hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

柚月裕子『検事の信義』を読む

2019年07月30日 | 読書2

 

柚月裕子『検事の信義』(2019年4月20日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

KADOKAWAの宣伝文句は以下。

累計40万部突破の「佐方貞人」シリーズ、6年ぶり最新刊!

作家デビュー10周年記念作品

映画化『孤狼の血』本屋大賞第2位『盤上の向日葵』の次は、これだ。
孤高の検事の男気と執念を描いた、心ふるわすリーガル・ミステリー!

任官5年目の検事・佐方貞人は、認知症だった母親を殺害して逮捕された息子・昌平の裁判を担当することになった。昌平は介護疲れから犯行に及んだと自供、事件は解決するかに見えた。しかし佐方は、遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱く。独自に聞き取りを進めると、やがて見えてきたのは昌平の意外な素顔だった……。(「信義を守る」)

 

検事(その後弁護士)・佐方貞人シリーズ。今回は佐方検事の事務官・増田を語り手とする『裁きを望む』、『恨みを刻む』、『正義を質す』、『信義を守る』の短編4作。

 

いずれの事件も、検察の立場からは不名誉となる判決結果になるが、それでも佐方は「罪をまっとうに裁かせる」という信念に基づいて事件を解決する。

 

佐方貞人(さかた・さだと):米崎地検・検事。任官4年目の若手刑事。筒井と共に刑事部から公判部に異動。しわがよったスーツ、手櫛の髪。ヘビースモーカー。父は弁護士の陽世だが、業務上横領罪で獄中死。母・小百合は3歳で病没し祖父母に育てられる。

増田陽二:佐方検事の事務官

筒井義雄:米崎地検・公判部・副部長、佐方の直接上司で理解者

本橋武夫:米崎地検・次席検事、筒井の上司

南場輝久:米崎東署・署長。出世を諦めたので是々非々。以前の事件で佐方の信頼が厚い。

秋霜烈日(しゅうそうれつじつ):秋の冷たい霜や夏の日差しのような気候の厳しさ。検事が胸に着けるバッジ。

 

「裁きを望む」

芳賀渉(わたる):故・郷古(ごうこ)勝一郎の時計を盗んだとして逮捕・起訴され法廷へ。勝一郎の隠し子。

郷古麻恵:勝一郎の妻。芳賀渉の認知に反対した。

吉田高子:郷古家の家政婦

井原智之:県下最大の法律事務所の代表弁護士。郷古家の顧問弁護士。

一事不再理:「憲法39条。何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない」

 

「恨みを刻む」

最後にちょっとだけ、警察内部での争いというひねりがある。

室田公彦:旅館従業員。34歳。覚せい剤所持で逮捕。再犯。

武宮美貴:スナック経営。幼馴染の室田を、覚せい剤所持と警察に密告。

鴻城伸明:米崎西署・生活安全課主任。悪徳刑事。

 

「正義を質す」

スキャンダル雑誌「噂の真実」に「現職検事が裏金の内幕を暴露!」の記事が出た。

木浦亨:佐方と司法修習生の同期。広島地検勤務。

上杉義徳:広島高検の次席。

八百坂一志:広島高検公安部長。なにかと問題のある刑事。

溝口明:広島県最大暴力団・仁正会理事長。恐喝容疑で公判にかかり、担当は佐方。

日岡秀一:広島北署暴力団係の巡査。

 

「信義を守る」

 

道塚昌平:55歳。無職で母の介護。須恵の遺体発見2時間後、5キロ離れた時点で発見された。

道塚須恵:85歳。昌平の母。5年前から認知症。自宅から徒歩10分のところで絞殺死体で発見された。

矢口史郎:米崎地検刑事部検事。任官12年目。本事件の公判引継書では求刑懲役10年。

尾形徹:昌平がかって勤務していた「コウノトリ便」の所長。

堀弓子:須恵が通っていた「深水デイサービス」の所長

 

昌平が身柄を確保された場所を探しに行った佐方と増田は、そこに「ある象徴」を見つけた。

佐方は筒井から、「そこは、よく調べたと褒めてやろう。だが、お前がやろうとしていることは、今後、お前が検事として生きづらくなるかもしれんことだ。それでもいいのか」と言われる。

