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葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

スーパー抗原:免疫系を腐敗させる病原体

2020-01-13 | 川崎病
猩紅熱の原因として示唆されているスーパー抗原ですが、細菌だけでなく、ウイルスや真菌にも含まれていることがわかってきています。

川崎病と猩紅熱は、好発年齢がずれるのですが、症状の一部が重なっています。

新しいワクチンを導入するたびにキャッチアップとして多数の小児にワクチンが接種されることが、川崎病発症の増加に寄与しているのではないかと疑われます。



Staphylococcus aureus and Streptococcus pyogenes together produce 19 different Superantigens. The range of microorganisms known to produce Superantigens has expanded to include Gram negative bacteria, mycoplasma, and viruses.

グラム陰性菌もスーパー抗原を産生するようですが、サーバリックスのアジュバントのMLPは、グラム陰性サルモネラ菌由来でした。要調査ですね。


もっと最近の論文では、京都の先生方が川崎病における感染性刺激のひとつとして、スーパー抗原の役割を考察されています。



川崎病とノロ感染やロタ感染との関連 その1

2020-01-06 | 川崎病
川崎病の発症数を月別、年次別に示したグラフです。
このグラフの特徴:

(1) 12月から1月にかけての鋭いピークがある
(2) 3月から6月にかけての鈍いピークがある
(3) 2015年の秋まで、毎年全数が増加している




同様に、2001年から2014年までのグラフでも、2008年の1月までは鋭いピークと鈍いピークと、総数が増加していてますが、2008年の春以降に総数が減少しました。


上の2つのグラフから、2008年と2016年に何かが起こったことがわかります。

拡大図でみると、秋から冬にかけての増加が著しいのは、2011年と2014年でした。

鋭いピークの原因として、思いつくのは、11月から接種が始まるインフルエンザワクチンと、インフルエンザ感染症と、ノロ感染症ですが、まず、ノロ感染症が川崎病と関連するのかどうか、調べてみました。

文献によると、

ノロ感染症は、IL-10、MCP-1、TNFαの産生増加を伴う免疫応答によるものということです。TNFαの増加が川崎病に関与していることは知られています。ノロウイルス感染後に川崎病を発症する可能性が示唆されます。

ノロ感染発症数のグラフを探してみました。残念ながら幼児に限ったデータがみつかりませんでしたが、2006年と2016年の11月12月に大流行したのがわかります。
川崎病は、2006年の冬は急増していますが2016年にはノロ感染に対応するような急増はみられませんでした。





川崎病と自己抗体(抗血管内皮細胞抗体)

2019-12-30 | 川崎病

2002年、シェーンフェルト医師の論文

川崎病の患者の多くから、抗内皮細胞抗体が検出されていること
患者由来の抗体から産生したマウス抗体を接種したところ、10匹中5匹が川崎病に類似する症状を提示した


この論文の引用文献より
乳酸菌(ラクトバチルス・カゼイ)の細胞壁をマウスに注射して、川崎病の動物モデルを作成
ただし、マクロファージの機能を持たないマウスでは、発症しなかった



そういえば、肺炎球菌ワクチンの抗原は、莢膜の多糖体だった
乳幼児では、多糖体に対する抗体はできにくいので、タンパク質を結合して抗原を作ってワクチンにしたということだった


ヒブと肺炎球菌ワクチンの2013年4月の定期接種導入後の川崎病増加

2019-12-18 | 川崎病


2011~12年に比較して、2013~14年に、川崎病が1歳~5歳の年齢で増加した。


2013年4月にヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが定期接種となった。


キャッチアップスケジュールによると、ヒブワクチンの最後の接種の最高年齢が5歳となっている。

VigiAccessから





川崎病が2009年に減少したのは

2019-12-17 | 川崎病
日本脳炎ワクチンの積極的推奨が中止になったせいではないかと疑っている


川崎病の治療に抗TNFα抗体が使用されている

マウスの実験で、血清中のTNFαを特に異常に増加させたのは、
肺炎球菌ワクチン、日本脳炎ワクチン、DPTだった


VAERSから
日本脳炎ワクチン後の川崎病
2歳男児、日本脳炎ワクチン接種の15日後に川崎病と診断された
他の詳細不明


WHOのVigiAccessから
日本脳炎ワクチン後の川崎病9例


乳児での肺炎球菌ワクチンとDTap同時接種治験

2019-12-15 | 川崎病

日本における7価肺炎球菌ワクチンの同時接種の治験

方法:生後3~6カ月の健康乳幼児をPCV7+DTaP群またはDTaP群に1:1で無作為に割り付け,4回皮下接種した.初回および追加免疫後1カ月時のDTaPとPCV7に対する免疫応答を評価した.また各ワクチン接種後7日以内の局所反応・全身反応,および有害事象を評価した.

