葉月のブログ

新型コロナワクチンの開発を、『マンハッタン計画』と呼ぶ人たちがいた

利益相反の研究に対する反論 シェーンフェルト教授

2013-11-05 | 論文
HPV ワクチンと自己免疫疾患

Y. Shoenfeld

私は、HPVワクチンを接種した「患者」の中で自己免疫疾患が「不足」していることに関するChao 等 [1]の論文を大変興味深く読みました.

この報告について、特に、結果と結論の妥当性についてコメントしたいと思います.

まず、この研究は、ワクチンを製造している会社 (すなわちメルク社)により支援されたものです.

次に、著者等は、これらの会社に個人的に支援されているか、あるいはワクチン安全性の問題に関するコンサルタントをしています.

これらの2つの要素は、これらの結果の妥当性に影響を与えます.

HPV ワクチンガーダシルの市場導入後のJAMA(本論文誌)における論説で、「規制当局のコンサルタントが、ワクチンを製造している会社にコンサルタントとして雇用された」と述べていたことを思い出します[2].

3番目に、著者等は、明確な自己免疫疾患があるかどうか、おそらく「従順な」内科医師によって規定された診断基準を満たす もの[3]があるかどうかを調べました.

ワクチンまたはそのアジュバント、特にアルミニウムへの自己免疫および自己炎症性反応の臨床像には、我々が「ASIA症候群」として最近まとめた免疫系の慢性的な刺激が含まれます[4].

この自己免疫 (自己炎症性)症候群は、ワクチンアジュバントおよびシリコーンインプラント破裂への反応として示され、新しい症候群を特徴付ける非古典的な研究段階の徴候として示され、必ずしも明確な自己免疫病状として示されないかもしれません.

著者等は、これを考慮することを怠りました.

最後に、重要なことですが、いくつかの研究が、ワクチン接種後に自己免疫を誘発するまでの潜伏期間が、3年以上である可能性があることを示しています (例えば、ガーダシルやB型肝炎ワクチンの接種後3年での多発性硬化症の発症) [1, 5–8].

このように、上記したすべてが、この論文に報告された研究の結果に疑いを生じさせています.



参考文献
1 Chao C, Klein NP, Velicer CM et al. Surveillance of autoimmune conditions following routine use of quadrivalent human papillomavirus vaccine. J Intern Med 2011; 271: 193–203. 2 Haug C. The risk and benefits of HPV vaccination. JAMA 2009; 302: 795–6. 3 Shoenfeld Y, Cervera R, Gershwin ME. Diagnostic Criteria in Autoimmune Diseases. Tolowa, NJ, USA: Humana Press, Springer Science, LLC, 2008; 1–593. 4 Shoenfeld Y, Agmon-Levin N. ‘ASIA’– autoimmune/inflammatory syndrome induced by adjuvants. J Autoimmun 2011; 36: 4–8. 5 Herman MA, Jick SS, Olek MJ, Jick H. Recombinant hepatitis B vaccine and the risk of multiple sclerosis. Neurology 2004; 63: 838–42. 6 Slade BA, Leidel L, Vellozzi C et al. Postlicensure safety surveillance for quadrivalent human papillomavirus recombinant vaccine. JAMA 2009; 7: 750–7. 7 Mikaeloff Y, Caridade G, Suissa S, Tardieu M. Hepatitis B vaccine and the risk of CNS inflammatory demyelination in childhood. Neurology 2009; 72: 873–80. 8 Special issue of LUPUS 2012; 21(2) (February) dedicated to the ASIA syndrome.
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ビタミンD:新しい抗感染症薬か? (Shoenfelt教授)

2013-11-04 | 論文
Ann N Y Acad Sci. 2014 May;1317(1):76-83.

ビタミンD:新しい抗感染症薬か?

Borella E, Nesher G, Israeli E, Shoenfeld Y.




