hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

白尾悠『サード・キッチン』を読む

2023年07月31日 | 読書2

 

白尾悠著『サード・キッチン』(河出文庫し31-1、2022年11月20日河出書房新社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

念願叶ってアメリカの大学に留学するも、英会話がままならずひとりぼっちの尚美は、ある日、人種や性別などあらゆるマイノリティが集う特別な学生食堂に招かれる。手作りの多国籍な料理に癒されると同時に、自らに潜む偏見や差別意識に気付いた尚美は初めて自分と深く向き合う―――時に傷つき、傷つけながらも仲間と支えあい前へ進む姿に感涙する、青春小説の傑作!  ◎解説=柚木麻子

 

進学校の都立高校に通う加藤尚美は英語が好きで留学を夢見ていたが、シングルマザーの家庭では無理だった。留学支援基金を受験するが、惜しくも届かなかった。そんな中、祖父にお世話になったという老女・山村久子さんから資金援助の話があり、1998年、高校を卒業した尚美は、アメリカの大学に留学する。

 

日本で十二分に英語を勉強したのだったが、米国の大学で英語が一番話せないのは尚美だった。他の留学生は英語が公用語の国からだったり、現地のインターナショナルスクール出身者や帰国子女だった。同室のクレアは、当初は話を聞こうと努力してくれたが、まもなく会話もなくなった。

英会話もおぼつかず、他人の意向を無視して強引にふるまうことができない尚美は、友人もなく図書館で勉強するだけの孤独な日々を過ごし、どんどんネガティブになっていった。(夢の留学の厳しい現実)

 

隣室のアンドレアに誘われて学生が共同で運営する食堂「サード・キッチン・コープ」に誘われる。そこは様々なマイノリティが集うセーフゾーン(安全地帯)だった

 

はっきりとは見えない形の人種・貧富差による差別、逆差別だという反論、LGBTへの反感の中で、気を張りすぎてもがき、一方で尚美自身も自分中の無意識の差別に気付く。
サード・キッチンに参加する中で友人もできて視野を広げ、資金援助してくれた久子との約束のため全科目Aを目指し勉学を続ける。

 

 

本書は2020年単行本として刊行。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

日常の具体的行動が描かれているので、この本を読むと、米国大学の留学を疑似体験しているような気分になれる。

尚美も日本ではTOEFLが600など超優秀な成績だったのに、米国の田舎から出てきた学生や、各国からの癖のある英語を話す学生のなかでは、ほとんど会話が成立しない。

 

しかし、本書の中で尚美も、善良・リッチ・白人の親切な友のわかりやすい話し方も、自分を子供のような存在と見下していると感じるようになって、癇に障るようになった(p299)。そして、思う(p301)。

この国のマジョリティは“他者”とみなした人を永遠に内側にいれない。同じ立場に立つこともない。一見“フレンドリー”な外面の下で、いくつもの“他者”専用マスクを用意して、決して素のままの、同じ人間として見てくれることはないのだ。ひょっとしたら本人たちさえ気付かない、永遠に消えることのない壁がそこにはある。

著者はインタビューの中で語っている。

マイノリティの立場について考えることやダイバーシティを学ぶことって、堅苦しく考える必要はなくて、単純に『自分と全然違う人と知り合うのは、すごく面白い』ということが伝わったら嬉しいです。

 

 

白尾悠(しらお・はるか)

神奈川県生まれ、東京育ち。米国の大学を卒業後、帰国し、映画関連会社勤務等を経てフリーのデジタルコンテンツ・プロデューサー、マーケター。

2017年R-18文学賞大賞&読者賞受賞
2018年受賞作を収録した『いまは、空しか見えない』でデビュー。

他に『ゴールドサンセット』、本書『サード・キッチン』は初の長編小説

 

 

リベラルアーツ・カレッジ:自然科学・人文科学・社会科学にわたる諸分野の教養を身に着けることに重きを置く、全寮制・少人数性の大学。大学院進学率は高いが、大学院は持たない。

ユニバーシティ:総合大学、大学院を持つ。

 

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大谷義夫『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』を読む

2023年07月29日 | 健康

 

大谷義夫著『「よくむせる」「せき込む」人のお助けBOOK』(2022年12月20日主婦の友社発行)を読んだ。

 

主婦の友社の紹介

中高年になると、食事中に食べ物や飲み物が間違って気管に入って、むせたり、せき込んだりすることがありませんか?
●こうした誤嚥の際にせきをするのは、間違って入った飲食物を気管の外に出そうという「せき反射」で、病気ではありません。
●しかし、これが頻繁に起こるようになると、のどの機能が衰えてきている証拠です。
●放っておくと、2030年には死亡者が12万人に達するといわれる、こわい誤嚥性肺炎を招くことも少なくありません。
●そこで、のどの機能を鍛える「のどトレ」など、肺炎にならない習慣を紹介します。

 

Part1:「むせる」「せき込む」はのどの老化なの?

