hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

最果タヒ『「好き」の因数分解』を読む

2020年10月30日 | 読書2

 

最果タヒ著『「好き」の因数分解』(2020年2月1日リトルモア発行)

 

ひとつの「好き」について、本文と、キャプションのようなテキスト、詩のようなテキストという3層構造で、見開きに三つの文章が並ぶ変わったレイアウトになっている。これが、48続く。

 

幾何学模様のブックデザイン(by 佐々木俊)がカワユイ。

 

テーマは、「ミッフィー」「風立ちぬ」「マックグリドル」「カルテット」「ゆらゆら帝国」「よつばと!」「古畑任三郎」「宇多田ヒカル」「タモリさん」「BLANKEY JET CITY」「ポイント10倍キャンペーン」「インスタグラム」など。

 

FINDERS(ファインダーズ)」のインタビューで最果さんはこう語っている。

好きなものが好きな理由を書こうとすると、それについての話にはならない感じがあります。好きは好きだし、好きなものを「なぜ好きなのか?」、わざわざ分かる必要を自分は感じていないし、好きなものについて語るとき、それはなぜ好きなのか、よりも「自分はここにいます」って話にしかならないように思うんです。

好きっていうのは、自分から見た世界がこういう風に見えるってこと。好きっていうのは、世界から何かを選び取ってるんですよね。そこに自分が映し出されている。だから「好き」を語るのは、自分自身の話をすることにも近いと思うんです。

 

「マックグリドル」

マックグリドルとは、マクドナルドの朝のメニューで、シロップをふんだんに含んだパンケーキでソーセージや目玉焼きやチーズを挟んでいる。甘いとしょっぱいが50:50のハーモニー、ではなく、100:100で陣地の取り合い・殴り合いをしているような食べ物なのです。

 

「カルテット」

2017年に放送されたTBSのドラマ。高橋一生と吉岡里帆がブレークした。

私たちは嘘をつくし、言わないことも多くなるし、そうした「不在」をかかえて他人と向き合っている、という、そのことを、ドラマで生々しくさらしている。

 

「クロード・モネ」

景色は、いつも光が物質と混ざり合って、できている。光なしで私たちがなにかを見ることなんてけしてできなくて、美しさとは光によって作られているのだ。

 

最果タヒ(さいはて・たひ)

1986年生まれ。
2004年よりインターネット上で詩作をはじめ、翌年より「現代詩手帖」の新人作品欄に投稿をはじめる。
2006年、現代詩手帖賞を受賞。
2007年、詩集『グッドモーニング』を刊行、中原中也賞受賞、
2012年、詩集『空が分裂する』。
2014年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』刊行、現代詩花椿賞受賞。以降、詩の新しいムーブメントを席巻

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

まず、『「好き」の因数分解』というタイトルに、そして著者が若き詩人であることに興味を持った。

 

どうして好きなのかを語ることは、どうしてもややこしい話になってしまう。ましてや、本人は感性は鋭くないと言ってわいるが、感性を誇る詩人であればなおされだ。それでも、大部分は理屈でもなく、尖った感性でもなく、わかりやすい語り口だ。

とは言っても、いつくかは、ややこしい。たとえば、「写真を撮る」の「へたくそ」についてこんな文章がある。

しかしぼくは、「へただけど、切実さがあり、その切実さとへたが噛み合って、ぐっとくる」みたいな、「へた」の救われ方はあまり好きではなくて(うるせえ切実フェチが。と思います)、「へた」を必死さの演出としてみるのではなく、手癖とか本人がまだ言語化できていない価値観によって生まれているからこそ「よい」とされるときに、好きだと思います。

 

著者とは親子以上年が離れているので、好きな歌手の名前、服装など知らないことがところどころ(?)あった。

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「Flower & Café あっとほーむ」でランチ

2020年10月29日 | 食べ物

 

吉祥寺駅から東へ約5分、井之頭通りにほぼ並行している末広通の中ほどにある「Flower & Café あっとほーむ」でランチした。向かって左に花屋さん、右がカフェになっている。

店内は狭く5,6人で一杯だろうか。壁はコンクリ―トの打ちっぱなしで、いろいろなものが並べてある。

カウンター席の側にはドライフラワー。

注文したのは二人ともブランチ・メニューの厚切りトースト(蜂蜜添え)とスープ。
スープは、私は野菜たっぷり豆乳味噌スープで、相方は季節のスープ。(各々600円+税)

