葉月のブログ

中高生が死亡していたら河野太郎は総裁選落ちるよね、厚生科学審議会開かなかったのは忖度?

HIVに関与したウイルス学者は億万長者になっている

2020-08-31 | 2003年SARS
2003年のSARSの時から暗躍しているエラスムス大学のオスターハウス (Osterhaus)は、2009年の豚インフルエンザパンデミック時にはワクチンの製造販売に関与して富を得た模様。



最初にインフルエンザ患者が陽性と判明し、研究所員と乾杯をし、その後、ワクチンを政府が購入することが決定され、ガッツポーズをしている。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そもそも、コロナウイルスって何だろう

2020-08-22 | 2003年SARS
香港とフランスの研究者が、2005年に出した論文

Testing the hypothesis of a recombinant origin of the SARS-associated coronavirus 

「SARS関連コロナウイルスの起源が組換えであったという仮説をテストする」(人工ではなく、自然界での組換え)



SARS-CoVゲノムの1490-15908領域のモザイク構造。
6つのコロナウイルスがSARS-CoVの祖先であった可能性。


プランでミック2のドキュメンタリー
7分ごろから、1998年にコロナ様ウイルスが特許申請されていた話

ワールドパテントのリンク

これ以降、多数のコロナウイルスの組換え法、検査法がファウチとバリックとCDCにより特許申請され、コロナに関するすべての利益を独占する体制が整えられた
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARSアウトブレイクのその後

2020-08-14 | 2003年SARS
(1)2004年1月、レストランのウエイトレスがSARSに感染してからメニューのジャコウネコがSARSに感染していることが判明したという報告

Emerg Infect Dis. 2005 Dec; 11(12): 1860–1865. 
SARS-CoV Infection in a Restaurant from Palm Civet


(2)2006年、SARSの有効で安全なワクチンができないことのレビュー

Vaccine. 2006 Feb 13; 24(7): 863–871. 
Obstacles and advances in SARS vaccine development


(3)2013年、SARSが細胞に侵入する際に使用するのと同じACE2受容体を使用するコウモリ由来のコロナウイルスを発見した報告

Published: 30 October 2013
Isolation and characterization of a bat SARS-like coronavirus that uses the ACE2 receptor


(4)2017年、ある集団のコウモリからみつかったコロナウイルスに、SARSコロナウイルスと高い類似のある断片が多く含まれており、コウモリのコロナウイルス間の組み換えも頻繁に起こっていたことから、この集団にSARSの起源があるのではないかという報告
(遺伝子はコウモリの糞からのサンプルをVeroE6細胞で培養してから配列決定)

PLoS Pathog. 2017 Nov; 13(11)
Discovery of a rich gene pool of bat SARS-related coronaviruses provides new insights into the origin of SARS coronavirus


RNAウイルスの不思議な点
RNA依存性RNAポリメラーゼは酵素なわけですが、酵素は3次構造が変化すると活性がなくなりますよね。RNAに結合する部分や核酸が結合する部分に変異が起きたら、活性なくなると思うのですが、ここ疑問に思いませんか?
そして、種の間でRNA依存性RNAポリメラーゼの構造がとても異なっているのも理解できません。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARS コッホの原則を満たさせるための動物実験

2020-08-12 | 2003年SARS
『SARSウイルスがコッホの原則を満たした』
著者
Ron A. M. Fouchier等
オランダ・ロッテルダム・エラスムス医療センター・ウイルス学部

患者から単離されたとされるSARS関連コロナウイルスを4匹のカニクイザルに感染させて、症状の発症、ウイルスの増殖、抗体産生を確認したと報告したブリーフ・コミュニケーション。

リバースにより改変されたコッホの原則
(1)罹患宿主からのウイルスの単離
(2)宿主細胞での培養
(3)濾過性
(4)最初の罹患宿主と同じ種類の生物または関連する生物において匹敵する疾患を再現する
(5)ウイルスの再単離
(6)ウイルスに特異的な免疫応答の検出

最初の3つは、複数のグループにより証明された(参照2,3,4,5)。
WHOのSARSの定義を満たす96人の患者のうち、86人がSARS関連コロナウイルスのラボ検査による証拠がある。
(葉月注:参照文献はすでに紹介したが、濾過性について調べたものはなかった→病原体が細菌である可能性が否定されていない)

我々は残りの3つの原則が満たされるかどうか調べた

SARS死亡患者から単離されたベロ細胞培養SARS関連コロナウイルス使用
(葉月注:著者はオランダと香港だけなので、患者は香港のケースと思われる)

SARS関連コロナウイルスを感染させたカニクイザルは、3日後から嗜眠性を示し、皮膚に湿疹ができ、4日後に1匹が呼吸困難を示した。

カニクイザルは感染2日から6日に鼻と喉にウイルスを排出した。

単離したウイルスは、位相差電子顕微鏡とRT-PCRで、感染に使用されたものと同等であることが示された。

接種16日後に、Vero細胞を使用した間接免疫蛍光アッセイで血清陽転を観察した。

剖検で、1匹のカニクイザルは重度の多巣性肺組織硬化を観察、RT-PCRで肺組織にウイルス感染を観察、ウイルスも単離した。

組織学的には、両方のサルが重症度の異なる間質性肺炎を発症した。
びまん性の肺胞損傷
肺胞および細気管支上皮の壊死、
フィブリン、赤血球、肺胞マクロファージおよび好中球と混合されたタンパク性液体による肺胞内腔の浸潤
多核細胞(合胞体)が細気管支と肺胞の内腔に存在
SARS患者の剖検の病変と同様であった

SARS関連コロナウイルスがSARSの主要な病原体としてコッホの原則の全てを満たした。
この事実は、ヒトメタニューモウイルスや肺炎クラミジアなどの他の病原体の可能性がSARS患者で病気を悪化させる可能性を除外するものではない。
しかし、これらは、SARSコロナウイルス感染カニクイザルには存在せず(結果は示さない)、SARSの患者に一貫してみつかってもおらず、SARSと関連する病変を通常起こさない。

SARS以外の患者から単離したヒトメタニューモウイルスを実験的に感染したサルの病変は、軽度の化膿性鼻炎と気道の微小なびらんに限られていた。
また、SARS関連コロナウイルスを感染させたカニクイザルをその後ヒトメタニューモウイルスで感染させた場合に病気が悪化することはなかった(結果示さず)。

