hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

ドナ・タート『ゴールドフィンチ 1~4』を読む

2021年11月30日 | 読書2

 

ドナ・タート著『ゴールドフィンチ 1~4』(2016年、1:6月20日、2,3:7月20日、4:8月20日河出書房新社発行)を読んだ。

 

11年ぶりの著者第3作で、ピューリツァー賞(フィクション部門)を受賞した全4巻の長篇小説。

原題は ” The Goldfinch ”。

 

1巻の口絵は、カレル・ファブリティウス(オランダ)による『ごしきひわ』(The Goldfinch,1654年)の油絵の写真。鎖につながれた鳥のゴールドフィンチ(ゴシキヒワ)が給餌器の上に止まっている。この絵画は現在ハーグのマウリッツハイス美術館に展示されている。作者のファブリチウスはこれを描いた年にデルフトの火薬工場爆発で死んだ。

 

1巻

冒頭は、27歳の主人公のシオドア・デッカー(テオ)がクリスマスを間近に控えたアムステルダムのホテルに一週間あまり、こもりっぱなしになっていて、何らかの事件に関わり、面倒に巻き込まれて、怖れている場面から始まる。

 

それは、14年前の4月10日、テオが13歳の時、ニューヨークで起こった。学友のトム・ケーブルと共に多くの悪さをしていたテオは、吸っていないのに喫煙したとして、母・オードリーと2人、学校の会議に呼び出された。11時半からの会議の前に、母はテオを連れて美術館に寄る。母が息子に見せたかったのは、レンブラントの弟子でフェルメールの師匠のファブリティウスが描いた絵「ゴシキヒワ(ゴールドフィンチ)」だ。しかし、テオは白髪の老人と一緒の鮮やかな赤毛の女の子が気になっていた。彼女に話しかけたかったテオは、さっきいた部屋に戻るという母と別れて、そこに留まった。その直後、爆破テロが起きた。

 

頭を強く打って朦朧となりながら死ななかったテオは、必死で母を探す。赤毛の少女と一緒だったウェルティと名乗る瀕死の老人は、ファブリティウスの絵画「ゴシキヒワ」を持ち出すよう頼む。さらに、指輪を押し付け、緑色のベルを押してホービーに店から出るように言ってくれと頼む。爆発跡の中をさまよい、母は見つからなかったが、何とか美術館から出て、自宅に戻った。そこに母はおらず、死亡したことを知る。すでに数ヶ月前に父親が家を出て行っていたので、テオは、いったん、友人・アンディの家・バーバー家に預けられる。バーバー家は裕福で、サマンサ(バーバー夫人)は上品で冷静な人で、常に落ち着いていた。その他、ちょっと変わり者のご主人と、意地悪い兄・プラットは大学へ行っていて不在だったが、オタクなアンディと、妹のキッツィと7歳のトディが居た。

 

やがてテオは、白髪の老人・ウェルティが遺した〈ホバート&ブラックウェル〉〈緑色のベルを鳴らしてくれ〉という言葉から骨董店を見つけた。老人の共同経営者・ホービーに歓迎され、赤毛の少女ピッパも大ケガを負ったが助かったと分かる。ホービーから骨董家具の修理を学び、傷ついた心も落ち着いたころ、唯一の肉親となった父親と愛人のザンドラが現れ、テオは名画「ゴシキヒワ」を隠し持ったまま、ラスベガスへ連れていかれた。

 

 

2

ラスベガスの学校でできた唯一の友人がボリスだった。彼はテオを、ハリー・ポッターを思い出させるニューヨーク風の身なりのせいで「ポッター」と呼んだ。ボリスは父親・パヴリコフスキーに連れられて世界中を渡り歩き、大変な暮らしを経験したタフな奴で、2人で麻薬など悪いことをさんざんやった。ボリスはコトゥクを彼女にする。

その後、テオはラスベガスを脱出し、ニューヨークに戻り、ホービーとピッパと再会する。頭の良いテオは早期大学プログラム試験に合格する。見事な修理の腕を持つホービーに代り、まだ17歳のテオは客をだましてでも家具を売りつけて、店を立て直す。そして、悩みの種である隠し持った絵の保管倉庫を探す。

 

 

3

8年後、テオは大学を出て、ホービーの骨董店・ホバート&ブラックウェルで働いていた。街で偶然であったプラットからアンディの消息を聞いた。ヒッパはエヴェレットという青年と結婚していた。テオは詐欺まがいの行為で店の赤字を解消するのだが、謎のルシアス・リーヴに苦情を言われ、それとなくあの絵画の行方を尋ねられる。

この頃、テオは母親の死は自分のせいだという思いと、名画を盗み持っていることへの不安で、なんとかやってはいたが、内情はドラッグ漬けだった。そして、かっての悪友のボリスに出会う。彼は驚くべきことを告白する。

テオはキッツィと婚約したのだが、…。

 

4巻 略 

後半はテオとボリスの活劇シーンがたっぷり。

善は必ずしも善行の結果として起こるものではないし、悪行は必ずしも悪から生じるものではないってことだからな。(p166)

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

なぜ老人は死を覚悟した中で、値もつけられないような貴重な絵をテオに満ち出すように迫ったのか? テオは絵を無事に保持し、処理できるのか? 本来は頭脳優秀なテオはドラッグ漬けから抜け出されるのか?