佐方は「裁判は私のためにあるのではありません。罪をまっとうに裁くためにあるのです」と答える。

 

 

初出:「このミステリーがすごい」「警察アンソロジー 所轄」「小説野性時代」など

 

柚月裕子 経歴&既読本リスト

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

読みやすく、興味をもって読み進められる。しかし、読み終わって、特別に面白かったとは言い難い。

 

弁護士になってからの佐方のしたたかで人生を知った対応に興味がある。この本での若手検事の佐方は、真面目で熱心なのは良いのだが、硬直ぎみの堅物すぎて、面白味に欠ける。「正義を質す」の対応が限界だったらしい。

いずれにしても、この件で結局検事をやめて弁護士になったのだろう。

 

『虎狼の血』の呉原署・日岡がちょっとだけ登場する。あまり意味のない場面なので、シリーズファンへのサービスなのだろう。

 

 

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久しぶりの夏空

2019年07月29日 | 日記

 

7月26日(金)昼時、東の空を見ると、久しぶりの夏空だった。

 

爽快で、夢拡がる雲。

 

 

啄木ではないが、「空に吸われし、15の心」だ。後期高齢者だけど。

 

 

 

 

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Sugarvine(シュガーバイン)のケーキ

2019年07月28日 | 食べ物

 

井の頭通り沿い、都立西高の西側にある「Sugarvine」でケーキを買った。

 

 

「シュガーバイン」は、ブドウ科の常緑つる性の観葉植物で、葉の裏に白くて甘い樹液をつけることからSugarの名がついているらしい。

 

だいぶ前になるが、何回かこの店でケーキを買ったのだが、ブログにはアップしていなかった。

そんなに高くなく、普通以上においしい。店内で食べるスペースもある。

店員さんも、ガラス窓の部屋のなかで働いている人も女性だ。昔、「男性は居ないんですか」と聞くと、「そんなことありませんよ」という答えだった記憶があるのだが。

 

ご購入は4個なのだが、写真はこれだけ。

 

 

しかも、チーズケーキを食べかけてから写真を撮った。ダメじゃん!

 

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「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリ-」でランチ

2019年07月26日 | 食べ物

 

「リベルテ(LIBERTÉ)」は、吉祥寺通りから大正通りに入り、東急角の「月和茶」の次の通りを北に入ってすぐ右側にある。

 

「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリ-」は、パリには1,200店以上ブーランジェリー(パン屋)があるが、3年前創業にもかかわらず人気店となった。世界展開1号店として2018年3月24日にLIBERTÉ東京本店を吉祥寺にオープンした。

 

 

1階は、店内で毎日作るスイーツやパンを販売する。2階はカフェで“オリジナルメニュー”を提供。9時~11時までなら、1階で買ったパンを2階で食べることもできる。

店に入ったのが11時過ぎだったので、11時~15時の「MUNU MIDI」。

 

私は、野菜が山盛りの「3種デリプレート」 ¥1350。

 

 ドレッシングも美味しいのだが、なにしろ山盛りで途中で飽きが来る。味が濃い目の付け合わせのキノコと一緒に食べると、さらに行ける。

相方は、メカジキのジャガイモフリット「魚プレート」¥1550.

 

 

これに、さすがにおいしいパンが付く。下にあるのはトマトのパテ?

 

 

飲物は、カフェオレ¥350とホットティー¥300

 

 

ちょっと高めだが雰囲気も良い。次回は11時までに入り、イートインしよう。

 

 

 

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映画「新聞記者」を見る

2019年07月24日 | 政治

 

官房長官記者会見で執拗に質問し(て質問拒否を勝ち取っ)た中日新聞記者・望月衣塑子の『新聞記者』(角川新書)を原案にしたジャーナリズムを描いた映画「新聞記者」を見た(特設リンク)。

 

東都新聞の記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)の父親は優秀な新聞記者だったが、政治スキャンダルに関する誤報を出して自殺した。母は韓国人で、アメリカで育った。彼女のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届き、真相を求めて調査をはじめる。