小児感染免 28 (4): 225-235, 2017

1)福岡歯科大学総合医学講座小児科学分野
2)札幌市立大学看護学部
3)ファイザー株式会社
4)ファイザー米国法人ワクチン・リサーチ 


初回免疫中、同時接種群での治験脱落数が、DTap単独群の5倍であったこと。




治験を中止した有害事象は、本文には、同時接種が5例、単独接種が4例となっているが、単独接種のうちの1例は、キャッチアップとして治験後に同時接種した後に発生している。

実際には、有害事象は、同時接種が5例(+治験後のキャッチアップで1例)、単独接種が3例であった。

同時接種群では、川崎病が発生しているが、ワクチンとの関連性を否定している。

この川崎病は、6ヵ月未満の乳児で、初回接種後なので、前回紹介したネイチャーのサイエンティフィック・ペーパーの肺炎球菌ワクチンと川崎病の関連が統計学的に有意であった群と同じ条件だった(ただし、7価と13価の違いあり)。

川崎病とワクチンの関連を考えるための資料 その11

2018-11-30 | 川崎病

グリコカリックス

細胞膜の外側には、あらゆる動物細胞がグリコカリックスと呼ばれる縮れたコートをまとっている。このコートは膜の糖脂質と糖タンパク質の炭水化物部分からなる。人によってグリコカリックスは異なり、一卵性双生児のみが科学的に同質のものを持つ。グリコカリックスは体が細胞や組織を識別するために使われ、自分自身の健康な細胞を、移植した組織、罹患した細胞、または侵入した生物と区別する。グリコカリックスはまた細胞接着分子も含み、胚発生の間、細胞がお互いに接着したり、細胞の動きを助けたりする。[2]グリコカリックスが毛細血管内に充満した赤血球の形を変えたり、血管系の他の多くの機能に重要であると思われることが研究で示され、現在も研究されている。[3]

 

多糖体に対する抗体を作るワクチン 肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、髄膜炎菌ワクチン リンク

プレベナーの抗原 多糖体とタンパク

https://slideplayer.com/slide/6052082/20/images/20/Conjugate+vaccine+Polysaccharide+And+lipid+%28LPS%29+Pneumococcal.jpg

https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S0264410X17305790-fx1.jpg


川崎病とワクチンの関連を考えるための資料 その10

2018-11-29 | 川崎病

この治療は、子宮頸がんワクチンの副反応の治療と同じですね。東京で治療ができたら良いですね。

川崎病に血漿交換や血漿交換とステロイドパルスで治療した例。

Cytokine. 2015 Aug;74(2):339-42. doi: 10.1016/j.cyto.2015.02.014. Epub 2015 Mar 19.

Kawasaki disease refractory to standard treatments that responds to a combination of pulsed methylprednisolone and plasma exchange: Cytokine profiling and literature review.

Author information

1
Division of Pediatrics, National Center for Global health and Medicine, 1-21-1 Toyama, Shinjyuku-ku, Tokyo, Japan. Electronic address: motohiro612@yahoo.co.jp.
2
Division of Pediatrics, National Center for Global health and Medicine, 1-21-1 Toyama, Shinjyuku-ku, Tokyo, Japan; Advanced and Specialized Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine, Japan.
3
Division of Pediatrics, National Center for Global health and Medicine, 1-21-1 Toyama, Shinjyuku-ku, Tokyo, Japan.