明るく自由な母親、自堕落な元俳優の父、悪友で奔放な友人のボリス、テオが心に秘め続けたピッパ、情け深く包み込む家具職人のホービー。長所も短所も共に懐深い多様な人々のエピソードに囲まれた濃厚なドラマ。

長いが、面白く、十分楽しんで、読める。

 

しかし、冗長とは言えないが、長すぎる。原文で771頁、翻訳も大部の4巻。例えば、テロで爆発の後の記述が30頁ほど続く。美術と骨董の解説もあまりにも多く登場する。ドラッグでおかしくなった状態での周囲の模様や夢の記述が延々と続く。ともかく、一つ一つが長い。濃厚で腹いっぱいの米国料理。

 

 

ドナ・タート Donna Tartt

1963年、ミシシッピ州グリーンウッド生まれ。作家、エッセイスト、批評家。

1981年ミシシッピー大学入学、1982年にバ―モンド州のベニントン・カレッジに移籍。1986年卒業。

1992年の処女作『シークレット・ヒストリー』でデビュー、世界的ベストセラーに。2002年10年ぶりの『ひそやかな復讐』で2003年W.H.スミス文学賞受賞。
2014年さらに11年ぶりの3作目の本書『ゴールドフィンチ』でピューリツァー賞(フィクション部門)受賞、『タイム』誌「最も影響力のある100人」に選出。

 

 

岡真知子

翻訳家。東京藝術大学講師。

訳書に、ドナ・タート『ひそやかな復讐』、アリス・ホフマン『七番目の天国』、バーバラ・T・ブラッドフォード『運命の貴公子』、セバスティアン・フォークス『シャーロット・グレイ』など。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月(2)の散歩 + 11月(2)の花の続き

2021年11月29日 | リタイヤ生活

 

クリスマスツリーのようなサザンカ

 

クレマチスは紫が好きだが、白も悪くない。

 

畑の脇に宿根アスター?

 

色違いの宿根アスター?

 

レモン満載

 

ピラカンサの塀

 

届いた時の11月(2)の花(11月15日)。(再掲)

 

 

アストロメリアは最初から元気がないようにみえたが、結局10日後も生き残った。

 

 

スナップはわずかに一輪挿しでかろうじて命をつないでいる。

 

おまけ

趣味のマンホール写真。偏心した二つのマンホール。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

悲しくて悲しくて

2021年11月28日 | 日記

 

 

今年11月14日のブログで載せたベランダから見た富士山。富士山の雄大な麓までとはいかないが、一応手前の丹沢の山まで見えている。

手前のマンションの建設で、いやな予感はしたのだが、屋上は出来ているようなので安心していた。

 

 

2週間経過した今日、ベランダから見てみると、富士山はシャッポのみ! これじゃ、富士山とは言えない。

 

 

あわてて、窓枠に乗って背伸びして撮った写真。手前のマンションの屋上だけなら、まだくやしくても我慢できる範囲だが、エレベータ塔(多分)がちょうど富士山を隠してしまっている。

我がマンション、富士山が見えるということで買ってやったのに(嘘ばっかしとの声あり)、どうしてくれる!

 

 

 

胸にしみる空のかがやき/今日も遠くながめ涙をながす/悲しくて悲しくて/とてもやりきれない/このやるせないモヤモヤを/だれに告げようか

(作詞:サトウハチロー、作曲:加藤和彦、唄:ザ・フォーク・クルセダーズ)

 

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮地尚子『ははがうまれる』を読む

2021年11月26日 | 読書2

 

宮地尚子『ははがうまれる』(2016年2月15日福音館書店発行)を読んだ。

 

福音館書店の内容紹介は以下。

多くの人のトラウマと向き合ってきた精神科医が、自身の経験や専門知識も交え、子育てのこと、母親を取り巻く様々な問題について、やさしく語りかけるエッセイ集。赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまう、ママ友付き合いで自分一人がはずれているように感じる…。日常の小さな悩みや違和感、言葉にならない気持ちを丁寧にすくい取り、そこから抜け出すヒントを提示してくれます。月刊誌「母の友」連載時に多くの共感を呼びました。

 

「アウェイ感」、「身ごもる」、「ほどく」、「身体の記憶」、「3・11」の5テーマでまとめられたエッセイ集。

月刊誌『母の友』に掲載されたエッセイをまとめたもので、主に小さな子を育てている母親、父親などに向けて書いてある。著者は精神科医師で大学教授であるが、専門知識よりも、著者自身の子育ての経験をもとにわかりやすく語っている。

 

 