  • 夜間睡眠中に唾液などを誤嚥する「不顕(けん)性誤嚥」は、加齢による、のどの機能の衰えと免疫力低下によって起こる。胃ろうの人でも起こりうる。
  • 肺炎は感染症の一つで、最も多いのは肺炎球菌性肺炎。
  • 脳の微細な血管が詰まる「ラクナ梗塞」が大脳の基底核に起こると嚥下反射やせき反射が起こりにくくなり、睡眠中の唾液の誤嚥で肺炎を起こす。

 

Part2:のどが老化すると肺炎になりやすい

  • のど仏に指を当てて、30秒で唾液の飲み込み(空嚥下)が何回できるか?
    10回以上:問題なし、6~9回:のどトレを始めよう、5回以下:誤嚥性肺炎のリスクあり
  • 高齢者は免疫力が低下しているので、肺炎を起こしても37度台の微熱にとどまることがある。息が浅くなる、呼吸が速くなる、ぐったりする、食欲がなくなるという症状が3~4日続いたら、肺炎を発症しているかも。
  • 肺炎は治療だけでなく予防が重要。肺炎で入院すると数日でも筋力が低下し、心身の機能がますます低下する(生活不活発病)。嚥下機能も弱くなって誤嚥しやすく肺炎を繰り返す。

 

Part3:のどを鍛えれば健康寿命が10年延びる

  • のどの筋肉を鍛える飲み込みトレーニング、せき反射を促す呼吸筋トレーニング、口腔ケアと小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)予防
  • 食事前に空30秒で5~6回の空ゴックン(空嚥下)し、よく噛んで唾液を分泌し、食べ物を口内でまとめるとろみ付けして誤嚥防止する。

 

Part4:肺炎にならないための生活術 

  • 肺炎を起こす細菌は歯と歯の間にすみつくので、歯間ブラシ、デンタルフロスや、舌ブラシが有効。
  • 免疫を落とさないため、タンパク質がある食事・水分補給、適度な運動、6時間以上の睡眠が必要。

 

Part5:肺炎にならない 道具なしでどこでもできるのどトレ

  • 呼吸筋ストレッチで肺活量アップ、唾液腺マッサージとのど筋トレで飲み込み力回復、ベロ出し運動、音読

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

130ページ足らずの中で要領よく、のどの機能、肺炎の仕組みなどを解説し、わかりやすい対策を提案している。

従来からよく知られている事、常識的な対策も多いが、全体を俯瞰する中で簡潔に示されると、理解が進む。

 

簡単な概説書だが、のど、肺炎に絞っているので、必要なことはすべて網羅しているように素人の私には見える。

 

 

大谷 義夫(オオタニヨシオ):1963年、東京都生まれ。医学博士。池袋大谷クリニック院長。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医。1989年、群馬大学医学部卒業。九段坂病院内科局長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、同大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授、米国ミシガン大学留学などを経て、2009年に池袋大谷クリニックを開院。全国屈指の呼吸器内科の患者数を誇る。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビ等で情報発信を行う。著書に『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』など。

 

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西式豊『そして、よみがえる世界。』を読む

2023年07月27日 | 読書2

 

西式豊著『そして、よみがえる世界。』(2022年11月20日早川書房発行)を読んだ。

 

表紙の裏にはこうある。

医療テック企業、SME社が開発した脳内インプラント〈テレパス〉によって、介助用ロボットや仮想空間〈Vバース〉でのアバターの直接操作が可能となり、身体障害者の活動範囲は大幅に拡大した近未来。
事故で脊髄を損傷しテレパスユーザーとなった脳神経外科医の牧野は、かつての恩師で、現在は同社の役員である森園からオペの代理執刀の依頼を受ける。記憶と視覚を失った少女エリカに視覚再建装置を埋め込む手術は無事成功したはずだったが、術後エリカは謎の黒い影の幻に脅かされるようになる。そして院内では新たな事件が起こり、経営陣の一人が犠牲に……。
仮想と現実のはざまで少女を翻弄する幻影の、その驚愕の正体とは⁉
第12回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

 

2036年という近未来を舞台に、SFであり、ミステリーでもある。

 

主人公は脳神経外科医・牧野。暴漢に襲われて脊髄を損傷し、首から下が動かなくなったが、脳内インプラントを埋め込み、介助用ロボットや仮想空間でのアバターを操作できるようになった。

先端的な医療技術開発企業SMEの役員で恩師の・森園から牧野に、失明している16歳の少女・恵理花(仮想空間ではエリカで、代替人格は4歳のうさ子)に、人工的な視覚システムを埋め込む手術をしてほしいと依頼された。手術は成功したが、少女は黒い影に脅かされ、不審な死や、メタバースに異変が起こる。

 

 

