hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

三宅隆太『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』を読む

2016年01月30日 | 読書2

 

 

三宅隆太著『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』(2015年7月10日新書館発行)を読んだ。

 

優れた脚本を書くためには、技術が不足しているのでも、書き方のこつを会得していないのでもなく、自分自身を徹底的に見つめなおすことがアマチュア脚本家には必要だと指摘する。そして、脚本の書き方について、詳細かつ実践的に指南する。

後半は、映画やドラマの脚本が行き詰まったとき、主にプロデューサーから依頼を受けて、問題点を客観的に分析し、助言やサポートをするスクリプトドクターの仕事について述べる中で、より深く脚本の書き方を指南している。

 

 

著者が主に忠告したいのは『窓辺』系と呼ぶ人たちに対してだ。『窓辺』系とは、

 主人公が極端に内向的で、思っていることを口にしたり、問題を解決するための行動をとったりすることがなく、かわりに独りで「窓辺」に立ち、物思いに耽ったり、思い悩んだりする場面がくり返し出てくるという・・・。

・・・

『窓辺』系ならの問題点は

・企画やストーリーが保守的で、テーマが一般常識の域を出ていない。

・描写が詳細すぎて推進力に欠け、各シーンの意図や役割が不明瞭になる。 

・個々のエピソードが「点」のままで「線」を結ばず、物語の軌道が立ち上がらない。

・・・

・主人公の「内的葛藤」が相対化されないまま後半を迎えるため、明確で力強い「クライマックス」(葛藤の解消行動)が発生しない。

・にもかかわらず、ラストシーンではいつのまにか主人公が変化・成長したかのように描かれている。

 

 

人生は劇的である、ではなく、劇的にしてゆくもの

日常生活の中で、自分に不満があったり、自分の「思考のクセ」に苛立ちをおぼえたことがあるなら、そのときはピンチではなくチャンスが到来した!と考えてください。

「心のブレーキ」を解除して「殻を破る」準備ができあがっている、ということだからです。

 

 

漠然と思いついたアイデアを、いきなり最初のシーンから、シナリオの形でスラスラ書ける人は、たとえプロでもそうはいません。

 そこで準備作業として、ざっくりとした全体の流れをハコ書きにしていくのです。

 例えば、「起・承・転・結」の4つのブロックとか、「発端・葛藤・危機・クライマックス・結論」の5つのブロックに書き起こしていく。こういう大枠のハコ書きを「大バコ」と呼びます。

 細かくなるにつれ、「中バコ」「小バコ」という風に呼び方が変わっていきます。「小バコ」になると、ほとんど脚本に近い形といえるでしょう。

 

「おわりに」にある、シナリオ作家初心者へのアドバイス

よく一晩中パソコンの前でウンウン唸った挙げ句、一行も書けない生徒がいますが、そんなの当たり前です。・・・目よりも耳を使うのです。例えば、自分で書いた脚本を声に出して読み上げてゆく。

 

 

私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

シナリオの書き方について、具体的技術論にとどまらず、自分よがりな世界観をどのようにして見直してゆくかに重点を置いている。自分の殻を破る一つの方法として、具体的に事例を挙げて、筋道が明快な思考プロセスを提案している。

 

著者の三宅氏は多くの脚本を書き、映画監督も経験し、心理カウンセラーの資格を持ち、日本では数人というスクリプトドクターとして仕事をしている。脚本教室の先生の経験も十分な著者は、多くに初心者のくせを熟知していて、事例を挙げた具体的指摘には説得力がある。

 

 

 

三宅隆太(みやけ・りゅうた)
1972年生まれ。東京都出身。脚本家、映画監督、スクリプトドクター、心理カウンセラー。

若松プロダクション助監督を経て、フリーの撮影・照明スタッフとなり、その後、ミュージックビデオのディレクターを経由して脚本家・監督となる。

また、スクリプトドクターとしてハリウッド作品を含む国内外の映画企画に多く参加する傍ら、東京藝術大学大学院をはじめ各種大学やシナリオ学校等で教鞭を執っている。

主な作品に、『劇場霊』『クロユリ団地』『七つまでは神のうち』『呪怨 白い老女』など。

 

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香山リカ『半知性主義でいこう』を読む

2016年01月27日 | 読書2

 

 

香山リカ『半知性主義でいこう 戦争ができる国の新しい生き方』(朝日新書546、2015年12月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

表紙裏にはこうある。

傲慢な権力者のでもなく
か弱きインテリのでもない
しなやかなの誕生! 
知性はほどほどに、ほどよい形であればいい。
権威に支配されない知性、忖度で縮こまらない知性。
ネトウヨのヘイトスピーチに身をさらし、
「知的なもの」への憎悪の激しさに戦慄し、
そして国会前の安保デモに日参して見えてきた
この国の知的風土のおそるべき荒廃と、希望の光。