身ごもっていた友人が出産し、母になった。……なんだか不思議な気がしてくる。そして、「ああ、子どもが生まれただけではなくて、母もうまれたのだ」と思う。…子どもに赤ちゃん言葉で話しかけたりする彼女は、これまでの彼女でありつつも、新しく母として生まれたのだ。…

ただし、新しく生まれた子ども同様、新しく生まれた母も、育てられる必要がある。(p12~13)

 

最初は安心感を与えてくれる(自転車の)補助輪。いつの間にか必要がなくなっている補助輪。必要がなくなったら、邪魔っけにさえなる補助輪。親の役割もそんなものかもしれない、と思ったりする。必要がなくなるほうが、子どもは遠くまで行ける。(p39)

 

日本では、毎年2万5千人を超える人が自殺している。…それでも、子どもたちにこれだけは言っておきたいと思うことはある。それは、「本当に死のうとする前にSOSを出し続けてほしい」ということ。そして、「どうしてもつらいなら逃げてもいいんだよ」ということである。……逃げることも一緒だ。おかれた状況から離れ、外から距離をおいてみるだけで、せっぱつまった思考がほどけていく。(p102~104)  (まさに「逃げ恥」(逃げるは恥だが役に立つ)だ)

 

こどもの視点から見ると、大人とは全然違うところの旅のおもしろみがある。(p111)

(夏休みの海外旅行の後で、子どもに何が楽しかったと聞いたら、「プールで泳いだこと」と答えた。がっくり来て、次の年の夏休みは、プールのある会社の保養所で安くあげた。)

 

 

初出:「母の友」2010年~2015年

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

母親の立場からの日常生活に密着したわかりやすい話で、書いていることはいちいち納得する。あるある感で共感するし、やっぱそれしかないよな、と思う。

 

しかし、贅沢を言えば、日常生活の中のわかりやすい語り口だけでなく、精神科医師、大学教授で、文化精神医学・医療人類学が専門の立場からの視点も匂わせてくれたほうが良かったと思う。

 

 

宮地尚子(みやじ・なおこ)

兵庫県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻・教授。精神科医師。医学博士。専門は文化精神医学、医療人類学、トラウマとジェンダー。1986年、京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了。1989~92年、ハーバード大学医学部社会医学教室、および法学部人権講座に客員研究員として留学。近畿大学医学部衛生学教室勤務を経て、2001一年より、現職。

著書に、『トラウマの医療人類学』『環状島=トラウマの地政学』(共に、みすず書房刊)、『傷を愛せるか』(大月書店刊)、『震災トラウマと復興ストレス』(岩波ブックレット)、『トラウマ』(岩波新書)などがある。

 

 

呉夏枝(お・はじ)表紙の絵を担当

1976年、大阪府生まれ。美術作家。2012年、京都市立芸術大学美術研究科博士課程修了。主に、染織、刺繍、編む、結ぶなどの技法を使って作品を制作。織物を記憶が織り込まれたメタファーとしてとらえ、ほどくことで記憶を想起しようとするインスタレーションや、音声や写真を使った作品なども展開している。オーストラリア在住。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラ・クール・カフェ(La cour cafe)でランチ

2021年11月25日 | 食べ物

 

ほとんど使っていないドコモのガラケイ1回線を契約解除するために吉祥寺中道通りにあるドコモショップへ行った。ユニクロの駅側を入ってすぐだ。

簡単に済ませて帰るつもりが店員の口車に乗って長引いてしまった。なんでもドコモはフォーマ回線をG3に変える(??)のに力を入れていて、通常2.2万円のスマホが1.1万円になるというのだ。半額なら買わねば損と相方に新しいスマホを買ってしまった。常々、「買わないのが10割引き」と強弁している癖に。相方からの質問攻めに、同じ機種なら手間がいらないとの言い訳もあって。

その結局、2時間もかかって、ランチ場所を探すはめになった。

 

 

久しぶりに中道通りを歩く。南側の小径に柑橘系の大きな木が。こんな所にと、パチリ。

 

2年程前までは中道通りを歩くと、開けた場所の向こうに昔ながらの家が見えて、よく縁側でご高齢のおじいさんがじっとこちらを眺めていた。ゴタゴタと騒がしい通りで何かほっとする場所だった。
2020年5月、下の写真のように工事が行われ、あの家も喧噪の中に飲み込まれるのか、まあしかたないだろうなと寂しく思った。まもなく、中道通り沿いに大きなビルが建った。

 

あの家は?と久しぶりに思い出してビルの脇の道を入ると、お~、あの家がある。おじいさんはいかに?

 

 

昼飯処を求めて、中道通りを少し先へ進む。簡単なもので良いのでと、手時かなところですますことにして、たまたま「ラ・クール・カフェLa cour(中庭)café」の看板が目につく。プラタ高橋ビルの2Fで、ガラス越しに店内が見える。武蔵野市吉祥寺本町2-11-9

 

階段が急で、小さな小さなエレベータで2階へ。店内は通り側が大きなガラスになっていて、思ったより狭くはない。ケーキが500円で安くて美味しそうだが、我慢。

 

私はマカロニグラタン、パン、サラダ付き。

 

相方はハヤシライス。

 

白いカップはウエッジウッドでした。

 

喫茶店のランチだからと馬鹿にしていて、失礼しました。本格的でおいしい!