仮想現実:コンピューターによって作られた人工的な世界

メタバース:三次元の仮想空間

アバター:仮想空間での自分の分身

〈テレパスシステム〉:医療テクノロジー企業SMEが開発。皮質脳波検出インプラントを頭蓋内に埋設し、代替身体〈パボット〉を操れるようになり、自身の介護をすることも可能となる。

〈Vバース〉:SME社運営の仮想空間。全世界で七億人以上が利用。

〈セブンドワーフス〉:SME社を運営する七人の幹部

 

SME社

篠原:会長、藍坂保人:社長、藍坂詠時:CIO、保人の弟、森園:研究病院担当役員、鈴井のばら:開発部門担当役員、瀧本:役員、脳神経科学者、本荘香苗:役員、精神科医

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

絶えずどちらの空間の話なのか、読者に示されるのだが、現実空間と仮想空間が細かく切り替わるので、ややこしい。仮想空間での話などは、結局どうでもいいのではと思ってしまうが、そうではなく、この本の主体は仮想空間にあるのだ。

 

仮想空間でのアバターが傷つけられるなどの変化が、現実空間での対応する人物にどうような影響があるのかがはっきりしないので、話に乗っていけない。

 

 

西式豊(にししき・ゆたか)

1967年生まれ。東京都在住。成城大学経済学部卒。中小企業診断士。公認内部監査人。現在はメンズアパレルブランドの企画運営に携わる。

2022年、『そして、よみがえる世界。』で第12回アガサ・クリスティー賞大賞を受賞し、作家デビュー。

 

 

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吉田修一の略歴と既読本リスト

2023年07月26日 | 読書2

 

吉田修一(よしだ・しゅういち)

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。
卒業後、スイミングスクールのインストラクターなどのアルバイト。

1996年「water」が文学界新人賞最終候補
1997年「最後の息子」で文学界新人賞、芥川賞候補
2002年「パレード」が山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞受賞
2007年『悪人』で毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞
2010年『横道世之介』で柴田錬三郎賞受賞

2019年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞受賞。

他に、『怒り』『日曜日たち』、『空の冒険』、『静かな爆弾』『続 横道世之介』『静かな爆弾 新装版』など。

 

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吉田修一『パレード』を読む

2023年07月25日 | 読書2

 

吉田修一著『パレード』(幻冬舎文庫、よ7-1、2004年4月10日幻冬舎発行)を読む。

 

裏表紙にはこうある。

都内の2LDKに暮らす男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い? 私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分"を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め……。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第1回山本周五郎賞受賞作。  解説・川上広美

 

目次(以下5章、各章は以下の人物の視点で語られる)

1.杉本良介:21歳、H大学経済学部3年。下北沢のメキシコ料理店でバイト中。七万円で買った愛車に「桃子」と名付けている。
いかにも気のいい男だが、実は尊敬する先輩・梅崎の彼女・貴和子を狙っている。

2.大垣内琴美:23歳、無職。美人。短大時代から付き合っていた若手人気俳優「丸山友彦」からの誘いを待って引きこもり、TVを見て枝毛を切る毎日。
ふとした瞬間に、私ってもしかしたら何に対しても興味がないのかもしれないと思う。浮かんでくるのは興味を持ったらきっと周りが羨ましがるだろうなってことばかりだった。

3.相馬未来:24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。現在、人生を見つめて深酒中。
怪しげなシーンを切り取ったビデオを隠し持っている。

4.小窪サトル:18歳、自称「夜のお仕事」に勤務。現在、無駄な若さを切り売り中。

5.伊原直輝:28歳、インディペンデントの映画配給会社で猛烈に働く。他人から頼まれると、つい引き受けてしまうが、実は。

 

年齢こそ10歳しか違わないが、経歴も仕事もバラバラな4人が、狭い2LDKに一緒に暮らすようになった経緯が徐々に明らかになる。同時に5人の人物の退屈で怠惰な生活がくっきりと描かれる。

 

この作品は2002年2月幻冬舎より刊行。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

シェアハウス生活が目新しかった時代、生きる目的が見つからず怠惰な生活を過ごすことに何か新しさを感じる時代だった頃の小説だったのではと思う。
屈託ないように見せて、実際は他人との距離をある程度以上には近づかないようにする。特に若者同士の関係がそうであるように見える現代を象徴するような小説なのでは?