葉月注:この論文は、以上だけです。香港の『単離ウイルスなるもの』がクラミジアに感染している可能性がありますが、その検査は行っていません。

葉月注:この著者Fouchierは、後にインフルエンザのゲインオブファンクションの実験をし、論文で公開し、欧州の科学者から顰蹙を買った研究者だと思います。
The Dutch virologist, based at Erasmus Medical Center in Rotterdam, caused a firestorm of controversy about a decade ago, when he and Yoshihiro Kawaoka at the University of Wisconsin-Madison announced that they had successfully mutated H5N1, a strain of bird flu, to pass through the air between ferrets, in two separate experiments. Ferrets are considered the best flu models because their respiratory systems react to the flu much like humans. 
5月ごろ、この話を聞いて、日本人の名前(河岡義弘)があったので、この人のことを調べたら、河岡氏が「新型コロナのウイルスってサイズが大小色々あって面白い」って話していて、サイズが色々というのはHIVと一緒だ、新型コロナ嘘だってわかりました。
今マスクをし続けて免疫力が落ちると、秋に風邪が流行った時重症化する可能性があるし、WHOのアドバイスに従わないと、もっと危険なウイルスばらまかれる可能性もあるから、どう行動するべきなのかは難しいところ。
とりあえず、2003年のSARSはインチキっぽいことがわかってもらえたならよいのですが。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラボから漏れた2003年SARSのケース

2020-08-12 | 2003年SARS
Trop Med Infect Dis. 2018 Jun; 3(2): 36. 
A Review of Laboratory-Acquired Infections in the Asia-Pacific: Understanding Risk and the Need for Improved Biosafety for Veterinary and Zoonotic Diseases

「アジア太平洋地域における研究所から漏れた感染症のレビュー」から、2003年のSARSのアウトブレイク後に、3件のSARS症例があったことがわかりましたので、それらの報告を調べてみました。


2003年のシンガポールのケース
「ラボで感染したSARS」
ウエストナイルウイルスを保存している試薬瓶にSARSがコンタミしていたということ

27歳の大学院生
2003年9月3日発熱で入院
2003年7月と8月に、弱毒化していないウエストナイルウイルスを取り扱った
同研究所では、SARSコロナウイルス、デングウイルス、クンジンウイルスの研究が行われていた

患者は8月26日発症、発熱、頭痛、多発性関節痛
3日後、シンガポール総合病院の救急にて、無熱、血液検カウントと胸部X線異常なしのため帰宅
9月3日、発熱が継続していたので入院。2日間の乾咳。SARSへの暴露なし、旅行歴なしと報告。
体温37.6°C、酸素飽和度98%
程度の白血球減少、血小板減少、高トランスアミラーゼ、高乳酸脱水素酵素709
胸部X線異常なし、
翌日、SARS暴露の可能性が否定できないため隔離病棟に移る
9月8日 PCR検査と血清検査でSARS-CoV陽性確認、指定病院へ転院
9月11日 胸部X線 left midzone pulmonary infiltrate 
9月13日 胸部CT 図1 pulmonary infiltrate in the apical segment of the left lower lobe
呼吸状態安定、酸素サプリメント必要なし、発症の12日後正常体温解熱、乾性咳はその後1週間続く
9月16日退院
14日自宅隔離

疫学調査
ラボの調査  

   

RT-PCR プライマー

N遺伝子 SANS1 5'TGGACCCACAGATTCAACTGA3' and SANPAs2 5'GCTGTGAACCAAGACGCAGTAT3', and the probe 5'FAM-TAACCAGAATGGAGGACGCAATGG-TAMRA3'

血清分析

酵素免疫法 CDCプロトコール

SARS-CoV感染VeroE6細胞可溶化液と非感染VeroE6細胞可溶化液をCDCより提供された

ラボの他の研究員の血清も抗体検査を行った

ウイルス培養
2003年9月4日採取の喀痰サンプルをVeroE6細胞に添加

ウイルスゲノム配列決定
RNA抽出(試料は、患者痰サンプルとウエストナイルウイルスサンプル)
cDNAへ転写(SARS-CoVゲノムのプライマー使用)
PCR(ウイルスゲノム16領域のうち15領域のDNAが増幅された)
患者のサンプル株Sin0409
ウエストナイルウイルスコンタミサンプル株SinWNV
配列決定 ハイブリダイゼーションと自動キャピラリー機器の2種類の方法
 
結果
疫学調査
患者は、7月下旬、研究所AのBSL-3ラボで研修を受けた
患者は、ウエストナイルウイルスのみ扱った

ラボテクニシャンがウエストナイルウイルスとSARSの両方を取り扱っていた

8月23日朝、テクニシャンはウエストナイルウイルスを含む2つのフラスコを混合し、遠心分離した
患者がラボに入る
1回目、テクニシャンと一緒で、患者は作業なし
テクニシャンは遠心分離器からサンプルをドラフトに移し、患者に作業法を教える
2回目、患者は一人でラボに入り、ドラフトの中で培養上澄みを低温用試験管に移す、使用済み試験管はブリーチで消毒
3回目、テクニシャンと一緒にラボに入り、低温用試験管をBSL-2施設の冷凍庫へ移送
 

PCR、血清分析、ウイルス培養

患者喀痰 9月4日採取 PCRでSARS-CoV陽性
結膜と血液サンプル 陰性
PCR簡易キット(Artus kit)も同様の結果
喀痰サンプルを15日培養しても、SARS-CoVは培養されなかった
 
患者が扱った低温用試験管内のウエストナイルウイルスサンプルは、ウエストナイルウイルスPCR陽性、同試験管内から高量のSARS-CoVのRNA (4.625×106 copies per milliliter)も検出
 
患者血清(9月3日)SARS-CoV抗体陰性
9月8日陽性、酵素免疫法6400、 免疫蛍光法IgM及びIgG (抗体価160)陽性患者のサンプルは、他の病原体は、サイトメガロウイルス以外は陰性
サイトメガロウイルスはIgG抗体が陽性(表1参照)



テクニシャンも含めてすべての濃厚接触者のすべてのサンプルは陰性

患者からのSARS-CoV(Sin0409)ゲノムは、完成度87%
世界中のSARS株と比較して、Sin0409の変異特性は、シンガポールの患者1から採取されたSin2774と最も類似していた