 

・・・SEALDsやそれに引っ張られる形だった「学者の会」を中心として起きたあのうねり、あのデモは、決して知性主義的ではなく、かといってもちろん反知性主義ではない。

 それにあえた名前をつけるとすると、それは「半知性主義」となるのではないだろうか。

 

「半知性主義」のイメージは、

本や学問をバカにはしない。知らないほうが偉いなどと、“おバカ”礼賛に陥ることはない。かといって、本や学問に接することに慣れていない人のこともバカにしない。・・・本当に本を読み、学ぶかどうかまでは保証できない。

 

ネトウヨと呼ばれる人々

韓国や中国、北朝鮮などの国家のみならず、・・・日本で暮らすその国に人びと、さらに朝日新聞や毎日新聞などのリベラル寄りと呼ばれるメディア、さらに知識人と言われる人たちなどに一方的な敵意をむき出しにする彼らの憎悪の本当の対象は、「学問・知・書物」なのではないだろうか。

 

 

2014年の「出版統計」によると、書籍の売り上げは前年比4%減の7544億円。・・・ピークだった1996年と比較すると約31%減少・・・。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

 「半知性主義」なるものが中途半端ではっきりしない。「これでもないし、あれでもない」から「半」としてとしか言いようがない。したがって、「半知性主義で行こう!」と言われても、ピンと来ない。

 

 しかし、香山さんに対するネトウヨの罵詈雑言や、滅茶苦茶な論には笑える。知識はなくても良いのだが、論争するなら、建設的議論の進め方を解っていなければ、無意味な議論で時間の無駄になる。「香山さんよ!むきになって無駄な時間を使いなさんな」と言いたい。

まあ、そんな本を読んで、しかもメモまで残す人に言われたくないだろうが。

 

 

香山リカ(かやま・りか)

1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。
学生時代から雑誌などに寄稿。その後も、臨床経験を生かして、新聞、雑誌などの各メディアで、社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍。

おとなの男の心理学』『<雅子さま>はあなたと一緒に泣いている』『雅子さまと新型うつ』『女はみんな『うつ』になる』『精神科医ですがわりと人間が苦手です』『親子という病』『弱い自分を好きになる本』『いまどきの常識』『しがみつかない生き方』『だましだまし生きるのも悪くない』『人生の法則』『できることを少しずつ』『若者のホンネ』『新型出生前診断と「命の選択」』『がちナショナリズム

 

 

 

【目次】
序章「半知性主義」ってなんだ?

第1章 権力者がかかる病「傲慢症候群」
〝百田発言〟と「傲慢症候群」
   自民党「文化芸術懇話会」/沖縄のため?日本のため?/・・・
 安倍総理と「傲慢症候群」
   人間としての安倍晋三氏/「傲慢症候群」の診断方法/安倍総理のやろうとしていることは正義?」/・・・

第2章 正義ほど傍迷惑なものはない
 国会で続く〝おバカアゲ〟と〝学問サゲ〟
   「バカにすることが正義」と開き直る政治家や官僚/・・・/〝学問サゲ〟に一役買った橋下徹大阪市長/・・・
 学生と教員がともに反対した「安全保障関連法案」
   全国の大学で起きた「安保法案反対」/安全補償関連法案に反対する立教人の会/・・・

第3章 ネトウヨはなぜ知性を敵視するのか
 凄まじい「知性へのヘイト」はなぜ生まれた
   匿名で気軽に思いや考えを発信/ほとんどが罵詈雑言/・・・
 渦巻く「知」へのヘイトに向き合う
   1冊の本を紹介すると/・・・/ネット上で繰り返される「アイヌ民族否定論」/・・・
 「本」への激しい拒絶反応を見せる理由
   本を読む人が激減している/激しい拒絶反応の理由とは/・・・

第4章 〝おバカ〟礼賛で得するのは誰か
 「本でモテた時代」があった
   「ヘーゲル大好き」/・・・/70年代に生じた「大きな翳り」/・・・アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の意味/・・・
 「知性の海抜ゼロ地帯」の出現
   ・・・/・・・90年代に始まった新書ブームがターニングポイント/・・・/『バカの壁』が400万部を超えるメガヒットに/・・・
 「反知性主義」の原動力となった市場主義
   「大切なのは、あとに残らないこと」/本は精神安定剤かお守り?/・・・
 〝おバカ〟の時代がやって来た
   時代の空気をつかみ取った小泉純一郎氏/・・・/奇妙な振る舞いや珍発言が人気に/・・・

