hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』を読む

2024年03月31日 | 読書2

 

ジョン・ウィリアムズ著、東江一紀訳『ストーナー』(2014年9月30日作品社発行)を読んだ。

 

作品社の紹介

これはただ、ひとりの男が大学に進んで教師になる物語にすぎない。しかし、これほど魅力にあふれた作品は誰も読んだことがないだろう。――トム・ハンクス
……
美しい小説……文学を愛する者にとっては得がたい発見となるだろう。――イアン・マキューアン
……
『ストーナー』は完璧な小説だ。巧みな語り口、美しい文体、心を深く揺さぶる物語。息を呑むほどの感動が読む人の胸に満ちてくる。――「ニューヨーク・タイムズ」

 

本書は1965年米国で出版されたが、一部愛好家に支持されただけで著者の死とともにほぼ忘れさられた。
2011年フランスの人気作家アンナ・ガヴァルダが感動し、彼女による訳書が刊行されフランスでベストセラーとなり、近隣諸国に火がついて、アメリカでも人気となった。
主人公があまりにも忍耐強く受動的で、華やかな成功物語を好むアメリカ人には受けなかったのだろう。
(以上布施由紀子(訳者の弟子)による「訳者あとがきに代えて」より抜粋)

なお、訳者・東江一紀は、2014年6月21日、意識の混濁と闘いつつ本書の最後の1ページの翻訳を残して逝去。

 

主人公のウィリアム・ストーナーは1891年にミズリー州の貧しい農家に生まれ、下宿先の農家の仕事を手伝いながらミズリー大学農学部に進む。英文学の講義でその魅力に取りつかれ、文学に専攻を変え、母校の教師となる。

一途で頑固な性格から出世に取り残され、意中の女性との結婚も悲惨な状況となる。やがて熱意ある授業が学生の人気となるが、……。数々の苦難が降りかかるなか、彼は運命を静かに受け入れ、その中で懸命に働き、最善を尽くす。……やがて、思いもかけない喜びが訪れ、ひと時をいつくしむが、……。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

地味だが、確かにしみじみとした哀しみに満ちた小説だ。人付き合いに難があり、傷つけあうことも多い。しかしともかく真面目に、真面目過ぎるほどに愚直に、懸命に働く割には恵まれることがないストーナーには同情し、哀しみを共有する。しかし一方では、要領の要の字もない彼の生き方には、同調できないし、心からの同情にはためらいがある。

 

派手な展開もなく地味な内容でp327、長すぎる。

例えば、口だけの生意気な大学院生に対する予備口頭試問において、ストーナーの英文学に関する専門的な数々の厳しい、意地悪な質問が続く箇所など、英文学上の記述が続く箇所は、読み飛ばしたことを告白しておく。

 

 

ジョン・ウィリアムズ(John Edward Williams)
1922年8月29日、テキサス州クラークスヴィル生まれ。
1942年に米国陸軍航空軍(のちの空軍)に入隊し、1945年まで中国、ビルマ、インドで任務につく。デンヴァー大学で文修士号、ミズーリ大学で博士号を取り。1954年から30年間デンヴァー大学で教えた。

1948年初の小説、Nothing But the Nightが、1949年には初の詩集、The Broken Landscapeが刊行。
1960年2作目の小説、Butcher's Crossingが出版。
1972年最後の小説、Augustusが出版。翌年に全米図書賞を受賞。

1994年3月4日、アーカンソー州フェイエットヴィルで逝去。

 

 

東江一紀(あがりえ・かずき)

1951年生まれ。翻訳家。北海道大学文学部英文科卒業。英米の娯楽小説やノンフィクションを主として翻訳。

訳書に、マイケル・ルイス『世紀の空売り』(文春文庫)、ドン・ウィンズロウ『犬の力』(角川文庫)、リチャード・ノース・パタースン『最後の審判(上・下)』(新潮文庫)、ネルソン・マンデラ『自由への長い道(上・下)』(NHK出版、第33回日本翻訳文化賞受賞)など。また「楡井浩一」名義で、エリック・シュローサー『ファストフードが世界を食いつくす』など。総計訳書200冊以上。2014年62歳で死去。

