hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

青山七恵「魔法使いクラブ」を読む

2010年01月10日 | 読書2

青山七恵著「魔法使いクラブ」2009年11月幻冬舎発行を読んだ。

宣伝文句は以下。
小学校4年生の結仁は魔法使いになりたいと真剣に願うちょっと変わった女の子。放課後は毎日、幼なじみの史人、葵と魔法使いになるための特訓をしていた。合い言葉は、「3人の願いが叶うまで魔法使いクラブをやめてはいけない」。しかしある日、七夕の短冊にその願いを書いたことがきっかけで一瞬のうちに、クラスの笑い物になってしまう。一人だけ違う世界にはじきとばされたような、さみしくて怖い気持ちに襲われる。8年後、高校3年生になった結仁はまだ、「世界は突然自分を裏切り、はじきだす」という呪いのような記憶にしばられて生きていた―。


第1章が小学生、第2章が中学生、第3章が高校生時代になっている361ページある書き下ろし長編。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

第1章の子供向け小説から、第2章のヤングアダルト小説と続き、一転、第三章では悲惨、陰惨な話に変わる。この変化になかなかついて行けない。小学生の心理は良く書けているとも言えるが、こんな小説ならいろいろな人が書いている。青山七恵さんには、一つ一つ言葉を選んで紡いでいく手作りの小説を期待したい。

小学生の3人が魔法使いになろうと隠れ家で訓練に励む。読み始めは、なんだ、これ子供向けの小説で、ほのぼの系じゃないかと思った。ところが、主人公はもともとクラスでは孤立しがちだったが、ひょんなことから完全孤立、いじめ状態になる。第2章で中学生になってもまだ魔法などと言っていて、異常とも思えるほどまだまだ幼い。
そして、第3章では悲惨で破滅的な話が展開し、それまでの雰囲気が一変する。そして、兄弟に救いはあるが、主人公は地平に放り出された形で終わり、読後感は良くない。



青山七恵は、1983年、埼玉県生まれ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005年、在学中に書いた「窓の灯」で文藝賞、2007年「ひとり日和」で芥川賞受賞。2009年、「かけら」で川端康成文学賞を最年少で受賞。その他、2008年「やさしいため息」、2009年本書「魔法使いクラブ」。




コメント (1)
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