 

これが、トースト。

家ではこれほど厚切りしないので、また違った味わいで、美味しくいただいた。

 

野菜たっぷり豆乳味噌スープ

とろとろのスープ美味。残りをパンでからめとったほど。

 

季節の野菜スープ

こちらも残らず、私の分はなし。

 

また来たい美味しさで、次回はデザートのチーズケーキも頂こうと思う。

 

 

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ジョン・M・マグレガー『ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で』を読む

2020年10月28日 | 読書2

 

ジョン・M・マグレガー著、小出由紀子訳『ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で』(2000年5月25日作品社発行)を読んだ。

英語名は “In the Realms of the Unreal”。正式名は『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語』という書名。

 

この本は3部からなる。

まず大部分が25㎝*30㎝の横長の挿絵である図版が60ページ以上続く。実物の挿絵は300枚以上あり、全てダーガーによって描かれている。

 

Part1は「非現実の王国で」の物語の実物は15巻・1万5千頁あり(世界一長い長編小説と言われる)、この本では抄で、19章24頁ある。

 

Part2は、この本の著者マグレガーによる「ヘンリー・ダーガーの世界」の解説。

 

元本の著者ヘンリー・ダーガー(米国1921~1973)は、16歳で知的障害施設を出所後、71歳まで病院の下働きを勤めた。天涯孤独、不遇の人生の中で友人もなく一人部屋にこもって19歳から約60年間書き続けた。

ダーガーが老人ホームに収容される前に、アパートの家主・芸術家のネイサン・ラーナーが整理するために部屋に入ってみると、15巻・1万5千頁以上のタイプ打ちされたテキストと300枚以上の挿絵からなる物語を発見した。女の子たちを主役にした残酷な戦争の物語で、誰にも見せるつもりも無く描き続けられた作品だった。

 

物語は、子供奴隷制を持つ軍事国家『グランデリニア』と、カトリック国家『アビエニア』との戦争を、従軍記者であるダーガーの視点で描いた架空戦記。アビエニアを率いる7人の少女戦士、ヴィヴィアン姉妹が何度も敵に捕まるが抜け出し、守護する巨大な龍『ブレンギンズ』の助けを得て最後に勝利する。

 

ダーガーは少女の写真やイラストを大量に集めていたが、一番のお気に入りの殺された子供の写真をなくしてしまった。ダーガーは神に祈り続けたが写真は出てこなかった。彼は神を脅迫しようと、小説の中の子供たちを残酷な目にあわせ、子供奴隷の虐殺、内臓が飛び出すような酷い絵を描き始めた。


まともな教育を受けなかったダーガーはゴミ捨て場などから拾った雑誌・広告などからの切り抜きをトレースして挿絵を描いた。切って貼ったような絵がハンコのように並べられていたりしてそれが、独特の味を出している。

また、少女たちの多くは裸で描かれ、小さなペニスが描かれている。これにはダーガーが女性の裸を見たことがなかったためという説もある。



私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

なにより知的障害者施設出身の教養もなく貧しい、孤独な男が、60年間物語と挿絵を描き続けたことに驚く。彼の部屋はゴミ捨て場から拾ってきた少女の写真、イラストが一杯で、描いた絵も少女の残忍な絵が多く、ゆがんだ心を感じさせる。ただし、彼自身は他人に見せる気はなく、ただ自分一人で妄想の世界に入り込んでいたのだ。

 

彼の小説、文章には興味がないが、描いた絵は、その底になにか狂っているという感じもするが、なにか味がある。そして、それ以上に膨大な作品を残した彼の人生に想いが引き込まれる。今この日本にもターガーが居て、一人もくもくと文と絵を書いているかもしれない。

 

ジョン・M・マグレガー John M MacGregor, ph.D

美術史研究家・アメリカ精神医療芸術研究の第一人者。
1978年プリンストン大学博士課程修了。
各所で精神医学の研修を受け、精神医学/精神分析と芸術にまたがる独自の研究分野を切り開く。
1971年から1985年まで、トロントのオンタリオ美術学校で芸術心理学の教授
1985年以降は、精神医学に関わる芸術およびアール・ブリュット=アウトサイダー・アートの調査研究、執筆
1990年アメリカ精神病跡学会よりエルンスト・クリス・プライズを受賞。

 

 

小出由紀子(こいで・ゆきこ)