第5章 誰が権力者の暴走を止めるのか
 今は「社会脳」の活動を停止すべきとき
   徹底した「マイノリティ vs 権力者」の物語/・・・/安保法制でなりふりかまわない首相/・・・
 権力者に立ち向かう「市街戦」
   政府の仕組んだ〝壮大な芝居〟/・・・/45年ぶりに復活した「呪殺祈祷僧団」/・・・

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香山リカ『がちナショナリズム』を読む

2016年01月25日 | 読書2

 

 

香山リカ『がちナショナリズム -「愛国者」たちの不安の正体』(ちくま新書1159、2015年12月10日筑摩書房発行)を読んだ。

 

表紙裏にはこうある。

二〇〇二年、著者は、『ぷちナショナリズム症候群』で、皇太子夫妻第一子誕生に熱狂する人々、ワールドカップ日韓大会にわく若者たち、などを観察し、「ニッポン、大好き」と言ってしまう日本人に対して、右傾化とファッションの萌芽なのか、と警鐘を鳴らした。一三年たった今、「愛国ごっこ」は「ごっこ」ではなくなり、あの時の心配はすべて現実となってしまった。安倍内閣から、ネトウヨ、ヘイトスピーチ、反知性側義、安保改正まで、現代日本の「愛国」の現状と行く末を改めて分析する。

 

評論家・古谷経衡(つねひら)氏は保守色の強い約1000人のネットアンケート結果から「ネトウヨの中心は

“低学歴ニート”ではなく、大都市在住の三十代~四十代ミドルクラス」と分析している。

 

歴史社会学者・小熊英二氏は、「つくる会」の関係者や支持者は「普通の市民」や「庶民」だと自称し、「確固たる思想性は希薄で、天皇への関心は薄い」。個人の集合としての草の根保守運動であり、「ナショナリズムの台頭」ではなく「ナショナリズム気分」を見ている。

 

香山氏は、

 安倍首相や閣僚たちは、第二次政権以降、有権者からの期待と熱狂に祭り上げられ、「傲慢症候群」と呼ばれる状態に陥っていると考えている。

・・・

そして、最後に語る。「日本ってすばらしい」という甘いナショナリズムのファンタジーの影にひそむファシズムに、目をこらし、「通すな!」の言葉を叫び続けなければならないときがいま、やって来たのである。

 

 

目次

序章
第1章 ナショナリズム気分から排外主義へ
第2章 崩壊するエディプス神話
第3章 日本は「本当のことを言える国」か?
第4章 スポーツを利用するナショナリズム
第5章 日本は“発病”しているのか
終章

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

論旨には賛成で、あほなネトウヨが騒いでいるだけなら無視すれば良いのだが、「普通」の市民のタカ派が登場、増幅しているなら問題だ。その理由、規模は明確には書かれておらず、不安になったままだ。

 

何より、香山氏に対するネトウヨなどの非難の言葉にあきれ、笑えるし、恐ろしくなる。いわく、「首相への人権侵害、名誉棄損だ」「精神科医が政治を語るのは医師法違反だ」「そんなに日本が嫌いなら出て行ってはいかがですか」などなど。

 

第二章の途中から突然「分離不安」なる心理の解説が始まり、この章の大部分(28ページ)ほどを占めるが、前後との関係が希薄で、論旨が強引だ。

 

 社会的、個人的な不安が増大して、

「反動形成」「躁的防衛」といった・・・心のメカニズムによって、より強いもの、よりたくましいものを求め、それに自らを擬態させ、内なる不安を打ち消そうとする。その意味でも安倍首相の登場は、多くの人たちにとって“都合のよいもの”であったわけだ。

このあたりも、強引な論旨が目立つ。

 

 

香山リカ(かやま・りか)

1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。
学生時代から雑誌などに寄稿。その後も、臨床経験を生かして、新聞、雑誌などの各メディアで、社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍。

おとなの男の心理学』『<雅子さま>はあなたと一緒に泣いている』『雅子さまと新型うつ』『女はみんな『うつ』になる』『精神科医ですがわりと人間が苦手です』『親子という病』『弱い自分を好きになる本』『いまどきの常識』『しがみつかない生き方』『だましだまし生きるのも悪くない』『人生の法則』『できることを少しずつ』『若者のホンネ』『新型出生前診断と「命の選択」』『女は男をどう見抜く

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村上春樹『雑文集』を読む

2016年01月23日 | 読書2

 

村上春樹著『雑文集』(新潮文庫む-5-35、2015年11月1日新潮社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