一方、外務省から内閣官房の内閣情報調査室(内調)に出向している杉原(松坂桃李)は、反政権的メディアへの批判・揶揄をTwitterに投稿したり、反政権的な人物の信用を失墜させるスキャンダをでっち上げるなどの仕事に葛藤していた。愛妻の出産が迫ったある日、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するが、数日後、神崎はビルの屋上から自殺した。

妨害の中、真実に迫る新聞記者と、闇におびえながら選択を迫られるエリート官僚が交差し、社会が大きく動き始める。

 

首相肝煎りの大学新設をめぐる不正、職務と良心の板挟みの官僚の自殺、首相に近いジャーナリストによるレイプ疑惑など、現実の政権疑惑も混じりあう、展開。

劇中のテレビ番組に、原案の新聞記者・望月衣塑子氏と前川喜平元文部科学事務次官が出演し、ますます虚実が混じりあう。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

安倍政権にうんざりし、首相登場のTVに向かって吠えてすぐチャンネルを変える人、予想通りとはいえ選挙結果に絶望している人(それは私です)の欲求不満をいっときだけ治めるには良い。しかし、「自民党、しょうがないんじゃない」と言う人の心には届かない内容。

この映画は、フィクションの名のもとに、虚実をない交ぜにしている。こんな方法では政権の消極的支持派の心に訴えることはできない。きわめて地味であっても、本来の新聞のように、事実に基づく報道によってのみ、多くの人の信頼を勝ち取ることができるのだと思う。

 

熱血記者と、保身と良心に悩む官僚の図は典型すぎて新鮮味がない。いかにも記者といった野暮っぽさのシム・ウンギョンは好演。しかし、原作者の望月衣塑子と似ていて、混乱する。

 

安倍嫌いの人には受けるだろう。この映画、興行収入は上がっているようだが、見ているのは圧倒的に年寄だろう。隣りの席の夫婦が「本当は若い人にみてもらいたいんだけどね」と話していた。松坂桃李と本田翼は出ているが、この内容では無理だろう。翼ちゃんなんか、ほんのちょい役だし(不満!)。

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伊与原新『コンタミ』を読む

2019年07月22日 | 読書2

 

伊与原新著『コンタミ 科学汚染』(2018年3月19日講談社発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

大学院生の圭は、指導教員の宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪れる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者・美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか?圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが…。すべての真相が明らかになるとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける―。善意に付け込む、汚染された科学を暴く、サイエンス・サスペンス!東京大学大学院出身の著者が放つ、衝撃作。

 

コンタミ:コンタミネーション(contamination)汚染。とくに、科学実験等の場における不純物や異物の混入を指す。

 

町村:慶成大大学院1年。宇賀神の奴隷生活に耐え、製薬会社の席を確保しようともくろむ。

宇賀神崇:慶成大准教授。有望な若手教員。38歳。

蓮見教授:東都工科大。理論物理学者。エセ科学と戦う御大。助教は羽鳥(はとり)。

桜井冬美:東都大学の島津研博士課程で宇賀神と一緒。VEDY研究所のユニットリーダー。父は精司、妹は千秋。

VEDY(ヴェディ):万能深海酵母群。また、商品化している会社名。

海老沼教授:北陸理科大。応用微生物学。冬美が修士まで在籍。VEDY会長。

鍵山所長:VEDY代表取締役・研究所所長、PhD(環境微生物学)。謎の人物。

篠宮:VEDY研究所上席研究員。ウクライナ大学医学部留学中。

 

本作品は書き下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

なぜ優秀な研究者の桜井冬美が、研究者人生を棒に振ってエセ科学に力を貸したのか? ところどころに挿入されるがん患者日記の書き手は誰なのか? 謎は最後まで明かされないまま、エセ科学との戦いが続く。

 

語り手は修士1年の町村だが、実質主人公は、ちびでおしゃれで、気障・傲慢キャラ立ちの宇賀神だ。そして、宇賀神が純愛を捧げ、13回もプロポーズに失敗している桜井冬美が裏主人公になっている。

 

巷にはエセ科学が広く広がっている。しかし、その多くはエセであることを証明するのは困難だし、科学的考え方が身についていない人に説明するのは困難だ。とくに、信じたくなる状況にある時には。

 

 

伊与原新(いよはら・しん)の略歴と既読本リスト

 

 

私のアンテナに触れた言葉たち

 