 

とくに、シェアハウスでは決して同居者に対して踏み込みすぎてはいけないし、決して自分の全てを明らかにしてもいけない。各人がそれぞれなんらかの闇を抱えていて、他の人はそこに踏み込んでもいけないし、気づいていてもそう思わせてもいけない。そんな関係性をはっきりと描き出したこの小説が、そして著者が高く評価されたのだろう。

 

 

吉田修一の略歴と既読本リスト (7月26日に公開)

 

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夏の空

2023年07月24日 | リタイヤ生活

 

これまでも洗濯物を干すのを手伝っているつもりで(子供か?)、ほぼ毎日ベランダに出ていたのだが、しばらく暑苦しい空を見上げることはなかったと思う。

昨日の朝、久しぶりに部屋から空を見上げて、「夏の空だ!」と思った。

 

さっそく、飛び出して、スマホでパチリ、パチリ。

出来た写真をメール添付でPCに送り、PC画面で見るが、

 

「憧れは無理でも、あの輝きが撮れていない!」

 

Adobe Photoshop, と言っても簡易版Elementsだけど、精一杯輝かせてみたのに! ただの雲。

ポツン、ポツンと浮かんだ感じも、

 

キラキラとまぶしい輝きも、感じられない。私の眼の奥では輝いているのに。

 

スマホじゃ無理、簡易版ソフトじゃ無理、と思うことにしよう。

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山本文緒『プラナリア』を読む

2023年07月23日 | 読書2

 

山本文緒著『プラナリア』(2000年文藝春秋発行)を読んだ。

乳ガンの手術以来、何をするのもかったるい25歳の春香。この洞窟の出口はどこにある? 死ぬのも面倒くさい春香を描く表題作のほか、働かない女たちに現在を映す恋愛小説集。

 

第124回(2000年)直木賞受賞作品。

 

「プラナリア」

「次に生まれてくる時はプラナリアに。」

乳がんになり右乳を失った春香は飲み会でそう言った。周囲にはもう治ったのだからと言われるが、月1での病院通いや、時々の吐き気があり、仕事する気にならず、大学生の彼氏と遊びまわっている。永瀬さんに誘われて、アルバイトを始めるが、徐々にやる気がなくなり、ある日……。

 

上原春香:25歳。2年前の手術以来、働く気がしない。豹介と永瀬さん以外は、誰に対してもひねくれてしまう。入院で集団生活をする能力がなく、社会不適応者だと知った。アイデンティティーは「乳がん」

豹介:春香の彼氏。大学生。常識的。実家が金持ち。人前で乳がんの話をする春香を「露悪趣味」と批判。

永瀬:26歳 。入院先で春香と知り合う。甘納豆屋の雇われ店長。美人で面倒見が良く春香の憧れの人。

プラナリア:体は扁平、口は腹面中央にある。体長2~3㎝。渓流などに住む。ちょん切っても各部が再生する。

 

「ネイキッド」
熱中して前へ前へと働いていて、夫から「さもしい生き方」と言われて離婚した36歳無職の泉水涼子(イズミン)。急に暇になって、編みぐるみ作りか、漫画喫茶にはまっている。親切な幼馴染の明日香、なついてくれる元部下の小原(チビケン)も怒らせてしまい……。

 

「どこかでないここ」
夫がリストラされ、パート勤めに出た43歳の加藤真穂は四日も家に帰ってこない高校生の娘・日菜が心配だ。20歳になったばかりの息子・周一は「お袋って怒っても全然恐くないよなあ」「…実はあんまり関心ないんだって大人になって分かったよ」という。離れて暮らす母、義父の面倒も見ている。日菜の気持ちがわからない。

 

「囚われ人のジレンマ」

25歳の誕生日、美都は長年付き合ってきた朝丘君に「結婚してもいいよ」と言われた。彼はまだ院生で「囚人のジレンマ」の研究をしている。美都は浮気をし、会社に噂が広まる。さあ結婚か、別れるか。

 

「あいあるあした」

真島はアルバイトの太久郎と二人だけの居酒屋を営む。店の客相手に手相占いをするすみ江は客として現れ、住ところがないというので、真島は自分の家に居候させた。彼女は真島をマジオと呼び、店で働きもせず、出会った客と消えたりする。真島は……。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

久しぶりに再読して、主人公の女性のひねくれぶりに、オイオイと思い、これほどの主人公はいなかったのではと思った。いずれの女性も、めちゃくちゃに働いて、プツンと切れて、働きたくない病にかかってしまったのだが、その心理が賛同はできなくても、そうかもしれないなと思えるように、とてもうまく書けていて、著者・山本文緒さん自身の一面の気持ちではないかとも思えてしまう。

 

いかにもいい人といえる恋人の神経をあえて逆撫でしたり、大切に、甘やかして自分を育てた親に八つ当たりしたり、挙句の果てに憧れの人が親切に紹介してくれたバイトを無断欠席してしまう。そんな賛同できるところが一つもない春香がプラナリアになりたいと願うなど自分勝手は話を、読む人にちゃんと痛々しく、少しは同情できるように描いている山本さんの筆力は最初から素晴らしかったのだ。

 

山本文緒の略歴と既読本リスト

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ポール・ベンジャミン『スクイズ・プレー』を読む

2023年07月21日 | 読書2

 

ポール・ベンジャミン著『スクイズ・プレー』(新潮文庫オ-9-1、2022年9月1日発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

私立探偵マックスが受けた依頼は、元大リーガー、チャップマンからのものだった。キャリアの絶頂時に交通事故で片脚を失い、今は議員候補と目される彼に脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わす文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる……。ポール・オースター幻のデビュー作にして正統派ハードボイルド小説の逸品。