早稲田大学卒業。(株)資生堂勤務を経てインディペンデント・キュレイター。

企画展に「ビル・トレイラー 彼はブルースを描いた」展
1997年)、「生の芸術」展(京都文化博物館、1997年)など。

編書に『アート・インコグニト』『アドルフ・ヴェルフリ 揺篭から墓場まで』

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「サヨナラ」「いただきます」 日本人の心

2020年10月27日 | 日本

 

「サヨナラ」

「さよなら」の語源は、「左様であるならば、(これでお別れいたしましょう)」だろう。

女性飛行家の草分けであったアン・モロー・リンドバーグの日本への別れの挨拶。

「サヨナラ」を文字どおりに訳すと、「そうならなければならないなら」という意味だという。これまで耳にした別れの言葉のうちで、このようにうつくしい言葉をわたしは知らない。…… 言葉にしないGood-byであり、心をこめて手を握る暖かさなのだ――「サヨナラ」は。

(与那原恵『赤星鉄馬 消えた富豪』p305、2019年11月中央公論新社発行より、原著は『翼よ、北に』)

 

「いただきます」

多くの家庭と同じように、子供の頃私の両親は「お百姓さんが苦労して作ってくれたお米を一粒でも残してはだめだ。感謝して食べなさい」と言っていた。今でも食後の私の茶碗には一粒の米粒も残っていない。

永六輔はこう言っていた。

食べるものは、魚でも野菜でも、ほぼすべてが「いのち」だ。私たちは、その「いのち」を食べて、あなたの「いのち」を私の「いのち」にさせていただくのだ。あなたの命を私の命として、いただきますという気持ちで「いただきます」と言うのだ。

(永六輔『あなたの「いのち」をいただきます』ヴィレッジブックス2007年11月発行より)

 

自然、生命への謙虚な畏敬の念こそ日本人の失って欲しくない心だと思う。

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雫井脩介『検察側の罪人』を読む

2020年10月26日 | 読書2

雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)著『検察側の罪人 上、下』(文春文庫し60-1&2、2017年2月10日文藝春秋発行)を読んだ。

 

上巻の裏表紙は以下。

蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。最上に心酔する若手検事の沖野は厳しい尋問で松倉を締め上げるが、最上の強引なやり方に疑問を抱くようになる。正義のあり方を根本から問う雫井ミステリー最高傑作!。

 

下巻の裏表紙は以下。

23年前の時効事件の犯行は自供したが、老夫婦刺殺事件については頑として認めない松倉。検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、最上と袂を分かつ決意をする。慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨篇!  解説・青木千恵

 

初出は、「文藝春秋」2012年9月号~2013年9月号

単行本は2013年9月文藝春秋刊(文庫化にあたり、上下2分冊化)

 

雫井脩介(しずくい・しゅうすけ)

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。
2000年『栄光一途』で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
2005年に『犯人に告ぐ』で第7回大薮春彦賞を受賞。
2016年『望み』で山田風太郎賞候補

その他、『虚貌』『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『つばさものがたり』。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

検事の仕事が良くわかる力作であることは間違いない。いかにもがっちりした官僚組織だと思う。この小説では警察の影が薄く、捜査や取調べにも検事が参加する。

 

ネタバレ気味になるが、こんなことやる検事が居るとも思えない。下巻の後半はあれよあれよという間に……そうなる予感はあっても、実際に行われるという信じられない展開になる

 

容疑者をしみじみとさせて自供させる森崎の取調べと、暴言を連発して締め上げる沖野の取調べの対比が面白い。

 

登場人物

 

最上毅:東京地検の検事。北海道出身市ヶ谷大学生用寮「北豊寮」の住人だった。の妻は朱美、娘は奈々子。
沖野啓一郎:最上を敬愛する任官5年目の新人検事。東京地検同期の刑事は三木高弘、末入麻里、栗本政彦
橘沙穂(たちばな・さほ):沖野啓一郎のより3歳年下の優秀な立会事務官。
長浜光典:最上毅の相棒の手堅い事務官。30代半ば。
脇坂達也:最上の上司。刑事部の副部長。
永川正隆:最上の上司。刑事部の部長。

青戸公成:警視庁刑事部捜査一課七係の係長。検事の意向を尊重するタイプ。
田名部:警視庁刑事部捜査一課、管理官。23年前、女子中学生絞殺事件の捜査を担当。
森崎:松倉重生容疑者の取調担当。警部補。

