ショウリョウバッタにも褐色型があります。緑色型と同居しています。どちらか一方では種としての維持が危ういのでしょう。自然史の中で淘汰された結果,今,この二色が存在していると考えるのが順当です。
この写真を撮った日,同じ場所で緑色も褐色もたくさん見かけました。終齢幼虫もたくさん。たぶん,それらを狙うのはカエルやトカゲ,ヘビ,それに鳥でしょう。この日はカナヘビもニホントカゲもいました。たくさんのバッタは,そのうちにたくさん食べられて,生き残るのはごくわずか。2,3%程度かな。すこしでも生存率を高めるには,環境に溶け込んだ体色だと有利にちがいありません。枯れ葉に似る,緑の葉に似る,カメレオンのように体色を変化させるわけでないので,いずれかでなんとか生き残れるように努めるほかありません。
枯れ葉にいたら,ほんとうに見分けが付きにくい限りです。
緑の葉にいたら,目に付きます。
近いうちに成虫が現れるでしょう。無事に育った成虫を“虫の目”で追うのがたのしみです。