2,200円と高くないし、ラ・クール・カフェ(La cour cafe)お勧めです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

牛田守彦、高栁昌久『戦争の記憶を武蔵野にたずねて 増補版』を読む

2021年11月24日 | 読書2

 

牛田守彦、高栁昌久著『戦争の記憶を武蔵野にたずねて 増補版 武蔵野地域の戦争遺跡ガイド』(2006年12月20日文伸/ぶんしん出版発行、現在絶版中)を読んだ。

 


 東京都武蔵野市、三鷹市、西東京市に閑静な住宅街が広がる武蔵野地区は、太平洋戦争末期には「一大軍需工業地帯」だった。そして、1944年から翌年にかけて、アメリカ軍の空襲で大きな被害を受け、その傷跡は、70年以上経ってもこの地域に残っているし、残していきたいと思う。

 

 この本は、研究者や地域の人たちが中心となって結成した市民団体「武蔵野の空襲と戦争遺跡を記録する会」が武蔵野地区の戦跡を調査し、聞き取り調査した結果をまとめた武蔵野地域の戦争遺跡ガイドブックだ。本団体は、たびたび多くの皆さんをフィールドワークに招き、戦跡を保存し、伝えていこうとしている。

 

この本の内容は、各地区(武蔵野エリアと中心に、柳沢・東伏見エリア・西東京エリア・ひばりヶ丘・東久留米エリア、三鷹・調布エリア)の戦跡について写真と共に紹介し、併せて中島飛行機武蔵製作所などについて解説してる。

 

 

中島飛行機武蔵製作所

中島飛行機は、戦前・戦中の日本の航空機生産のトップメーカー。武蔵製作所はエンジン工場で日本の30%を生産していた。このため本土空襲の最重要目標となり、空爆の初期から合計9回の空襲を受けた。

1944年11月24日、サイパン島を飛び立った111機のB29は、富士山を目印に日本に飛来し、武蔵境の浄水場を目印に武蔵製作所に爆弾を投下した。その後も爆撃は続き、200名以上の死者が出て、工場は再起不能となった。

 

 

以下、この地域になじみのある私の目についた記事を列挙する。

 

都立武蔵野中央公園

今は面積約10万平米の通称「はらっぱ公園」だが、かっての中島飛行機武蔵製作所西工場(旧多摩製作所)の跡地だ。公園正面入口に説明板が設置されている。

 

NTT武蔵野研究開発センタ

戦後廃墟となっていた武蔵製作所の北側部分の建物を改修し、1950年電気通信研究所の2号館、3号館とした。2001年取り壊されるまで使用されていた。

私はこの2号館に勤務していたことがある。大きな蛇腹式のドアのエレベーターがあって、手動で止め、段差ができるとやり直しするというものだった。ゼロ戦のエンジンを運んだと聞いていた。また、不発弾が発見されて、午後から勤務が休みになることが何回かあったが、当時は「やった!」と遊びに行くだけで、戦争を思いやることもなかった。

 

世界連邦平和像

三鷹駅北口ロータリー中央に、駿馬にまたがり、髪を振り乱しながら駆けるブロンズ製の女神像がある。土台部分に武蔵野市における戦没者の名簿が収めてあるという。長崎の平和祈念像の作者で、工房跡が井の頭公園西園にある北村西望の作品だ。

私は通勤で毎日北口を通っていたのだが、何か像があるなと思っただけで、北村西望の作品とは知らなかった。

 

源生寺

身元不明の遺骨慰霊のため建立した「倶會一處(くえいっしょ)」碑がある。「倶會一處」とは、念仏者は等しく西方浄土に往生し、一つ所に相会うということ。
本堂裏の墓地に、爆撃によって背面が大きくえぐれた墓石がある。

 

井の頭公園

かって植林されていた杉は空襲犠牲者の遺体を入れるお棺に使われた。文化園にはハート型の傷がある幹を持つ松の木があり、戦時中に松脂を採るためにつけたものと言われている。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

武蔵野地域になじみのある人は、図書館などで是非この本を手に取って、現在の片隅にある戦跡を見て思いを致してほしい。地縁のない方は、何かの機会に、お住いの地域の戦跡を知り、戦争時の地域の歴史を調べて欲しい。

 

書物で知る整えられた歴史でなく、身近な生活の中での戦争の傷痕は、また違った感慨を引き起こすだろう。

日常生活の中で目に触れているものが、かっての戦争に関連していることも意外と多いものなのだ。私の場合のように。そして、それらは何もしなければここ数十年で失われていくのだ。

 

 

牛田守彦(うしだ・もりひこ)

1961年生れ。法政大学中学高等学校教諭。武蔵野の空襲と戦争遺跡を記録する会代表、歴史教育者協議会会員、戦争遺跡保存全国ネットワーク会員

 