Abstract

We present a case of Kawasaki Disease (KD) that was refractory to plasma exchange (PE), but which finally responded to concurrent intravenous methylprednisolone pulse (IVMP) and PE treatment. To determine direct and indirect evidence for the efficacy of this combination therapy, we analyzed data of patients with refractory KD by review of the literature using medical databases and cytokine profiling. For literature searches, we used the Pubmed™ and Ichushi™ databases. Search terms used included "Kawasaki disease" and "plasma exchange" to extract articles that described KD cases treated with PE. For cytokine profiling, we measured interleukin (IL)-6, soluble tumor necrosis factor-α receptor (sTNF-αR) type 1 and type 2 before and after PE and PE with IVMP. Our search revealed 201 KD patients treated with PE, of which PE treatment was effective in 188 patients (93.5%), but not in 13 cases (6.5%). All 13 cases were treated successfully with additional treatment. Of the 13 cases, only six (2.5%) had recurrence during the PE treatment period. In our case, cytokine profiling showed PE treatment decreased IL6, while sTNF-αR type1 and type2 remained at high levels. PE and IVMP decreased IL-6 and sTNFα-R type 1 and type 2 levels.

CONCLUSION:

PE concurrent with additional anti-inflammatory treatment such as IVMP might be a very promising treatment option for PE refractory patients.


川崎病とワクチンの関連を考えるための資料 その8

2018-11-29 | 川崎病

川崎病の発症に関わる「ORAI1遺伝子の多型」を発見 http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160121_1/

-日本人に多い遺伝子多型が関与-

ORAI1タンパク質は細胞膜上のカルシウム(Ca2+)チャネル(Ca2+を選択的に透過する透過口)で、川崎病の発症や重症化に関わりが深いと考えられる「Ca2+/NFAT経路」の活性化に重要なタンパク質です。

http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2016/20160121_1/fig2.jpg




川崎病の発症に関わる3つの遺伝子領域を新たに発見 http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120326_2/

-白人集団と遺伝的要因に違いがあることを示唆-

2007年にITPKC遺伝子、2010年にCASP3遺伝子が川崎病に関わっていることを発見しました。

(中略)

その結果、新たにFAM167A-BLKCD40HLAの3つの遺伝子領域が川崎病と強く関連することが分かりました。

FAM167A-BLKCD40の遺伝子領域については、成人期に見られる関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど、自己免疫性疾患の発症との関連が知られている領域と一致していました。

http://www.riken.jp/~/media/riken/import/jp/info/release/press/2012/120326_2/image/02.gif






川崎病とワクチンの関連を考えるための資料 その7

2018-11-29 | 川崎病

(kikiさんのツイッター紹介のスライドから)

川崎病モデルマウス (藤本ら、2010). レンチナン(β‐グルカン)の腹腔接種で川崎病類似の病態が出現

 

レンチナン、多糖体(ポリサッカライド)

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2c/Lentinan.svg/1200px-Lentinan.svg.png

藤本さんはがんの研究を進める中で、シイタケの抽出物で、抗がん作用があるとされるレンチナンをマウスに注射したところ、予想に反して早死にすることに着目。このマウスを解剖したところ、冠動脈瘤が形成され、冠動脈で血管の形状を保つ働きをする「弾性板」がボロボロに傷むなど、川崎病に酷似した症状が現れていることがわかった。リンク


川崎病とワクチンの関連を考えるための資料 その5

2018-11-28 | 川崎病
韓国でも、18ヵ月の乳幼児がインフルエンザワクチン接種の24時間後に、川崎病発症。

Biomed Rep. 2018 Mar;8(3):301-303. doi: 10.3892/br.2018.1043. Epub 2018 Jan 16.

An infant presenting with Kawasaki disease following immunization for influenza: A case report.

Abstract

Kawasaki disease (KD) is a childhood vascular disorder of unknown etiology. Concerns have recently been raised regarding vaccinations as a potential risk factor for KD. In addition, various forms of vasculitis have been reported as adverse events following administration after various vaccines. Patients exhibiting post vaccination KD have previously been described; however, thus far, to the best of our knowledge, only one patient exhibiting post influenza vaccination KD has been reported in Japan. The present study describes a case of KD 24 h after immunization with influenza in an infant (age, 18 months) following 6 days of high fever, a body rash that had persisted for 2 days and nonsuppurative bilateral conjunctivitis. To the best of the authors' knowledge, this is the first reported case in Korea and the present study reviews various recent studies regarding vasculitis following vaccination and the causal association between them.