自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホシノヒトミとツマグロキンバエ

2019-12-31 | 昆虫と花

ホシノヒトミは冬から春にかけて咲く花。今咲くのはなんとなく無駄のようなのですが,そうでもありません。時期を選んで花が咲くのには,必ず“理”があります。それで,どうして今ホトケノザが開花しているのか,と想像を巡らすことがたいせつになってきます。じつはこの花はとてもちゃっかりした戦略の持ち主なのです。冬に咲いて訪花昆虫が来てくれなくても,自家受粉でさっさと結実する知恵を持っています。

しかし,理想的には他家受粉が望ましいはず。当たり前ながら,万が一にも昆虫が来てくれると大歓迎というわけです。これはホトケノザの目線で考えれば理解できます。

そんなふうに思いながらウォーキング中にホシノヒトミを観察していくと,すぐに目に留まったのがツマグロキンバエでした。それも複数。「やっぱり!」と合点が行きました。

 

 

近くの別の花にもいました。口吻が蜜腺に届いていました。前脚と葯が触れ合っています。蜜作戦がうまくいったのです。

 

 

メスのツマグロキンバエ。複眼にも花粉がたっぷり付着しています。花粉は他の花に運ばれるでしょう。 

 

 

ツマグロキンバエの訪問を受けたこれら花は幸運にも他家受粉の光栄に浴したのです。 

さて,本年は今日が締めくくり日。この一年お付き合いいただきました皆様方にこころより感謝申し上げます。健康である限り,今後もいろんな方面に好奇心を向け続けようと思っています。来年が皆様お一人おひとりにとってハッピーな年になりますように……。