要約



抗生物質の時代の前は、結核患者の治療は、サナトリウムでの日光浴に限られていた。

その何年も後になって、1,25-ジヒドロキシビタミンD3が、カテリシジン類(分泌性抗菌ペプチド)の産生を刺激することが発見された。

カテリシジンとは、マクロファージ(大食細胞)のリソソーム(胞質内にある顆粒で, 多くの加水分解酵素を含む)や多核白血球(好中球)に存在するポリペプチド類である。

カテリシジンは、自然免疫防御において決定的な役割を有しており、マイコバクテリア感染や他の病原体の抑制に重要な役割を果たしている。

冬に風邪や肺炎の発症が増加するのは、部分的には、日光に当たることが減少して、1,25-ジヒドロキシビタミンD3の合成が低減するすることに関連すると考えられている。

低レベルのビタミンD と、上気道上部(鼻孔から鼻咽喉まで)および腸内感染、肺炎、中耳炎、クロストリジウム感染症、腟疾患、尿路感染症、敗血症、インフルエンザ、デング熱、B型肝炎、C型肝炎、HIV感染との関連が、確立されている。

感染の間に、ファゴサイト(貪食細胞)や上皮細胞において、1,25-ジヒドロキシビタミンD3がカテリシジンやβ- デフェンシン2 の発現を増加して、保護的な効果を示すことを示唆するエビデンスが増加している。

ビタミンDは、おそらく万能抗生物質として作用しており、多様な感染症において、補助療法として有用であるかもしれない。



キーワード:HIV; 抗生物質; 自己免疫; 感染; 結核; ビタミンD
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ヤヒュダ・ジャンフェルド教授の他の講演スライドから

2013-11-03 | 論文
中枢神経系脱髄と4価HPVワクチン接種

Sutton I et al Multiple Sclerosis 2009; 15:116-9

5人の患者が、4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンであるガーダシル接種の21日以内に多病巣性または非定型脱髄症候群を示した

これらのケースの時間的関連は、ワクチンに含まれるパピローマウイルス様粒子の強力な免疫刺激性により説明されるかもしれない
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ワクチン安全性会議(ヤヒュダ・ジャンフェルド教授の講演

2013-11-02 | 論文
アジュバントにより誘発された自己免疫(自己炎症性)症候群:新たに定義されるべき症候群


すべての自己免疫疾患は遺伝的因子がある。

2番目に重要な因子は、ホルモンに関する。
このため、ほとんどの自己免疫疾患は、男性よりも女性によくみられる。
ある自己免疫疾患は、10倍から20倍、女性に発症する。

エストロゲンが免疫系を促進することが知られている。
多くの自己免疫疾患は、初潮の頃に発症することと、妊娠により悪化すること、経口避妊薬の服用により悪化することなどが知られている。

他のホルモン、プロラクチンも重要であり、またビタミンDも重要である。

3番目の重要な因子は、免疫欠損である。
例えば、IgA欠損は600人に1人程度みられる。
IgA欠損の人は、感染しやすい、アレルギーになりやすい、自己免疫疾患にかかりやすく、癌になりやすい。

4番目の因子は、環境因子である。
例えば、薬。今は使用されていないが、11種類の自己免疫疾患を起す薬があった。
感染、細菌やウイルスによる感染。
ウイルスの中では、EB(エプスタイン・バール・ウイルス)は12種類の自己免疫疾患を発症させる。

ある薬は、1つのタイプの自己免疫疾患を発症させるが、他のタイプの自己免疫疾患を抑制させるので薬として使用される。

遺伝子でも、自己免疫疾患を抑制させる遺伝子があり、例えば父親が疾患を発症させる遺伝子をもっていても母親が抑制させる遺伝子をもっていれば、疾患は発症しない。

細菌やウイルスにも、発症させるもの、抑制するものがある。

自己免疫疾患は、このように、多岐にわたるものである。

古典的分類では、80種類の自己免疫疾患がある。

ワクチンとの関わり始めたきっかけは、裁判で証言するように頼まれたことである。

裁判で、「ワクチンが、自己免疫疾患を引き起こした多数の要因のひとつであること」を証明することを試みた。

因果関係を証明できれば、難しくない。

ただし、「関係がない」という確固たる我見を持って裁判に臨む裁判官もいた。

我々犯した間違いは、自己免疫疾患が、確立した一連の症状を持っているものと定義されているように考えたことである。

例えばルーパスであると証明するには、11あるカテゴリーの4つを満たすことが必要であるが、多くのケースで、ルーパスの様なものであることは医師には明 らかであり、数年すればルーパスになるのだが、裁判の時点では、カテゴリーの3つが満たされているだけであったので、裁判ではルーパスとみなされなかっ た。

