hiyamizu's blog

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草笛光子『いつも私で生きていく』を読む

2024年07月07日 | 読書2

 

草笛光子著『いつも私で生きていく』(小学館文庫く15-1、2018年8月12日小学館発行)を読んだ。

 

小学館の内容紹介

草笛光子 女優84歳 初めての自叙伝
80代を過ぎてなお、美しく輝き続けている草笛光子さん。そんな草笛さんが初めて半生を語り下ろした話題の1冊です。毎日の生活から、健康や美容、グレイヘアの誕生秘話、女優生活、そして「老い」と付き合い方まで。巻末エッセイは女優の中谷美紀さん。「いつまでも美しく、気高く自由なお姿に羨望を隠しきれません」(本文より)。

 

まえがき

長年女優という仕事でいろいろな女性を演じてきましたが、私自身の人生は波乱万丈からは程遠く、自叙伝的な本は出すつもりはありませんでした。しかし、普段の生活は? 健康や美容で気を付けていることは? 心も元気に保つコツは? 「老い」についての思いは? などを書いてみないかと問われて、初めての自叙伝を書いてみました。

 

第1章 「毎日の健康法」 体も心も“元気”でいたい

特に舞台のお芝居は“体力”がものをいいます。70歳を過ぎてからパーソナルトレーナーをつけてトレーニングするようになりました。実感しているのは、身体がぶれにくくなり、転ばなくなったことです。

 

第2章 「美容とおしゃれ」私らしく楽しみたい

がん闘病の女性役を演じ、坊主頭になって、公演が終わって髪がほんの少し伸びたころNHKの仕事が来た。スタイリストから「おしゃれだからそのままで」と言われて、ベリーベリ―ショートの白い髪で出演し好評だった。70歳少し前から白い髪のままでいるようになり自然体になった。

 

第3章 「女優人生」 こわいもの知らずで挑み続けてきた

・女優であれば、「役」の後ろに自分は隠れていることができます。草笛光子という芸名もまた私の「役」です。

・私が入学した現・横浜平沼高等学校の舞踏サークルには1年先輩に岸恵子さんがいました。

・26歳のとき、作曲家の芥川也寸志さんと結婚し、お嫁に行く朝、両親、祖父母の前で、「おじいちゃん長いあいだ……。私、ちょっと行ってきます」と胸がいっぱいになって、あいさつしました。1年9カ月、ほんとうに“ちょっと”だったと、あとあとまでの語り草です。

・37歳のとき、「ラ・マンチャの男」でアルドンサ役を演じましたが、何度目かの再演(4公演目)で私は降ろされ、別の女優さん(上月晃)に代わり、くやしくて、毎日「こんちくしょう、こんちくしょう」でした。歯をくいしばっていたところ、「シカゴ」の出演が決まったのですが、なんと相手役がその女優さん(上月晃)になって苦しみそのものでした。しかし、「ミュージカルは苦しくても、辛くても、自分が楽しくないと…」と教えられ、後は無心に稽古できました。

 

第4章 「人間関係」 群れずに、出会いを大切に  略

第5章 「このごろ思うこと」 「これまでのこと」ではなく「これからのこと」を  略

あとがき  略

文庫のための長いあとがき  略

 

 

本書は、2012年5月にベストセラーズより刊行。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

気楽に一気読みした。

長年、競争が厳しい業界でトップを走ってきた秘密は、のんびりした雰囲気の根っこにある負けず嫌いだと思った。この二つがバランス良く持ち合わせていることが草笛さんの宝だ。


特に舞台での芝居の仕事は、体力勝負でもあり、年と共に節制や運動を怠らないことが必須だ。同時に、演出家などに可愛がられるなど人間関係にも配慮するなど頭も良くないと難しいだろう。さらに、芝居は常にチャレンジしないと生き続けられないらしく、厳しい世界だ。

 

 

草笛光子(くさぶえ・みつこ)

1933(昭和8)年生まれ、横浜市出身。

1950年松竹歌劇団に入団。
1953年「純潔革命」で映画デビュー。
主な出演映画に「社長シリーズ」『それから』『犬神家の一族』『沈まぬ太陽』『武士の家計簿』など。

2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』では真田信繁の祖母役を務めた。

日本ミュージカル界の草分け的存在で「ラ・マンチャの男」「シカゴ」などの日本初演に参加。

舞台・映画・テレビと幅広く活躍し、芸術祭賞、紀伊國屋演劇賞個人賞、毎日芸術賞、日本アカデミー賞助演女優賞など受賞多数。

1999年に紫綬褒章、2005年に旭日小綬章を受章。

「週刊文春」にて隔週でエッセーを連載。

90歳の草笛光⼦さんが100歳の主⼈公・作家 佐藤愛⼦を演じる『九⼗歳。何がめでたい』が2024年6月21日全国公開。

 

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