 

松倉重生:老夫婦刺殺事件の容疑者。23年前の女子中学生殺人事件の容疑者だが立件できなかった。63歳。
弓岡嗣郎:老夫婦刺殺事件の容疑者の一人。刺殺された都築和直の競馬仲間の一人。
諏訪部利成:闇社会の取引に関わるブローカー。

久住由季:「北豊寮」の寮母の娘。23年前中学2年生のときに、自室で絞殺されるの事件の被害者
都築和直:大田区蒲田の刺殺事件の被害者。74歳。金貸しを業とする。妻・晃子も被害者。

前川直之:最上と大学同期で、同じ学生寮「北豊寮」。弁護士(「街弁」)。
小池孝昭:最上の大学時代の友人。大手弁護士事務所勤務。
丹野和樹:最上の大学時代の友人。元弁護士。政治家(代議士)に転身。大物政治家・高島進の娘婿。
水野比佐夫:学生寮「北豊寮」の先輩。週刊誌『週刊ジャパン』の記者。

 

白川雄馬:人権派の弁護士の第一人者。
小田島誠司:蒲田の老夫婦刺殺事件の裁判で松倉重生被告の国選弁護士。妻は昌子。
船木賢介:蒲田の事件を取材する「週刊平日」の記者

 

 

マル害(丸害):殺人事件の被害者。ガイシャともいう。

強殺:強盗殺人事件

割り屋:取調べ中に、被疑者から自白や、重要な供述を引き出す能力に長けた検事。あるいは、被疑者の言い分に耳を傾けず、ひたすら押し込む能力に長けた検事。

本部係:100人近い刑事がいる東京地検刑事部で捜査本部が立つような凶悪事件を担当

 

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10月の井之頭公園

2020年10月25日 | 散歩

 

散歩の途中で塀にぶら下がるアケビを発見。黄色いガが張り付いている。左の実は割れて中身が見えているので、「むべ」ではなくアケビだろう。

七井橋から東を見た井の頭池。イワシ雲になりかけ?

西側には相変わらずの3棟並んで羽を広げたマンション。建設時には景観破壊で反対運動も盛んだったが、今となっては情けないことに私にも景色になじんでいるように思えてしまう。

きれいになった池を水鳥もスイスイ。

七井橋を渡った右手、井の頭自然文化園前には、

「「井の頭」の名は、徳川家光が名付け親と伝わり、井の頭恩賜公園は大正六年開園した。「七井池」から「七井橋」の名になった。」などと書いた三鷹市の記念碑がある。

弁天橋近くには中田喜一作の「小さな秋みつけた」の歌碑がある。作詞はサトウハチローだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弁天橋から自然文化園を見ると、高い木々が聳えている。さすが開園103年。

弁財天の入口。

宝くじ1等を願う絵馬の隣りに、

宝クジで1等が当たったお礼の絵馬があった。

ウソでしょう‼  私など3千円で3300円の一割配当が当たったのが最高です。2枚の絵馬の字が似ているのが怪しい。絶対ウソだ。信じないぞ!

 

「お茶に水」から井の頭池を眺め、心を落ち着かせる。

家康が関東一の名水と褒めてお茶を入れたという「お茶の水」も今はポンプで水をくみ上げている。

武蔵野市とは違うマンホール。「都立公園」「弱電」と書いてある。

七井橋から見えるマンションは多分築50年と相当古いが今でも人気で価格が高いという。こちらは北側にある新しいマンション。

吉祥寺駅2階の井の頭線改札傍のいつも満員のスターバックスの一番奥の席で休憩して帰宅。

 

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知念実希人(ちねん・みきと)の略歴と既読本リスト

2020年10月24日 | 読書2

 

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。

2004年から医師として勤務


2011年、『誰がための刃 レゾン・デートル』で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。
2012年、同作を改題した『レゾン・デートル』で作家デビュー。
崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi』で、2018年より3年連続本屋大賞ノミネート。

「天久鷹央の推理カルテ」シリーズ(『神話の密室』)が人気を博し、『仮面病棟』は2015年啓文堂書店文庫大賞を受賞。

その他、『螺旋の手術室』『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲(セレナーデ)』『死神と天使の円舞曲(ワルツ)』『あなたのための誘拐』『時限病棟』『屋上のテロリスト』『祈りのカルテ』『十字架のカルテ』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラーザフッド』『傷痕のメッセージ』『神のダイスを見上げて』『硝子の塔の殺人』など。

