):東和大学医学部脳神経外科教授。

橘直子:堂元の助手。化粧気は無いが、美人で、ジェクリーン・ビセット似ている。

若生(わかお):堂元の助手。橘に好意を持っている。

光国(みつくに):心理学教授。堂元の紹介で純一にインタビューしようとする。

 

葛西三郎:成瀬の同僚。

矢部則夫:成瀬の同僚。ひょうきんな男。

酒井:入社が成瀬より2年早い職場の先輩。喧嘩っ早い。

臼井悠紀夫:成瀬の隣の部屋に住む学生。金持ちの息子。

 

関谷時雄:成瀬に移植された脳のドナー。享年22。交通事故で死亡。小学校以来喧嘩はしたことがない。

関谷明夫:時雄の父。小さな喫茶店「赤煉瓦」を経営。

京極瞬介:不動産屋を襲い、成瀬を撃った犯人。去年母親が風邪をこじらせて死亡。心臓手術代を払わなかった内縁の夫で不動産屋社長の番場に復讐しようと犯行に及び、屋上から金をばらまいて自殺。

京極亮子:瞬介の双子の妹。駅前などで似顔絵描きをしている。

番場哲夫:「バンバ不動産」の社長。瞬介の母と籍も入れず、瞬介を認知しなかった。

 

嵯峨典子:不動産屋の事件で純一が助けた少女。

嵯峨道彦:典子の父親。法律事務所を経営。入院費を肩代わりするなど純一の力になろうとする。

 

倉田謙三:捜査一課の刑事。

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