 

あのポール・オースターのデビュー作(1982年刊行)だが、ポール・ベンジャミン名義だ。なんだか不思議な小説を書くオースターが、ハードボイルド小説を書いていたなんて。

 

「よしの・じん」氏の書評によれば、

カフカやベケットを愛するオースターは、生活のため、お金のために『スクイズ・プレー』を書いた、とのちに明言している。だが、裏を返せば、お金を得るために売れ筋の作品を仕上げてみせたといえるだろうし、オースターの個性も強く残っている。

 

マックス・クラインは大学野球の選手だったが無名選手のまま卒業し、ロースクールに通い、検事補となる。明らかに冤罪者を起訴するような圧力がかかり、検事を辞めて私立探偵になった。

 

マックスに元大リーグ・アメリカンズのスター選手、あこがれだったジョージ・チャップマンから依頼の電話がかかる。チャップマンは、あらゆるタイトルを総なめにしていた5年前、交通事故で左脚を失くし選手生命を終えた。だが、その後も、美しい妻、豪邸、表舞台に顔を出し続け、上院議員に立候補の噂も出ていた。その彼に脅迫状が届いたのだ。

そこで33歳のマックスの出番となり、美しいチャップマンの妻・ジョディスと、彼女の浮気相手でノンフィクション作家のブライズ教授に迷わされ、マフィアのボス・コンティニの影が見え、敵は容赦なく叩き潰す球団アメリカンズのオーナー・ライトに脅され、彼の迷走、ボロボロになりながらの苦難が始まる。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、最大は五つ星)

 

ハードボイルド好きに限れば五つ星。ポール・オースターのハードボイルド、しかも、ハメットや、チャンドラーを向こうにまわすコチコチで見事なハードボイルド!

 

主人公マックスのワイズクラック(へらず口)が生き生きと冴えわたる。命の危機のさなかにあってさえも。相手は怒り狂い、より凶暴な暴力を振るう。ハードボイルドだど!

 

ハードボイルドはどうもという人にも読んで欲しい。

マックスの仕事優先の生活でキャシーとの結婚は破綻し5年経った。息子のリッチーとは毎週逢っているが、キャシーとは友達に戻りつつあった。互いに好きなのに、再び一緒に暮らすことができない二人。

行為が終わっても、私たちはふたりとも不幸せから逃れなれなかった。肉体は解決にはならない。かぎりない悲しみの在処(ありか)にはなっても。

 

ニューヨークのすさんだ街並みの情景も印象に残るが、大リーグに夢中になる息子リッチーを連れて野球場に行くシーンは、秀逸だ。地下鉄を降り、球場のまわりを大勢と並んで歩き、ゲートに入って、トンネルから斜面をあがり、いきなり眼前に現れる巨大な芝生のグリーン。TVと解説本でオタクとなったが、生で試合をみるのは初めてのリッチー、9歳のドキドキがほほえましい。気が付くと私も70年前に戻っていた。

 

 

ポール・ベンジャミン Paul Benjamin

1947年生れ。米国の作家ポール・オースターの別名義。オースター名義での第一作『孤独の発明』発表以前にこの筆名で『スクイズ・プレー』を執筆。1978年に脱稿したが、ペーパーバック・オリジナルとして刊行されたのは1984年のことで、翌年のアメリカ私立探偵作家クラブ主催シェイマス賞最優秀ペーパーバック賞の候補作となった。

ポール・オースター Paul Auster

1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。1970年に コロンビア大学大学院修了後、メキシコで石油タンカーの乗組員、フランスで農業等様々な仕事につく。

1974年にアメリカに帰国後、詩、戯曲、評論の執筆、フランス文学の翻訳などに携わる。

1985年から1986年にかけて、『ガラスの街』、『幽霊たち』、『鍵のかかった部屋』の、いわゆる「ニューヨーク三部作」を発表し、一躍現代アメリカ文学の旗手として脚光を浴びた。

以来、無類のストーリーテラーとして現代アメリカを代表する作家でありつづけている。他の作品に『ムーン・パレス』、『偶然の音楽』、『リヴァイアサン』、『ティンブクトゥ』、『幻影の書』『オラクル・ナイト』などがある。

 

 

田口俊樹(たぐち・としき)

1950年、奈良市生れ。早稲田大学卒業。ブロックの“マット・スカダー・シリーズ”をはじめ、ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』、スミス『チャイルド44』、テラン『神は銃弾』、チャンドラー『長い別れ』、ウィンズロウ『業火の市』など訳書多数。

 

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クレヨンハウス東京店でランチ&見学

2023年07月19日 | 食べ物

 

吉祥寺大正通り沿い、藤村女子中・高等学校近くに移転したクレヨンハウス東京店でランチした。

前回ランチしたのは、昨年12月

元といっても大昔のことだが文化放送アナウンサーで、作家の落合恵子さん主宰で、大阪にも店舗がある。

 