 

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10月(1)の花

2020年10月23日 | リタイヤ生活

 

ごくたまにしか外出しない昨今、せめて花ある生活をより楽しもうと、1段階だけレベルアップした花を今月から届けてもらうこととした。

 

10月9日に届いた花

ユリが十数本、真ん中にある黄色いラン科の花がオンシジューム、菊のように真ん中が黄色く花びらが白い小さな花がマトリカリア、一番後ろで繁っているのがソリダコ、後ろ左右にススキ、真ん中高くユキヤナギ。

あまり変わらないが、少し上から見てみた。

 

3日後、白とピンクのユリが咲いた。

4日後

この後、次々とユリが咲いて、たっぷり楽しめた。

 

満開になるとすぐ萎れてしまうが、次々咲くので気にしなかった。同封の紙には、「ユリ(LAリリー)は「受粉すると花が役目を終えて急速に萎れてしまいますので、蕾が開いてきたら早めに花粉を取り除きましょう」とあった。花粉が下に散るので、ときどきティッシュでふき取っていたのだが、もっと徹底して花粉退治をしないといけなかったのだ。ためらっていたが、おしべを切り取ってしまったほうがいいかも。

受粉するとすぐ枯れるとは、知りませんでした。私など、子供が立派に一人前になり、孫もいるのに枯れ切っていなくて、自然の摂理に反して申し訳ないことです。

 

二千円足らずで花屋さんから購入した専門家も使っているといる花ばさみ(坂源SAKAGEN)。

切れ味抜群で、指の手触りも感触よく(グッドデザイン賞受賞)、ご機嫌です。

おおげさだけど、いいもの手にしてしまうと、もう戻れない。

 

 

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知念実希人『レゾンデートル』を読む

2020年10月22日 | 読書2

知念実希人著『レゾンデートル』(実業之日本社文庫ち1-4、2019年4月15日実業之日本社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

私がジャックです――殺人者の<存在理由とは>?

末期癌を宣告された医師・岬雄貴は、酒浸りの日々を送っていた。ある日、不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすが、現場には一枚のトランプが――。そのカードは、連続殺人鬼「切り裂きジャック」のものと同じだった。その後、ジャックと岬の奇妙な関係が始まり……。最注目作家、幻のデビュー作!(『誰がための刃 レゾンデートル』改題・改稿)

 

登場人物

岬雄貴(みさき・ゆうき):青陵医科大病院の外科医。32歳で末期がんの宣告を受ける。両親は交通事故死。
柴田真琴:青陵医科大病院の医師。雄貴と学生時代に付き合い、研修医時代からは親友。

南波沙耶:家で同然で東京に出て来た18歳。雄貴の家にかくまわれる。
上松恵美:沙耶の友人。23歳。金髪長身。
佐川陽介:自称カメラマン。42歳。

益田勉:赤髪の大男。銀髪の真鍋文也を伴う。

興梠(こおろぎ):移植コーディネーター。

瀬川遼子:高校生の時に坂本光男に殺された。坂本は時効後に名乗り出る。兄は順平。付き合っていたのは川原

楠木真一:楠木組長の息子で若頭。

 

松田公三:警視庁捜査一課の昔堅気の刑事。部下は所轄署の石川良太。最も嫌いな男はスマートな田中刑事。

宇佐見正人:雑誌「週刊今昔」の記者。連続殺人犯『ジャック』を追い続ける。49歳。

 

知念実希人(ちねん・みきと)の略歴と既読本リスト

 

本書は『誰がための刃 レゾンデートル』(講談社2012年刊行)を改題・改稿し文庫化。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

末期がんの外科医が剣道経験を生かして殺人者に?という設定はいいんじゃない!。

また、切り裂き「ジャック」の過去も含めた犯罪が積み重なり、徐々に薄皮をはがしていくように「ジャック」に迫っていく過程は面白い。

 

最後の最後の決闘の場面は、映画でブルース・ウィルス(ウイルスではない)が同じことやっていたので、ちょっと興ざめ。

 

何年後かに、じつは沙耶は受胎していて、生んだ彼の子供が活躍する話を書いて欲しい。

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海堂尊の略歴と既読本リスト

2020年10月20日 | 読書2

海堂尊(かいどう たける)


