この絵は少し特殊な技法を使って描きました。特殊といっても、この技法を使って描いている方は多くいると思います。
簡単にいうと、写仏を逆にしたものです。通常、写仏は、元の仏様の絵の上に和紙を乗せて、筆で輪郭をなぞって、仏様を写し取るのですが、この絵の場合は、全く逆の方法で仏様をキャンバスに写し取ります。
元の仏様は、『聖観音』で、雑誌に付属していたものです。サイズはA4ほどです。そのままのサイズでは小さいので、F10号のキャンバスのサイズに合うように、拡大コピーをします。
元の絵を上下半分に折って、B4に拡大コピーをします。B4に拡大コピーした、上下半分の絵を合わせると、ちょうどF10号のキャンバスに収まるサイズになると思います。
その合わせた絵をキャンバスに写し取ります。どうするかというと、キャンバスにカーボン紙を乗せて、セロハンテープでしっかりと固定します。その上に拡大コピーをした仏様の絵を載せて、セロハンテープで、しっかりと固定します。
拡大コピーした仏様の輪郭をボールペンでなぞっていくと、『聖観音』をきれいにキャンバスに写し取ることができます。この技法は、こういう写仏だけではなくて、風景とか、人物の絵を描く場合にも、応用できます。
風景の場合は、全く目で見た縮尺で絵を描くことができます。風景の場合も、人物の場合も、元になる絵は、写真から起こします。写真を撮って、その写真をキャンバスの大きさに合わせて、拡大コピーして使用します。
油絵というと、厚塗りもできますし、薄く塗ることもできます。ただ、塗りこんでいくと、色が落ち込んで、発色が悪くなります。発色をよくするために、下塗りにアクリルカラーを使います。アクリルカラーで、下塗りをした上に同じ色の油絵の具を薄く乗せていきます。そうすると、発色のいい『聖観音』の写仏が完成します。
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