デビュー小説『風の歌を聴け』新人賞受賞の言葉、伝説のエルサレム賞スピーチ「壁と卵」(日本語全文)、人物論や小説論、心にしみる音楽や人生の話……多岐にわたる文章のすべてに著者書下ろしの序文を付したファン必読の69編! お蔵入りの超短編小説や結婚式のメッセージはじめ、未収録・未発表の文章が満載。素顔の村上春樹を語る安西水丸・和田誠の愉しい「解説対談」付。

 

前書き

お正月の「福袋」を開けるみたいな感じでこの本を読んでいただければと、著者は希望してます。

 

序文・解説など

(読者からの質問へ)

僕は答える「・・・もし自分の気持ちを理解してもらえたと感じたとしたら、それはあなたが“僕の物語”を、自分の中に有効に取り入れることができたからです」と。

 仮説の行方をきめるのは読者であり、作者ではない。物語とは風なのだ。ゆらされるものがあって、初めて風は目に見えるものになる。

 

『アンダーグラウンド』をめぐって

(オウム真理教について)

 問題は、社会のメイン・システムに対して「ノー」と叫ぶ人々を受け入れることのできる活力のあるサブ・システムが、日本の社会に選択肢として存在しなかったことにある。

 

翻訳すること、翻訳されること

 長編小説『夜はやさし』(フィッツジェラルド)の最大の魅力をひとつだけあげてくれと言われたら、それはやはり「コミットメントの深さ」だと僕は答えるだろう。読者とテキストとのあいだの有機的な結びつきの豊かさ。読者は作品から余地を与えられ、その余地の意味について考えることによって、その作品に深く豊かにコミットしていくことになる。

 

目にしたこと、心に思ったこと

村上さんはシャツを滅茶苦茶にされるから、クリーニングには出さない。自分で洗い、アイロンをかけやすいように自分できちんと干す。最高級のアイロンとアイロン台を使い、BGMにソウルミュージックを流し、アイロンをかける。そうすると10年くらいは軽くもっちゃうそうだ。

 

にしんというのはちょっと不思議な魚で、ふだんよく食べる魚ではないのだけれど、ときどき無性に食べたくなって困ることがある。にしんそばなんか一度食べたくなると、もう我慢できなくて、・・・いざ食べてそれで深く満足したり感動したりするかというと、そんなことはなくて、要するにただの「にしんそば」である。こういうところがにしんという魚の限界ともいえるし、あるいは逆にいじらしいところと言えるかもしれない。

 

小説を書くということ

 物語は聞く人の背筋を凍らせたり、涙を流させたり、・・・そのような肌に感じられる物理的な効用が、優れた物語にはどうしても必要とされる。なぜなら物語というものは聞き手の精神を、たとえ一時的にせよ、どこか別の場所に転移させなくてはならないからだ。おおげさに言うなら、「こちらの世界」と「あちらの世界」を隔てる壁を、聞き手に超えさせなくてはならない。

 

初出:2011年1月新潮社より刊行

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:是非読みたい)(最大は五つ星)

 

村上春樹ファンは是非読むべき本だ。さらに、とくにファンでない人も、独特でありながら、肩ひじ張らない村上さんという人を知り、その考え方、作品の基となるところを味わうことができるだろう。

なにしろ、結婚式のあいさつ、受賞スピーチ、小説を書き始めるまでの生活、小説の書き方、翻訳、何人かの米国作家について、そして、ジャズに関するオタク的話など、いろいろなメディアに載った、あるいは載らなかったバラバラな内容が並んでいる。それゆえにその中に一本通ったかっこよい村上さんの生き方が貫かれ、際立ってくる。

 

 

村上春樹(むらかみ・はるき)

村上春樹は、1949年京都市生まれ、まもなく西宮市へ。
1968年早稲田大学第一文学部入学
1971年高橋陽子と学生結婚
1974年喫茶で夜はバーの「ピーター・キャット」を開店。
1979年 「風の歌を聴け」で群像新人文学賞
1982年「羊をめぐる冒険」で野間文芸新人賞
1985年「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」で谷崎潤一郎賞
1986年約3年間ヨーロッパ滞在
1991年米国のプリンストン大学客員研究員、客員講師
1993年タフツ大学
1996年「ねじまき鳥クロニクル」で読売文学賞
1999年「約束された場所で―underground 2」で桑原武夫学芸賞
2006年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、世界幻想文学大賞
2007年朝日賞、早稲田大学坪内逍遥大賞受賞
2008年プリンストン大学より名誉博士号(文学)、カリフォルニア大学バークレー校よりバークレー日本賞
2009年エルサレム賞、毎日出版文化賞を受賞。スペインゲイジュツ文学勲章受勲。

2011年カタルーニャ国際賞受賞

その他、『蛍・納屋を焼く・その他の短編』、『若い読者のための短編小説案内』、『めくらやなぎと眠る女』、『走ることについて語るときに僕の語ること』『村上春樹全作品集1979~1989 5 短編集Ⅱ