ウエストナイルウイルスの試料から得たSARS-CoV株(SinWNV)は91%配列が決定され、13の変異特性が患者のものと同じだった。

Sin0409は47塩基の欠失があり、この欠失は、SinWNV以外の他の株ではみつかっていないものである。

考察
SARSの世界規模大流行が2003年7月に終わった後のSARS発生で臨床的に意味のある症例報告である。

臨床特徴と潜伏期間はSARSの以前の報告と一致している。

ウエストナイルウイルスとSARS-CoVは両方ともVero E6細胞で培養されていた。
コンタミネーションが起きた正確な原因は不明であるが、8月23日以前に起きたことが示唆された。

患者の病気は軽度であり、X線による病態は後期に発症した


葉月注:このラボ漏出SARSは、サイトメガロウイルス陽性だったSARSのケースですが、サイトメガロウイルスが肺炎の原因だとは考えられないのでしょうか?
葉月仮説:2003年SARSのゲノムは、病原体が感染したVeroE6細胞のDNAから転写されたmRNAから創出されたもの、粒子はおそらくエクソソーム、IL-11タンパクと交差反応する抗体ができていること(カナダの報告)も要考察。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嘘、大嘘、そしてドロステン 2003年SARS編

2020-08-11 | 2003年SARS
2003年4月10日 オンライン掲載
2003年のSARSパンデミックの時に、ドイツのドロステン医師がコロナを同定した論文はすでに紹介しましたが、この論文においてドロステンが紛れもない嘘をついていることをここに説明したいと思います。

この論文が書かれた時点で、WHOのチームは、SARSの病原体をパラミクソウイルス、コロナウイルス、クラミジア菌の3つに絞っていました。

ドロステン論文の結果のセクション


患者1の咽頭および喀痰サンプルからパラミクソウイルス様粒子を電子顕微鏡で観察。数が少ない。PCRでは陰性。


9日目の患者1の喀痰サンプルのPCRと抗原ELISAで肺炎クラジミア菌は検出されなかったが、11日目の気管支肺胞洗浄液に電子顕微鏡で重度の細菌感染を観察。肺炎クラジミアに対するモノクロナール抗体の免疫蛍光法で陽性。10日目及び13日目の間に患者1の肺炎クラミジアIgA抗体価が4倍上昇。

葉月注:明らかに、肺炎クラミジア菌に感染していることが実験結果からわかりました。

ドロステン論文の考察のセクション
広範囲な既知の病原体の検査をしたところ、パラミクソウイルスと肺炎クラミジアの感染の証拠を得た。パラミクソウイルスは、特にヒトメタニューモウイルスはSARSにおいて既に示唆されたが、更なる調査により、大体除外された。
クラミジアの感染は、数種類のアッセイで確認された。しかしながら、クラミジアはSARSの他の患者で見つかっていない。従って、これらの病原体がSARSにおいて病原体やコファクターの役割があるかどうかは不明のままである。

葉月注:以上のように、「クラミジアはSARSの他の患者で見つかっていない」と書いています。

以下、当時のWHOの報告を検証してみます。

2003年3月12日のWHO 最新状況報告書
In mid February, the Government of China reported that 305 cases of atypical pneumonia, with five deaths, had occurred in Guangdong province. In two cases that died, chlamydia infection was found. Further investigations of the cause of the outbreak is ongoing. Overall the outbreaks in Hanoi and Hong Kong SAR appear to be confined to the hospital environment. Those at highest risk appear to be staff caring for the patients.

2月中旬に中国政府が305人の非典型肺炎、5人の死亡を報告し、死亡の2人からクラジミア感染を確認したことをWHOに報告した。

『130 Years of Medicine in Hong Kong』pp 381-434
成書『香港における医学の130年』中の
Bird Flu, SARS and Beyond(鳥インフルエンザ、SARS、それ以降)の章から
Frank Ching


China was not part of the network but on March 19, WHO received a letter from China’s Ministry of Health announcing that chlamydia was found by electron microscopy in five   SARS patients. Actually, as early as February 19, the Ministry of Health had said to the WHO: “It is almost ascertained that the causal agent for the atypical pneumonia outbreak in Guangdong is chlamydia.”63 This was based on the work of Hong Tao, a senior microbiologist at China’s Center for Disease Control and Prevention.64 He had announced that the causative agent was chlamydia and, because of his standing, the Ministry of Health accepted his finding and maintained that the causal agent for   SARS had already been identified.

中国はWHOのネットワークのメンバーではなかったが、3月19日にWHOは中国の保健省から5人のSARS患者にクラミジアを検出したという手紙を受け取った。
実際には、2月19日は、保健省は「広東省の非典型肺炎アウトブレイクの病原体がクラミジアであることはほぼ確かである』と伝えている。

葉月注:ドロステン論文がオンライン掲載されたのは4月10日で、論文を執筆している時点で、WHOのネットワークのメンバーであったドロステンが、中国の保健省がクラミジアをSARSの患者に検出したという報告を聞いていないということはあり得ないと思います。

WHOも嘘つきですが、ドロステンも嘘つきであり、このWHOとドロステンが2020年の新型コロナパンデミックを主導していることをよく理解していただきたいと思います。

WHOは、2003年7月4日のSARSパンデミックの時系列のまとめでは、クラミジアについては一切触れませんでした。

そして、中国でクラミジアを報告した学者を貶める記事を、サイエンス誌のMartin Enserinkが執筆しています。
(登録者のみアクセス可)

この記事の妥当性について書いた論考で、上記記事が妥当だと示唆している。
この論考を読むと、サイエンス誌の記事の概要がわかる。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嘘、大嘘、そしてWHO 2003年SARS編

2020-08-09 | 2003年SARS
Situation Updates - SARS
2003年SARS 最新情報報告 2003年3月12日から2004年5月18日まで

Update 5 - Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS)  
最新状況5 3月20日
香港でのアウトブレイクのインデックスケースについて
                    Index case in Hong Kong outbreak
WHO has welcomed a report from the Hong Kong Department of Health, released yesterday, that may have identified the “index” case in the outbreak in the Prince of Wales Hospital in Hong Kong. In an outstanding example of detective work, epidemiologists have determined that 7 people who contracted SARS recently stayed in or visited the Metropole hotel in Kowloon last month. The 7 persons investigated include 3 visitors from Singapore, 2 from Canada, one China Mainland visitor, and a local Hong Kong resident.

