日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

新作「日盛りの森」の歌、1首

2012年08月10日 | 日記
夏の森は、風のないときは、熱気と湿気が充満していて、ときおりわずかに空気が動くだけで、汗が引きます。
 しばらく前の昼間、風向きの同じ熱風が吹き続け、樹冠(じゅかん)はいっせいになびいていました。立っている周囲とじかに触れ合う感覚も吹き飛ばされ、遠近の感覚が変わってきます。木立の向こうの草むらに陽が当たり、黄緑色に輝いて、それが木立越しに、光の洞窟のように見えました。

ひざかりの かぜにふかるる もりのとの こだちのほらに くさむらのはゆ
日盛りの 風に吹かるゝ 森の外の 木立の洞に 草むらの映ゆ
(昼の盛り、吹き続ける熱風に、樹冠がいっせいになびきます。木立の向こうの草むらには陽が当たり、光の洞窟の底で輝いているようです)


ホームページ「日守麟伍ライブラリ」http://book.geocities.jp/himringo/index.htm



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