「今日、君と初めて出会ったときから運命を感じていた。いや、たぶん出会う前から感じていた。」

映画「陽のあたる場所」(モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラー)からの宇賀神のパクリセリフ(p9)。

 

「長続きするたった一つの愛は、片思い」(ウディ・アレンの影と霧)

 

「…科学というのは、学べば学ぶほど、人を謙虚にするんだ。研究を進めるたびに、自然の精緻さと複雑さを思い知り、自分がその深淵のほんの入り口しかのぞいていないことを思い知る。…」

 

「科学はこの世のすべての人間に等しく同じものを見せる。……ほとんどの人間は、自分の見たいものしか見ず、信じたいことしか信じないだろう。そうでもしなければ、この世はあまりに生きづらい。でも、そのかたわらで、科学はただ淡々と、万人に同じものを見せ続ける。」

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伊与原新『梟のシェスタ』を読む

2019年07月20日 | 読書2

 

伊与原新著『梟(ふくろう)のシェスタ』(2015年7月20日光文社発行)を読んだ。

 

宣伝文句は以下。

昼夜逆転の生活。昼間は眠そうで不機嫌、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない。中世スペインを中心にした西洋建築史の専門家で、休暇はスペインで過ごす―。学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか?

 

主人公・語り手はキャラが立っていない吉川。しかし、本当の主人公はフクロウと呼ばれる袋井。ワトソンとホームズの関係だ。

 

吉川:専任講師。34歳独身。上司の首藤とは修復不可能。他のポストを探している。

首藤教授:吉川の上司。

里崎:心理学講座のただ一人の大学院生。首藤にこき使われている。情報通。

宗像教授:人文学部の学部長

袋井准教授:新任3ヶ月。上司は佐古教授。昼間は眠そうで、夜ギラギラし、よく「ほう」と言うので「フクロウ」と言われる。


佐古教授:西洋文化史講座。年度末で定年。日が落ちると同時に帰宅するのでカラスと呼ばれる。

 

吉川がアカハラ(アカデミック・ハラスメント)を行なっていると学生の砂原かなでから訴えられた。実際の加害者は首藤教授だが、なかなか暴露できない。学部長室で聴聞が行われ、吉川はついに激怒し……。

 


人文学部のパンフレット、学部紹介DVD作成すを吉川が押し付けられた。発注先はツクモ印刷で、担当は大学の卒業生の榎本だった。しかし、学長選にからむ無理な発注が告発され、発注先が変わった。その会社の営業マンは、袋井がナイペス(トランプ)のムス(ポーカー)で負けがこんでいた。

 

学会の基調講演を文科省にも顔がきく著名なボス教授を招待して行うことになったが、会場はダブルブッキングされていた。学部新設、変更をボス教授の協力で申請し、人文系を存続させる計画が危うくなった。ここでも袋井が暗躍し、…。

 

学長選が近づく中、大学に泥棒が入り、パソコンや現金が盗まれた。犯人は見つかったが、倫理学講座の助教・薮下は被害が無かったという。学長選では、首藤がつぶれた人文系には学長候補がおらず、人文系に否定的な医学部長の財津教授を阻止するために、理工学部候補を応援するしかない。

 

自分だけ生き残るための裏切りがあり、混乱したが、学内の意向投票では理学部の宇田川教授が圧勝した。しかし、学外委員が圧倒的な学長選考会議では、意向投票の結果が……。

 

 

伊与原新(いよはら・しん)の略歴と既読本リスト

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

大学内の勢力争いは、テクニックの実例豊富で良くわかる。しかし、大学職員間の実情や、小ざかしい争い、裏切りの連鎖に興味のない人には飽きが来るだろう。

 

なぞの人物である袋井には興味は湧くが、謎の部分がそのままで、もう少し描きこんでもらいたかった。

 

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角田光代の履歴 & 既読本リスト

2019年07月18日 | 読書2

角田光代(かくた・みつよ)の履歴 & 既読本リスト

 

角田光代(かくた・みつよ)
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年『幸福な遊戯』で『海燕』新人文学賞を受賞しデビュー。
1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、
1997年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、
1999年『キッドナップ・ツアー』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞、
2000年路傍の石文学賞
2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞
2005年『対岸の彼女』で第132回直木賞。
2006年『ロック母』で川端康成文学賞
2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞
2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞
2012年『 紙の月 』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花賞
2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞

2021年読売文学賞

をいずれも受賞


2009年ミュージシャン河野丈洋と再婚。習い事は英会話とボクシング。趣味は旅行で30ヶ国以上に行った。

 

他、『夜かかる虹』(『草の巣』を改題)、『森に眠る魚』、『マザコン』、『予定日はジミーペイジ』、『 愛がなんだ 』、『 ひそやかな花園 』、『 彼女のこんだて帖 』、『 かなたの子 』、『 曽根崎心中 』、『 それもまたちいさな光 』、『空の拳』、『私のなかの彼女 』、『おまえじゃなきゃだめなんだ』、『タラント

 

エッセイ集、『水曜日の神さま』、『 よなかの散歩』、『何も持たず存在するということ』、『わたしの容れもの』、『ちには物語がある』、『 さがしもの 』、『 幾千の夜、昨日の月 

その他、共著『 口紅のとき』、『 異性 』、『西荻窪キネマ銀光座』、共著『ベストエッセイ2014』、『楽しむマナー』、『私だけのふるさと 作家たちの原風景』、『KAWADE夢ムック 文藝別冊 向田邦子』、『ああ、恥ずかし

私との勝手共著『恋をしよ。夢をみよ。旅によう。 』、


1988年~1990年 彩河杏名義でジュニア小説執筆、1990年代はジュニア小説、純文学指向。

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辻村深月『かがみの孤城』を読む

2019年07月17日 | 読書2

 

辻村深月著『かがみの孤城』(2017年5月15日ポプラ社発行)を読んだ。

 

ポプラ社の宣伝文句は以下。

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

 

2018年本屋大賞第一位。

 

中学一年生の“安西こころ”は、真田美織により転校生の東条萌との仲を邪魔され、いじめにあい雪科(ゆきしな)第五中学校へ行けなくなった。一人で自分の部屋にいると、鏡が突然輝き始め、倒れこんで鏡の中へ引きずり込まれた。そこは城の中で、狼の面をつけた小学低学年くらいの女の子“オオカミさま”がいた。

集められたのは、

“こころ”:中一。安西こころ。

“リオン”:理音。ジャージ姿のイケメン。趣味と特技はサッカー。

“アキ”:晶子。ポニーテイルのしっかりしてそうな女の子

“フウカ”:中二。風歌。眼鏡をかけた声優声の女の子

“マサムネ”:中二。政宗青澄。ゲーム機をいじる生意気そうな男の子

“スバル”:中三。昴。「ハリーポッター」のロン似のそばかすの物静かな男の子

“ウレシノ”:嬉野。中一。小太りで気弱そうな男の子

 

ルール:

城に滞在が許されるのは9時から17時まで。課題は、鍵を探して“願いの部屋“に入った人だけ、ひとつだけ願いが叶う。期限は3月30日まで。願いが聞き届けられたと同時に、7人は城のことも、過ごしたことも、互いのことも忘れる。叶わなかったとき、城は閉じるが、記憶は継続する。

 

喜多嶋先生:フリースクールの理解ある先生

伊田先生:“こころ”の担任教師

 

徐々に7人は心を通わせはじめ、協力していくが……。

城の外に世界で7人はパラレルワールドにいるのだろうか?

 

辻村深月(つじむら・みづき)の略歴と既読本リスト

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

中ほどまで延々と不登校の子ども達のファンタジー風の話が続くのでうんざりし、中断しようかと思うほどで、少々長すぎる。徐々に子ども達の城の外での生活がこわごわといった様子で少しずつ明らかにされ、何か変な感じがする。終りに近づくとそれぞれの過去が次々と明らかにされ、怒濤の驚きが続く。

 

以上のように、話の流れはなかなかのもので、著者のストーリーテラーぶりが発揮されているのだが、問題なく一緒に過ごせるのが解せない。

 

以下、ネタバレなので、白字。

 

 

 

 

はるかかなたに住み、世界が違う者たちが溶けあって暮らせるものなのか、疑問が残る。

「手紙~拝啓十五の君へ~」を思い出した。

 

 