香港のプリンスオブウェールズ病院のアウトブレイクのインデックスケースを特定したかもしれないという報告を香港の保健省から受け取った。
7人のSARS感染者が、先月、Kowloonのメトロポールホテルに滞在または訪問したことを突き止めた。
7人の内訳は、シンガポールからの旅行者3人、カナダからの旅行者2人、中国本土からの旅行者1人、地元の香港住民1人である。
       
                    The investigation revealed that all 7 stayed in or visited the same floor of the hotel between 12 February and 2 March. The local Hong Kong resident is believed to be the index case, who subsequently infected other early cases in the outbreak. He had visited an acquaintance staying at the hotel from 15 to 23 February. The visitor from Mainland China, who became sick a week before staying at the hotel, is considered the original source of the infection. No further cases have been linked to the hotel. 

調査により、7人全員が、2月12日から3月2日までの間に、このホテルの同じ階に滞在または訪問したことが明らかとなった。
香港アウトブレイクのインデックスケースは、香港住民で香港のアウトブレイクの初期の患者に感染させたと信じられている。
彼は、このホテルに2月15日から23日まで滞在した知人を訪問した。
中国本土からの旅行者はホテルに滞在する1週間前に症状があり、最初の感染源と考えられている。

(注:初期の情報で間違いがあるのは当然ですが、知人=本土からの旅行者がホテルに滞在したのが2月15日から23日までとなっています。)

Update 95 - SARS: Chronology of a serial killer
最新状況95 7月4日
(注:香港でのアウトブレイクを時系列でまとめ、7月4日にWHOが報告したものです。)

                    21 February 2003
 – A 64-year-old medical doctor from Zhongshan University in Guangzhou (Guangdong Province) arrives in Hong Kong to attend a wedding. He checks into the ninth floor of the Metropole Hotel (room 911). Although he developed respiratory symptoms five days earlier, he feels well enough to sightsee and shop with his 53-year-old brother-in-law, who resides in Hong Kong.

2月21日
広東省広州中山大学の64歳医師が結婚式に訪れるため香港を訪問
メトロポールホテル9階911号室にチェックイン
5日前に呼吸器症状を発症したが、香港住民の53歳の義弟と観光と買い物に出かける程度には体調がよかった。

(注:中国本土からの医師がチェックインしたのが2月21日であったことが明らかになっています)
       
                    22 February
 – The Guangdong doctor seeks urgent care at the Kwong Wah Hospital in Hong Kong and is admitted to the intensive care unit with respiratory failure (he had previously treated patients with atypical pneumonia in Guangdong). He warns medical staff that he fears he has contracted a “very virulent disease”. Health authorities in Hong Kong learn that his symptoms developed on 15 February, at which point he would have still been on the Chinese mainland.

2月22日
広東省の医師は、呼吸不全で、Kwong Wah病院の集中治療室に入院(広東省で非典型肺炎の患者を治療していた)。
彼は、医療従事者に「とても病原性の強い病気」に罹患したのではないかと注意を喚起した。
症状は2月15日に発症していた、その時点でこの患者は中国本土にいたと思われる。
       
                    23 February
– A 78-year-old female tourist from Toronto, Canada checks out of the Metropole Hotel and begins her homeward journey. On arrival in Toronto she is reunited with her family.
 – A team of WHO experts arrives in Beijing, but is granted permission to work at the central level only.

2月23日
カナダのトロントからの79歳の女性旅行者がメトロポールホテルをチェックアウトし、帰路に就く。
トロントに到着し、家族と再会する。
WHOの専門家チームが北京に到着、中央政府レベルでのみ調査を許される。

(注:カナダのアウトブレイクのインデックスケースとなる女性がメトロポールホテルをチェックアウトしたのが23日とされており、中国の医師と同じ日に滞在していたことにされています)


このカナダの患者の症例論文をみると

カナダの症例論文より ポウタネン論文 

「息子を訪ねて香港滞在中に、患者1と彼女の夫は2月18日から2月21日までホテルAに滞在した」 
下記図のグレイの中の白抜きの部分
夫は患者6

となっており、メトロポールホテルに滞在したのが21日までとなっています。症例論文ですので、著者は患者またはその家族と直接聞き取りができるので、WHOよりもこちらの情報の方が正確だと考えるのが妥当です

3月の時点で、WHOは中国人医師が2月15日から23日までメトロポールホテルに滞在したと理解していたので、カナダの旅行者が21日にチェックアウトしても、同じ時をホテルの同じ階で過ごし、濃厚接触者とみなすことが可能でしたが、実際には、医師のチェックインが21日、カナダの旅行者のチェックアウトが21日で接触が 無かった可能性有の方が高いと考えられます。

この旅行者をインデックスケースとするカナダのクラスターは、SARSでなかった可能性の方が高いのです。

実際には、9人中5人がメタニューモウイルス陽性で、9人中5人がSARSの検査で陽性となって、そのうち4人は同時感染になっています。

しかも、患者2の臨床サンプルはTor2株として全ゲノムの配列決定に使用されています。
2003年のSARSは、感染していない患者からの臨床サンプルでも全ゲノムが配列決定できる可能性が高いことがわかります。

この事実を隠すため、7月4日のWHOのアップデートで、カナダの旅行者がメトロポールホテルをチェックアウトした日を2月23日と、捏造してしまったわけです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARSの全ゲノム CDCによる決定方法

2020-08-07 | 2003年SARS
CDCゲノム配列決定論文 Rota論文 ウルバニ株

18 April 2003 (投稿日?)
受理 2003年4月30日
オンライン掲載 2003年5月1日 

コロナウイルスだと電子顕微鏡の写真と、ゲノムの断片から決定したのが4月上旬

オランダでのサルを使ったメタニューモウイルスとコロナウイルスの感染実験で、コロナウイルスだけでSARSと同様の症状がでることがWHOに報告されたのは4月16日


CDCの論文のサプリメント資料

材料と方法

ウイルスと細胞培養
SARS-CoVウルバニ株は、患者の咽頭洗浄液からVero細胞上に単離した
RNAは、感染Vero細胞からグアニジン酸ーフェノール法で精製した


RT-PCRと配列決定 

ゲノムの全配列決定は、数種類の技術の組み合わせにより行った
ほとんどの配列は、ウイルスRNAから直接増幅したRT-PCR産物から決定した

最初に、既知のコロナウイルスORF1a,ORF1b,S,HE,M,N遺伝子配列のアライメントに基づいた特定したアミノ酸モチーフとハイブリッドを形成するように、縮重したイノシン含有プライマーをデザインした

