花を見ていたら,その間にクモが見えました。小さな小さなクモです。体長は10mmもなかったでしょう。クモがいるのだったら,餌になる昆虫が捕まるはずだと思った瞬間,目に飛び込んで来たのが例のユスリカのなかまが囚われの身になった姿。クモの巣に引っ掛かって獲物になっているかわいそうな姿でした。クモはするするとユスリカに近づき,貴重な獲物を触るように扱っていました。
冬だって,極小の昆虫を狙うクモがいるのです。そんなことを思いながらさらに見ていくと,こんどはもっともっと小さなクモがユスリカを襲っている光景が飛び込んできました。体長は5mm程度といったところでしょう。クモの巣までくっきり見えました。丹念に糸を張り巡らすエネルギーを考えると,こんな獲物で採算が合うのかついつい同情したくなります。一方のユスリカにすれば,まさかの致命的災難。
季節を問わず,いのちはうごめいているし,うごめいているいのち相互の関係があります。小さな事実から大きな世界が広がって見えてきます。