HPV ワクチンと自己免疫疾患
Y. Shoenfeld
私は、HPVワクチンを接種した「患者」の中で自己免疫疾患が「不足」していることに関するChao 等 [1]の論文を大変興味深く読みました.
この報告について、特に、結果と結論の妥当性についてコメントしたいと思います.
まず、この研究は、ワクチンを製造している会社 (すなわちメルク社)により支援されたものです.
次に、著者等は、これらの会社に個人的に支援されているか、あるいはワクチン安全性の問題に関するコンサルタントをしています.
これらの2つの要素は、これらの結果の妥当性に影響を与えます.
HPV ワクチンガーダシルの市場導入後のJAMA(本論文誌)における論説で、「規制当局のコンサルタントが、ワクチンを製造している会社にコンサルタントとして雇用された」と述べていたことを思い出します[2].
3番目に、著者等は、明確な自己免疫疾患があるかどうか、おそらく「従順な」内科医師によって規定された診断基準を満たす もの[3]があるかどうかを調べました.
ワクチンまたはそのアジュバント、特にアルミニウムへの自己免疫および自己炎症性反応の臨床像には、我々が「ASIA症候群」として最近まとめた免疫系の慢性的な刺激が含まれます[4].
この自己免疫 (自己炎症性)症候群は、ワクチンアジュバントおよびシリコーンインプラント破裂への反応として示され、新しい症候群を特徴付ける非古典的な研究段階の徴候として示され、必ずしも明確な自己免疫病状として示されないかもしれません.
著者等は、これを考慮することを怠りました.
最後に、重要なことですが、いくつかの研究が、ワクチン接種後に自己免疫を誘発するまでの潜伏期間が、3年以上である可能性があることを示しています (例えば、ガーダシルやB型肝炎ワクチンの接種後3年での多発性硬化症の発症) [1, 5–8].
このように、上記したすべてが、この論文に報告された研究の結果に疑いを生じさせています.
参考文献
1 Chao C, Klein NP, Velicer CM et al. Surveillance of autoimmune conditions following routine use of quadrivalent human papillomavirus vaccine. J Intern Med 2011; 271: 193–203. 2 Haug C. The risk and benefits of HPV vaccination. JAMA 2009; 302: 795–6. 3 Shoenfeld Y, Cervera R, Gershwin ME. Diagnostic Criteria in Autoimmune Diseases. Tolowa, NJ, USA: Humana Press, Springer Science, LLC, 2008; 1–593. 4 Shoenfeld Y, Agmon-Levin N. ‘ASIA’– autoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants. J Autoimmun 2011; 36: 4–8. 5 Herman MA, Jick SS, Olek MJ, Jick H. Recombinant hepatitis B vaccine and the risk of multiple sclerosis. Neurology 2004; 63: 838–42. 6 Slade BA, Leidel L, Vellozzi C et al. Postlicensure safety surveillance for quadrivalent human papillomavirus recombinant vaccine. JAMA 2009; 7: 750–7. 7 Mikaeloff Y, Caridade G, Suissa S, Tardieu M. Hepatitis B vaccine and the risk of CNS inflammatory demyelination in childhood. Neurology 2009; 72: 873–80. 8 Special issue of LUPUS 2012; 21(2) (February) dedicated to the ASIA syndrome.
Y. Shoenfeld
私は、HPVワクチンを接種した「患者」の中で自己免疫疾患が「不足」していることに関するChao 等 [1]の論文を大変興味深く読みました.
この報告について、特に、結果と結論の妥当性についてコメントしたいと思います.
まず、この研究は、ワクチンを製造している会社 (すなわちメルク社)により支援されたものです.
次に、著者等は、これらの会社に個人的に支援されているか、あるいはワクチン安全性の問題に関するコンサルタントをしています.
これらの2つの要素は、これらの結果の妥当性に影響を与えます.
HPV ワクチンガーダシルの市場導入後のJAMA(本論文誌)における論説で、「規制当局のコンサルタントが、ワクチンを製造している会社にコンサルタントとして雇用された」と述べていたことを思い出します[2].
3番目に、著者等は、明確な自己免疫疾患があるかどうか、おそらく「従順な」内科医師によって規定された診断基準を満たす もの[3]があるかどうかを調べました.
ワクチンまたはそのアジュバント、特にアルミニウムへの自己免疫および自己炎症性反応の臨床像には、我々が「ASIA症候群」として最近まとめた免疫系の慢性的な刺激が含まれます[4].
この自己免疫 (自己炎症性)症候群は、ワクチンアジュバントおよびシリコーンインプラント破裂への反応として示され、新しい症候群を特徴付ける非古典的な研究段階の徴候として示され、必ずしも明確な自己免疫病状として示されないかもしれません.
著者等は、これを考慮することを怠りました.
最後に、重要なことですが、いくつかの研究が、ワクチン接種後に自己免疫を誘発するまでの潜伏期間が、3年以上である可能性があることを示しています (例えば、ガーダシルやB型肝炎ワクチンの接種後3年での多発性硬化症の発症) [1, 5–8].
このように、上記したすべてが、この論文に報告された研究の結果に疑いを生じさせています.
参考文献
1 Chao C, Klein NP, Velicer CM et al. Surveillance of autoimmune conditions following routine use of quadrivalent human papillomavirus vaccine. J Intern Med 2011; 271: 193–203. 2 Haug C. The risk and benefits of HPV vaccination. JAMA 2009; 302: 795–6. 3 Shoenfeld Y, Cervera R, Gershwin ME. Diagnostic Criteria in Autoimmune Diseases. Tolowa, NJ, USA: Humana Press, Springer Science, LLC, 2008; 1–593. 4 Shoenfeld Y, Agmon-Levin N. ‘ASIA’– autoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants. J Autoimmun 2011; 36: 4–8. 5 Herman MA, Jick SS, Olek MJ, Jick H. Recombinant hepatitis B vaccine and the risk of multiple sclerosis. Neurology 2004; 63: 838–42. 6 Slade BA, Leidel L, Vellozzi C et al. Postlicensure safety surveillance for quadrivalent human papillomavirus recombinant vaccine. JAMA 2009; 7: 750–7. 7 Mikaeloff Y, Caridade G, Suissa S, Tardieu M. Hepatitis B vaccine and the risk of CNS inflammatory demyelination in childhood. Neurology 2009; 72: 873–80. 8 Special issue of LUPUS 2012; 21(2) (February) dedicated to the ASIA syndrome.