さらに、この方法で決定した配列と、WHOの他のチームからの配列とから、特異的なプライマーをデザインした

ゲル単離、QIAquick Gel Extraction kit で精製。
2本鎖を自動蛍光ジデオキシ鎖終結法により配列決定

3000塩基以下のPCR産物は、cDNAを合成 
3000塩基以上の断片の増幅は、2つの既知の配列断片の間を、long RT-PCRプロトコールとSARS-CoV特異的プライマーで増幅

RT-PCR産物は電気泳動で分離、QIAquick Gel Extraction Kitで精製。

リーダーの配列は、N遺伝子をコードするmRNAと5’末端から得た
5’RACE法
RACE産物は直接配列決定かプラスミドベクターでクローン化した
SARS-CoVのリーダに特異的なプライマーを使用して5’末端と既知のrep遺伝子配列の間を増幅
3’末端はオリゴdTプライマーと特異的プライマー使用
約300塩基の間隔でプラスとマイナスプライマーを使用して確認用配列を生成GenBank sequence database (accession no. AY278741)

続く
Microarray Design and DNA Recovery

N gene sequences for SARS-CoV were also obtained using a DNA microarray that contains approximately ~11,000 70-mer oligonucleotides representing all complete, previously described reference viral genome sequences available from the National Center for Biotechnology Information, National Library of Medicine (7).  Total nucleic acid was amplified from infected cell RNA by using a random-primer protocol as described (1, 7) with the following modifications: first-strand synthesis was primed by using primer A (5’-GTTTCCCAGTCACGATCNNNNNNNNN) followed by PCR amplification with primer B (5’-GTTTCCCAGTCACGATC) for 40 cycles. Aminoallyl-dUTP was incorporated into the PCR product by using an additional 4
20 cycles of thermocycling. Microarray spots were visualized by fluorescence microscopy (Nikon TE300). Amplified viral DNA hybridized to individual microarray spots was recovered by means of a tungsten wire probe (Omega Engineering, Inc.) mounted on a micromanipulator to scrape a 100-μm area of the microarray. Recovered material was PCR-amplified with primer B and subsequently cloned and sequenced. Sequence Analyses. Predicted amino acid sequences were compared with those from reference viruses representing each species for which complete genomic sequence information was available (group 1 representatives included human coronavirus 229E [GenBank accession no. AF304460], porcine epidemic diarrhea virus [GenBank accession no. AF353511], and transmissible gastroenteritis virus [GenBank accession no. AF271965]; group 2 representatives included bovine coronavirus [GenBank accession no. AF220295] and mouse hepatitis virus [GenBank accession no. AF201929]; group 3 was represented by infectious bronchitis virus [GenBank accession no. M95169]). Sequences for representative strains of other coronavirus species for which partial sequence information was available were included for some of the structural protein comparisons (group 1 representative strains included canine coronavirus [GenBank accession no. D13096], feline coronavirus [GenBank accession no. AY204704], and porcine respiratory coronavirus [GenBank accession no. Z24675]; and group 2 representatives included three strains of human coronavirus OC43 [GenBank accession nos. M76373, L14643, and 5
M93390], porcine hemagglutinating encephalomyelitis virus [GenBank accession no. AY078417], and rat coronavirus [GenBank accession no. AF207551]). Sequence alignments and neighbor-joining trees were generated by using ClustalX (5), version 1.83, with the Gonnet protein comparison matrix. The resulting trees were adjusted for final output by using treetool version 2.0.1. Uncorrected pairwise distances were calculated from the aligned sequences by using the Distances program from the Wisconsin Sequence Analysis Package, version 10.2 (Accelrys, Burlington, MA). Distances were converted to percent identity by subtracting from 100.

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARSの全ゲノム カナダCDCによる決定方法

2020-08-07 | 2003年SARS
カナダCDC(ブリティッシュコロンビア大学内)によるゲノム配列決定論文
18 April 2003; accepted 30 April 2003 Published online 1 May 2003
(投稿、受理、掲載日がすべてCDCと同じ日、WHOの研究チームのメンバーであるため)
『SARS関連コロナウイルスのゲノム配列』

サプリメント資料

ウイルス単離

気管支肺胞洗浄液1μLを、VeroE6細胞(+改良イーグル培地、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミン、ウシ胎仔血清)に添加
37度で培養

細胞変性効果、添加5日後に観察
新しいVeroE6細胞への継代の2日後に細胞変性効果観察(MOI10^–2)
(他の報告よりも遅い)

継代2回後の培養上澄みから遠心分離で細胞デブリを分別
上澄みをDNAseとRNAseで処理し、ゲノム核酸を除去
trichloro-trifluoroethaneで抽出
グリセロール密度勾配超遠心法で分離
ウイルスをPBSに再懸濁
RNAをQIAGENの市販キットで単離


cDNAライブラリー構築

55ng精製ウイルスRNA使用(ランダムプライマーとオリゴdTプライマー)
cDNA合成産物をアガロースゲルで可視化(低収量)
PCRで増幅(リンカー特異的プライマー)
クローニング(pCR4-TOPO TAクローニングベクター)

DNA配列決定
Applied Biosystems BigDye terminator reagent (version 3)
DNA配列リードからウイルス以外の配列を除去
低品質を除去 PHRED (1) アセンブル PHRAP (2)

中略

ドラフト配列 4月12日発表
その後、CDCがウルバニ株18000塩基配列を発表
その後すぐ、CDCが全ゲノム発表

両者に12の一塩基配列の相違があり、4つは配列エラーであり改正した
残り8つは、人為的なものか、多型サイト

高品質のリードのみ手作業で選出し、リリース2として公表 4月14日
(低品質のリードは、培養中の粒子間の干渉やライブラリー構築時の異常なサブクローン由来であろう)

Genbank (Accession AY274119)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SARSの配列決定に使用されるVero細胞とは

2020-08-06 | 2003年SARS
RNAシーケンサーというのもは、宿主の細胞由来の遺伝子断片を差し引く作業が入っていると理解していますが、Vero細胞を使用した場合、何が宿主由来とされるのかを考えています。アフリカミドリザルの正常細胞のゲノムもVero細胞のゲノムも全ゲノム解析がなされたのは2015年でした。それ以前は、何を差し引いていたのでしょうか。また、アフリカミドリザルの正常細胞よりも、Vero細胞のゲノムは約0.2Gb大きいことがわかりました。


国立感染症研究所 『Vero細胞の物語』より
2012年から、感染研ではVero細胞のゲノム構造を決定するプロジェクトが開始されました。その物語が、感染研のホームページで公開されています。