 

翻訳、『さよなら愛しい人』、『必要になったら電話をかけて』、『リトル・シスター』、『恋しくて

     

エッセイ他、『走ることについて語るときに僕の語ること』、『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2009』、『日出る国の工場』、『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2

      

 

村上さんのところ」 (読者からの質問メール(2週間で3万通以上)を村上さんが全部読んで、一部に答えるという企画)

 

目次

 

前書き――どこまでも雑多な心持ち

序文・解説など
 自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)

 同じ空気を吸っているんだな、ということ
 僕らが生きている困った世界

 安西水丸はあなたを見ている

あいさつ・メッセージなど
 「四十歳になれば」――群像新人文学賞・受賞の言葉
 「先はまだ長いので」――野間文芸新人賞・受賞の言葉
 「ぜんぜん忘れてていい」―谷崎賞をとったころ
 「不思議であって、不思議でもない」――朝日賞・受賞のあいさつ
 「今になって突然というか」――早稲田大学坪内逍遥大賞・受賞のあいさつ
 「まだまわりにたくさんあるはず」――毎日出版文化賞・受賞のあいさつ
 「枝葉が激しく揺れようと」――新風賞・受賞のあいさつ
 自分の内側の未知の場所を探索できた
 ドーナッツをかじりながら
 いいときにはとてもいい
 「壁と卵」――エルサレム賞・受賞のあいさつ

音楽について
 余白のある音楽は聴き飽きない/ジム・モリソンのソウル・キッチン/ノルウェイの木を見て森を見ず/日本人にジャズは理解できているんだろうか/ビル・クロウとの会話/ニューヨークの秋/みんなが海をもてたなら/煙が目にしみたりして/ひたむきなピアニスト/言い出しかねて/ノーホェア・マン(どこにもいけない人)/ビリー・ホリデイの話

『アンダーグラウンド』をめぐって
 東京の地下のブラック・マジック/共生を求める人々・求めない人々/血肉のある言葉を求めて

翻訳すること、翻訳されること
 翻訳することと、翻訳されること/僕の中の『キャッチャー』/準古典小説としての『ロング・グッパイ』/ へら鹿を追って/スティーブン・キングの絶望と愛――良質の恐怖表現/ティム・オブライエンがプリンストン大学に来た日のこと/バッハとオースターの効用/グレイス・ペイリーの中毒的「歯ごたえ」/レイモンド・カーヴァーの世界/スコット・フィッツジェラルド――ジャズ・エイジの旗手/小説より面白い?/たった一度の出会いが残してくれたもの/器量のある小説/カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと/翻訳の神様

 

人物について
 安西水丸は褒めるしかない/動物園のツウ/都築響一的世界のなりたち/蒐集する目と、説得する言葉/チップ・キッドの仕事/「河合先生」と「河合隼雄」

目にしたこと、心に思ったこと
 デイブ・ヒルトンのシーズン/正しいアイロンのかけ方/にしんの話/ジャック・ロンドンの入れ歯/風のことを考えよう/TONY TAKITANIのためのコメント/違い響きを求めて

質問とその回答
 うまく歳をとるのはむずかしい/ポスト・コミュニズムの世界からの質問

短いフィクション――『夜のくもざる』アウトテイク
 愛なき世界/柄谷行人/茂みの中の野ネズミ

 

小説を書くということ
 柔らかな魂/遠くまで旅する部屋/自分の物語と、自分の文体/温かみを醸し出す小説を/凍った海と斧/物語の善きサイクル

解説対談  安西水丸×和田誠

文庫本のためのあとがき  村上春樹

 

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「神田 まつや」でランチ

2016年01月19日 | 食べ物

「神田 まつや」でランチした。といっても、吉祥寺・東急の8階にある唯一の支店に行った。

店内はそれほど広くなく、普通の蕎麦屋さんといった雰囲気だが、

「神田 まつや」のHPを見ると、蕎麦にはこだわっているようだ。

箸袋の裏にも、こうあった。

頼んだのは小鉢1188円。

とろと蕎麦、エビ天と、納豆蕎麦だ。

確かに蕎麦はこしがあって美味。

小鉢では、量は少なくて、いつものお流れもなく、物足りないが、奥様大満足で、私めもご機嫌。

 

 

 

 

 

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藤田孝典『下流老人』を読む

2016年01月17日 | 読書2

 

 

藤田孝典著『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書520、2015年6月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

表紙裏には、こうある。

まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在が、日本に与えるインパクトは計り知れない。

 著者による下流老人の定義は「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」。

生活保護費(生活扶助費+住宅扶助費)は、首都圏の一人暮らし高齢者の場合、月額13万円、年額150万円ほど。

 