また、もうひとつの我々の犯した間違いは、時間的因果関係を21日と決められていたことである。
22日以降の発症では、関係ないものとされていた。

このような背景から、私は、アジュバント誘発自己免疫症候群という概念を作った。

ここで、症候群は、単数ではなく、複数であり、アジュバントも複数である。
また、自己免疫とまで行かない場合もあり、自己炎症を含むものである。

臨床的な点から始める。4つのスライドをしめす。(ビデオ13:51)

血管炎という免疫疾患がある。
血管の炎症で、全身の疾患である。
ワクチンと炎症の関連を示すケースリポートである。

インフルエンザワクチン、タイホイドワクチン、BCGワクチン
髄膜炎菌ワクチン
インフルエンザワクチンによる表在血管の炎症



自己免疫疾患の診断は難しい。そして、個々の医者の診断に大きく依存している。

ほとんどの自己免疫疾患は感染により発症する。

例えば、結節性多発動脈炎は自己免疫疾患のひとつであり、97%がC型肝炎を身体に有しているので、C型肝炎と関連づけることは簡単である。
しかし、例えば尿管感染症が原因となる場合などは、この感染症が一般的であるために、自己免疫疾患と因果関係を確立することは難しい。

インフルエンザワクチンの安全性が信頼されていないことも、因果関係の確立が難しいことによる。

私自身は、ワクチンは人類にとって最も有益なことだと思っている。
科学的証拠無しに、ワクチンの危険性を断言するべきではない。

自己免疫のモザイク

遺伝 
免疫欠損状態
ホルモン
環境

「遺伝的素質」 に、「環境因子」 が作用して、「自己免疫疾患」を発症する。

環境因子には、感染、ワクチン、シリコンなどが含まれるが、ワクチンについて述べる。

このように、自己免疫疾患が発症するには、「遺伝的な背景」があり、そこに環境因子が作用することが必須であるので、発症は、稀である。

ひとつの例として、

HLA-DR15を有する人は、EVウイルスに感染すると、多発性硬化症(MS)となり、
HLA-DR3を有する人は、EVウイルスに感染すると、自己甲状腺疾患(甲状腺炎や橋本病)となる。

(訳注:HLAと自己免疫疾患は、HLA研究所の表 が参照できます)

同じウィルスに感染しても、どの種類の自己免疫疾患になるかは遺伝的素質に依存し、
また、遺伝子には疾患の発症を抑制するものもある。

ここから、アジュバントについて。

アジュバントは、好ましくはそれ自身が抗原となることなく、免疫系を刺激するもの。
アジュバントは、免疫原性(抗原性)を高めるために、通常ワクチンに添加される。
典型的なものは アルム (みょうばん、硫酸アルミニウム)である。
最も有名なものは、フロイントアジュバントであり、結核菌から作られている。

アジュバントは、抗原が分解されるのを保護する役割を果す。
また、自然免疫系を活性化させる。

免疫系には2種類あり、獲得免疫系と自然免疫系がある。

自然免疫系は、最初に感染が起こったときに、働き出すものである。

アジュバントは、

抗原が分解されるのを防止する役割と、
受容体を刺激して抗原との免疫反応性をたかめる役割がある。

受容体としては、現在13種類のToll様受容体が知られている。

受容体を刺激するものとして、細菌やウイルスの成分がよく知られている。
成分としては、DNA,RNA,あるいは、グラム陰性細菌の成分である内毒素のリポポリ多糖(LPS)がある。