SARSのゲノム決定では、Vero細胞で培養したサンプルからRNAを抽出していますので、Vero細胞がどんなものかを確認してみました。

資料

世界で使用されているVero細胞は、『継代数93のVero細胞が千葉大学の清水博士によってもち込まれ、113継代目でATCCに寄託されて拡大した121継代目のプールがATCC CCL81株』

感染研でゲノム構造をしたVero細胞は、『111代から培養して増やした継代数115のVero細胞がJCRB0111の登録番号で医薬基盤研に冷凍保存されていた』


核型

昔の論文やATCCのカタログにはVero細胞の核型は58本
感染研の核型解析結果は59本
感染研でVero ATCC CCL-81株の核型解析をしたところ、58本だった

ATCC CCL-81株では25番染色体の一本が他の染色体と融合しており、そのため染色体数がJCBR0111株よりも一つ少なくなっていることが判明。


ゲノム解析

Vero細胞の12番染色体に900万塩基対(9 Mbp)に渡る大きな欠失
二本の相同染色体の両方で欠失がある

I型インターフェロン遺伝子のいくつかが失われている

細胞周期のブレーキ役として機能する二つのサイクリン依存性キナーゼ阻害因子をコードする遺伝子CDKN2A, CDKN2Bも、Vero細胞で欠失した9 Mbp領域のなかに含まれている 

Vero細胞はtype D simian retrovirus (SRV)と呼ばれるサルのレトロウイルスの配列をゲノムにもっていて、RNAの形へと転写もされていることが知られており、JCRB0111株のゲノム上のSRV配列には別のVero細胞株由来SRV配列では報告されていない変異があり、さらに、後者のSRV配列で存在する変異がJCRB0111株由来SRV配列には見つからない
Vero細胞亜株間のSRV配列多様性がある


アフリカミドリザルの正常細胞のゲノムとの比較

アフリカミドリザルのゲノム配列決定の原著論文が2015年末上梓された
Warren et al: The genome of the vervet (Chlorocebus aethiops sabaeus), Genome Research (2015) 25: 1921-1933.
本論文で報告されたゲノムサイズは2.78 Gbであり、タンパク質をコードした遺伝子数は21,128
感染研のVero細胞で報告したゲノム配列は2.97 Gbで遺伝子数は25,877

二つの結果に差がある原因として、染色体重複がVero細胞では起こっていることなどが考えられうるものの正確な原因はわからない

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARSがコロナウイルスだと決定された経緯 その4

2020-08-01 | 2003年SARS
3つ目の同定論文はCDCの論文です。

CDC以外の共著者の所属は、WHOのベトナム・ハノイ支部、中国香港のクイーンメリー病院の政府ウイルスユニット、タイ・バンコクの国際新興感染症プログラム、シンガポール総合病院の病原体部署、米国サンフランシスコのカリフォルニア大学、台湾国台北CDCとなっています。

ウイルスが単離された患者は、ベトナムで勤務していたイタリア人のウルバニ医師。
2003年2月下旬、中国系アメリカ人の旅行者を診察、感染性の高い新興伝染病ではないかとWHOに報告。その後会議でタイへ行き、3月11日発症、3月29日死亡。

感染性が高い新興感染症を自身で疑った医師が、ベトナムからタイに国境を越えて旅行したという、シンガポールの医師も地球を半周する旅行に出かけているが、医師は自分は感染していないという自信があるのか、あるいは本当の病因を知っていたからなのか、不思議な点です。

ウルバニ医師がSARSだとしてベトナム1号の患者から感染したとしたら、潜伏期間が2週間程度になり、他のケースよりも2倍近いことになるのも不自然な点です。

CDC論文のリンクは以下。
オンライン掲載 2003年4月10日

Manamiさんの訳

CDCの論文では、他の呼吸器疾患病原微生物がないことを確認後、電子顕微鏡の写真がコロナウイルスを示唆することから、数種のコロナウイルスを参考にプライマーを作成して、配列決定に使用しています。

ただし、臨床サンプルをNCI-H292細胞で培養した培養物からライノウイルスが単離されていますが、これはSARSとは無関係ということで考察なしとなっています。
(葉月注:ライノウイルス感染が肺炎を起こす細菌の感染を促進するという報告あり)

RNAの抽出は、各検体(または培養上清)から自動NucliSens抽出システム(bioMérieux)を用いて行った。
(葉月注:DNAを除去したかは不明)

コロナウイルスほぼ確定という見解で、プライマーは、ヒトコロナウイルス229EおよびOC43、イヌコロナウイルス、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ブタ伝染性下痢ウイルス、ウシコロナウイルス、豚ヘマグルート化脳脊髄炎ウイルス、サイアロダクリオドアデン炎ウイルス、マウス肝炎ウイルス、七面鳥コロナウイルス、鳥類感染性気管支炎ウイルスのポリメラーゼ遺伝子配列のORF1bのアラインメントから設計。

また、コロナウイルス属と広範に反応するプライマー対IN-2 (+) 5'GGGTTGGACTATCCTAAGTGTGA3'およびIN-4 (-) 5'TAACACACAACICCATCATCA3'も使用。

(このプライマーを使って決定した405塩基の配列で、他のコロナウイルスとの相同性をチェックしていますが、この配列はGenBankに登録されていません)

細胞変性効果
VeroE6細胞での細胞変性効果は、培養5日後に観察された。
集合、円形、屈折性。
その後、すぐに細胞剥離。
(葉月注:ドイツでの胎児アカゲザル腎臓細胞での細胞変性効果と大きく異なっている)
24-48時間後、細胞単層全体に広がった。

継代後は、細胞変性効果がすぐに観察された。(葉月注:ドイツと同じ)
48時間以内に単層が完全に破壊。


死亡した4人の患者の肺組織病理検査は、感染病原体やトラウマ、薬剤、毒性物質などによる急性肺傷害への非特異的応答と一致。

2人の患者の肺には、ウイルス封入のない多核合胞体細胞が観察され、
そのうちの1人はPCR、血清検査、ウイルス単離法にょり多数のウイルス感染(麻疹やパラインフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、ニパウイルスなど)が示唆出された。

種々のコロナウイルスに特異的な抗体は患者の肺組織と反応しなかった。
抗原や核酸は、おそらく発症の2週間以内に免疫反応でなくなっているのだろうという考察。(葉月注:発症の3週間後にもPCRをしている新型コロナとの相違点)