高栁昌久(たかやなぎ・まさひさ)

1966年生れ。国際基督教大学高等学校教諭。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月(2)の花

2021年11月22日 | リタイヤ生活

 

11月15日に届いた花

 

 

ピンク色のツツジのような花がアルストロメリア。中央の白色と左の黄色がスナップ。

中央上の緑の玉っころがヒペリカム。真ん中に伸びている2本の茎がアカメヤナギ。右上の葉がタニワタリ。

 

2日後にはもうスナップはしおれ始めた。

 

アルストロメリアは可憐だが地味で貧相に感じてしまう。花言葉「未来への憧れ」は大げさすぎる。

 

別名キンギョソウのスナップは、派手さはないが、花言葉「清純な心」はそのものとも言える。私にはストックとの違いが分からないが、ネットを見ると、ストックはスプレー咲きもあるのが、スナップは1本ものだけとある。

 

薄黄色のスナップが花のすぐ下で折れ曲がってしまったので一輪挿しにお引越し。

 

 

赤くなるのかと思ったヒペリカムは緑のまま。花言葉「きらめき」とは程遠い。

 

アカメヤナギの蕾の殻が取れて、白い綿毛のような芽が現れた。触ると絹のような手触りだ。

 

森林内の樹木や岩に着生するシダ植物のタニワタリ(谷渡、別名オオタニワタリ)は幅広の葉で、裏には茶色の葉脈が。花言葉「あなたは私の喜び」はやりすぎ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貫井徳郎『慟哭』を読む

2021年11月21日 | 読書2

このところ読書記録が途絶えているが、超長編の4巻本を読んでいるためだ。ようやく2巻を終わったので、一息ついて、貫井さんの気になっていた『慟哭』を読んで、書いた。

 

貫井徳郎著『慟哭(どうこく)』(創元推理文庫Mぬ11、1999年3月東京創元社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。

 

本作品は貫井徳郎のデビュー作で、同時に代表作の一つ。

 

構成は1、2、3・・・と別れていて、「1、3、5・・・」の奇数章は新興宗教に救いを求める「彼」=松本の視点で描かれ、「2、4、6・・・」の偶数章は事件の陣頭指揮をとる警視庁捜査一課長「佐伯警視」視点で描かれている。

 

娘を亡くし空虚な心を持つ彼(松本)は新興宗教にのめりこんでゆく。次第に黒魔術を妄信し、依代(よりしろ)として少女の身体を求めていく。その姿は偶数章での犯人の姿だと思え、奇数章の松本は、どこで本編の偶数章にかかわってくるのかと思いながら読み進めていくことになる。

 

警察庁に毎年20人ほどしか採用されないキャリアは、一般警察官が20年かかる警視に27,8歳でなる。佐伯はそのキャリアで、その上、元法務大臣の隠し子という噂で、彼の妻は警察庁長官の一人娘だった。当然、多くのノンキャリの警察官からも、キャリアからも風当りは強かった。

 

昨年12月に行方がわからなくなっていた斎藤奈緒美ちゃんの遺体が平成3年1月発見された。電話を受けた捜査一課の40歳過ぎの丘本警部補は課長の佐伯に報告したが、同じ年頃の女の子を持つ佐伯の顔は峻烈なままだった。

佐伯の周りには、誤解と偏見が満ちている。それなのに、佐伯自身はそれを解消しようとはしない。丘本は佐伯の頸(つよ)さを哀れにすら感じた。(p74)

 

多くの少女が行方不明になったままで、佐伯は警察内外から厳しく責め立てられる。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

面白く読め、著者にすっかり騙されて、私も最後にびっくりした多くの読者の一人となった。

新人とは思えない重厚見事な書きっぷりだ。

 

三ッ星にした理由は2つ。

一つは、詳しくは書けないが、奇数章と偶数章に分けて書いていて、そのトリックがルール違反ではないのだが、「それはないよ」を思わせる点。(ヒントを最後に、ネタバレ・白字で記述(カーソルを置けば黒字になる))

もう一つは、奇数章のインチキ宗教の記述が長いこと。私自身は、このようなことはバカにしきっていて、松本視点とはいえ、正面切って書かれると読む気がしなくなるという個人的理由だ。

 

 

貫井徳郎(ぬくい・とくろう )の略歴と既読本リスト

 

 

眦(まなじり)、蠱(まじない)、窘(たしな)める

依代(よりしろ):神霊が依り憑く(よりつく)対象物のこと

誰何(すいか)の声もなく

瞋恚(しんい):怒り、仏教用語で、自分の心に逆らうものを怒り恨むこと。

 

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ。

偶数章の最後で捜査一課長の佐伯は自分の娘が4人目の犠牲者となってしまう。時系列的に、偶数章の最後から奇数章の冒頭までには空白期間があり、その間の事はまったく書かれていないのだが、佐伯は辞職し、離婚し、名前を松本に戻した。

以上

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

井の頭公園をブラついてからスタバへ

2021年11月20日 | 散歩

 

今日は日曜日。といっても我々には毎日だが。

 