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再び果実園リーベルでランチ

2019年07月15日 | 食べ物

 

東急吉祥寺3階「武蔵野マルシェ」の「果実園リーベル」で先日に引き続きランチした。

 

 

頼んだのは勿論、お安いモーニング。

 

 

私は「セレクトパンケーキ」(何をセレクトしたか忘れた)

 

写真では見えないが、パンケーキの下はホワイトクリーム(?)たっぷり。

 

相方は「オレンジサンド」

 

けっこうたっぷりで、2つ回ってきた。

 もちろんドリンク付き。

最近は、さわやか、あっさり、ヘルシーで、少量なランチが多い。そして、客は女性ばかりで、私は黒一点の場合が多く、肩身が狭い。

 

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「菘」でディナー

2019年07月13日 | 食べ物

 

吉祥寺の末広通りにある「」でディナーした。

「菘」は「すずな」と読み、「…すずな、すずしろ、春の七草」の「すずな」で、蕪(カブ)のことだ。

下の写真の垂れ幕(?)にカブの絵がある。

 

 

店の前のメニュー看板

 

 

注文したのは平日限定の「夜のすずな御膳」

 

男性には物足りない分量で、味は美味しいが極上ではない。

次回はコスパの良いランチにしようかな。

 

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金原ひとみ『アタラクシア』を読む

2019年07月11日 | 読書2

 

金原ひとみ『アタラクシア』(2019年5月30日集英社発行)を読んだ

 

秀英社の宣伝は以下。

望んで結婚したのに、どうしてこんなに苦しいのだろう——。

最も幸せな瞬間を、夫とは別の男と過ごしている翻訳者の由依。

恋人の夫の存在を意識しながら、彼女と会い続けているシェフの瑛人。

浮気で帰らない夫に、文句ばかりの母親に、反抗的な息子に、限界まで苛立っているパティシエの英美。

妻に強く惹かれながら、何をしたら彼女が幸せになるのかずっと分からない作家の桂……。

「私はモラルから引き起こされる愛情なんて欲しくない」

「男はじたばた浮気するけど、女は息するように浮気するだろ」

「誰かに猛烈に愛されたい。殺されるくらい愛されたい」

ままならない結婚生活に救いを求めてもがく男女を、圧倒的な熱量で描き切る。

芥川賞から15年。金原ひとみの新たなる代表作、誕生。

 

表題のアタラクシアとは、古代ギリシアの哲学者のエピクロスによる「心の平穏」の意味。

 

「由依(ゆい)」、「桂(けい)」、「真奈美」、「枝里」、「瑛人(えいと)」、「由依」、「英美」、「真奈美」、「桂」と各章ごとに話題の中心人物が変わる。全体的には由依が主人公。

 

水島由依:フランスでモデル後、現在翻訳者・ライター。旧姓高梨。夫・桂がいながら瑛人と不倫している。

水島桂:問題を起こし売れなくなった作家。由依の夫。非モテ系。「由依には実体がない」という。

蓜島瑛人(はいじま):フランス帰りのシェフ。由依と不倫している。

藤岡英美:瑛人の店のパティシエ。浮気で帰らない夫・拓馬、文句ばかりの母親、反抗的な息子・信吾。

佐倉真奈美:出版社で15年編集職。元有名バンドマンで現在暴力夫の俊輔と息子・絢斗(けんと)と暮らす。荒木と不倫。

荒木裕司:出版社の編集から4年前に広報へ異動。カッコ良いが浮気性で真奈美と不倫。

枝里:由依の妹。出会い系で遊ぶ20歳。ホストのヒロムに夢中。

 

NOPE:英語のNOのスラング

 

初出:「すばる」2018年10月号~2019年1月号

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

数人の男女に恋愛模様が描かれるのだが、不倫、浮気が多く、虚無的な人物もいて、どうもなじめない。「汗水たらして夢中になるのは恥ずかしいこと」のような厭世的、虚無的なトーンが全体に流れていて、「お若いの、いまからそれでどうするの」と言いたい。

 

ところどころ急に難しい話が飛び出してくる。

「…人間が内包する偶然性の中で、そもそも人類が誕生したのだって偶然性によるもので、その偶然性の集大成が今のアクチュアルな必然性を形作っていて、その必然性には誰しもが……」と、桂は由依に語る。こんな会話をする夫婦って、どうなのよ。