1階がレストラン、オーガニック食材などの店。

 左手前に調理場、真ん中が奥まで食事テーブルで、右側壁が野菜、オーガニック商品。奥にもオーガニック化粧品などの売り場がある。

 

食事はまず、左手のレジでお金を払い、

 

トレーを取って、カウンターでおかずや味噌汁などを好きなだけ自分で取って、手前のテーブルで食べるというビュッフェスタイル。

 

今回、私が取ったのは、好きな昆布が一杯。

 

相方は、

 

食事が終わってから、絵本・子どもの本、木のおもちゃ、女性の本 の2階を覗いてみた。

おもちゃも木製の物などが多く、本も意識高い系の女性本(嫌味ではありません)が並ぶ。

 

B1Fは「未完の本屋&ギャラリー」。

壁には、なかなか良いじゃないと思える格言?が貼ってある。

「「わたし」を生きる I can’t live your life.」あなたを生きることができるのは、あなたしかいません。」

「We are what we eat. あなたは、あなたが食べたものでできている」

「We are what we read. あなたは、あなたが読んだものでできている」

 

居並ぶ本も、特徴ある選定で、眺めているだけで面白い。本屋さんというと、今や大方の店が、ずらりと雑誌、ノウハウ本などが並ぶ駅前の本屋風になっているが、こんな偏った、意志をもった選定の本屋さんが私は好きだ。

 

 

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原田ひ香の略歴と既読本リスト

2023年07月17日 | 読書2

 

原田ひ香(はらだ・ひか)
1970年神奈川県生まれ。大妻女子大を卒業し、秘書として働き、29歳で結婚。シナリオを独学で学ぶ。

2006年「リトルプリンセス二号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。
シナリオのプロットライターとして活動した後、

2007年37歳になりプロットライターを辞めて小説を書き始め、「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞し、小説家デビュー。

 

他の著書に『東京ロンダリング』『失踪.com 東京ロンダリング』『アイビー・ハウス』『人生オークション』『母親ウェスタン』『彼女の家計簿』『ミチルさん、今日も上機嫌』『三人屋』『復讐屋成海慶介の事件簿』『虫たちの家』『ラジオ・ガガガ』『ランチ酒』『DRY』『古本食堂』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『三千円の使いかた』『老人ホテル』など。

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原田ひ香『老人ホテル』を読む

2023年07月16日 | 読書2

 

原田ひ香著『老人ホテル』(2022年10月30日光文社発行)を読んだ。

 

光文社の内容紹介

埼玉県の大家族で育った日村天使(えんじぇる)は、生活保護を受け自堕落な生活を送ってきた。大家族ファミリーとしてテレビにも出ていたが、16歳で家を出て、大宮のキャバクラ「マヤカシ」に勤める。そこでビルのオーナー綾小路光子と知り合った。数年後、訳あり老人が長逗留する古びたビジネスホテルにひっそりと暮らす光子と再会する。天使は、投資家だという光子の指南で、生きるノウハウを学ぶことになるが……。

 

日村天使(えんじぇる)は、母・由子と父・正隆の7番目の末っ子だった。両親は30年以上生活保護の不正受給だけで暮らしていた。一家はTVの番組で紹介されて一時人気番組になる。

 

天使は高校を中退して大宮の「マヤカシ」というキャパクラで働いていた時、客として来ていたお婆さん・綾小路光子がこのビルの持ち主だと知った。彼女は「ここにいる若い子だって金持ちになれる。その方法を知っている」と言った。

 

天使は町で見かけた光子の後をつけ、古いビジネスホテルに入ったことを確認し、金持ちになる方法を聞き出そうとホテル・フロンの清掃係のバイトに応募する。

光子は部屋の掃除をすぐ上の先輩清掃係りの山田だけにやらせていて、山田が休みのときでも掃除は不要と天使は断られてしまい、天使はなかなか光子に近づけない。

 

ホテルの1階は老人の長期滞在者が宿泊。

104号室は大木利春、73歳。株式トレーダー。

105号室は今野寿文、80代。身体が自由にならない。

106号室は田原浩三、78歳。光子昔、競売物件を買って居住者を無理やり追い出したりぎりぎりの商売をしていて、お金のこととなると人が変わるという。

107号室は阿部幸子、84歳。いい家の出身で、元ライター。天使に取材して本を出そうとする。

108号室が綾小路光子、78歳。

 

本書は書下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

前半は、天使の一家のめちゃくちゃな生活ぶりで読ませ、中ほどは光子おばあさんの謎で引っ張る。後半は、光子が天使にひと財産作るための節約、貯蓄の方法をレクチャーする。

後半の話は当たり前と言えばその通りな、王道の話で、とくに感心する点はなかった。

 

 

原田ひ香の略歴と既読本リスト

 