米国のリウマチ学者の実験
アジュバントが自己免疫疾患を誘発するか

マイスなどの動物にアジュバント(スクワレン、ポリスチレン)を注射することで、すべての種類の自己抗体が作れる。

自己免疫疾患を発症した患者は、10年あるいは15年前に自己抗体が作られていたという研究がある。

他の実験では、抗原がなくてもアジュバントだけで自己免疫疾患、このケースではSLE(SE?)、を誘発できることが示された。(ビデオ26分10秒)

アジュバントとなる鉱油はいろいろな食物に添加されている。


1958年の実験

ウサギに

サイトグロブリンと不完全フロイントアジュバントを注射すると、抗原は作られるが、病気にはならない。

サイログロブリンと完全フロイントアジュバントを注射すると、抗原は作られ、病気にはなる。

すべての細菌やウイルスはアジュバントである。
自己免疫疾患を誘発するものは、蔓延している。
すべての自己免疫疾患は感染により発症する。

ある人の言葉「すべての疾患は、そうでないと証明されない限り、自己免疫である」
私の言葉「すてのものは、そうでないと証明されない限り、感染性がある」


ワクチンは、自己免疫疾患を誘発するのか?

本題に入る前に述べておきたいが、私は、ワクチンが、人類の医療的介入の中で最も優れた発明だと思っている。抗生物質よりも重要である。

ワクチンが自己免疫疾患を誘発したことを証明したケース

1948年 チフスワクチン 看護学校の生徒がSLEとなる 3症例

1998年 豚インフルワクチン ギランバレー

      ポリオワクチン 横断性脊髄炎

      DTP+風疹ワクチン 関節炎 (自然の風疹でも関節炎がおこる)

2009年 狂犬病ワクチン 脳脊髄炎


裁判において、裁判官は、まず機構について質問する。
これは分子擬態で説明がされるものもあるが、不明なものもある。

2番目は、因果について質問される。

一つ目のポイントは、動物モデルで証明できる。

マウス、ラット、うさぎ、鮭

実験例
様々なワクチンを犬に注射して、様々な抗体が作られることを証明
抗体の中には、抗ラミニンがあったが、これはSLEと関連している

様々なワクチンを鮭に注射して、様々な抗体が作られることを証明

B型肝炎ワクチンをマウスに注射して円形脱毛症を発症

2つめのポイントは、時間的関係

初期段階
発熱、注射部位の反応、その他が数日以内に発症
ワクチンの副作用も数日以内に発症する
おそらく、以前の感染やワクチンの記憶応答か

抗体の応答性は、最初に抗原が入ってきた時の一次応答と、次に抗原が入ってきた時の二次応答があり、二次応答が格段に強い応答である
一次応答は2~3週間でおわるので、ワクチンと副反応の時間関係が3週間とされている。

そのほかの理由は、古典的な自己免疫疾患のリウマチ熱が、レンサ球菌の感染のちょうど3週間後に発症するからである。

この副反応は、レンサ球菌のエンベロープと、リウマチ熱で関与する器官の構成成分の分子擬態で説明される。

けれども、これよりもずっと長い例が知られている。
自己抗体がワクチンの6ヵ月後に作られたという論文がある
血友病BワクチンとIDDMで3年間の潜在期間があったという論文がある

組み換えB型肝炎ワクチンとMS(多発性硬化症)の発症の関係は、3年後にもみられたという論文がある。

EnergixBワクチンと、子どものCNS脱髄発症のリスクは3年後でも関連がみられるという論文がある。


HPVワクチンのリスクと利得

C.Haug, JAMA 2009;302/7, 795-6

4価ワクチン接種後、2.5年で有害反応が発生した

報告された有害反応のほとんどは重篤ではないが、アナフィラキシーを含む過敏反応、ギランバレー、横断性脊髄炎、髄炎、静脈血栓塞栓症があった

リスクと利得の証拠を比べるときは、誰がリスクを蒙るかを問うのが適切である


ワクチンが自己免疫疾患を誘導する機構

ワクチンの成分には、感染性抗原、アジュバント、防腐剤など

感染性抗原は、分子擬態、エピトープ拡大、バイスタンダー活性化、ポリクロナール活性化
アジュバントは、抗原の保護とリンパ節への輸送、Toll様受容体、樹状細胞、マクロファージの活性化、細胞免疫の活性化
防腐剤などは、アレルギー反応、抗体産生、過剰投与