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3月(2)の花

2024年03月29日 | リタイヤ生活

 

3月18日に届いた花

 

チューリップ4本、リューココリーネ2本、カラー1本、コデマリ2本、ユーカリ1本

 

3日後

 

チューリップが咲いた。早や開きすぎ。

 

カラーを上からのぞく

 

リューココリーネは、南米チリ原産のユリ科で、細くてしなやかな茎の先に数輪の星型の可憐な花を咲かせる。ほのかに良い香りがする。

リューココリーネ・カラベル(紫)は、リューココリーネの中で一番市場に出回る品種らしい。

 

コデマリは、茎の下端を十字に切ってなかったので、水が上がらずに萎れ気味

 

ユーカリ・グニ―

ユーカリといっても800種以上あり、コアラが食べるのは香りが強くなく、樹液に糖分を多く含む数10種だけ。

ネットに「丸みを帯びた葉が可愛らしいユーカリ・グニ―は強い香りがする」とあったが、葉を切って嗅ぐと、ほんの少しだけ品の良い香りがしたような気がした。

 

 

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井の頭公園の花便り・3月28日

2024年03月28日 | 日記

 

井の頭公園の三角広場の北通路、大きな株のユキヤナギ

 

コンクリートの壁の手前には、シラユキゲシ(白雪芥子、別名スノーポピー)が群生。

 

井の頭公園の、冷水だけの第二標準木は、2024年3月28日(木)10時現在、開花済。

ただし、ひょうたん橋から池を眺めるところの桜だけが例年、開花が早く、この程度の開花状況では、七井橋のたもとの第1標本木はまだ蕾だろう。

 

 

公園の花見対策は万全のようで、ブランコも、鉄棒も使えないようになっていた。花見時は、大人の季節で、子供の出番ではないということか。それとも酔っ払い対策?

広場には例年とおり巨大なゴミ箱が並ぶ。ゴミは持ち帰りじゃなかったの?

 

七井橋たもとの冷水の第1標本木のサクラはやはり蕾のまま。

 

少しは膨らんでいるようだが。

 

木曜日の10時20分にしてはボートが多い。蕾を見に来たのかな?

 

サギ、ダイサギ?

 

井の頭公園の開花は、3月31日で、満開は4月7日(日)あたりかな??

 

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藤野千夜『じい散歩 妻の反乱』を読む

2024年03月27日 | 読書2

 

藤野千夜著『じい散歩 妻の反乱』(2023年10月21日双葉社発行)を読んだ。

 

双葉社による内容紹介

多くのメディアで紹介されて注目を浴びた『じい散歩』、待望の続編! 前作からさらに歳を重ね、夫婦あわせて180歳を超えた新平と英子。3人の独身中年息子たちは相変わらずで、自宅介護が必要になった母親の面倒を見る気配もない。まさに老老介護が始まった新平の束の間の息抜きは、趣味の散歩や食べ歩きだが、留守番している妻への土産も忘れない。果たして、老夫婦の道のりは? そして、妻の「反乱」とは? 身につまされながらもどこか可笑しい、明石家のその後を描いた家族小説。

 

前作『じい散歩』では夫の明石新平89歳、妻・英子88歳で認知症の兆候。3人の息子は皆独身で、高校以来の引きこもりの長男・孝史52歳、次男のはずがいつの間にか長女になっていた40代の健二、事業の赤字を抱えつねに親にたかる借金王の三男・雄三

 

本書では新平は相変わらず健康だが93歳。英子は介護が必要で、すべて新平が面倒を見ている。なのに、引きこもりの孝史は手を貸さず、次男の健二は小うるさいばかりで役に立たないし、雄三は事あるたびに金をむしろうとする。

 

