葉月のブログ

中高生が死亡していたら河野太郎は総裁選落ちるよね、厚生科学審議会開かなかったのは忖度?

サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その11(完)

2019-12-02 | 資料November19

2015年1月30日付の石井教授の資料から



アラム(水酸化アルミニウム)アジュバントがTh2でIgE誘導が強い。
石井教授の研究で、ホストの細胞がネクローシスで死んでDNAが放出されないと、IgGができにくいというのがありました。
サーバリックス接種後IgEの測定値が2000IU/mLを超えていた人が数人いました。

サポニンはCTL誘導と書いてあります。これは、グラクソのB型肝炎ワクチンの結果と矛盾しています。

石井教授の資料によると、AS04は、Th2ということ。
やはり、GSKは嘘をついていたのでしょうか。

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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その10

2019-11-29 | 資料November19

2009年10月15日に米国FDAに提出されたサーバリックスの資料から

細胞性免疫Th1についての記述(32ページ)



IFNγがやや高いレベルで分泌され、細胞性免疫応答のTh1型が誘導されたことを示している。抗原への応答でIL-5も分泌されたが、少量であった。


細胞性免疫の測定方法(38ページ)

測定結果(38ページ)

最後の2行
IFN producing CD4 cells and high levels of IFN-γ produced in culture supernatants were detected.  No specific CD8 were detected after vaccination. 

IFNを産生するCD4細胞と、IFNγは高いレベルで検出された。特異的なCD8は検出されなかった。


以上から、FDAへの提出書類でも、IFNγの産生をもって、細胞性免疫が誘導されたと結論している。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その9

2019-11-28 | 資料November19
以前、CINの治療ワクチンを3種類紹介しました。

これらのワクチンは、HPVに特異的な細胞傷害性T細胞を産生して、CINとなった細胞を殺傷するようにデザインされています。

子宮頸がんワクチンは抗体を大量に産生するものですが、大量に抗体があるから感染しないのかどうかは、まだ実験の途中で不明です。
実際、ラッサ熱ワクチンやエボラワクチンでは、抗体が大量にあっても感染することが問題になっています。 (Dr. Erica Ollmann Saphire の講義から)

サーバリックスのMLPが細胞性免疫を上げないことを納得するために、CIN治療ワクチンとの違いをみてみたいと思います。

(1) Tipapkinogen Sovacivec therapeutic HPV vaccine
別名 MVA-HPV-IL2 vaccine 

このワクチンでは、HPV16型のE6およびE7タンパク質とIL-2をコードする遺伝子を、MVA(改良型ワクシニアウイルス・アンカラ)に挿入し、これを、太ももに3回(1日、8日、15日目)皮下注射します。

ウイルスが樹状細胞に感染し、抗原となるHPVタンパクが細胞内で産生されるので、MHCクラスIに載せられて抗原提示されるので、CD8+T細胞が活性化されることが期待できます。

(2) VGX-3100

このワクチンは、HPV16型と18型のE6とE7抗原をコードする2つのプラスミドの混合物で、これを筋肉注射した後、エレクトロポレーションにより、プラスミドを細胞内に挿入しています。

細胞内で、抗原タンパクが産生されるので、抗原特異的なCD8+T細胞が誘導され、細胞傷害性が発揮されます。



以上のように、細胞傷害性の作用をもたせるためには、細胞の中で抗原が作られるような特別な方法でのワクチン接種が必要であり、サーバリックスやガーダシルのようにタンパク質をアジュバントと注射するだけでは、抗体しか産生しないことは明らかです。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その8

2019-11-28 | 資料November19
2011年の論文の図をもう一度みてみます。


この図の細胞性免疫は、一番左側です。
下にある黄色いDendric Cell (樹状細胞)は、CD8(CD8+T細胞)を活性化するためには、抗原を赤い色で示されたMHCクラスIに載せて提示する必要があります。

このMHCクラスIに載る抗原は、樹状細胞の中で作られた抗原に限られています。

一方、CD4(CD4+T細胞)を活性化するためには、水色で示されたMHCクラスIIの抗原に載せて提示しますが、このMHCクラスIIに載せる抗原は、貪食されたもの、つまり、樹状細胞が細胞の外にある抗原を貪食して取り込んだものです。