が関連するであろう。

すべてのワクチンと自己免疫疾患に関する文献を調べたところ、自己免疫疾患を起さないワクチンは、ニューモバックスだけであった。そして、このワクチンはアジュバントを含まない。

MMF(マクロファージ性筋膜炎)1998年フランスで報告

臨床的症状:筋肉痛、関節痛、筋力低下、顕著な無力症、発熱
慢性疲労症候群では、患者の半数
自己免疫疾患(MS)では、3分の1にみられる
筋肉生検:マクロファージの浸潤、PAS(シッフ試薬による染色)陽性(グリコーゲン)

ワクチンのアルム(アルミニウム硫酸塩)とMMF

注射部位に、長時間Al(OH)3が存在することによるMMF
発症までの時間 3ヶ月から8年
平均 53ヶ月

アルミニウムの身体許容量が、ワクチン関連MMF(および慢性疲労症候群)で重要な役割を示す

MMFと遺伝子

MMFの双子の姉妹は、HLA-DRB1*01を持っていることをみつけた

10人のMMF患者のHLA-DRB1*01頻度は、66%であり、対照群では17%。


シリコーンのアジュバントとしての自己免疫性

最初の例は、日本での美容整形で、9ケースの自己免疫疾患でそのうち4ケースの強皮症(3つは全身性)
シリコーンのブレストインプラントが破れたケース

後略
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ASIAとは何か? ヤヒュダ・シャンフェルドへのインタビュー

2013-11-01 | 論文
ビデオによるQ&A: ASIAとは何か? ヤヒュダ・シャンフェルドへのインタビュー

要約
このQ&Aでは、ヤヒュダ・シャンフェルド教授にアジュバントにより誘発された自己免疫症候群 (ASIA)についてお話しを聞き、この分野での将来の研究に関して話し合いました。
ASIA (アジュバントにより誘発された自己免疫症候群)に関してのヤヒュダ・シャンフェルド教授の話
緒言
ヤヒュダ・シャンフェルド教授は、イスラエル国テルアヴィヴ大学のサックラー医学部付属シバ医療センターの自己免疫疾患ザブルドビッツセンターの創立者であり所長です。彼はまた、テルアヴィヴ 大学のおける自己免疫疾患研究のローラ・シュヴァルツ―キップ職の現議長です。彼の臨床的および科学的研究は、自己免疫およびリウマチ性疾患を専門としており、2012年にイスラエルで内科学における終身貢献賞をはじめ、多数の賞を受けています。
近年、シャンフェルド教授は、シリコノシス、湾岸戦争症候群 (GWS)、マクロファージ筋膜炎症候群 (MMF)、およびワクチン接種後事象の4つの病状が、アジュバントへの暴露に関連していること、患者が類似した臨床症状を示していることに注目した。 2011年には、シャンフェルド教授は、これら類似の病状は、「アジュバントにより誘発された自己免疫 (自己炎症性) 症候群」として「ASIA」と称する共通の症候群としてまとめられるべきであると提言した。
このQ&Aでは、シャンフェルド教授にASIAについてお話しを聞き、この分野での将来の研究に関しての話し合いました。