1961年千葉県生まれ。千葉大学医学部卒業、同大学院医学博士号取得。
外科医、病理専門医を経て、現在は放射線医学総合研究所・放射線医学病院研究協力員。


2009年より独立行政法人・放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター・Ai 情報研究推進室室長。剣道3段。
2006年『チーム・バチスタの栄光』で、「このミステリーがすごい!」大賞受賞。
その他、『ナイチンゲールの沈黙』『ジェネラル・ルージュの伝説』『イノセント・ゲリラの祝祭』『アリアドネの弾丸』『ケルベロスの肖像』『極北ラプソディ』『トリセツ・カラダ』『死因不明社会』『ーン・ワルツ』『氷獄』『フィデル誕生 ポーラースター3』

 

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海堂尊『氷獄』を読む

2020年10月18日 | 読書2

海堂尊著『氷獄』(2019年7月31日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

KADOKAWAの内容紹介は以下。

バチスタ裁判、開廷。検察組織にメスを入れる、医療×司法エンタメ!

手術室で行われた前代未聞の連続殺人「バチスタ・スキャンダル」。
被疑者の担当となった新人弁護士・日高正義は、有罪率99.9%を誇る検察司法の歪みに、正義のメスを入れる!

医療と司法の正義を問う、リーガル×メディカル・エンタテインメント!

「私が絞首台に吊されるその時、日本の正義は亡びるのです」

新人弁護士・日高正義が初めて担当する事件は、2年前、手術室での連続殺人として世を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」だった。被疑者の黙秘に苦戦し、死刑に追い込めない検察。弁護をも拒み続ける被疑者に日高正義は、ある提案を持ち掛けた。こうして2人は、被疑者の死刑と引き換えに、それぞれの戦いを開始する――。(「氷獄」)

『チーム・バチスタの栄光』のその後を描いた表題作を含む、全4篇。
待望のシリーズ最新作。田口・白鳥も登場!

◆収録作
「双生」……医師・田口公平のもとで研修に励むすみれ・小百合の桜宮姉妹。外来患者の夫の異変に気付いたすみれは、ある斬新な治療法を提案する。
「星宿」……十字星を見たい――。看護師の如月翔子は、手術を拒否し続ける少年・村本亮の願いを叶えるため、便利屋・城崎を呼び出し――。
「黎明」……末期癌の妻が入所した東城大学医学部付属病院のホスピスは、治る希望を捨て、死を受け入れるという方針だった。夫・章雄は反発するが……。
「氷獄」……新人弁護士・日高正義は「バチスタ・スキャンダル」の被疑者のもとを訪れる。弁護の拒否を続ける被疑者に、日高正義はある提案を持ち掛けて……。

 

長々と概要説明を引用したので、以下、本書の半分以上を占める表題作「氷獄」だけに少し触れるにとどめる。
2008年、37歳の新人弁護士・日高正義は名前「正義」にふさわしい冤罪事件を扱う鹿野弁護士事務所に所属させてもらった。国選弁護士としてはじめて担当になったのは「バチスタ事件」の犯人、氷室貢一郎だった。
彼は桜宮市の東城大学医学部付属病院のバチスタ手術専門の外科チームの一員であったが、手術中の患者を殺害した疑いで逮捕された。しかし氷室は容疑は認めているが、完全黙秘していて、被害者は3名との噂があるのに、起訴は1件だけになりそうだ。彼はなぜ殺人を起こしたのか。

 

初出:「小説 野性時代」2015年3月号~2019年5月号(改題、改稿を含む)

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?)(最大は五つ星)

4編の連作短編のすべて、とくに最後の「氷獄」は、「バチスタ事件」の一連の前作で登場する人物が多く出てくるが、十分な説明がないし、前作でのキャラがわからないと十分楽しめない。少しだけだいぶ前に読んだことのある私は、著者だけ楽しんでいる様子にわかるようで、わかっていないようで、隔靴掻痒(かっかそうよう)。

いずれにしても、登場する人物のキャラが濃すぎて、漫画チックで、私の好みではない。

 

海堂尊(かいどう・たける)の略歴と既読本リスト


主な登場人物

田口公平:不定愁訴外来主任(「愚痴」外来)。ホスピス棟の担当医でもある。
高階権太:東城大学医学部付属病院病院長。
白鳥圭輔:厚生労働省の技官、「火喰い鳥」、ロジカルモンスター。田口の師匠と自称。

