キリギリスは体形から見ても,大きさから見ても,とても魅力的な昆虫です。これがわたしの身近な公園に多くすみついています。晴れた日にこそ撮りたい相手です。
ところがこのキリギリスを見かけた日はあいにくの曇り空でした。これを虫の目で撮るにはレンズの性質上,どうしても暗さが気になります。こんな場合は,フラッシュを使ってなんとかやりくりすることがあります。下写真はその例です。左上方向から光を当てています。これによりキリギリスのからだが黒っぽく写るところを,なんとか解決できました。でも,それは本筋ではないと思っています。
数日後,晴れました。絶好の撮影チャンス。草は刈り取られて日が浅く,さほど伸びていません。キリギリスの鳴き声が盛んにしています。そこに近づくと鳴き声がピタリと止む、姿は見えないけれどガサガサと隠れるような音が聞こえてきます。とても神経質な昆虫だと見えます。
そのうちに姿を発見。メスでした。しかし,用心深くしていても逃げられてしまいました。やや時間があって,今度はオスを発見。「これはなんとか撮りたい!」。そう思いつつ,レンズを近づけました。触角をレンズに向けました。幸い逃げる気配はありません。ここで一枚パチリ。よしよし。
すこし動きました。さらにもう一枚。口元がしっかり写り込みました。ラッキー!
撮り終わった途端に,さっさと去りました。なんと貴重な2枚の写真でしょう。贅沢ないいかたになりますが,今度はもっと近寄って撮りたいですね。