自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

”虫の目”でとらえたカンサイタンポポ

2019-02-22 | 植物

セイヨウタンポポは結実という点で,生き抜くための逞しい戦略をもっています。それで,厳冬期も花を付けます。これに対して,在来種であるカンサイタンポポはふつう昆虫が出現する時期でなくては開花しません。送受粉に昆虫の助けを借りなければ結実できないからです。

今は早春といっても,まだまだ厳寒期。タンポポに昆虫が訪れるのは稀。なのに,意外とカンサイタンポポが花を付けているのを見かけます。これはめずらしい光景です。

わたしがウォーキングをする農道の脇には,じつにあちこちそれが見られます。ほとんどはあだ花になるのに,どうして無駄なことをするのかとふしぎなほどです。昆虫が訪れるかもしれないわずかなチャンスでも待っているのでしょうか。我が家のロウバイ・マンサクの観察からはいろんな昆虫が訪れているのが確認できているので,タンポポを観察しているともしかすると訪花昆虫を目撃できるかもしれません。

せっかくなので,開花の様子を”虫の目”で記録しておくことにしました。

まだ花が開き切っていない時間帯です。日を浴びて,花弁の黄色が輝きます。

 

 

大きな株には,たくさんの花が。萎んだ花もあります。

 

撮影していると,近くの方が農作業で通って行かれました。

 

コムギの植わった田が広がります。 セイヨウタンポポと比べると,じつにほっそりして,控えめなこと!

 

ホシノヒトミとなかよくくらしています。春はもうそこ。

  

 


畑地にアカミタンポポが

2019-02-22 | 植物

アカミタンポポは漢字名で”赤実蒲公英”。その特徴についてはウィキペディアフリー百科事典の「アカミタンポポ」に簡潔な解説があります。生態はセイヨウタンポポにそっくり。やっかいな外来種の一つで,果実(実)の表面”果皮”が赤みがかっているので,こう命名されたということです。

 

確かに果皮は赤みを帯びています。これが我が家の隣りの畑で繁殖しています。

 

実をほとんど飛ばし,少しだけ残して撮影。

 

実の部分をアップ。突起は先端近くに並んでいます。

 

 

たくましい生き方をしているようで,近くには閉じた花がありました。外から見ただけではセイヨウタンポポとの違いがわかりません。

 

さらに,綿毛(冠毛)が伸びかけているものも。これもセイヨウタンポポとの見分けがつきません。

 

これら二種の外来種は昆虫の助けがなくても結実するので,冬も実をつくり続けます。それどころか季節によらず,年中つくります。在来種カンサイタンポポにはない,スーパー繁殖法の持ち主。

タンポポの世界の生き残り競争。たいへん,たいへん。