山室教授:東城大学医学部教授
桜宮姉妹:桜宮病院の医師で東城病院で研修中。ロングヘアの口の悪いすみれが姉で、ショートの物静かな小百合が妹。

日高正義:鹿野弁護士事務所の新人弁護士。バチスタ事件の犯人・氷室医師の弁護士。

久馬久:人権派弁護士。「冤罪被害者を救う会」団長。妻はへそ曲がりで巨体の弁護士の篤子

別宮葉子:桜宮市を本拠地とする地方紙「時風新報」の記者


韜晦(とうかい):自分の才能・地位・身分・行為などを包み隠すこと。「韜」は包み隠す、「晦」はくらます。

知悉(ちしつ):知り尽くすこと。 悉(ことごと)は、残らず、すっかり、全部。

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吉祥・吉祥寺で続けてランチ

2020年10月16日 | 食べ物

吉祥寺駅からJRの北側に沿って西荻方面に伸びる道を数分、第Ⅱ大栄ビルの2階の「Kissho KICHIJOJI」で一日置いて続けてランチした。今回で7回目だと思う。(45

 

今回は予約したので個室。

壁の花を、「造花かな?」と、しげしげ見ていたら

同じものをテーブルにも持ってきてくれた。確かに、アンスリウムも菊の管物も生きた花だ。

頼んだのは「四周年記念 ミニ会席」

先付け

菊の花と葉がこんなにも美味しいとは。

椀盛

大きな葉っぱ(ほう葉)でくるんだ焼物。止めをほどくと、中身が登場。

サンマを横から見る。

煮物

食事

甘味の栗羊羹

スプーンが独特なコーヒー

4周年記念のお土産の昆布とシイタケ

四周年記念の洋食もあるので、次回にと期待。

 

 

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吉祥・吉祥寺でランチ

2020年10月14日 | 食べ物

 

吉祥寺駅からJRの北側に沿って西荻方面に伸びる道を数分、第Ⅱ大栄ビルの2階に「Kissho KICHIJOJI」がある。1階にテナントが入っていないので、見逃しそうになる。今回で確か 6回目だと思う。(45

 

中央の大きな部屋のテーブルには巨大な枝ぶりが。

 

私はAランチセット(¥1.320)

キノコ、鶏肉など、スープが深く美味しい。

 

パンとオリーブオイル、サラダなど

海草スープ

 

相方はお刺身御膳(¥1,760)

美味しかったのだろう、私にはご飯と漬物など少々が回って来ただけ。それが私の幸せです、ハイ。

 

コストの割には高級感ただよう店で、トイレにも造花のように見える華やかな花が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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9月(2)の花

2020年10月12日 | リタイヤ生活

 

9月25日に届いた花

 

手前下にバラのような花びらのトルコキキョウが数輪。黄色いのが菊科のヒメヒマワリ、真中で高い位置にある玉状のがワレモコウ(吾亦紅)、大きな葉っぱがハラン、左上にクネクネとサボテンのように伸びているのがセッカエニシダ。

 

2日後、トルコキキョウはそれぞれ大きくなった。

さらに2日後、最盛期を迎え、あとは「花の命は短くて」。

 

 

 

 

 

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Bo-peep(ボーピープ)で再びランチ

2020年10月10日 | 食べ物

 

コーヒーとケーキのカフェ Bo-peep(ボーピープ)でランチした。前回から約1か月ぶり

コーヒーに詳しいわけではないが、ともかく絶品。料理もおいしいのでまた訪れた。

 

場所は、武蔵野市吉祥寺本町1-35-17 吉祥寺ビル1Fだ。

(前回と同じ写真を流用)

 

Bo-peepとはマザーグースの『Little Bo-peep』という唄に出てくる羊飼いの女の子の名前で、「いないいないばあ」のこと。

 

隣りのテーブルの上にはハロウィンの置物

私が頼んだのはミニサラダと、

アツアツのトマトグラタン。

コーヒーはストレート、やわらか130cc、中深煎り モカマタリ

ほんとうにこの店のコーヒーは美味しい。コーヒーカップは我家と同じウエッジウッドのワイルドストロベリーだった。さすかお目が高い??

 

相方は、「キッシュ+ミニサラダ」と、コーヒーのブレンド。

 

吉祥寺のはずれにあるからだろう、いつも空いていて、なによりコーヒーが美味しい。

 

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