井の頭公園駅近くの三角公園のサザンカ

 

天狗のうちわのような葉を持つヤツデの花。これだけそろうと不気味だ。

 

定点観測地点のひょうたん橋からの井の頭池。

 

 

「井の頭公園アートマーケッツ」では、手作りアート作品と大道芸の出展が、毎月第2土、日、第4土、日と月4回開催される。実際は大道芸は少ない。出展者(キャスト)は年間登録制。

下の写真は、キャストに出欠の確認を求めるもので、コロナ対策(マスクまたはフェイスシールド着用、キャッシュ・トレイ使用など)の注意が書かれていた。

この時はまだ9時半で、出展の準備をし始める人がちらほらいただけだった。

 

 

池からの朝日の照り返しが木々の葉に当たり、かげろうのように揺れていた。動画でなくて残念。

 

池をのぞくと、藻が一杯。藻は水質を浄化し、生き物を助けるらしいのだが、美しくはない。

 

七井橋からの定点観測。9時半直前でまだボートは出てきていない。

 

七井橋から西の方を見ると、例のマンションが聳えている。建設当時は景観破壊で反対運動が盛んだったが、いまや築50年を超えているらしいが、超人気で憧れの的という。上から見た井の頭公園は絶景と聞く。

 

池の真中に羽を乾かす鵜(ウ、多分)。ひどい写真!

ますますひどい!

 

そして、ついに撮られた冷水俊頼の写真。

寄り添う相方と2ショット。

 

 

こんな写真じゃ、「買物に疲れてスタバで一休み」で時計に写り込んだ顔の方がヤバい。

 

 

勢ぞろいしたスワンボート。

 

上の写真の真中あたりに見つけた眉毛のある王子様。ただ一人の男性でハーレム状態なのだ。

 

公園入口の焼き鳥のいせやの隣りのスターバックスは犬連れで一杯。

 

我々は、井の頭線吉祥寺駅改札口脇のスタバで一休み。

 

このスタバは紅茶専門店なのだ。といってもコーヒーもあるけど。

 

我々の注文は、ストロベリー・パッションティーSと、ハイビスカスのホットティーS

この店は、いつも席を探すのが大変で、テーブル間隔も狭すぎる。

 

 

 

井の頭通り沿い、丸井向かいのケンタッキー・フライド・チキンを見ているうちに、懐かしくつい20年ぶりに入ってしまった。5ピース1000円のセットを買って帰り、

 

「天然酵母 こ・ん・ぱ・す」で買ったクリームパンとチーズオニオンパンと、

 

クロワッサン、コーヒーでランチとした。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買物に疲れてスタバで一休み

2021年11月18日 | リタイヤ生活

 

 

我家の壁時計がたびたび止まるようになった。長針が何故か15分(3のところ)で止まることが多いような気がする。しばらくたって気がつくと動いていてほぼ正しい時刻を示すが、電波時計なのに常に3分ほど遅れている。哀しいことにスマホのインターネット経由の時計の方が正確とはどゆこと?


電池を入れ替えても変わらない。裏にあるボタンを押して電波受信状態にしても変化なし。昔の知識で、電波は筑波からきているのでと、北側のベランダに出しても受信しない。

デザインはシンプルで気に入っているのだが、購入後10年以上になるので買え代えることにして、吉祥寺へ出かけた。

 

店には壁一面に沢山の時計が並ぶ。大部分は電波時計だが、スマホの時刻を無線通信(「Bluetooth(ブルートゥース)」で受信して補正する(?)電波時計まであった。壁の時計が1,2分ずれていても実質支障ないのだが、手元のスマホの時計との差は、気になると言えば気になるものだ。

月日、曜日、温度、湿度の表示がある以下の写真の電波時計を8千円弱で買った。今まで我が部屋から月日、曜日、温度、湿度の表示がある置時計を朝、居間へ移動させて、温湿度などを見ていたのが、この時計があれば移動が不要になる。デザインはシンプルでないのでいまいちだが、便利さには勝てない。

古い電波時計は北側の部屋に移動させたら、今のところきちんと動いている。やはり南側の居間は届く電波が弱かったということにしておこう。

 

 

相方はiPad(アイパッド)を使っているのだが、使い終わってテーブルの上に置くときに保護のために上面にタオルをのせていた。量販店に山とならぶ中からエイやと、専用のカバーを買った(3千円弱)。iPadを斜めに立てかけて、見るのも、タッチするのも格段に楽になったと喜んでいる。

 

 

1台の加湿器を朝、寝室から居間に移動させて両方で使っているのだが、持ち運びも辛くなってきた。小さな加湿器を探し、タンク容量1.6リットル、本体重量約0.9㎏と小さく、何と言っても2千円少々と安い超音波加湿器を買った。アロマも照明も使わないと思うし、スライムみたいなデザインも格調高いと思いこんでいる部屋にはミスマットだが、安さに負けた。

 

吉祥寺パルコに入り、マスクの中が息苦しいと、マスクスプレー(¥1320)をご購入。

 