新平は毎朝、妻の介護ベッドを起こし、一日1,2回の胃瘻をし、車椅子に座らせて居間に連れて行き、TVを見て、話をし、トイレに連れて行って世話をする。おやつも食事も口に運んでやり、歯も磨く。手が空くとにに二階の健康器具で運動をし、自分で建てたアパートに一室の事務所の整理をし、時間を見つけては電車に乗って外出、散歩する。江古田浅間神社の富士塚、雑司ヶ谷霊園、練馬の造園カフェなどなど。

 

ところが新平は妻の介護も、息子たちの先行きも、後悔しても仕方ないし意味もないと割り切る。訪問看護師などを利用し、妻と自分の最期の始末を自分でしっかり段取りして、その後息子がどうなろうがそれは彼らの責任と潔い。マイペースで自分勝手に気楽に生活を楽しむ。

 

初出:「小説推理」2022年5月号~2023年8月号

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

新平は前作の89歳から93歳となり、衰えがあるとはいえ、一人で出かけるほど元気、矍鑠(かくしゃく)としていて、細かいことにはこだわらず、文字通りの老々介護なのに気楽な生き方をしているのは、読んでいて心地よい。

 

特に何が起こると言うわけでもないし、息子たちも含めてキャラは立っているのだが、退屈気味。

 

14話のタイトルが「妻の〇〇」で統一されているが、認知症であるから当然なのだが、登場シーンは少ない。本のサブタイトルが「妻の反乱」であるが、何か反乱なのか私には不明。

 

 

藤野 千夜(ふじの・ちや)
1962年福岡県北九州市生まれ。麻布中学校・高等学校、千葉大学教育学部卒業。
漫画雑誌の編集者を経て、

1995年「午後の時間割」で海燕新人文学賞を受賞し小説家デビュー。
1996年『少年と少女のポルカ』で野間文芸新人賞候補
1998年『おしゃべり怪談』で野間文芸新人賞受賞
1999年「恋の休日」で芥川賞候補
2000年「夏の約束」で芥川賞受賞(同性愛者のカップルを中心に現代の若者風俗をえがいた)
2006年『ルート225』が映画化
その他、『中等部超能力戦争』『時穴みみか』『D菩薩峠漫研夏合宿』『編集どもあつまれ!』『君のいた日々』『編集どもあつまれ!』『団地のふたり』『じい散歩

スカートをはいて会社に行き、首になった実績があり、女性として生活。

 

 

 

 

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3月(3)の散歩

2024年03月26日 | 散歩

 

見慣れない黄色い花

 

近接撮影すると、Google Lensは「サンシュユ(山茱萸)」と判定。別名・ハルコガネバナの方が覚えやすく、発音しやすい。

 

ハクモクレン(白木蓮)、3月4日

 

3月10日。もっともっと大きく開くはずだ。

 

 

白いジンチョウゲ(沈丁花)。う~ん、いい香り! 

 

子供の頃はチンチョウゲと言っていたと思う。

 

赤いジンチョウゲ、ちっちゃいけど。

 

これだけ大きなボケ(木瓜)も珍しいんじゃない?

 

ジャノメエリカとの御判定

 

 

これはアセビ(馬酔木)でしょう。馬が葉を食べると酔ったようになるという。

 

ラッパスイセン。花の内側の副花冠がラッパのように見える。

 

良く世話されて、密集した花々。花鉢に活けたよう。

 

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『文庫書下ろし Jミステリー2023 spring』を読む

2024年03月25日 | 読書2

 

光文社文庫編集部編『光文社文庫こ1-27、文庫書下ろし Jミステリー2023 spring』(2023年4月20日光文社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

きらめく日本ミステリーの粋。
今、読みたい執筆陣が揃い立つ!
なぜ、ミステリーはこれほどまでに魅力的なのか。その答えがここにあります。東野圭吾、近藤史恵、真梨幸子、白井智之、阿津川辰海、結城真一郎。名手たちの見逃せない新作書下ろしを収録!唯一無二のアンソロジー、待望の第三弾。

 

東野圭吾を筆頭に、中堅、新人のミステリ作家6名による競演短編集(アンソロジー)。

 

 

(1)東野圭吾(65歳)「相続人を宿す女」

不動産営業の神尾真世は、富永良和朝子夫婦から、5カ月前に事故死した息子・遥人所有のマンションのリフォームを急遽中止したいと言われた。妹・文香は既婚で心臓が悪い子供がいる。その文香が親友の諸月沙智を兄・遥人に紹介して結婚したが、結局離婚してしまった。しかし、離婚した沙智は妊娠していて子供が法定相続人になる予定だという。真世は叔父・武史に相談し、交渉したが、沙智には既に菅沼という交際相手がいて、子供の父親は不明なのに、強硬だった。……そして、意外な結末に!