樹状細胞の抗原提示経路の説明図ですが、MHCクラスIとMHCクラスIIは、細胞の外と細胞の中の抗原を厳密に区別しているのです。


ウイルスが樹状細胞に感染すると、細胞内で増殖するので、ウイルスタンパクがMHCクラスIに載せられて抗原提示され、細胞傷害性のCD8+T細胞が産生されます。

上の図の左側は、細胞の外にある抗原を、エンドソームに入った形で取り込んでいますが、エンドソームの中は、細胞の外と考えられます(人の食道や胃の中が身体の外であるのとちょっと似ています)。

上の図で、ERの中のMHCクラスIIには、実際には蓋(インバリアント鎖)がしてあって、抗原が載らないようになっています。

つまり、細胞性免疫を上げるためには、抗原特異的なCD8+T細胞を産生する必要があり、そのためには、MHCクラスIに抗原を載せる必要があり、そのためには、樹状細胞内で抗原を産生する必要があるわけです。

抗原が細胞の外にあるだけでは、貪食されて、MHCクラスIIに載せられ、CD4+T細胞が産生され、抗体ができるだけということになっています。

(ただし、特殊な例としてクロスプレゼンテーションという機構もあります)

ですから、MPLがTLR4に結合しても、細胞の中で異物が作られない限り、細胞性免疫を上げる要素はないということです。

次回は、この細胞性免疫を上げるために作られたCIN治療ワクチンについて説明します。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その7

2019-11-27 | 資料November19
ここで、教科書に書いてある程度に免疫反応/免疫応答について説明してみたいと思います。

免疫反応の分類として、自然免疫と獲得免疫に分ける場合と、液性免疫と細胞性免疫に分ける場合があります。

自然免疫は、異物に対して非特異的に働くもの
獲得免疫は、異物(抗原)に対して特異的に働くもの

液性免疫は、抗体(IgG,IgE,IgA,IgMなど)を介した免疫反応
細胞性免疫は、細胞を介した免疫反応

細胞性免疫の細胞には、

食細胞(マクロファージ、好中球、樹状細胞)
細胞傷害性T細胞(CTL、CD8+T細胞)
ナチュラルキラー細胞
T細胞

があり、この中で、

食細胞とナチュラルキラー細胞が自然免疫に属し、
細胞傷害性T細胞(CTL)が獲得免疫に属します。

つまり、細胞傷害性T細胞は、異物(抗原)に特異的に作用する細胞なので、獲得免疫かつ細胞性免疫ということになります。

抗体は、獲得免疫かつ液性免疫、ナチュラルキラー細胞は自然免疫かつ細胞性免疫。

そして樹状細胞とT細胞(Th1とTh2)が、自然免疫と獲得免疫を繋ぐものになります。

次に、Th1とTh2に関して説明します。

1999年の論文の図と、2011年の論文の図を比較してみます。





1999年の論文では、Th1が細胞性免疫とIgG2a、IgG3、Th2がIgE、IgG1を産生するように説明されています。




2011年の論文になると、Th1はCTL(細胞性免疫)、Th2が抗原(液性免疫)となっています。

2009年の審議会でのTh1とTh2の議論は、2011年の論文の図と同じ解釈になっていますが、GSKの2009年の論文で引用したMLPがTh1であると書かれた論文は1999年の論文の図のようにTh1とTh2を解釈したものでした。

GSKがサーバリックスの承認のために提出した資料で、アジュバントAS04がTh1型の効果を示すという記述のTh1は、細胞性免疫のことではなく、IgG2やIgG3を産生することだった可能性があるわけです。

その後のGSKの論文からも、AS04がアラムに比較してIFNγを増加させているわけでもなかったことから、MPLが細胞性免疫を上げることはないことは明らかになっています。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その6

2019-11-27 | 資料November19
2009年10月にサーバリックスが承認される前に、GSKが医薬品医療機器総合機構に提出した書類には、サーバリックスのMPLが細胞性免疫作用があることが記載されていました。承認に先立つ審議会でも庵原先生と溝口先生が細胞性免疫作用について質問しており、細胞性免疫作用があることが重要なポイントになっていると考えられます。

では、GSKは実際にどのようにしてMPLに細胞性免疫作用があるのかどうかを確かめたのでしょうか。GSKのAS04に関する論文を調べたところ、MPLの細胞性免疫作用に最初に言及したのは、その4で紹介した2009年の論文でした。この論文には、MPLに関して以下のように記載されています。

