日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「ささやきの」1首

2020年11月20日 | 日記
 秋の雨あがり、山道を、歩きました。枯葉がちらほら、風がふくと吹雪のように落ちて、観光地にしてはかなり険しい道に散り敷いています。時折、上り下りの人に行き会う中、すぐ後ろで小さな女性の声が、短く聞こえたような気がして、振り向くと、誰もいません。貴女だったらよかったのにと、こんなところにいるはずもない貴女を、思い出しました。

おちばしく せきやまみちに ささやきの かすかにきこゆ いものあらなくに
落ち葉敷く 狭き山道に ささやきの かすかに聞こゆ 妹のあらなくに
(落ち葉が散り敷いた、狭く険しい山道で、短い女声のささやきが聞こえました。貴方がいたのだったら、どんなに嬉しかったことでしょうか)

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