65歳以上の相対的貧困率は22%で、単身高齢男性のみの世帯では38%、単身高齢女性のみの世帯ではなんと、52%。

(内閣府「平成22年版男女共同参画白書」による。「相対的貧困率」とは統計上の中央値の半分に満たない所得しか得られない人の割合で、日本は全所帯の16%が相対的貧困(2012年)。)

 

高齢期の二人暮らしのすべての生活費は約27万円。年金が21万円あっても300万円の貯蓄は約4年で、1000万円あっても14年で底をつく。

 

 

「普通」から「下流」へ陥るパターン

・病気や事故による高額な医療費の支払い、「高齢期」の長期化

・高齢者介護施設に入居できない(すさまじい老後格差)

・子供がワーキングプアや引きこもり

・熟年離婚

 

現役世代も将来「下流」に陥る可能性がある

月給与38万円(現在の給与所得者の平均で年収400万円越え)で40年間厚生年金保険料を支払っても、年金の月支給額は16万円(税や保険料がこれから徴集される)で厳しい老後が待つ。

年収400万円以下は下流化のリスクが高い(一億総下流化の時代)。

 

対策

(1)生活保護を正しく知っておく。

労働賃金や年金、援助があっても、差し引いた額の生活保護を受けられる。生活扶助・住宅扶助のほかに、本人負担なしの医療扶助・介護扶助・教育扶助などが受けられる。必要不可欠な家・車などは手放さなくてよい。

 

(2)プライベート・コミュニティを充実させる

なるべく多くの人と助け合いの関係を築いておく。生活を支え、豊かにするものは、お金などの物質だけのものとは限らない。

 

(3)プライドをとっとと捨てる

そもそも、人は何かしら、他に依存して、生活を維持できている。

 

 

藤田孝典(ふじた・たかのり)

1982年生まれ。埼玉県越谷市在住。社会福祉士。ルーテル学院大学大学院博士前期課程修了。

首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学客員准教授。反貧困ネットワーク埼玉代表。

著書『ひとりも殺させない』、共著に『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』など。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

題名で感じるほど危機感を煽る本ではなく、冷静な筆致で書かれている。

事例が9ほど紹介されているが、下流に近い中流が下流に落ちた例であり、中流の我々??には切実感がない。この本を読んだ後でも、よほどのことがない限り、なんとか逃げ切って、縁のない話だと思う能天気な私がいる。

 

確かに現在の現役世代のかなりな部分が下流に落ちて行く可能性は高いと思うのだが、一方ではこのまま格差が拡大し続けて、選挙で自民党が勝ち続けるわけはないとも思う。でも、きっと政治には期待できないのだろう。

 

 

第1章 下流老人とは何か
下流老人とはいったい何か
1:収入が著しく少「ない」
2:十分な貯蓄が「ない」
3:頼れる人間がい「ない」(社会的孤立)
下流老人の何が問題なのか
Ⅰ:親世代と子ども世代が共倒れする
Ⅱ:価値観の崩壊
Ⅲ:若者世代の消費の低迷

第2章 下流老人の現実
生活困窮者の現状/異口同音に「想定外」

第3章 誰もがなり得る下流老人
――「普通」から「下流」への典型パターン――
【現状編】
<パターン1>病気や事故による高額な医療費の支払い
<パターン2>高齢者介護施設に入居できない
<パターン3>子どもがワーキングプア(年収200万円以下)や引きこもり
<パターン4>増加する熟年離婚

【近い未来編】
「一億総老後崩壊」の時代
もらえる年金が減るおそれ
年収400万円以下は下流化のリスクが高い

第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
放置される下流老人
努力できない出来損ないは死ぬべきなのか?

第5章 制度疲労と無策が生む下流老人
――個人に依存する政府――
1. 収入面の不備
2. 貯蓄・資産面の不備
3. 医療の不備
4. 介護保険の不備

第6章 自分でできる自己防衛策
――どうすれば安らかな老後を迎えられるのか――
【知識の問題:対策編】生活保護を正しく知っておく
【意識の問題:対策編】そもそも社会制度とは何か
【医療の問題:対策編】今のうちから病気や介護に備える

第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
以下流老人は国や社会が生み出すもの
日本の貧困を止める方策は?
制度をわかりやすく、受けやすく、生活保護を保険化してしまう!?

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『“ひとり出版社”という働き方』を読む

2016年01月14日 | 読書2

 

 

西山雅子編『“ひとり出版社”という働き方』(2015年7月30日河出書房新社発行)を読んだ。

 

 出版の「小商い」にとって、本独特な卸売りのしくみはハードルを高くするだけだ。しかし、ネット環境、編集・印刷環境の進化で「小商い」が可能になってきたようにも思える。小出版社として独立を志向した10人が、個性豊かな発想とその道のり、奮闘を語っている。

 

 

 本書に登場する出版社の初版部数は、2000部や1000部、中には数百部というものもある。利益はないと語る人もいたし、別に本業を持つ人も、他社での編集業務を行う人もいた。要するに利益を出し続ける企業にはなっていないのが現実のようだ。

 しかし、本の編集環境、TwitterやSNSを利用すれば、広告についても、昔に比べれば多大な経費を必要としなくなっている。したがって、今は小出版社が完全に自立できなくとも、新しい出版社形態が登場し始めている、いやその兆しが見えるところまで来ているように見える。

 

 

 登場の10人は働きかたを模索する中でひとり出版社に導かれた例が多い。

 テレビ局の報道記者だったが、「子どもと一緒に晩ご飯を食べるため」、絵本を出版する小さい書房を作った安永則子さん。

 出版社の営業などを経験後、自由で愉快な社会を目指した大杉栄の本を出したかったので土曜社を創業した豊田剛さん。

 20年目を迎えようとしている詩と学術書を柱にする港の人の上野勇治さん。
等々。

 

 

 出版社や編集プロダクション5社を渡り歩いて、著者のどこを輝かせるかという編集者でなく、自分が興味ある本を出したいと里山社を作った清田麻衣子さん。しかし、彼女の悩みは、あるジャンルに沿って刊行実績を重ねていくような先のビジョンを持つ余裕がないことだという。要するに、小さな出版社は、なんとか作ることはできても、持続性を確保することが困難なのだ。

 

 

 「ひとり出版社」の人々は、他社では出版できなかった写真集、造本にこだわりぬいた本、市場がない詩集など、大手では出せない本に着目し、なんとか生き続けている。そのため、多くの人が副業を持つなど経営に苦労している。その困難さを支えているのは、自分らしい働き方を求める強い心だ。

 

 

 私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 この本を読もうと思ったのは、出版不況の中、機動力あり、経費が少ない「小さな出版社」という新しい目が出てきているのかと思ったからだ。しかし、多くの例は、あくまで好きなので、副業で支えながらなんとか出版社を維持している場合が多い。この本の内容も、いかに強い想いを抱いて本を企画しているかを描くのに重点があり、経営内容にはあまり触れていない。

 

 最小限の人員でどう出版社を経営、維持していくかという実務的、経営的内容にも期待したのだが、ほとんどヒントは得られなかった。

 

 

 出したい本を1冊だけ出版するのは努力と犠牲さえあればできるだろう。しかし、出版社を持続可能にするはアイデア、工夫、販路確保、そしてどんなジャンルを狙うかなどの企画・計画が求められるはずだ。再販制度がいつまでもつかという状況にあり、ネットが普及している今、新しい出版形態が誕生しても良いと思うのだが。

 

 

 

西山雅子(にしやま・まさこ)

1970年生れ。兵庫県出身。

1997年よりアートカルチャー誌『プリンツ21』編集部でひとりの美術家の全仕事特集を担当。

2002年よりフレーベル館編集部。

2014年よりフリーランスで、絵本の企画・編集、書評への寄稿。

 

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岡田尊司『きょうだいコンプレックス』を読む

2016年01月10日 | 読書2

 

岡田尊司著『きょうだいコンプレックス』(幻冬舎新書390、2015年9月30日発行)を読んだ。

 

表紙裏にはこうある。

きょうだいは同じ境遇を分かち合った、かけがえのない同胞のはずだ。しかし一方では永遠のライバルでもあり、一つ間違うと愛情や財産の分配をめぐって骨肉の争いが起こることもある。実際、きょうだい間の葛藤や呪縛により、きょうだいの仲が悪くなるだけでなく、その人の人生に暗い影を落としてしまうケースも少なくない。きょうだいコンプレックスを生む原因は何なのか? 克服法はあるのか? これまでほとんど語られることがなかったきょうだい間のコンプレックスに鋭く斬り込んだ一冊。

 

 自己愛のバランスの良い成熟のためには、その人の自己愛が十分満たされつつ、少しずつ自己愛の満足を断念していくというプロセスをたどっていく必要がある。

 

未熟な自己愛の親にかかると、・・・子どもを押しのけて、いつのまにか親や大人の方が話題の中心にいる。主役になっている。

・・・

自己愛的な親は、従順で扱いやすい子どもを自分のペットのように手なずけ、一番のお気に入りにする傾向がある。気骨があり、自分の信条や信念を持つような人間は、煙たい存在でしかない。つまり、見どころのある子どもほど、しばしば自己愛的な親からは疎まれることになる。