「MPLがTLR4に結合して、NF-kBを活性化して、TNFαやIL6などの炎症性サイトカインを産生し、制御性T細胞の活性を阻害しながら、抗原提示細胞を成熟させることで、獲得免疫応答を向上させる。
MPLは抗原特異的CD4+T細胞によりIFNγの生産を促進し、免疫応答をTh1プロファイルへと偏らせていると一般に報告されている。
Th1免疫応答は、細胞の中の病原体に対する効果的保護作用(攻撃作用)に必要とされる。」

MPLが細胞性免疫作用がある根拠に使用した、「MPLは抗原特異的CD4+T細胞によりIFNγの生産を促進し、免疫応答をTh1プロファイルへと偏らせていると一般に報告されている」の文にある、報告とは、以下の論文です(オープンアクセス)。

内毒素の利用:安全で効果的なワクチンアジュバントとしてのMPL


この論文の中で、MPLの細胞性免疫作用あるいはIFNγについて述べている部分を挙げてみます。

『アラムは過去70年以上使用されており、全ワクチンの80%に含まれ、既に数億回以上使用されている。

このように広範囲に使用されていることは、アラムが安全で副作用が少ないことを示している。

しかしながら、アラムは主にTh2型抗体応答を促進し、IgG4とIgEを産生する。

これらの抗体は、病原体が感染した宿主細胞を殺したり貪食するよりもむしろ、細胞の外にある病原体に対する応答に最適である。

このアラムのTh2に片寄った特異的な原理は、明らかにされつつある。

実験動物では、アラムはGr-1+白血球の一部を刺激し、大量のIL-4を産生し、アラムと抗原注射後の6時間以内に古典的Th2サイトカイン、Gr-1+好酸球が召集される。

IL-4産生好酸球の招集が、アラムの使用に関するTh2バイアスを説明するかもしれない。

アラム以外のアジュバント設計が必要とされている。

HIV/AIDS、マラリア、結核ワクチンの失敗で、Th1型免疫の必要性が広く認められている。

Th1免疫は、IgG1とIgG3イソタイプを産生することが特徴であり、病原体や病原体感染宿主細胞をオプソニン化あるいは傷害することが可能であり(中和抗体により感染を不能とするのではなく)、同時に、感染宿主細胞を直接殺傷する細胞傷害性CD8+T細胞応答を生じる。

サブユニットワクチンは、Th2応答に片寄ったアラム以外のアジュバントがないことで、その開発が限定されている。

昨今、免疫強化の研究が躍進している。

これらの進歩の一つは、TLR、NLR、CLRなどの受容体、補体などが、広範な種類の微生物成分の自然免疫の認識に関与することが判明した点である。

従って、これらの成分がアジュバントの候補として研究されている。

この様な状況の中で、TLR4を介して獲得免疫を向上させるMPLが比較的安全な成分として注目された。

AS02はMPLとQS21を含む水中油滴型エマルションであり、マラリアワクチンの実地試験で顕著な防御作用を示した。

AS02のCD8+細胞傷害性T細胞の強化は、AS04のそれよりもさらに高く、一方(MPLとQS21のリポソーム型)は、更に強力であるが、副作用のリスクがより高くなる。(つまり、AS01 > AS02 > AS04)

他の多数の研究でMPLの免疫応答について調べられており、そのうちの多くで、Th1応答あるいはTh1とTh2が混合した応答であることがわかっている。

いくつかの研究では、Th1免疫応答が、抗原のタイプや、その投与経路(皮下注射対経鼻対筋肉注射)に依存することが判明し、MPLのTh1応答を促進する能力は、強力であるが圧倒的に強力ではないことを示唆している。』

以上が、論文の中で、Th1免疫応答、CD8+T細胞について述べている部分でした。

この論文が書かれた時期のTh1とTh2の理解ですが、

Th2 IgG4 IgE IL-4 好酸球
Th1 IgG1 IgG3 細胞傷害性CD8+T細胞(CTL) IFNγ

となっています。

ところが、審議会での庵原先生と溝口先生は、

Th1 細胞性免疫作用 (細胞傷害性、CTL)
Th2 液性免疫作用 (抗体)

として述べられていると思われました。

Th1とTh2の免疫応答の分類が、アレルギーの分野と、ワクチンの分野で違っている可能性があります。この点については、後述します。


GSKがMPLの細胞性免疫作用の根拠として引用したこの論文で、MPLがTh1優位だとしていますが、その根拠が、マラリアワクチンの実施で、MPL含有AS01,AS02,AS04が有効であったからで、細胞傷害性T細胞が産生されたことを証明するデータは示されていません。