 

(2)結城真一郎(32歳)「不必要不可欠な殺人」
鷲見春斗、美春兄妹の母は38歳で亡くなり、父勇作は運送会社で忙しく、母の妹・小春が家事手伝いに来ることになった。やがて会社が行き詰まる中、自殺しようとした父を小春が刺殺し、自供して逮捕されたが、理由は語らなかった。……ハルヒコとは?

 

(3)阿津川辰海(29歳)「拾った男」

ミステリー好きなタクシー運転手・朝比奈拓郎は横浜から新宿まで、推理小説家と編集者らしき男女の客を乗せた。男は解答を公募いているミステリーについて朝比奈の知恵を借りたいと、互いを探り合う心理戦が始まる。男は探偵事務所所長で大野、女は助手の美々香。

 

(4)真梨幸子(59歳)「ロイヤルロマンス(外伝)」

早苗の息子は名門KK大学生で、プリンセスのX子さまと熱愛中で、付き合い上、金が必要だとねだってくる。

 

(5)白井智之(33歳)「大きな手の悪魔」

2030年モンゴル国山間部に出現した巨大な構造物に捕らわれ、高次元生物を自称する角の生えた動物に拘束されていて開放された猟師たちは、地球を16のエリアに分け、人類の知能計測を行い、基準を上回れば攻撃を中止するが、そうでない場合にはエリア内のすべての人類を殺害すると伝言された。

 

(6)近藤史恵(54歳)「老いた犬のように」

50代の人気作家・梅田はやさしかった妻の葵に去られ、新しい連載に取り掛かれないでいる。心配した編集者の中村が訪ねてくる。梅田は、25歳の美人のファン・南風と知り合い……。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

統一的なテーマがないアンソロジーはバラバラになってしまう。

 

短篇であるからどうしても、謎解きがメインになる。謎解きがなるほどと思い、面白かったのは、(1)東野圭吾「相続人を宿す女」、(2)結城真一郎「不必要不可欠な殺人」、(3)阿津川辰海「拾った男」。

 

(1)は、多少無理っぽいが意外性もあり、さすが面白く読ませる。

(2)は、強引な理屈付けではあるが、心理など良く書けている。

(3)は、短篇ながら心理戦を繰り広げる二人の男性のキャラが立っていて、会話が楽しめる。

(4)は、よく聞く話で、騙される心理になっとくいかない。

(5)は、宇宙人が強いのか、弱いのか、よくわからない。

(6)は、結局なにも起こらないにでは物足りない。

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3月(2)の散歩

2024年03月23日 | 散歩

 

井の頭公園・三角広場への夕やけ橋から三鷹台駅方面への神田川を見る。

 

反対の井の頭公園前駅方面を見る 平日の9時半とあって、遊ぶ子もいない

 

3月7日の七井橋のたもとの桜の木(私の標本木)には固く小さな蕾があるだけ

 

池の東側には、遠く小さく、スワンボートと手漕ぎボートが一艘、真ん中あたりに水鳥が2羽

 

七井橋から西側には、刈られた水草と、むかし目障りだったが、今や景色におさまっているマンション

 

丸井から公園への入口の西側脇にはジンチョウゲ(沈丁花)が、年に一度の花舞台と芳香を放つ

 

保育園児がズラズラと七井橋を渡る。男の子と女の子がペア―になって手をつないでいる。男の子もまだこの年頃では嫌がらないのだろうか。それとも、現代では?? うらやましい! また、孫娘に期待するかな

 

急に久我山稲荷神社へワープして、神社の東側に建つ「人心同」碑の話。

 

傍らの看板にはこうある

日本に亡命した朝鮮李王朝末期の政治家 金玉均が小笠原で友好を結んだ久我山出身の飯田作右衛門に頼まれて揮毫した漢文が刻まれています。

私(金玉均)は小笠原に来て、隣近所から君子を評される飯田作右衛門君と知り合いになった。

彼は遠く小笠原島に居て、武蔵野国(久我山)に住む父親に恩を返すこともままならない。老父の住む処に不孝の碑を建てて子孫の戒めにしたいと碑文を頼まれた。

 

ここにこの碑がある意味が薄い気がするが、まあいいか。

この看板の右下に、韓国の国旗があるのは揮毫が金さんだからだろうが、英国国旗は何故? 小笠原諸島と英国は無関係ではないが?

 

 

 

 

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3月(1)の花

2024年03月21日 | リタイヤ生活

 

3月4日に届いた花

 

 

ラナンキュラス7本、赤、オレンジ、白のガーベラ3本と赤い玉のヒペリカム、タマシダ3本

 

2日後、ほぼ満開

 

ラナンキュラスは、上から、黄、ピンク、白、黄、緑、ピンク、紫の7本

 

ガーベラは赤、オレンジ、白で、ヒペリカムは赤い玉

 

 

4日後、一気に寂しくなりました

 

花が重すぎて、刀折れ矢尽きた紫のラナンキュラスは一輪挿しに

 

茎が折れて、がっくり首を垂れたラナンキュラスは、打ち首に

 

 

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今野敏『夕暴雨』を読む

2024年03月19日 | 読書

 

今野敏著『夕暴雨(ゆうばくう) 東京湾臨海署安積班』(ハルキ文庫こ3-35、2012年4月18日角川春樹事務所発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

東京湾臨海署管内で大規模イベントへの爆破予告がネット上に流れた。安積警部補率いる班と相楽班は警戒警備にあたるが、爆破は狂言に終わる。だが再び、翌週のコミックイベントへの爆破予告がネット上に書き込まれた。前回と違う書き込みに、予告の信憑性を訴える須田刑事。須田の直感を信じた安積は、警備の拡大を主張するが、相楽たちの反発をうけてしまう。迫り来るイベント日。安積班は人々を守ることができるのか? 異色のコラボが秘められた大好評シリーズ、待望の文庫化。(解説・細谷正充)

 

本作品は、安積班シリーズ12作のうちの一つ。

 

再度の爆破予告は、須田の感からも本物臭く、安積は思い切って警備課・下沢課長に体制強化をお願いするが、逆に刑事課も体制強化を求められた。安積班も全員で警備応援にあたるが、東京ビッグサイトは広かった。

イベントが終了する17時前、ずんという震動を感じた。男子トイレの個室でごく小規模の爆発が起こり、会場の人は出口に殺到した。このとき、地面をゆらして巨大なものが近づいてきて、人々は立ち止まり、混乱は収まった。

 

犯人捜査が始まり、容疑者(個室男)が、爆発があった「個室が故障している」と4名に言って出ていった。安積たちはこの証言の矛盾を追及し始める。

 

 

台湾では、ゲリラ豪雨のような夕立のことを夕暴雨(ゆうばくう)という。

 

 

安積警部補:主役。東京湾臨海署強硬犯第一係長。45歳。部下には絶対の信頼があり、上司には言うべきことははっきりと言う。決して信念を曲げない。娘との関係は良好で、元の妻とは微妙。

村雨部長刑事:安積に忠実に仕事し、部下を厳しく指導する。堅苦しいほど基本に忠実。嫌われ役。
桜井:村雨に厳しく指導されている。安積班で一番若い。
須田部長刑事:村様と対照的で、ぽっちゃり体型で機敏でなく、簡単に他人に同情してしまう。しかし、勘は人一倍鋭い。本人は勘の根拠が乏しく自信がないが、捜査が行き詰った時には頼りになる。
黒木:須田と組む。常にキビキビと動き、整理整頓している。
速水警部補:安積と同期。交通課で飄々働く白バイ野郎。事件を斜め上から眺めるなどして、視界が狭まりがちな安積に有効なアドバイス