 

 

金原ひとみ(かねはら・ひとみ)

1983年、東京生まれ。

2003年、『蛇にピアス』ですばる文学賞受賞

2004年、同作で芥川賞受賞し、各国で翻訳出版

2010年、『TRIP TRAP』で織田作之助賞受賞

2012年、パリに移住、『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

2018年、帰国

翻訳家の金原瑞人が、娘の金原ひとみが芥川賞を受賞したとき、「私は200冊近い本を出したが、(引きこもりだった)娘は一冊目でその部数を上回ってしまった。」というような趣旨の話を嬉しそうにしていた。

 

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ドトールでランチし、ケユカに立ち寄る

2019年07月09日 | 食べ物

 

井の頭公園で藻を眺めた後、駅へ向かう途中、お決まりのドトールで一休み

 

写真は3月のもの。

 

地下に行って、今日はランチした。

私は

 

 相方はこれだけ。

 

 

丸井に寄って、Simple & Naturalの生活用品の店「ケユカ KEYUCA」をブラブラしてお買い物。

このお店、デザインがすっきりしていて、安い。無印良品、IKEYAにも似ている。

「ケユカってどうゆう意味?」と訊ねたら、「北欧をイメージさせるネーミングでとくに意味はありません」との答えだった。

 

 

 

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藻の井の頭公園

2019年07月07日 | 散歩

久しぶりに井の頭公園へ行った。水草が再生したという話を聞いて駆け付けた(散歩なのでゆっくり歩いて行ったが)。

 東端にあるひょうたん池も岸辺の草が繁茂。

 ジヴェルニーのモネの庭を思い出すという人もいたが、どうだろうか。

 ひょうたん橋を過ぎると、藻でおおわれていて水面が見えない。

 

これが再生したというの?

 

七井橋への途中。手前に水面が見え、晴れ渡った空が映る。 

 

水質改善のための「かいぼり」が何回か行われてきて、一時は池の水を完全に抜いて乾かしていた。

見た目ではそれほど水質が改善したとは思わなかったが、かって繁殖していた藻が再生したと聞いた。

 

かいぼりにより池底の種子が発芽して、泥を巻き上げる鯉を取り除いて水が透明度を上げ、ツツイトモが再生した。ツツイトモは、光合成により酸素を作り、水質を浄化させ、食物となり、塵を吸着して藻の周りの透明度を高めるという。

現在でも、水辺再生への「かいぼり」活動は活発に行われている。 

この日もゴムボートと道具を積んで完全武装した数人が出陣するところをみかけた。ちょっと宗教的に思えてしまったが、心からご苦労様です。

 

井の頭公園の桜も老木となり手当の甲斐もなく切られたものも。でも、断面から芽が出ていて、嬉しいやら、むなしいやら。

 

 

七井橋からの眺め。

 

 

西側。空の雲が反射。

 

 

手前には藻が一杯。鯉はみあたらない。

 

 

撮影クルーが空っぽの額縁の中から見える光景を撮影中。7月6日の朝日新聞夕刊の1面に額入りの井の頭池の写真が載っていた。

 

 

弁天橋の手前に、鷺? それとも詐欺で置物?

 

 

水源のお茶の水から見た池は空を映していた。

 

 

途中にあった思い出ベンチに思い出が……。

 

今も一緒に散歩できる‥‥を感謝。

 

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2019年6月の花

2019年07月06日 | リタイヤ生活

 

6月18日に届けられた花

 

 

2日後には5輪に増えた。

 

 

5日後には咲いていないのは1輪のみでほぼ満開。でも12輪?

 

一つの茎が3つに分かれ、それぞれ花を咲かせている。ならば、5本だから15輪のはず。

ところが、花が大きく重く、込み合っているので、ポロリと花がもげてしまうことがある。

かわいそうなので、落ちた花4輪もコップに挿した。

 

 

真ん丸のギガンジュームも大きな円になり、花の面も凸凹と乱れてきた。

 

 

母の日に届けてくれた花も、白いランだけだがまだ咲いている。

 

6月28日に届いた花は

 

 

 

 

 

 

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