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バンクーバー旅行2023  (10) フライト

2023年07月15日 | バンクーバー

 

これが「バンクーバー旅行2023」のようやく最後。

 

いつものように、数日前に吉祥寺から成田に行くリムジンバスを予約しようとアクセスすると、当面休止との表示。乗換案内ソフトに従って、中央線で新宿、山の手線で日暮里、京成スカイライナーで成田という初めてのコースとなった。ネットで予約してスマホが券がわりになるのは嫌いだが従わざるを得ない。

 

生まれも育ちも東京だが、テリトリ―が山の手の二人とも日暮里で降りるのも初めて。

これが、日暮里駅へ入ってくるスカイライナー。

 

成田で乗る日航機。767-300だったが、機内は広いと言えず、相方の日航の評価下落。

 

バンクーバー空港に到着。数年前と変わっていない。

 

空港にあった公衆電話機。

 

バンクーバー空港の出発ロビー。

 

今回の7日間の旅行、ほとんどタクシーと、乗り降り自由のバスを使ったのだが、合計9万歩、一日平均1万3千歩とかなり歩いている。くたびれるはずだ。

また、バンクーバー空港とダウンタウンの間は、スカイトレインを利用したが、券売機で一見、紙に見えるカード・Compassを購入し、ゲートの機器にタッチすると入場できる。JRのスイカやパスモと基本的には同じ非接触ICカードシステムなのだが、こちらは使い捨てだ。

これがそのCompassカード

表面と裏面の紙を剥ぐと、中味が透けて見えるようになる。

機器からの磁気周波が7周のコイルに電流を生じさせ、左上の丸い部分のICチップから信号が出て、機器と通信するのだろう。

 

 

以下、蛇足で食事がズラズラ続くだけ。

 

私の、まずはラウンジでビュッフェ形式の昼飯?

 

以下、洋食は私で、和食は相方。

私はほぼ完食したが、相方は残した。日航の食事は、まあまあ普通。

 

行き、朝食、洋食

 

行き、朝、和食

 

行き、夕食、洋食1

 

行き、夕食、洋食2

 

行き、夕食、洋食3

 

行き、夕食、和食1

 

行き、夕食、和食2

 

行き、夕食、和食3

 

帰り、昼飯、洋食

 

帰り、昼飯。和食

 

帰り、夕食、洋食1

 

帰り、夕食、洋食2

 

帰り、夕食、洋食3

 

帰り、夕食、和食1

 

帰り、夕食、和食2

 

帰り、夕食、和食3

 

 

バンクーバー旅行2023  (9)フェアモント・ホテル Fairmont Hotel Vancouver」へ戻る。

 

最初の「バンクーバー旅行2023  (1)カナダプレイス」へ戻る。

 

 

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バンクーバー旅行2023  (9)フェアモント・ホテル Fairmont Hotel Vancouver

2023年07月14日 | バンクーバー

 

Burrad St.とGeorgia St.の交差点、バンクーバー美術館の隣りにあるフェアモント・ホテル Fairmont Hotel Vancouver に滞在した。

 

TD Canada Trust銀行の壁に映るホテル。

 

ベッドの厚さは厚いが、部屋はごく普通。

 

窓からはカナダプレイスへ向かうBurrad St.が見え、手前に教会、正面にハイヤットリージェンシーホテルが見える。

 

このホテルのガーゴイル(gargoyle)が目の前に見えた。ガーゴイルとは、雨樋から流れてくる水の排出口としての機能を持つ怪物などをかたどった彫刻。

 

向かいのビルの壁に人影が。

 

拡大したら窓ふきだった。ご苦労様。

 

フロント前に置いてあるクラシックな電話機が回転ダイヤルでなく押し釦??

 

金ぴかの郵便ポストも派手だが、大きな腕時計型の柱時計もユニーク。

 

一応、革靴、上着や、ヒールのある靴、ワンピースも用意してきたので、ホテルの1階のレストラン「Notch8」でディナーした。

皆さん、カジュアルな格好で、いまやドレスコードは無いに等しい?

 

私は、OYSTERS ON THE HALF SHELL $26

メニューを見て、時期を考えず突然頼んでしまったが、小粒で期待はずれ。

 

相方は、FRENCH ONION SOUP (オニオン・グラタン・スープ)  $19

私も少々お相伴に預かったが、大変美味しくいただきました。

 

私のメインは、PAN-ROASTED PACIFIC COD   $34

可もなく不可もなく、ノーコメント。

 

相方のメインは、OCEAN HARVEST RISOTTO   $36

美味しかったと申しております。

 

 

そして、最後にやはりコーヒーでも頼もうかと、私が注文。

そして、来たのがこれ。

「やっぱ、ホットと言わないといけなかった」と後悔。

飲んでみると、「うっ! これって、コーラ?」

「俺はちゃんと、コーヒーとはっきり言ったんだよ」「だからよ、やっぱりね」

結局、ニコニコしながらちょっとだけ飲んで、チップも15%として、$150 支払いました。

 

