日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ユニクロの次の仕掛け

2010-05-06 18:07:49 | ビジネス
新聞各紙のWEBサイトに、ユニクロ、4月も12%減 天候不順で2カ月連続2ケタの落ち込みという内容の記事が掲載されている(紹介記事は産経新聞)。

確かに、この3・4月は天候不順というレベルではなく「異常気象」だった。
「開花した桜に雪が積もる」という景色などは、見た記憶がない。
それほど、わずか1週間ほどの間に初夏と真冬が行ったり来たり、という3・4月だった。
とすれば、ユニクロの落ち込みは何もユニクロに限ったことではない、という気がする。
事実、この間にもヒッソリと完売した商品がある。

それは発売前に新聞に大きく一面広告を出した、「スタイルアップ」という女性用の下着だ。
最初は、ボトムのみの販売で、それから3週間ほど遅れて、トップスを発売したのだが価格が1,000円だったこともあり、あっという間に完売してしまったようだ。
私なども興味があったので、発売後店頭へ何度か足を運んだのだが、一度もお目にかかることなく終わってしまった。
もちろん、生産量の問題もあるのかも知れないが、一昨年の「ヒートテック人気」を思い起こさせるほどの人気ぶりだったようだ。

逆に考えれば天候不順云々とは関係なく、それなりの市場性を考えた商品があれば、商品が売れるというコトなのだ。
この「スタイルアップ」という商品は、その名の通り「着ただけで、スタイルが良くなる」というコンセプトの商品。
実は、このような商品は以前からあった。
薄手の補正機能付きインナーと呼ばれるモノだ。
ただし、価格的にはユニクロの3、4倍の価格で、とても気軽に買えるという値段ではなかったことは確かだ。
だからと言って、単純に多くの女性がユニクロに飛びついたという訳ではないと思う。

価格面+機能性を明快に打ち出したことで、受け手となる女性たちの興味を引くことに成功したのだ。

そして、今日同じくユニクロの記事として新聞各社に紹介されている、「ブラトップ」などは昨年から引き続き人気の高い商品だ。
最近では、ユニクロ以外のお店で見かけることが多い。
価格も「ユニクロ」を意識してか、ユニクロよりも安い価格設定になっていることが多い。
ところが、実際着てみると「ユニクロ」と「それ以外」では、ユニクロの方が着心地がよいのだ。

そこがユニクロの仕掛けなのだと思う。
市場全体を広げるためには、他社を巻き込むような話題作りをし、一つのテーマ(「ブラトップ」の場合は、「ブラ+αの機能付きトップス」)に特化するコトで、他社との差別化を図るような仕掛けをしているように思えるのだ。