道をまっすぐ歩くのでなく、あちこちのぞき、試しに手に取って、横に歩く相方のお供で、疲れ切ってパルコ2階のスタバにたどり着く。

ケーキのモンブランと、コーヒーとアメリカン。しばしの憩い。

スタバにしては席がゆったりしていて、快適だったと思うのだが、もう10日も前のことで、あまり覚えていない。

 

 

コロナが厳しかった頃は外出しなかったのにこの頃は何かと近場に出かけることが多くなった。エクセルでつけている家計簿をあらためて見ると、出費が極端に違う。出掛けなければ、金がかからないと家計簿は明快に語っている。つい、なくても暮らして行ける物を買ってしまうのと、基本節約の我家では外食が大きな出費になっている。

 

戦後、さんざ食い物と言いたくないような物を食べてきた私は、残り人生を考えると「まずいものなどもう食いたくない」と思う。また、ちょっとした出費でわずかでも楽に暮らせるならやってしまえと思う。これまでのようにケチに徹し、エコを心掛けでも、どっちみち最後は辛い目に会うのは間違いない。ならば、将来の金欠なんて構うものか、それより目の前のラクチンだと、今は思っているのだが。

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MLESNA TEA(ムレスナティー東京)を振ってサンマルクカフェへ

2021年11月16日 | 食べ物

 

井の頭公園を散歩して、さて2020年5月に閉店した「芙蓉亭」の跡にできた紅茶の店でも、からかって見るかと、坂を上がった。

お屋敷然とした門から覗き込む。う~ん、我家とそっくり。

 

建物はそのままにしたと聞いたが、芙蓉亭時代と変わらない雰囲気だ。

 

スリランカの紅茶専門店で紅茶セットがいろいろあるらしい。

 

2021年9月12日からカフェ利用が開始になったそうで、各種メニューが掲示されていた。

ムレスナティーフリー                1,320円

スコーンフリーセット(ムレスナティーフリー付)   2,750円

ケーキセット(ムレスナティーフリー付)       3,300円(40食限定)

アフタヌーンティーセット(ムレスナティーフリー付) 4,400円(数量限定)

 

値段に恐れおののいて退却。そもそも二人とも加齢等によりごく少食で、フリーは苦手。

そもそも電話での予約優先で、1時間45分の時間制限がありと書いてある。

 

 

細かな用を済ませて、吉祥寺元町通りのサンマルクカフェへ入る。

前からここにあったと思ったが、中に入ると新しくなっている。2020年6月リニューアルらしい。それにしては、注文してトレーを持って席に行こうとして段につまずきそうになった。

 

私は、右下のプレミアムチョコクロ(黒糖わらび)と、右上のクロッシュ―(木イチゴ)に、サンマルクブレンドS

相方は、左下の自家製キッシュ(ベーコン&トマト)に、アメリカンコーヒーS

 

二人とも、ランチはこんなもので充分。

合わせて¥1350で、身分相応なランチで、差し引き数千円のお得??

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月(1)の散歩

2021年11月15日 | 散歩

 

道端に植木鉢を置いて、通行人にサービス。

「葉の淵がトゲトゲだからバラだと思う。バラって八重じゃないのもあったっけ?」と言うほどのもの知らず。

 

これもバラでしょう。

 

典型的?バラ。

 

黄色もいいね!

 

キダチチョウセンアサガオ(園芸名のエンジェルトランペット)。この木は「9月(2)の散歩」の時も咲いていた。

 

花一杯の花壇を作り、道行く人に花の種の袋を並べて解説してくれているお宅があった。

 

 

 

途中で寄った図書館の休憩コーナーの水槽にメダカが。しげしげ見ないと見つからないほど小さい。

 

 

 

マジで探してみると、居た!(らしい)

 

親子カエル?

 

 

 

さらに足をのばしたらワークマンがあった。初めて入ってみると、普段見ないものが山になっている。

 

ご購入は布製のベルト。278円、安い!

 

先端が丸くなっている軸が左にあると、ベルトは固定されないが、

 

軸を右にすると、ベルトが固定される。この仕組みを始めて知った。腹が膨れると固定されてズボンが落ちなくなる?

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

振り返って見れば上弦の月

2021年11月14日 | 日記

 

私は、季節にかかわらず毎朝、起きてから鼻が出続けてなかなか止まらず、ティッシュの山を築くことになっていました。副交感神経から交感神経への切り替えがうまくいかないためだろうと考えて、ここ数か月、起きると真っ先に蛍光灯を5分以上眺め続けることにしました。こうすれば、一応鼻がグズつくくらいで治まるようになりました。蛍光灯でなく朝日を眺める方が良いのですが、起床は5時15分に決めているので、この季節ではまだ日の出前なのです。

 

そこで、空が明るくなった頃、交感神経の切り替えを確実にするために、このところベランダに出て空を眺めています。今朝、遠くに富士山がくっきり見えました。

 