この論文の最後の段落
「このSARSの流行を調査することは、将来起こりうる感染症パンデミックに対する研究と疫学の応答の良いテンプレートとなる。

SARS関連新型コロナウイルスの速攻での単離とキャラクタリゼーションにより、診断テストを的確な時期に開発することがかのうとなった。そのテストは、SARSの疫学とその予防の理解を可能とするのに役立つだろう。

この新規コロナウイルスを早期に認識することで、迅速に抗ウイルス薬を調査し、ワクチンの開発の開始を可能とした。

新規コロナウイルスの検出、キャラクタリゼーション、SARSとの関連付けがこのようなスピードでできたのは、WHOがまとめた研究所間の協力、情報交換、PCRプライマーとウイルス配列決定、他の診断方法の力によるものである。

この協力体制の価値は、新興する公衆衛生に対する脅威を理解し管理する我々の努力にとって計り知れない。」

この論文が掲載された時点で、2003年SARS流行はまだ終息の気配をみせていないのに、もう終わった気分で、将来のパンデミックへのテンプレートを作ったのだと自負している。この時点では、コロナウイルスであることすら決定されていないのに、断定している。CDCは最初から、コロナウイルスしか念頭に置いていないようだった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARSがコロナウイルスだと決定された経緯 その3

2020-07-31 | 2003年SARS
ドイツのフランクフルトの患者は、シンガポールの医師とその妻(妊娠中)と義母。
3月上旬にシンガポールでSARS疑いの患者を治療して、その後、学会で米国へ、帰国途中の乗り換え中にフランクフルト空港で3月15日に隔離されました。

3月12日WHOがワールドアラートを発表したのに、この医師は米国で医師の会議に出席し続け、ニューヨークから飛行機に搭乗し、ドイツへ向かっています。

ドイツの同定論文であるドロステン論文では、3月5日に発熱したとありますが、WHOの報告では「搭乗前に症状があってシンガポールの同僚に連絡した」となっており矛盾がありました。

妊娠している妻が、1週間程度の米国への旅行に同伴するのも、また義母が同伴しているのも不思議な点で、妻には感染していたのに義母には感染してなかったり、学会の出席者や飛行機の同乗者の感染の記録がなかったりと、気にかかる点がいくつもあるエピソードです。

また、ドロステン論文では、このドイツ患者1号がクラミジア肺炎に罹患していたと書いてありました。この患者1号である医師が診察したシンガポールの患者は香港のメトロポールホテルでSARSに罹患しましたが、香港の患者にもクラミジア肺炎が報告されているので、シンガポールの患者がクラミジア肺炎であった可能性もあります。(クラミジア肺炎の潜伏期間は3週間程度ということなので、患者から感染した可能性は低い)

ドイツの同定論文 ドロステン論文
オンライン掲載 2003年4月10日

論文の部分訳は、Manamiさんのブログ記事参照


RNA抽出

喀痰サンプルは、等量のアセチルシステインと塩化ナトリウムと振盪した。
サンプルからのRNA抽出は、ウイルスRNAキット(キアゲン社)を用いて行った。
(葉月注:細菌由来のDNAが100%除去できているのか?)

ランダムRT-PCR法

RNA溶液を、ランダムRT-PCRアッセイで分析。
Superscript  II  platinum  Taq  polymerase  one-step RT-PCR  kit (インビトロジェン社)を使用。

15組のプライマーを使用。
いくつかのプライマーは縮重塩基を含む
ほとんどのプライマーは、プライマーの末端で不完全なヌクレオチドの一致にもかかわらず、DNAポリメラーゼが反応するように、3'末端にチミジン残基を持つ。

これらのプライマーは、もともとは、黄熱ウイルス株17Dゲノムと、パラミクソウイルス科のポリメラーゼ遺伝子を対象とするために設計されたものである。

得られた反応液をアガロースゲル上で分析、ゲルを精製、縮重塩基なしの対応プライマーを使用して再増幅した。

生成物は、ジデソキシ・ターミネーター・シークエンシング反応(アプライドバイオシステムズ社)および自動DNAシークエンサー(アプライドバイオシステムズ社)を使用してシークエンスした。 

(以上が、実験の部分ですが、香港論文と同じく、ランダムRT-PCRアッセイですが、プライマーの設計法が大変異なっています。このプライマーに関する参考文献
を後で調べてみます。)


結果

病原微生物の検出

多数の呼吸器疾患の病原微生物を調べ、下記のもの以外は陰性だった。

咽頭スワブと喀痰サンプルの電顕により、パラミクソウイルス様粒子を検出したが、数はとても少なかった。
メタニューモウイルスを含むパラミクソウイルス科のウイルスに特異的なPCR検査は陰性。

9病日の喀痰のPCRと抗原ELISAでは、肺炎クラミジアは陰性。
11病日の気管支肺胞洗浄液の細胞の電顕で、重度の細胞内細菌性感染を検出。
肺炎クラミジアに対するモノクロナール抗体の免疫蛍光法で陽性。
10病日と13病日で肺炎クラミジアに対するIgAが4倍増加。


新型コロナウイルスの単離とキャラクタリゼーション

Vero細胞に喀痰を添加し培養6日目に、細胞変性効果を観察。
1回継代24時間後に、上澄みから核酸を精製。
ランダム増幅を、特異性のゆるい条件で15種類のPCRで行った。
この方法で細胞培養で増殖した未知の病原体を検出できることは以前示した(未発表データ)。

20の異なるDNA断片を得、配列決定。
BLAST検索の結果、ほとんどがヒトの染色体の配列であった。
3つの断片が未知のものであった。
BLAST検索で、コロナウイルスのアミノ酸配列と相同性を示した。
2つの断片は300塩基長で同一のものであり、もう一つは90塩基長。
詳細な解析で、両方ともコロナウイルスのORF1bで、CDCの400塩基コロナウイルス断片と重複していなかった。

CDCが配列決定した断片も、フランクフルトの患者の細胞培養上澄みから増幅し、100%同一であることを確認した。
CDCの断片からフランクフルトの断片(BNI-1断片)を含む3000塩基長の切断を増幅した。
2つの断片は、近接するRNA分子から得られたものであり、同一のウイルスから得られたことが示された。
2人のSARSの症例から独立して同じウイルスが単離された。

(葉月注:全ゲノム3万塩基長の中で、ドイツとCDCが同定して断片が同じ3000塩基長に含まれる確率は、10%以下だよね。)

フランクフルトの患者1号とその接触者1号において、このウイルスの急性感染症の血清学的エビデンスがある。
コロナウイルスが単独でSARSの原因である可能性が考えられた。

PCR診断キットの開発

この実験で得られたプライマーを使用して、診断キットを開発し、他のコロナウイルスに反応しないことを確認したとしています。
(葉月注:では、カナダで、OC43の感染が流行した高齢者施設でSARSが陽性となったのはなぜなのか?)


