きまぐれ日記

高知県室戸市の地域情報と写真などの趣味の話。時々エッセイ風に。

中岡慎太郎を知る本

2010年06月09日 13時05分28秒 | 本の話

中岡慎太郎関連の書籍で手に入るものは数が少ないようです。

この本は10年以上前に買って、いつか読もうと思っていたのですが、なかなか読む気にはなれませんでした。

今年は龍馬伝の年なので、これを機に読もうと思いました。

ページの紙は黄色く変色しています。

今年になって、新しい版の本が二巻に分かれて発売されています。

この赤い表紙の講談社の文庫本はページ数が760ページを超えています。

読むのにけっこう時間がかかりました。

漢字と固有名詞が多くて、こういう漢字の多い本は読みづらい感じもするのですが、中岡慎太郎の足取りを知るにはうってつけの読み物だと思います。

この書籍は、どの程度史実に基づいているのかは分からないですが、『龍馬がゆく』のようなものだと考えればいいと思います。

登場人物が多く、龍馬に負けず劣らず、慎太郎の交友関係がいかに広かったのか分かります。

この物語は、慎太郎が土佐を脱藩して、長州に向かうところから始まります。

ほとんど、慎太郎は、長州人とともに行動をしているようなものです。

慎太郎の信念は攘夷であり、そして、討幕です。

慎太郎のこの信念は基本的に、近江屋で暗殺されるまで、変わっていなかったのではないかと思います。

慎太郎のこの信念と、龍馬の信念とは相反するものがあったように思います。

龍馬の場合は、ひとつの方向性に固執することなく、誰かが言った事のいいところと、また別の誰かが言った事のいいところを取って、臨機応変に新しいアイディアを考える、いうなれば、いいとこ取りのハイブリット的考え方をしていたようです。

とにかく、慎太郎は、よく動きます。

船を使い、馬を使い、足を使い、九州の太宰府から京都まで、時間をむだにせずに、動きます。

インターネットも、電話も車も飛行機もなかった時代には、情報が伝達するには時間がかかりました。

だからこそ、正確で速い、情報の伝達が必要だったと思います。

めまぐるしく情勢が変わる幕末はある意味、情報戦だったともいえます。

正確に、速く、情報を伝えることによって、先手、先手の策略を図ることができたわけです。

龍馬もよく動いているのですが、それよりも、はるかに慎太郎は動いています。

慎太郎はいうなれば、諜報活動と、遊説をしながら、西へ東へと動きまわっていたような感じです。

慎太郎に関して少しでも、知識のある方はこの本は面白く読めると思います。

この本で、気になるのは、慎太郎のしゃべる土佐弁です。

『ほたえな』という言葉と、『たかで』という言葉がよく出てくるのですが、『ほたえな』はいいとしても、『たかで』という言葉は土佐弁ではあまり使わないのではないかと思います。

他の地方の方言と土佐弁が混じっているような気もします。

慎太郎が、龍馬に呼びかけるときに、『龍馬どん』と言うのですが、土佐弁では、『どん』などという言葉は使いません。

九州の方言をわざと使ったのか、そのところは分かりません。

他にも慎太郎関連の書籍で手に入るものがあるので、読んでみておこうと思います。






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