ASIAとは何か?
ASIAは、アジュバントに誘発された自己免疫症候群を意味する、新しい症候群です。それは、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、強皮症などのように、自己免疫疾患として完全には特徴付けられないけれども、アジュバントと反応する可能性のある物質により免疫系が慢性的に刺激されることにより誘発されたいくつかの病状を含みます。この慢性的な刺激により、疲労、関節炎、筋肉痛、および神経症状などの徴候および症状が出現します。
医療行為に一般に使用されるどのアジュバントが ASIAと関係していると考えられているか?
新しい症候群としてASIAが考えられ始めたのは、湾岸戦争症候群に関するいくつかの研究が、湾岸地域に配備されなかった兵士が重度の疲労、認知障害、筋肉痛および関節痛などの症状に苦しんでいるという報告の後です。この報告により、兵士に投与されたワクチンがこれらの症候群 を誘発したのかどうかという疑問がおこりました。最も一般的なアジュバントは、シリコンインプラントとワクチンに含まれるアルミニウムです。
他のアジュバントがASIAと関連しているか?
いくつかの特定のアジュバントがASIAを誘発することが示されています。例えば、アルミニウムです。アルミニウムは最も古くから使われており、最も安価で、今のところ最も有効なアジュバントです。そのために、ワクチンの開発で依然一般に使用されているのです。
2001年に、ロマン・ゲラーディと共同研究者が、マクロファージ筋膜炎、すなわちMMF (the Groupe d’Etudes et Recherche sur les Maladies Musculaires Acquises et Dysimmunitaires (GERMMAD)により最初に記載された、特定の筋病理学的変化により特徴付けられる稀な筋疾患)と診断された複数の患者が、水酸化アルミニウムを含む肝炎ワクチンを以前に接種されていたことを報告しました。これらの患者は、その後、神経症状を伴う重度の筋肉痛、認知障害、めまい、集中不能、睡眠不良を発症しました。多数の研究の後、ロマン・ゲラーディと共同研究者は、アルミニウムが筋肉に沈着し、マクロファージを介して筋肉から様々な臓器へ移動し、血液脳関門を通過することを実証することができました。このため、MMF はASIA 症候群のひとつとされます。
また、「シックハウス症候群 (SBS)」と呼ばれる病状も、湾岸戦争症候群にみられる類似の臨床的症状をもたらし、特定の部屋や建物に住む人々に現れます。しかしながら、他の部屋や建物に移動したら、完全に回復します。問題の部屋には、アジュバントのように反応または挙動する何らかの物質が存在すると考えられています。ワクチンに含まれるアジュバント としてしようされることを既に述べましたが、世界で最もありふれた材料のひとつとして、アルミニウムは、より広範囲に使用されており、日常生活で我々が使用する備品の多くはアルミニウムから作られています。
ワクチン、シリコンインプラント等の使用が普及する中で、公衆衛生という点でこれは何をいみするのでしょうか?
まず第一に、ワクチンは本当に広範に使用されており、私はワクチンに反対しているのでは決して無いことを明確にしておきたいと思います! ワクチンは、人類にとって、過去300年の医学の発達における最も素晴らしい成果でしたし、いくつかのウイルス性性疾患の完全な根絶をもたらす手助けをしました。しかしながら、活性物質を何百万人もの人に投与する時、ワクチンは活性物質で、何人かは有害事象に苦しむであろうことを考慮しなければいけません。結局、ワクチンは、免疫反応を促進すると想定されるアジュバントに乳化したウイルス性または合成粒子を含みます。
それで、免疫系の慢性的な刺激により副作用に苦しむリスクのある人びとを特定しなくてはいけません。まず、それらを診断し治療しなくてはなりませし、何人かは補償されるべきです。なぜなら、ワクチンは、たいていは国や政府や雇用主のどれかにより強要されるものだからです。
最も一般的な美容整形であるシリコンインプラントに関しては、シリコンが完全に不活性であって、漏れたり、身体を移動したりしないし、肉芽腫を誘発しないと謳われていましたが、これは誤解を招くものです。シリコンインプラントが破裂した複数のケースが最近報告されていますし、破裂していないインプラントでも、身体を移動できるナノサイズのシリコン粒子が存在しています。従って、身体の他の部分、手や胸部や鼠蹊部でシリコンが見つかっています。シリコンインプラントは大変一般的ですが、幸運にも症候群それ自身はまれです。
同様に、明らかに感染症によりに誘発された自己免疫疾患は、感染症そのものよりも一般的ではありません。これは、感染性媒介物と遺伝子成分との間の特定の相互作用が、自己免疫疾患の発生に関連しているからです。
ASIA 症候群に関しては、罹患率は、HLA-DRB1遺伝子を持つ対象で高くなっている。これは、ワクチン投与後に自己免疫疾患 を発症した人びとに存在することが見つかったものと同じHLA (ヒト白血球抗原)であることに注意してください。ですから、多分将来、個人にむけた特注型の医療が発達したら、それぞれの遺伝子構成に基づいて、リスクのある人びとをスクリーニングで選び出すことができ、従って、ASIA 症候群と関連することが知られているアジュバントを含むワクチンの投与を避けることで、自己免疫疾患の発症を防ぐことができるでしょう。試験対象では、そのタイプのアジュバントの代わりに、ASIA 症候群と関連のないであろうもの使用することができるでしょう。私はここで強調したいことは、現在開発中の新規のアジュバントがあり、その有効性についてはテストしなくてはなりませんが、これらがアルミニウムや他の慣用のアジュバントよりも副作用が少ないものであることを期待しています。