RNAの定量

フランクフルト患者1号の喀痰サンプルから、1mL当たり1億コピーのRNAを定量した。

また、血清中にも少量のウイルスを検出。
(葉月注:2020年の新型コロナでは血液にウイルス検出なしだったのはなぜか?)

PCRアッセイが4種類あり、患者1号の臨床サンプルや培養細胞によっては陽性だったり陰性だったりすることが表2からわかる。



ウイルスのRNAが細胞の中でコピー数を増やすときに、一部のみ増やすような機能があるわけでしょうか。
培養細胞だけで陽性になる部分は、細胞由来ではないのかと疑われる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香港同定論文 ペイリス論文 のプライマーの調査

2020-07-30 | 2003年SARS
ペイリス論文では、5′-GCCGGAGCTCTGCAGAATTCNNNNNN-3′ でRNAをcDNAに逆転写した後、5′-GCCGGAGCTCTGCAGAATTC-3′をプライマーとして逆転写産生物を増幅しています。

この逆転写産生物反応液の中に、このプライマーと相同する配列をもっているDNAがあったら、それも増幅されることになるのではと思い、BLASTで遊んでみましたら、致死性の肺炎を起こすオウム病のゲノムの中に、3’末端から15個相同する配列を見つけました。



感染研のサイトに「オウム病はオウム病クラミジア(Chlamydia psittaci 以下C. psittaci)による人獣共通感染症」と書いてありました。

それから、肺炎クラミジアとも、3’末端が10塩基相同である部分が見つかりました。

(↑逆方向だとどうなるのだろう。5’を検討すべきか)

3’末端が何塩基同じだったら増幅できるのでしょうか?

香港のcDNA増幅物の中には、クラミジア由来の配列が含まれている可能性があり、この配列を使ってSARSのRT-PCRアッセイを作れば、クラミジア肺炎の患者さんがSARS患者として陽性になるわけですね。

「ぬるい仕事」ってこういうのでしょうか。

追記 その他、以下のような微生物が増幅する可能性があります。
国立医薬品食品衛生研究所が作ったプライマー交差性解析システム
Legionella nagasakiensis


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年SARSがコロナウイルスだと決定された経緯 その1

2020-07-28 | 2003年SARS
2003年3月12日にWHOがワールドアラートを発し、ほぼ毎日記者会見を開き、各国の症例疑い数と原因病原体のリサーチの進捗状況を報告し始めました。

3月19日、ドイツと香港の研究者から独立して電子顕微鏡でパラミクソウイルスのような粒子を発見したと報告がありました。

3月22日のアップデート7では、カナダの研究者が前日にパラミクソウイルス科のヒトメタニューモウイルスが原因病原体ではないかと報告し、ドイツ、香港、カナダの3つの研究所が独立でパラミクソウイルスを報告したことになりました。

3月24日のアップデート8では、突然、
「Work towards the definitive identification of the causative agent, now strongly expected to be a virus of the Paramyxovirus or Coronavirus families, is continuing at breakneck speed.」
(原因病原体ー目下パラミクソウイルスかコロナウイルスが強く疑われているーを特定する研究は、現在急速に続けられている)
と、コロナウイルスがダークホースとして出現しました。

この情報源は、3月24日付のCDCのプレスリリースです。

「SARSの原因病原体が、今まで知られていなかったコロナウイルス科のウイルスによるものだという仮定が最も強力なものである」

「自分の所の科学者と世界の他の科学者のハードワークが報われた」などと述べていますが、この時点で他の科学者はコロナウイルスだとは誰も考えていませんでした。プレスリリースにはパラミクソウイルスのことには一切触れていません。


CDCは自分のサイトに電子顕微鏡写真を掲載して、SARSの病原体がコロナウイルスであることを印象付けました。

ドイツのドロステンは、この頃サンプルをオランダのエラスムス大学に送って、パラミクソウイルスが存在しないことを確かめてもらっています。(エラスムス大学は、インフルエンザウイルスのゲインオブファンクション研究で悪評の高い研究所です)

WHOでの共同研究者らは、パラミクソウイルス科のヒトメタニューモウイルスの関与を特定するためにサルの実験を計画し、この実験はオランダのエラスムスで行われたようですが、その結果が世間に公表されたのは4月16日の会議でした。おそらくそれ以前に研究者の内部で結果はシェアされていたとは思いますが、この経過で発表されたSARS同定論文が以下の3報です。

オンライン掲載 2003年4月8日 香港大学
(4) https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa030747
オンライン掲載 2003年4月10日 ドイツ (肺炎クラミジア陽性)
(5) https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa030781
オンライン掲載 2003年4月10日 CDC

3つとも、一般的な呼吸器疾患の原因となる微生物を軽く否定した後は、コロナウイルスという前提でゲノムの極一部の配列決定を行っています。

「軽く否定」と書いたのは、一部の微生物は、臨床サンプルから検出することがかなり困難だという報告があり、ウイルスを培養しないと検出できなかったり、蛍光抗体法では検出できなかったり、PCRでは検出できなかったりと、『一つの方法で検出できなかったことが存在しないことにはならない』という事実があるからです。

続く


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2003年のSARSの多くはOC43感染だったのではないか

2020-07-27 | 2003年SARS
2013年香港大学論文から、SARSの患者の血清で、OC43が急性期から回復期に急増していたデータ
論文著者は、OC43とSARSが同じベータコロナウイルスなので、交差反応でSARS罹患中にOC43特異的抗体産生B細胞が刺激されたのではという解釈。




2005年香港大学の論文、SARSの患者の血清と、コロナウイルス229E、OC43、NL63の交差反応を調べた論文

上の実験と異なり、SARSの患者でアルファコロナウイルスである229Eに対する抗体も増えているデータ


とすると、2013年のデータで、アルファコロナウイルスである229EとNL63の抗体が増えなかったのは何故だろうという疑問が起こります。
2003年のSARSの一部がOC43感染だったと考えれば、まぁ辻褄は合うわけですが。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする