(1)泉熱
『極東猩紅熱症候群』
仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis:エルシニア・シュードツベルクローシス ) が原因菌。
日本では泉熱と呼ばれている。
症状の一部はスーパー抗原によるもの。
構造的に、他のどのスーパー抗原とも異なっており、むしろTNFやウイルスカプシドタンパクに酷似している。(TNFがスーパー抗原になる可能性?!??あるいは、スーパー抗原がTNF受容体に結合する?)
「1927年金沢地方に流行し,金沢医科大学教授の泉仙助が初めて報告した (1929) ので,その名がつけられた」
Yersinia pseudotuberculosis感染症(仮性結核)
「仮性結核菌は、イヌとネコから数%程度の割合で分離される。イヌおよびネコとも本菌に対し不顕性感染する。」
参考資料
「犬に対する狂犬病ワクチン:1918~1927年の10年間に予防接種された犬は120万頭」
テンペレートファージ?
Yersinia pseudotuberculosis 感染症の臨床所見および疫学像, 特に泉熱との関連について 佐藤幸一郎
「さらに,Y.pseudotuberculosis感染症で重要なことは川崎病の診断基準を満足した症例が58例(35%)あり,個々の症例では川崎病と鑑別できない症例があった.1例に一過性の冠動脈瘤を認め(Fig.12),6例に一過性の冠動脈の拡張を認めた」
「ピークは2歳にみられ,以後10歳頃まで漸減した.性別は男児100に対して女児62であった」
「泉熱の歴史は昭和2年に始まった.金沢医大小児科教授,泉仙助は小学校に通う2女児に,今までにない発疹と発熱を観察した.さらに泉は金沢市内から石川県全体に,原因不明の猩紅熱様発疹性疾患の流行を観察し,特殊の発疹性流行性疾患なりとして昭和4年に発表した10).その後,第2次世界大戦後より日本各地に類似疾患の集団発生が頻発し,昭和25年,厚生省は異型猩紅熱研究班を結成し,同年「泉熱」と称することに決定し,その疾患の独立性が確認された11)12).その後,昭和30年以後には泉熱の集団発生は激減した」
参考資料
「第二次大戦中は,防寒毛皮の原材料として犬も供出対象となったこともあり,放浪犬が減少し、狂犬病はしばしの間発生しなかった.しかし、大戦末の1944年(昭和19年)には狂犬788頭と患者46人が発生し、1949年(昭和24年)には狂犬614頭が確認され、76人が狂犬病で死亡する事態に及んだ.冒頭で紹介した連合軍総指令部のサムス公衆衛生福祉局長は、犬の移動禁止、犬の展示会等の中止、飼い犬の予防接種の励行と邸内監禁、野犬掃蕩、マスメディアによる広報、などの緊急措置を厚生省と農林省に要求している.」
nucleocapsid (NC) of rabies virus is a Vbeta8-specific exogenous superantigen (SAg) in humans
(狂犬病ウイルスのヌクレオカプシドは、ヒトにおいてVbeta8特異的外来スーパー抗原である)
仮性結核菌のスーパー抗原遺伝子と、バクテリオファージ受容体の遺伝子が平行移入されたのではないかという論文
山陰地方における昭和26年3月から5月にかけての泉熱集団発症
泉熱漿液性髄膜炎
1985年新潟集団発生(60例中典型例20、苺舌5)
エルシニア (畜産技術協会)
TNFが原因だったとしたら、ワクチン接種後の川崎病の説明はつく
特に肺炎球菌、DPT、日本脳炎ワクチン
泉熱再考―病原体と免疫応答―谷内江 昭宏
トキシックショック症候群や泉熱らの細菌感染症の発症機序の解析 内山竹彦
「初め川崎病と診断され、後にY.ptbcが分離された症例が多数「Yersiniaの生態学研究会」で報告されています25)。しかし、これまで東京都区や大阪市などの大都市で発症した川崎病患児からはY. ptbcは分離されていません。」
1981年、岡山県でのYersinia pseudotuberculosisによる集団発生
1991年、青森県で発生したYersinia pseudotuberculosisによる集団感染症
フィンランドのおける仮性結核菌の流行
判明している感染源は、ニンジン(2006年)、レタス(2004年)、野菜ジュース(1984年)、無殺菌ミルク(2014年)
英語版ウィキペディアから
スーパー抗原
Yersinia pseudotuberculosisの一部の株はスーパー抗原性外毒素YPM、すなわち仮性結核菌由来マイトジェンを染色体遺伝子ypmから発現する。YPMは、 Vβ3, Vβ7, Vβ8, Vβ9, Vβ13.1, およびVβ13.2可変部を発現するT細胞に特異的に結合し、一部のCD8+ T細胞も増殖するが、CD4+ T細胞を優先的に増殖させる。このT細胞増殖とIL-2およびIL-4過剰産生とが脾腫の原因となる。in vivoで抗TNF-αおよび抗IFN-γモノクロナール抗体の投与によりYPM毒性は中和されるので、これらのサイトカインが外毒素により間接的に引き起こされる傷害のほとんどのげんいんである。この外毒素を持つ株は西欧では稀であり、この疾患は無症状であるかほとんどは軽症である一方、極東の国々の株の95%以上がypmを含有し、泉熱や川崎病と関連している。
In Russia, the first reported epidemic of Y pseudotuberculosis infection occurred in Vladivostok in 1959. Initial disease was characterized by clinical features that led to a misdiagnosis of scarlet fever. A few days later, patients developed different clinical features, and the disease was named FESLF [13].
(2)トキシックショック症候群
成熟したヒトのTSSは重症化するが, NTEDの場合は軽症が多い理由については, 新生児期のT細胞の未熟性とサイトカインに対する感受性の低さが考えられる.
(3)猩紅熱
(4)川崎病
(5)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
(6)抵抗性紅斑性落屑
(7)再発性毒素介在性会陰部紅斑