GSKの2015年のB型肝炎ワクチンの論文で細胞傷害性T細胞が検出されなかったことから、IFNγの増加のみで細胞傷害性T細胞が産生されたとする解釈は、間違っている可能性があります。

しかも、IFNγの産生は、AS04よりも、サポニンを含むAS01,AS02の方が顕著に高いことも2015年の論文でわかりました。

つまり、GSKがサーバリックスの承認時に提出した資料にある、『MPLが細胞性免疫作用を有するという』記述は、実験で得たデータで科学的に証明されたわけではなく、IFNγが増加したことによる間接的なデータからの類推であり、しかも、IFNγの増加は、AS04よりもサポニンを含むAS01、AS02での方が顕著であり、AS04とアラムでIFNγの産生量に違いがなかったことをもってすれば、MPLがIFNγを増加させるということすら、怪しくなっています。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その5

2019-11-26 | 資料November19
今回紹介するのは、GSKのB型肝炎ワクチンの2017年の論文で、2015年と同様にAS01、AS03、AS04、アラムアジュバントを比較したものです。

AS01はMPLとQS21(サポニン)の両者を含み、AS03はスクワレン、AS04はMPLとアラムを含みます。

ワクチンの免疫原性で、初期の自然免疫反応を調べるための治験です。
ワクチン接種から7日間、血液中タンパク質、細胞性応答、mRNAを測定、また副反応症状との関連を評価しています。

要旨の最後に結論として、AS01とAS03が、IFNγのシグナル経路の活性化能力を有すると書いてあり、AS04については言及なしでした。


オープンアクセスなので、本文から、細胞性免疫に関する記載を拾ってみました。

(1) IFN-γ was only increased in the AS01B group at day 31 (1.5-fold). 

『IFNγは、接種31日目のAS01B群でのみ増加した。』

この結果は、2009年8月31日の審議会での「MPLがIFNγを増加させ、細胞性免疫をあげる」というGSKの主張と矛盾しています。

(2) No changes in gene expression patterns were seen in the Alum and AS04 groups after either dose 

『アラムとAS04群で、遺伝子発現パターンの差はみられなかった』

AS04に含まれるMPLが、アラムだけの場合とは異なるタンパク質を発現に寄与していないということで、MPLの細胞性免疫作用はますます怪しくなりました。

(3) After the second dose, at day 31, upregulation of the IFN-inducible genes STAT1, IRF1, MX1, and CXCL10 was observed in the AS01 groups

『 2回目接種後の31日、AS01群でIFN誘発可能な遺伝子の発現が上昇した』

細胞性免疫作用の指標として使用していたIFNですが、IFNを産生する経路に関与するタンパク質をコードする遺伝子の発現(mRNAで測定)は、AS01群だけで増加していたということです。


審議会のメンバーも、ポンスケ先生もすっかり騙されてしまったのでしょうか?



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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その4

2019-11-26 | 資料November19
グラクソスミスクライン社の研究者がAS04の作用について報告している論文にあたってみました。

2009年の論文です。


要旨のグーグル翻訳
「AS04は、TLR4アゴニストMPLとアルミニウム塩を組み合わせています。これは、ヒトワクチンでの使用が認可された新世代のTLRベースのアジュバントです。これらのワクチンの1つであるHPVワクチンCervarixは、ヒト細胞およびマウスにおけるAS04の作用メカニズムを解明するためにこの研究で使用されています。 AS04のアジュバント活性は、AS04と同じ筋肉注射で注入されるHPV抗原に厳密に依存することがわかった。互いに24時間以内のサイト。この期間中、AS04は一時的に局所NF-κb活性とサイトカイン産生を誘導しました。これにより、注射部位から排出されるリンパ節の活性化された抗原負荷樹状細胞および単球の数が増加し、抗原特異的T細胞の活性化がさらに増加しました。 AS04は、in vitroでこれらの抗原提示細胞を直接刺激することもわかっていますが、CD4(+)TまたはBリンパ球を直接刺激することはありません。これらのAS04誘発の自然反応は、主にMPLによるものでした。アルミニウム塩はMPLと相乗作用を示さないか、またはMPLを阻害しないように思われたが、むしろ注射部位でのMPLに対するサイトカイン応答を延長した。全体としてこれらの結果は、MPLのアルミニウム塩への添加が、抗原提示細胞の最適な活性化につながる局所サイトカイン応答を迅速にトリガーすることにより、ワクチン応答を強化するモデルをサポートします。これらの反応の一時的かつ限定的な性質は、AS04アジュバント添加ワクチンの好ましい安全性プロファイルのさらなる裏付けとなる証拠を提供します。 」