を送る。
相楽:本庁捜査一課から強硬犯第二係長へ異動。40歳前。安積をライバル視し、意地を張るタイプ。

 

本作品は2010年1月に角川春樹事務所から単行本として刊行。

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

読みどころは、イベントでの爆破予告が本物かどうか、イベントの警備、爆破予告犯人の逮捕だが、いずれも、地味過ぎて熱中して読むほどではない。

警察内部の主導権あらそい、成果を上げ続ける安積への対抗心も、雰囲気は盛り上げるが、メインテーマではない。

本庁警備部の別部隊が開発中の巨大な特車が秘密めいて登場するが、詳細は語られずにそのまま終わるので消化不良だ。

 

今野敏の略歴と既読本リスト

 

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今野敏『花水木』を読む

2024年03月17日 | 読書2

 

今野敏著『花水木 東京湾臨海署安積班』(ハルキ文庫こ3-26、2009年4月18日角川春樹事務所発行)を読んだ。

裏表紙にはこうある。

五月も終わりかけた東京湾臨海署に喧嘩の被害届が出された。ささいな喧嘩でなぜ、被害届が? 疑問を抱く安積班の須田は、事件に不審な臭いを感じ取る。だが、その頃、臨海署館内に殺人事件が発生。殺された被害者からは複数に暴行を受けたらしい痕跡が・・・・・・。殺人事件の捜査に乗り出す安積たちだったが、須田は、傷害事件を追い続けることに――。それぞれの事件の意外な真相とは!?(「花水木」より)
五編を収録した新ベイエリア分署・安積班シリーズ、待望の文庫化。(解説・西上心太)

 

本作品は、安積班シリーズ12作のうちの一つ。

 

互いに女性を同伴した若者同士の喧嘩が起こり、本来なら地域課で処理するのだが、ケガした若者が告訴したので、傷害事件となり、刑事課強行犯の出番となった。村雨は双方から話を聞いて書類し、安積は書類のみの送検にした。告訴した男性が喧嘩の時にハナミズキの匂いがしたと言っていたことにこだわる須田が担当する。調べると、互いに知り合いではないか、芝居めいていると須田は感じた。

お台場の潮風公園で死体が発見され、安積班が駆け付けた。帳場(特別捜査本部)が立ち、本格捜査が始まった。本庁捜査一課からは相楽が来て、東京湾臨海署から須田、黒木を除く安積班と速水ら10人出た。

その他、コンビニ強盗、観覧車に登る事件が起こり、狼男が走り回っているという通報があった。また、先に因縁をつけた者が、訴えると言い、次に示談にすると言い出すなど、たわいない喧嘩が起こる。

 

 

安積警部補:主役。45歳。部下には絶対の信頼があり、上司には言うべきことははっきりと言う。決して信念を曲げない。仕事に熱心で離婚。娘との関係は良好で、元の妻とは微妙。

村雨部長刑事:安積に忠実に仕事し、部下を厳しく指導する。堅苦しいほど基本に忠実。嫌われ役。
桜井:村雨に厳しく指導されている。安積班で一番若い。
須田部長刑事:村雨と対照的で、ぽっちゃり体型で機敏でなく、簡単に他人に同情してしまう。しかし、勘は人一倍鋭い。本人は勘の根拠が乏しく自信がないが、捜査が行き詰った時には頼りになる。
黒木:須田と組む。常にキビキビと動き、整理整頓している。
速水警部補:安積と同期。交通課で飄々働く白バイ野郎。事件を斜め上から眺めるなどして、視界が狭まりがちな安積に有効なアドバイスを送る。
相楽:本庁捜査一課の刑事。安積をライバル視し、意地を張るタイプ。

 

 

本作品は2007年9月に角川春樹事務所から単行本として刊行。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星))

 

常に忠実、堅苦しいほど確実に仕事する村雨と、外見、態度は有能に見えず、本人にも自信がないが、行き詰った捜査では鋭い感が頼りになる須田の二人に助けられる安積は、部下に絶対の信頼があり、信念に基づき上司にも直言する。この三人のチームで、ライバル視する者たちをものともせずに様々な事件を解決する。
すべての話の中で、このフレームワークが安定しているので、安心して気楽に読める。逆に言うと、読み続けると読者の方もマンネリ化する。

 

今野敏の略歴と既読本リスト

 

 

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3月(1)の散歩

2024年03月16日 | 散歩

 

毎年見事な花を咲かせるミモザ。2月16日はこんな状態。

 

上の写真のオレンジ色の幹をアップしてパチリ。傷跡が生々しい。

 

3月4日にはほぼ満開、豪華!

 

3月10日もまだまだ。そういえば、3月8日は「ミモザの日」だそうです。

 

近接撮影すると、小さな玉がずらずら

 

 

別なお宅のミモザ。小さいのに豪快。2月20日。

 

2月24日には、花一杯。

 

近接撮影すると、花の構造が良く分かり、ミモザの花って、こうなっているんだと感心

 

 

紅梅?

 

 

近接しても、ユズ(柚子)? デコポン説もあり。

 

こちらは?

 

八朔らしい

 

私でも、これならわかる、クリスマスローズ。

 

2月16日の空 ちょうどTVで解説していた波状雲?

 

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「北欧料理ALLT GOTT」でランチ

2024年03月15日 | 食べ物

 

吉祥寺の大正通りにある北欧料理レストラン「ALLT  GOTT アルト・ゴット」へ行った。

"ALLT GOTT"(英語で"ALL GOOD")はスウェーデン料理の店だ。

 

かつて3回ほど休みや満席で入店できず、2011年4月2022年6月に続き3回目だ。予約必須な人気店だ。

休みの予定は、トイレにあった紙をパチリ

ついでにトイレにあった可愛らしいクロスステッチを

 

満席だったが、13時までならと隅の席に案内された。写真の店内は開店直後で空いていたが、予約客ですぐに満杯に。

 

ナイフ、フォーク置きは   いつもと同じトナカイ。

店の外観も、上の写真も、2022年6月の写真と全く同じ。何も考えず、反射で撮っていると判明。

 

                                     

パン

 

私の前菜はにしんのマリネ

にしん好きには最高。にしんの臭みはほとんどない。

 

 

相方の前菜は、スモークサーモン

 

私はスープを追加

葉っぱ臭さはほとんどなく、食べやすい。

 

このちょっと変わった形のスプーンがスープをすくい易かった。

 

 

二人同じキャベツのサラダ、自家製アンチョビドレッシング

 

私のメインは牛バラ肉の赤ワイン煮込み、クリームソースがけ

ピンク色はジャガイモ

 

相方のメインは活〆真鯛のポワレ、イセエビのコライコクリームソースとバジルソース

 

デザート

 

デザート皿が可愛い

 

裏には、「スウェーデン、ロールストランドのSUDBORN(スンドボーン)

ロールストランドは1726年スウェーデン王室御用達窯として創業し、2001年からはフィンランドのiittalaブランドに統合され、次々と底面のマークがイッタラに置き替わりつつあるとのこと( ウィキペディア)。

 

 

コーヒーのソーサーは、フィンランド・アラビア社のシリーズ・アークティカ

 

二人で6千円足らずなら、美味しいし、ご機嫌。まさに、"ALLT GOTT"("ALL GOOD")

次回は予約しよう。

 

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ホテルセンチュリー・サザンタワーでランチ

2024年03月13日 | 食べ物

 

 

久しぶりの新宿で、西新宿一丁目の交差点。 連休真ん中の土曜日とあって結構な人並。

 

「小田急サザンタワー」の上の方のレストランでランチでもと、気ままが良いので、予約もせずに向かう。

新宿ミルロードから新宿駅南口のバスタ(バスターミナル)西側へ、JRに沿って南へ延びる広場のような遊歩道(テラス)があると知って、物好きにブラブラと。

 

文字通りのテラスで、とくに何もない。左側(東側)にところどころにおしゃれな店があるだけ。

 

テラスの西側は、新宿駅から近い方(写真右側)から順に「JR新宿ビル」、「JR東日本本社ビル」、「小田急サザンタワー」と3つのビルが並ぶ。お店があるのは、「小田急サザンタワー」の1F~4F,19F~20Fだけで、他はオフィスビルで、用もなしにぶらつく場所でもなかった。

 

小田急ホテルセンチュリー・サザンタワー」のショップとレストラン、「以上お店これだけ」

 

入ったところが2階

 

とりあえず20階へ上る。左から、バスタ、JR新宿駅、JR新宿ミライナタワー、新宿高島屋が見える

 

新宿高島屋、Takashimaya Times Square(ハンズ、ノジマ、ユニクロ)と、

JRの線路をまたぎ、手前の「サザンテラス」と「タイムズスクエア(高島屋)」の連絡橋「イーストデッキ」が見える。

 

新宿高島屋南館(ニトリ、紀伊国屋)と、ドコモ代々木第二ビルと、右端のドコモタワー

 

南館と、ドコモ代々木第二ビルとドコモタワー

 

「小田急ホテルセンチュリー・サザンタワー」20階のレストラン「サザンタワーダイニング」に連休中日の土曜日の12時に予約もなしに「2名ですが?」と問うと、「本日は終日予約でいっぱいです」と断られる。

 

ならばと、向かいの「ラウンジ サウスコート」に行くと、「一席だけ空きがあります」との事で、目的の「ストロベリー・アフタヌーンティー」は予約してないのであきらめて、「Bar Lunch Plate」を頼む。

 

私のメインはビーフのグリル

 

相方のメインは白身魚とシーフードの部ランチャー焼き

コーヒーとデザート

美味しいし、ゆったりしているし、二人で6,500円なら結構でした。

次回は予約してからか、平日に断られるのを承知で来よう。

 

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吉祥寺丸井のパンケーキハウスでランチ

2024年03月11日 | 食べ物

 

吉祥寺丸井の1階入口すぐの「パンケーキハウス」でランチした。

1953年創業で、アメリカ全土140店舗と人気のオリジナルパンケーキハウス。確かこの吉祥寺店が日本初上陸だったはず。当時、この店に行列して並んだと思う。今では国内に9店舗。

 

この黒板に手書きされたメニューも、アメリカっぽいなと思った記憶がある。

 

パンケーキを注文すると、「そのメニューだと20分かかりますがよろしいでしょうか?」と聞かれた。待てない人の私は迷ったが、まあ歩き疲れたので休むかと、「では、飲み物を先にお願いします」。

 

私はブレンドコーヒー

相方はホットティー

 

私は「絶品ふわふわキャラメル パンケーキ」

確かにふわふわで、大きいが食べでがなかった。

 

相方は「フォカッチャ フレンチミックス パンケーキ」

こちらは1/4は私にまわってきたが、美味しかった。生クリームが嫌いって、何故? 確かに、こう山になっていると、めげそうになるが。

 

しめて¥4,345なら手軽でまあまあ。

 

 

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中野家住宅でランチ

2024年03月09日 | 日記

 

がんこ立川屋敷」(中野家住宅)で法事があり、懐石料理をいただいた

 

武家屋敷の玄関の構えを取り入れた格調高い表玄関

 

席から見えるお庭も立派

 

あまりにパチリパチリも恐縮なので、頂いた冊子「中野家住宅」の写真を以下3枚拝借。

井桁に組まれた梁の力強さ

 

入口の冠木門(かぶきもん)

 

起り破風(むくりはふ):上方向に凸状に湾曲している破風板

 

近世の民家には「庶民(いわゆる本百姓)の住まい」と「名主階層の住まい」にわかれる。後者である中野家住宅は農家でありながら役人を接待するための接客空間・二間が設けられ、「六間型」となる。

 

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