ASIAの診断に使用される現行の基準は?
我々は、基準を公表し、他の自己免疫疾患に関して通常行うように、大基準および小基準に分類しました。大基準には、重度の疲労、睡眠不良、筋肉痛および関節痛などの臨床症状が含まれ、小基準には、様々な自己抗体および特定HLA(例えば、DRB1)の存在が含まれます。しかしながら、先ほど言いましたように、何年もかけて、多くの患者は、より明確に規定される自己免疫疾患を発症するかもしれません。例えば、もし強皮症や全身性硬化症を発症したなら、皮膚硬化、肺や腎臓の合併症、その他の症状が現れるでしょう。
アジュバントがこれらの作用をおこす機序は確立されていますか?
部分的に、機序には、免疫系の慢性的な刺激と、それによるインターフェロンγ、インターフェロンα、インターロイキン(IL)-1、IL-6、腫瘍壊死因子(TNF)αなどの炎症性サイトカインの放出が含まれます。ですから、部分的に、この症候群は、慢性的な刺激に応答して放出されたサイトカイン類のカスケード(一連の増幅的な段階反応)により誘発される可能性があります。
この慢性的な刺激には、血液脳関門の開口も含まれ、従って、脳の中へ様々な物質が侵入する可能性があります。例えば、明確となった機序のひとつは、ワクチン注射後または他のアルミニウム源に暴露された後、アルミニウムが身体に沈着し、これらの粒子がマクロファージによって血管脳関門を越え、脳に沈着するというものです。
過去に、我々内科医は、透析を受けた患者のケースでこの脳におけるアルミニウム「毒性」を目撃しました。透析液がアルミニウムを含み、実際に血管脳関門を通って脳に拡散し、アルミニウム中毒症をおこしました。いくつかのケースでは、患者は、ASIA症候群と一致する症状を示しました。
更に、慢性的な刺激は、別の自己抗体を誘引することもあります。自己抗体は必ずしも具体的な自己免疫疾患を示唆するものではありませんが、全身性エリテマトーデス(SLE)を古くから示唆する抗DNA抗体との結合体かもしれませんが、原発性胆汁性肝硬変を示唆する抗ミトコンドリア抗体であるかもしれません。先の述べたように、長い間に(UCTD)は、特定の自己免疫疾患となるかもしれません。従って、私たちは、混合性結合組織病のほとんどのケースは、実際は、ASIA症候群の一部であると考えています。
環境因子または遺伝因子がASIAを発症する高いリスクにつながることを示唆する何か証拠がありますか?
シリコンインプラントやワクチンのアジュバントに加えて、環境因子が実際に罹患率に及ぼす影響はまだわかっていません。しかし、私の経験と読んだ論文に基づけば、日常生活に使用するアルミニウムや他の異なる物質も、関連しているであろうと推測します。例えば1980年代におけるループス(狼瘡)の症例の大幅な増加は、米国のかつての工業都市に見られました:ニューヨーク・バッファローのイーストフェリーストリートです。調査の結果、その地域が毒性物質(鉛、ポリ塩化ビフェニル類、トリクロロエチレン、および揮発性勇気化合物類など)でひどく汚染されていたことがわかりました。
ですから、このことをより広い視野からみれば、アジュバントのように作用できる毒性物質が、「特発性の」自己免疫疾患と呼ぶものの根底にあるかもしれないと考えることができるでしょう。
特に地理的分布の点でASIAの罹患率について何がわかっていますか?
地理的分布に関しては何もわかっていません。自己免疫疾患の多くは、赤道から離れたところに住む人口で多く見られることはわかっています。日光への露出が限られていること、従って、ビタミンDの産生が少ないことがASIAと関連しているかもしれないと考えられています。ビタミンDが多くの自己免疫疾患と関連していることを知っています。例えば、ある研究では、我々は40種類以上の自己免疫疾患を分析し、同じ地理的地域で健康な集団にくらべて患者のビタミンDレベルが著しく少ないことを発見しました。