論文の内容をみてみます。


抄訳
「MPLがTLR4に結合して、NF-kBを活性化して、TNFαやIL6などの炎症性サイトカインを産生し、制御性T細胞の活性を阻害しながら、抗原提示細胞を成熟させることで、獲得免疫応答を向上させる。
MPLは抗原特異的CD4+T細胞によりIFNγの生産を促進し、免疫応答をTh1プロファイルへと偏らせていると一般に報告されている。
Th1免疫応答は、細胞の中の病原体に対する効果的保護作用(攻撃作用)に必要とされる。」

ここにMPLがTh1として作用させると明記しています。その根拠が、引用した文献9です。  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18668203?dopt=Abstract
この論文の該当部分は後に紹介します。


実験で、Th1に関連する記載です。

AS04の特徴として、すべてのT細胞の増殖に関与するマーカーであるIL-2が増加。
Th1作用のマーカーであるIFNγもAS04で増加。
Th2作用のマーカーであるIL-5は減少。
これらの結果から、AS04が、TLR4のアゴニストとしてTh1作用を促進させることが示唆されると結論しています。

ここでも、IFNγが増加することが、Th1作用を促進することの根拠となっています。

次に、2010年の論文をみてみました。


要旨のグーグル翻訳
「ワクチン誘導免疫に関する最近の知識は、ワクチンのニーズに合わせて特別に設計および適合されたワクチンアジュバントシステムの開発につながりました。 AS04は、GlaxoSmithKline Biologicalsによって開発された、調整されたアジュバントシステムです。この章では、AS04の前臨床評価中に使用された方法に焦点を当てます。 AS04は、アルミニウム塩と3( ')-O-脱アシル化モノホスホリルリピドA(MPL)の組み合わせで構成されています。また、MPLは、親LPS分子と比較して、炎症誘発性サイトカインをかなり少なく誘導します。 AS04の前臨床評価により、MPL粒子の最適サイズを決定することができました。 AS04ベースの製剤におけるMPLの付加価値は、アルミニウム単独製剤と比較して、より高いレベルの記憶B細胞の誘導と同様に、より高いワクチン誘発抗体応答によって証明されました。前臨床評価により、高レベルで長期にわたる抗体レベルが必要な状況でAS04を使用することの関連性が実証されました。これは、B型肝炎ウイルスおよびヒトパピローマウイルスに対するワクチンでのAS04の成功した適用の基礎を表します。」

この要旨では、MPLの付加価値として、記憶B細胞の誘導と抗体応答だけを述べています。高レベルで長期にわたる抗体レベルが実現されることで、細胞性免疫については言及なしです。

2011年の論文
要旨のグーグル翻訳
「新規ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、HPV-16およびHPV-18のL1タンパク質のウイルス様粒子、およびAdjuvant System 04(AS04)で処方されています。 AS04は、toll様受容体4アゴニストモノホスホリルリピドA(MPL)と水酸化アルミニウムの組み合わせです。 AS04アジュバントHPVワクチンは、15〜55歳の女性の子宮頸部粘膜での高レベルの中和抗体を含む、HPVに対する高い持続的な免疫応答を誘導します。最近、AS04の作用機序がヒト細胞でin vitroおよびマウスでin vivoで評価され、データはこの製剤の観察された免疫原性、有効性、および安全性プロファイルの分子および細胞基盤の証拠を提供します。このレビューでは、AS04アジュバントHPVワクチンを使用した免疫原性、保護、反応性に関するGlaxoSmithKlineの臨床研究の結果が、アジュバントの観察された作用メカニズムによってどのように裏付けられるかについて説明します。 HPV抗原に対する増強された抗体応答によって測定されるAS04のアジュバント活性は、AS04およびHPV抗原が互いに24時間以内に同じ筋肉内部位に注射されることに厳密に依存することがわかった。アルミニウム塩へのMPLの添加は、抗原提示細胞の活性化の増加をもたらし、CD4 + T細胞への抗原提示の改善をもたらす局所的および一過性のサイトカイン応答を迅速に誘発することにより、体液性および細胞性応答を強化します。 HPVワクチンに対するAS04のMPLの付加価値は、臨床研究において、高いワクチン誘発抗体反応と高レベルの記憶B細胞の誘導によって実証されました。ワクチンは、ワクチンに含まれていないいくつかの他の発癌性HPVタイプ(特にHPV-31、-33、および-45)に対する交差防御を誘発します。自然免疫応答の局所的かつ一過性の性質は、臨床研究で観察される許容可能な安全性プロファイルをサポートします。 」

ここでも、『体液性および細胞性応答を強化する』と記載しています。


この後に出た論文は2015年になります。
抗原にB型肝炎ウイルスを使用し、アジュバントとしてAS01,AS03,AS04を使用した治験の結果です。



この論文の考察に驚くべきことが書かれていました。



どのアジュバントでも、抗原特異的なCD8+T細胞応答は検出されなかったということ。動物実験や、末梢血単核球を使用した実験での結果と、ヒトでも治験の結果が一致しなかったとうことです。

また、CD4+T細胞の種類についての実験ですが、アジュバントの違いがT細胞の種類に反映されていませんでした。



AS04(赤)とアラム(黒)を比較してみても、ほとんど同じようなCD4+T細胞ができており、MPLがあるかどうかが、影響していないことがわかります。

もし、MPLが細胞免疫作用を示すなら、ここでIFNγ+のT細胞が増えていなくてはならないのですが、そういった結果は得られていません。


そして、追加の情報ですが、
AS04とアラムの副反応を比較です。左側が1回目接種、右側が2回目接種後です。
青が重篤度1、赤が重篤度2、緑の点線がすべての重篤度。
PA 疼痛; RE 発赤; SW 膨張; FE 発熱; FA 疲労; HE 頭痛; MY 筋肉痛; MA 倦怠感; GI 胃腸症状




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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その3

2019-11-25 | 資料November19
2014年のNIHの論文で、サーバリックスとガーダシルの免疫応答を比較した論文があります。



要旨のグーグルに翻訳

2つのHPVウイルス様粒子(VLP)ワクチン、HPV-16 / 18(GlaxoSmithKline、Cervarix®)およびHPV-6 / 11/16/18(Merck、Gardasil®)は、現在米国でライセンスされています。 2つのワクチンの抗原含有量は似ているが、アジュバント製剤が異なることを考えると、アジュバントを評価し、自然免疫応答と適応免疫応答の動態を比較するための効率的な方法を提供します。女性を無作為化してCervarix®またはGardasil®のいずれかを投与し、メーカーの推奨事項に従って6か月のワクチン接種スケジュールに従い、ワクチン接種に応じた体液性免疫応答、T細胞応答、および循環血漿サイトカインレベルを分析しました。 Cervarix®レシピエントは、7ヵ月目に抗HPV-16抗体と中和力価が高く、7ヵ月目と12ヵ月目に抗HPV-18抗体と中和力価が高かった。抗体結合力は2つのワクチンで類似していた。 HPV-31は、系統発生的に関連するワクチン以外のHPVタイプであり、交差防御の証拠があり、交差中和され、Cervarix®のみに反応するものでした。 12ヵ月目のCD4 + T細胞サイトカイン応答を比較すると、Cervarix®グループとGardasil®グループのIL-2およびTNF-αのレベルが増加する傾向があり、4つのテストHPVタイプすべてで一貫していました(16/18/33 / 45)。循環血漿サイトカイン/ケモカインのレベルの上昇は、Gardasil®レシピエントでの最初のワクチン接種後に観察され、炎症誘発性サイトカインは、1回目および3回目のCervarix®ワクチン接種後に上昇しました。 Cervarix®とGardasil®は、どちらも免疫原性の高いワクチンです。 Cervarix®を使用すると、2回のワクチンで同様の親和性成熟が測定されましたが、より高い抗体レベルとCD4 T細胞応答が達成されました。免疫応答の違いの臨床的意義は不明です。 


本文で、細胞性免疫の測定をした部分を紹介します。

HPVL1特異的T細胞応答

IFN-γ ELISpot.
末梢血単核球をL1ぺプチでで刺激し、IFN-γの産生量を比較する実験。
サーバリックス、ガーダシルとも、IFN-γを産生する細胞を増加させた。

細胞内サイトカイン染色によるT細胞応答
HPVL1特異的T細胞免疫応答を詳細に調べるために、CD4+T細胞とCD8+T細胞サイトカイン応答を分析。
ワクチン接種前にHPV L1特異的CD4+T細胞応答を示した被験者はいなかった。 応答が限定されているため、CD8+T細胞サイトカイン応答は分析しなかった(データ不示).

接種の12ヶ月後にCD4+サイトカイン応答を比較。ガーダシルに比較し、サーバリックスでIL-2とTNF-αの産生が増加。

       HPV16          HPV18



以上が実験結果で、この部分の考察が以下になります。

Although protection is believed to be primarily antibody-mediated induction of antigen-specific CD4+ T cell responses by the HPV vaccines have been previously demonstrated. Head-to-head comparison studies of the 2 vaccines have shown that HPV specific CD4+ T cell frequencies are higher in Cervarix® than Gardasil®. Consistent with these findings, in our study CD4+ T cells produce significantly higher amounts of IL-2 in response to HPV-18 L1 in Cervarix® recipients compared to Gardasil® recipients, and there is a general trend toward a higher frequency of CD4+ T cells producing IL-2 and TNF-α for HPV-16/18/33, and -45 in Cervarix® recipients. T cells are known to play an important role in the induction, duration and quality of antibody responses and thus, are likely to have some involvement in the differences in the antibody responses observed between the 2 vaccines. 

ここで、ガーダシルよりもサーバリックスの方がCD4+T細胞応答が高いこと、CD4+T細胞がIL-2とTNF-αを産生すること、最後に、T細胞が抗体応答の誘導、期間、質に重要な役割を示すと書かれています。


結局、この実験で細胞性免疫の指標になりそうなIFNγの産生について、ガーダシルとサーバリックスの間で顕著は差はなかったことが解りました。

論文の考察は、以下のように続きます。

Until the 2009 Food and Drug Administration (FDA) approval of a lipid-based adjuvant with a TLR4 ligand, the only adjuvant approved for use in the United States was aluminum salts (alum). Aluminum salt is the main adjuvant in the Gardasil® vaccine, while Cervarix® contains the AS04 adjuvant. Alum promotes a Th2 response and extends the time for antigen exposure through reorganization of antigen presenting cell (APC) lipid membranes. The AS04 adjuvant includes an aluminum salt and a TLR4 agonist MPL (3-O-desacyl-4'-monophosphoryl lipid A) that activates the MyD88/Trif pathways. AS04, delivered in the Cervarix® vaccine formulation, has been shown to induce a transient local cytokine response which leads to the activation of antigen-loaded dendritic cells and monocytes resulting in an enhanced activation of antigen-specific T cells as compared to alum alone. The AS04-induced innate responses are primarily due to MPL. These results are consistent with our findings of transient elevated pro-inflammatory circulating cytokines and increased antigen-stimulated T cell cytokine production in Cervarix® recipients. Early induction of circulating IL-6 6 hours following vaccination has also been shown in rhesus monkeys immunized with HIV-1 envelope gp140 (B.63521) adjuvanted with a TRL4 agonist, and these results are consistent with the increases we observed in Cervarix® in IL-6 at 7 hours following first vaccination. Given the potential differences in mechanisms of action of the adjuvants included in these 2 vaccines, the observed cytokine profiles may suggest an influx and activation of different cell types that may translate into differences in the circulating cytokines.

ここでは、AS04に含まれるMPLが、TRL4のアゴニストとして、炎症性サイトカインを増加させているとし、MPLの細胞性免疫活性に関する記載はありません。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その2

2019-11-25 | 資料November19
2009年8月31日の審議会で、庵原先生と溝口先生がサーバリックスの作用として、MPLの細胞性免疫について質問していました。

GSKが、医薬品医療機器総合機構に提出した「製造販売承認申請書添付資料 」から、細胞性免疫に関して言及している部分を紹介します。


(1)「緒言」から


『GSK Biologicals社は、高く持続的な抗体価および細胞性免疫(CMI)を誘導することで、より速やかでより強く、より長期間持続する防御効果を誘発させることを目的として、新たなアジュバントを開発してきた。 』

GSKの新たなアジュバントは、細胞性免疫を誘導するために開発されたと明記されています。

(2)「薬理試験」から

AS04アジュバントが「持続的に高水準の抗体を誘導して特異的な細胞性免疫を誘導する 」とされ、効力を裏付ける試験AおよびBを行っています。

試験Aは、ヒト末梢血単核細胞を使用して、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)が分泌されることを確かめています。

試験Bの記載は



動物実験で、AS04が強力かつ持続的に抗HPV-16 L1 VLP抗体および抗HPV-18 L1 VLP抗体を誘導し、IgG2a抗体、抗ウイルス作用を有するサイトカインであるIFN-γおよびTNF-α産生をより強く誘導したことを確認しました。