・・・

母親は意識するしないにかかわらず、姑が世話をした子よりも、自分が世話をした子と強い愛着の絆を結び、余計に愛情を注いだのである。

・・・

・・・村上春樹は、一人っ子として育った。・・・たとえば、若き日の村上自身が色濃く投影されていると思われる『ノルウェイの森』の主人公を特徴づけているのは、他者との心からのつながりを避けようとする傾向である。こうしたパーソナリティ上の特性は、精神医学では「回避性」と呼ばれる。

 回避性は、他者と深く親密なつながりを避けるだけでなく、責任を負うことや傷つくことを避ける傾向としても現れる。

 

 

私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

詳細には書かれることが少なかった兄弟の確執、そしてそこに至った親の育て方に絞って書いた点は評価できる。

事例が多いので理解はしやすいのだが、一例でも良いのだが、いま一つ心の奥に襞に入り込む分析、たとえば学会に発表するような詳細な分析、がないと、並んだ事例を流し読みして、当たり前の解説を読むような気がしてきて物足りない。

 

確かに、未熟な、つまり自己愛の親が兄弟をえこひいきすることで、兄弟間の確執が生まれるだろうことは理解できた。そして、愛情を受けることが当然だと育った子どもが成功しても思いの行き届かない人間になったり、愛に飢えてできたひがみをばねにした子どもが大成したりすることがあるなどの流れも、事例を読めば、説得力ある。

 

 

多くの事例が提示されていて、解りやすくて良いのだが、その多くは極端で悲惨な例で、読み進めるうちに兄弟がいることが、とんでもなく悪い事のように思えてきた。

 

 

岡田尊司(おかだ・たかし)

1960年香川県生まれ。精神科医。医学博士。作家。現在、大阪府枚方市の岡田クリニック院長。

東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院で、研究とパーソナリティ障害や発達障害治療に従事。山形大学客員教授。

著書に『アスペルガー症候群』『境界性パーソナリティ障害』『人はなぜ眠れないのか』『あなたの中の異常心理』『うつと気分障害』『発達障害と呼ばないで』『真面目な人は長生きする』『母という病』『父という病』『愛着障害』『人間アレルギー』。

小説家・小笠原慧として、横溝正史賞を受賞した『DZ』『手のひらの蝶』『風の音が聞こえませんか』など。

 

 

 

目次

第1章     きょうだいは他人の始まり

第2章    きょうだいコンプレックスと自己愛の心理学

第3章    きょうだいコンプレックスと愛着

第4章    生まれ順の心理学

第5章    きょうだいという亡霊

第6章    きょうだいコンプレックスは克服できるのか

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ジョーク

2016年01月04日 | その他

自作ジョーク

 

「良い子の皆さん!」

デパートのエスカレータで繰り返し放送している。

「良い子の皆さん!危ないですから、エスカレータで遊ぶのはやめましょうね!」

良い子はそんなことしない。

「悪い子の皆さん!」と呼びかけるべきである。

 

「斜頚」                                                               

おまえの首、曲がってるぜ」

「ばか!まっつぐだ。世の中が曲がってんのよ」

 

「兄弟喧嘩」

口喧嘩で負けた弟が兄に言った。

「デブデブ百貫デブ、お前の母さん出ベソ!」

(古っ!)

 

 

丸山孝男「英語 ジョークの教科書」2002年3月、大修館書店発行より。

 

 

Father : When Abraham Lincoln was your age, he used to walk ten miles every day to get to school.

Son : Really ? Well, when he was your age,Lincolnwas President.

 

「アブラハム・リンカーンが、君の年のころは、毎日、10マイルも歩いて学校に通ったんだぞ」

「本当? でも、リンカーンがお父さんの年のころは、大統領になっていたよね」

 

 

Whenever I visit the Stature of Liberty, I think of my daughter. She has a book but I’ve never seen it open.

 

私は自由の女神を訪ねるたびに、うちの娘を思い出す。彼女は本を手にしているが、本を開いたところを見たことがないから。

 

 

You’re getting middle-aged when you start to arrange your hair instead of combing it.

 

髪をとかすのではなく髪を集めるようになると、中年になったということだ。

 

 

Pupil : If there are five flies on the table and you swat one of them, how many will be left ?

Teacher : Four.

Pupil : Wrong – only one. The dead one.

 

「先生、テーブルの上に5匹のハエがとまっていたとして、1匹を叩いたとしたら、あと何匹いると思う?」

「4匹でしょうに」

「間違いです。叩き殺された1匹だけです」

 

 

Two very rich people got divorced, and their lawyers lived happily ever after.

 

両方とも金持ちの夫婦が離婚した。担当した弁護士は、その後ずっと幸せに暮しましたとさ。

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