研究は、フィリピン、メキシコ、世界中から報告されましたが、これらは少ない一連の症例にすぎませんでした。地理的分布を分析できるほどの大規模な疫学的研究はまだなされておりません。しかしながら、将来、ASIA症候群と地理的分布との間に相関を見つけるであろうと思っています。
フィンランドでの研究では、現在自己免疫病状と認識されている過眠症の症例の大きな増加が報告されました。研究者は、この過眠症発症の増加とその地域でH1N1(豚インフルエンザ)流行中に投与されたワクチンと関連付けました。この病気がフィンランドで認められ、(HLA)DQB1*0602遺伝子型と厳密に関連付けられたことを強調したいと思います。H1N1流行中にワクチンが投与され、この地理学的地域で過眠症が13倍増加しました。ですからこの場合の地理学的分布は、物質には関係ありませんが、むしろこの地域に住む人々の遺伝子型と関係があり、その遺伝子型が過眠症にかかりやすくしているのです。
この分野の将来の研究方向についてどう考えますか?
ASIAの背後にある機序を理解することに努力すべきであり、特にワクチンでのよりよいアジュバントを開発する努力をすべきです。なんといっても、多数の人々が定期的にワクチンを接種しており、いかなる副作用の可能性も最小限にすべきです。
我々は、現在「特発性(idiopathic)」(病理および病因がわからないので我々がidiots(バカ)であることを意味する!)とみなされている他の自己免疫疾患の病因もよく理解するために、ASIAから学ぶべきです。我々は、よりよい理解に近づいているので、将来は、「自己免疫疾患が未知の病理を有する」という文章を見なくてすむようになればいいと思います。
私は依然シリコンインプラントについて、シリコンインプラントが除かれてもASIA症候群からの完全な回復は保証できないので、これらを取り除くよう推奨すべきか否か心配しています。もし回復しなければ、患者はインプラントなしに、ASIA症候群に苦しみ続けるだけです。そうは言いましたが、取り除いたことで患者がASIA症候群から完全に回復した症例が数例あります。このことはされに研究する必要があります。
世界中でたくさんの研究が行われていますし、将来は、この症候群を発症するリスクのある人びとを特定し、未然に防ぐことができるよう期待しています。
自己免疫疾患の患者を管理治療する臨床医にアドバイスはありますか?ASIAの定期的なスクリーニングをすべきでしょうか?
ASIAのマーカーはありませんので、スクリーニングはできません。臨床医への私のアドバイスは、患者の履歴、特にワクチンの接種歴にもっと注意を払うことです。私が望むことは、将来、臨床医がもっと早期に患者を診断できること、そして、もし適切なら患者が補償されるよう手伝うことです;結局、苦しむのは患者です。彼らはワクチン接種前は完璧に健康であり、突然病気を発症したのです。
症状のより良い理解および血清学的なマーカーの開発が、HLA(ヒト組織適合性抗原)および自己免疫の家系性背景などのリスクファクターをとても早い段階で特定することを促進するでしょう。ASIAの治療は、自己免疫疾患の治療と同じべきです―我々がよりよく理解できるまで、臨床医は、使用されてきた薬剤を使用し続けるよりは、ASIAと関連していない他の生物学的薬剤に換えることを考えるべきです。
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