最後が残念だったが、生ジャズもあって良かったと思っております、はい。

 

 

最後、「バンクーバー旅行2023  (10) フライトFlight」へ進む。

 

バンクーバー旅行2023  (8) ハーバー・クルーズHarbour Cruise」へ戻る。

 

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バンクーバー旅行2023  (8) ハーバー・クルーズHarbour Cruise

2023年07月13日 | バンクーバー

 

48時間乗り降り自由の ”Hop-On, Hop-Off” バスの4番Coal Harbour/Stanley Parkで降り、DenmanSt.の突き当り近くにあるチケット売り場(下の写真の青い看板)で、Harbour Cruiseの券を買った。この日はカナダデイ、特別割引で一人$50、30%弱の割引だった。

 

乗ったのはこの船、CONSUTITUTION号(憲法号?)。

 

外輪船・パドル船で、幅広い航跡を残す。 約1時間のクルーズだ。

 

水上飛行機が頭上を越えて行った。

 

Coal Habourのビル群を後に、

 

芝生の小山がコンベンションセンターで、その手前にビクトリア・ナナイモ行き水上飛行機発着場。

 

今まさに到着。

 

バラード入江の真ん中に水上飛行機/船舶用給油所。

 

カナダプレイスに着岸中のクルーズ船。

 

2艘並んで。

 

中央左に、スタンレー・パークから North Vancouver へ延びる Lion Gate Bridge。

 

カナダプレイスの後ろにダウンタウンのビル群・スカイライン。

 

ノースバンクーバーNorth Vancouverのビル群。

 

ロンズデール・キーLonsdale Quayに停泊するシーバス

 

日本に輸出する紙パルプ処理に使う硫黄の山 The Big Yellow Sulpher Pile

 

British Columbia州の旗。

 

スタンレーパークの灯台のあるブロックトン・ポイント。

 

戻って着岸した波止場の柱に、なぜか上の方まで貝殻がびっしり。

 

バンクーバー旅行2023  (9)フェアモント・ホテル Fairmont Hotel Vancouver」へ進む。

 

 

バンクーバー旅行2023  (7) グランビルアイランドと市内」に戻る。

 

 

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バンクーバー旅行2023  (7) グランビル・アイランドGranville Island+市内

2023年07月12日 | バンクーバー

 

グランビル橋の下にあるフォールス・クリークに浮かぶ約500mの半島。いわゆる市場(いちば)であるパグリック・マーケットを始め、レストラン、ショップが並ぶ。

48時間乗り降り自由の ”Hop-On, Hop-Off” バスの7番Granville Island Bus Loop で降りて、人の列に続いて歩く。

 

20世紀初頭に工場街として栄えていたころのコンクリート工場が派手にペインティングされているGiants。左のビルが変な形。

 

Broker’s Bay?にはヨットが一杯。

 

新鮮な食材がそろうパグリック・マーケット。大好物のブルーベリーとマンゴスチンなどをご購入。

 

かって良くお世話になった日本人の店員さんがいる魚屋さん。指で指し示すだけでなく、「3枚におろして、アラも下さい」などと注文できた。

 

大道芸を実演中。観客に助手をお願いして、積み上げたグラグラした台にいかにも危なげに登る。

 

その上にようやく立って、ナイフ投げ。

それだけのことを、ああだ、こうだと大げさな口上を述べて、時間を引き延ばしながら演技する。こちらも暇だからいいけど。

 

 

以下、ダウンタウンのいくつかをご紹介。

 

知ったかぶりして、ホテルからカナダプレイスに歩こうと思って、たどりついたのは反対側のイエールタウン。オサレナな街なので、ついでにぶらつく。

 

 

 

ロブソン通りの東の突き当りにあるBC Place Stadium。5万人収容の開閉式屋根を持つ、カナディアン・フットボールやコンサートなどが開催される。

 

ロブソン通りとホマー通りの角にあるバンクーバー中央図書館。古代ローマを思わせる建物だ。

 

ダウンタウンのところどころにある道案内板。お世話になりました。わかりやすく、何度も救われました。わざわざ持参したアイパッドとモバイルWiFiは、街中では使う気になれなかったし、肝心のときにはWiFiがつながらなかった。デジタル好きの私もアナログに完敗し、乾杯。

 

空港でも施設でも男子用小用トイレはこんな形が多かった。設置位置が低いのはたいてい一つだけ。あきらかに子供用で誇り高い日本人でちびの私には使えない。つま先立ちで不安定なまま高い位置のものを使わざるを得ない。人種差別だ!

 

この形が望ましい「みんなのトイレ」なのだ。

 

貿易港で港町でもあるバンクーバーのハーバークルーズが次回。

 

バンクーバー旅行2023  (8) ハーバー・クルーズ」に進む。

 

バンクーバー旅行2023  (6)バンデューセン植物園」に戻る。

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