ここでは、抗体の測定はしていますが、細胞傷害性Tリンパ球の測定はしておらず、抗ウイルス作用を有するサイトカインであるIFN-γ産生が誘導されたことをもって、細胞性免疫が獲得できていると結論しているようです。

この次に、MPLの作用機序として示した図では、MPLがLPSと同じ機序でTLR4を介して自然免疫を活性化すると説明しています。


以上のように、「製造販売承認申請書添付資料 」においては、AS04が液性免疫と細胞免疫の両方を活性化すると明記していますが、実験で示されているのは抗体価だけであり、特異的な細胞傷害性Tリンパ球を測定しているわけでは無く、抗ウイルス作用を有するサイトカインであるIFN-γの産生をもって推測しているだけでした。

追加の資料:
ガーダシルが米国で承認されたときに、厚労省の審議会で提出された資料があります
平成18年4月~6月に欧米4カ国のいずれかの国で新たに承認された医薬品(類型I) 



ガーダシルの作用機序等は、「体液性免疫反応」でした。

もし、サーバリックスの効用として、「体液性および細胞性免疫反応の活性化」を謳い、これが嘘であった場合、米国では「虚偽請求取締法 」違反として、莫大な罰金が課せられる可能性があります。
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サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その1

2019-11-22 | 資料November19
サーバリックスが日本で承認される直前の薬事・食品衛生審議会の議事録から


09/08/31 平成21年8月31日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会資料
薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○庵原委員 二点お聞きしたいのですが、ワクチンを3回打ったあとの昆虫細胞に対する 抗体は検出されなかったのかというのが一点です。というのは、昆虫細胞の安全性という 意味で、これを見るとそのようなデータがなかったような気がしたので、それが一点です。  それから、これはアジュバントに水酸化アルミとMPLが使われているのですが、MP Lだけのアジュバント効果が基礎データにはないのです。なぜ二つ加えなければいけなか ったのか、その辺の根拠みたいなものについてメーカー側から情報はありますでしょう か。この二点を教えて下さい。 

○機構 昆虫細胞に対する抗体については、ある程度検出はされております。しかし、本 剤の接種によって特段上がるとは、現時点で報告されておりません。一点目はそれでよろ しいでしょうか。

 ○庵原委員 というのは、今、インフルエンザワクチンもバキュロ系で発現したものが日 本でも作られようとしています。そうしたときに、抗体が産生されたときにバキュロで発 現されたインフルエンザワクチンを打つと、さらに悪くなるのかならないのかとか。今後 バキュロ型で出てくるワクチンが増えると思いますので、これはこれでいいのですが、そ のほかのワクチンを打ったときに、これに対する抗体がさらに上積みされるのかどうか。 その辺りの情報は、やってみなければ分からないですね。

 ○機構 おっしゃるとおり、その辺りはやってみないと分からないことかと思いますが、 少なくともサーバリックスを打っている時点で抗体の異常な上昇は見られていないとい うところです。  

第二点のMPLの単独での検討ですが、少なくとも私どもで確認している中では、御覧 になったとおり常にMPLとアルミニウムと一緒の検討結果になっております。なぜ臨床 でMPL単独でやっていないのかという点については、今この時点では正確には分かりま せん。

 ○庵原委員 もし情報があれば教えてください。というのは、MPLがTh1型で動いて、 水酸化アルミはTh2型で動きます。それを二つ混ぜることがどういう意味を持っている のか、そこが理解できないのです。 

○機構 実は、GSKとしては、正に御指摘いただいたTh1とTh2と両方の効果を意 図してMPLを配合しているという背景があります。

(中略)

○溝口委員 血清抗体価の上昇が書かれていますが、細胞性免疫、CTLなどの上昇は海 外にデータがあるのでしょうか。 

○機構 どの試験でどの程度の項目ということは資料を確認しませんと明確にはお答え できませんが、少なくとも副次ですとか探索的に評価されております。


以上の会話から、サーバリクスのアジュバントAS04は、MPLがTh1(細胞性免疫=CTL)で、アラムがTh2(液性免疫=抗体)で作用すると考えられていました。

前回紹介した、子宮頸がん治療ワクチンは、Th1で作用させるものですが、MPLを使用しているわけではなく、全く別の概念のワクチンになっています。

この点の矛盾について、調べてみることにしました。
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