夕方、どれどれ富士山はと、ベランダに出ると、16時26分、夕陽が落ちかけて、富士山がシルエットになりかかっていました。

 

16時30分太陽は沈み、富士山のシルエットがくっきりとなりました。

 

振り返り、東南の空を見上げると、月が見えました。「上弦の月だったっけ 久しぶりだね 月見るなんて」と吉田拓郎の「旅の宿」を思い出しました。

右側が光っているのが上弦の月だと中学の時(?)に覚えことはまだ忘れません。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人をだめにするソファーに20年

2021年11月12日 | 個人的記録

 

私の家には物心ついてから常に、居間には掘りごたつがあった。
こたつも一度入るとなかなか出る決断がつかないほど快適だが、長時間座った姿勢も疲れる。そこで、こたつのやぐらに足を掛ける綱をぶら下げた。畳に寝て、足をこたつの中に吊るした綱に掛けて、寝転んだままでこたつに入るという高度な工夫をし、快適な生活を過ごしてきた。
これは夏でも使え、一年中、いや三年寝太郎できる。家を建てたときも必ず掘りごたつを作り、数十年の快適ぐうたら生活を過ごしてきた。

 

 

しかし、マンション住まいになって、床暖房は快適なのだが、寝転んだ姿勢が長時間に及ぶとくたびれる。
そんな時、無印良品で、人の座り方にあわせて自由にかたちを変え、身体にフィットする一人ソファを、見つけてほれ込み、すぐに買った。20年以上前のことだが、1万円近くしたと思う。

当時の商品名は「ゴロー寝」だと思ったのだが、今、検索すると「体にフィットするソファ」という名前になっている。

 

内部には細かな粒子状の発泡スチロールだけが大量に入っていて、自由に形を変えることができて、身体がすっぽり包み込まれる座り心地、寝っ転がり心地だ。カバーの生地にも工夫があるようなのだが。

足を投げ出して座ったり、寝転んでTVを見るのに心地よく、現在でも、相方の冷たい目に負けずに一日の大半をここで過ごすほど使い続けている。あまりにも心地よいため、根が生えて、トイレ以外では立ち上がらなくなる。まさに「人をだめにするソファー」なのだ。


リビングで寝転がる人には絶対的にお勧めだ。ただし、購入して使用したら、あなたには(同居人を除く)快適な暮らしが続くのだが、それは私のように、だめな人になるという尊い犠牲の上になりたつ幸せなのだ。

 

各社から同等の商品が販売されていて、「360.life」で紹介、比較されている

現在使用中のものは、ニトリで買った同等の「ゴロー寝」で、「ビーズソファ」という名前だ。

 

 

欠点はただ一つ。数年で中の粒子がつぶれてきて、全体が小さくなってくる点だ。
これに対し、最初は梱包用の発泡スチロールを細かくちょん切って中に補充したが、面倒だし、ゴロゴロして座り心地が悪くなる。

その後、小さなスポンジのクッションをいくつか買って中に補充して使ってみた。自由な形に変形する融通さ具合が損なわれて今一つだ。

そこで、ワンランク小さく、安い「ゴロー寝」を買って、カバーを外して中に入れた。快適に使えるが、これもだんだん小さくなり、新しいものに買い替える必要がある。

結局、数年毎に買い替えて、現在のものは、おそらく数代目だろう。

 

 

違う話になるが、ノートパソコンを使うのにテーブルに座らないといけないことを何とかしたいと思った。
寝転んでパソコンのキーボードを叩くのは、海老ぞりになり苦しい。横向きに寝転がったままでパソコンのキーボードを叩くのも無理がある。
ならばと、100度ほどに開いたノートパソコンを横置きにして、使ってみたが、キーボードは何とか打てるが、首が完全に床に平行ではないからなのか、人間の感覚は簡単に縦から横に切り替わらないためなのか、画面が見にくい。
結局、電源の問題もありパソコンを使う時と食事の時に限り、イスに座ってテーブルに向かうということで妥協している。

 

 

こんなぐうたらな私自身に送る言葉。

お前が無駄に過ごした「今日」は
昨日死んだ誰かが
死ぬほど生きたかった
「明日」なんだ

(「カシコギ(棘魚)」という2002年にヒットした小説の中の台詞で、公共広告機構(AC)のCMで広まったらしい)

 

 

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11月(1)の花

2021年11月08日 | リタイヤ生活

 

11月1日に届いた花

 

 

7本のバラ、数本のストック、3本のセンニチコウと、奥にあって見えないミスカンサス。

 

赤いバラ

 

薄紫のバラは中心部の花びらが濃密

 

 

この黄色いバラは、中心部の花びらが密集。

 

 

何も知らない私は、改めてじっと眺めてみて、バラの花びらの形にもさまざまあることを知る。

 

 

花屋さんからの情報には「ストックの花は下から順に開花するので、枯れた花は摘み取りましょう」と。

 

 

 

イチゴのようなセンニチコウ(千日紅)。

 

ただの葉っぱなのに「ミスカンサス」とは。

 

早くも翌日がほぼ最盛期

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする