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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日産はどうなってしまうのか?

2025-05-14 19:06:43 | ビジネス

今朝の一般新聞の一面には、前日発表された日産自動車の記事だったのではないだろうか?
時事通信:日産、7工場・2万人削減 25年3月期6700億円の赤字ー国内もリストラ加速、取引先絞り込み 

この純損益赤字額は、当時ルノーの社長であったカルロス・ゴーン氏が、日産自動車社長に就任した時以来、という話を聞いた。
確かに、ゴーン氏のリストラ策は、熾烈というか温情が感じられるものではなかった。
その甲斐もあり?日産はV字回復もした。
その回復檄が、ゴーン氏を長い間日産自動車という企業のトップに君臨させ続け、企業内における権力が集中することで、好き勝手なことをするようになった、ということになると思う。

ゴーン氏のことはともかく、現在の日産自動車の社長は日本人ではなくイヴァン・エスピノーザ氏が就任している。
そして、執行役員5名中日本人は2名だけだ(中国人であるスティーブン・マー氏は、中国担当執行役員なので、当然かもしれない)。
日産自動車HP:執行役員 

この執行役員の中でも特に注目される人物は、社長であるイヴァン・エスピノーザ氏と財務担当のジェレミー・パパン氏だろう。
日産自動車の再建は、このエスピノーザ氏とパパン氏が中心となって行われるであろう、ということは一目瞭然だ。
言い換えれば、日産自動車という日本の企業の再建は、外国籍経営者に託された、ということでもある。

なぜ、それほどまでに日本人の経営陣がダメになってしまったのだろう?
このことは、ホンダと日産自動車の経営統合の話が出た時に判明したことだが、とにかく日産自動車には「役員」が多すぎた。
確か、トヨタ自動車よりも役員の人数は多かった気がする。
実際、紹介をした日産自動車のHPにある役員、執行役員、エグゼクティブ・コミッティ、チーフ、マネージメントコミッティ議長と、役職者の中にも階層のようなものがある、ということが分かる。

当然、役員が多ければ、それなりに支払われる総報酬額も巨額になる。
今の日本の多くの企業は、「多くの役員に支払う報酬額を減らす」ということが、当たり前になってきているのに、時代と逆行するかのような経営状態であった、ということが判明したのだった。

今回のリストラ策を新聞報道などで知った時、これらの「階層役員」はどれだけ減るのだろう?ということが、気になった。
現場で働く人達を削減するのであれば、真っ先に減らすべきは役員の人数だろう。
それだけでも、焼け石に水であっても、少しは改善するはずだ。

閉鎖を予定している国内外の7工場に関しては、稼働率が悪い?工場の閉鎖は当然だろうし、それが米国を含む海外の工場であっても仕方ない。
ただ、何故日産自動車はこれほどまでに「手を広げた経営」をしてきたのか?という疑問だ。
カルロス・ゴーン氏の容赦ないリストラによって、企業としてV字回復したことに安心しきってしまったのか?それとも、他に要因があるのか?
日本経済が30年以上、低迷しているにしても、ゴーン氏の強硬なリストラ後の経営に驕りのようなものがあったのでは?という、気がしている。

「自動車メーカー一人勝ち」と言われている、トヨタ自動車でさえこれほどまでに手を広げた拡大策をとっていたような印象がないからだ。
例えば、EV車や次世代のEV車に代わる環境性のが良い自動車を含む移動システムへの投資の代わりに現行の自動車の車種の見直しなどもしてきたのでは?
いわゆる「経営資源の優先順位」を考えた動きをしていた結果として、「一人勝ちトヨタ」という状況になっているのでは?
もちろん、ここ10年位トヨタは様々な自動車メーカーを傘下にしてきた、ということも「一人勝ち」の要因ではあるはずだが、だからと言って傘下に置いた自動車メーカーの特色を潰すような動きは見せていない。
下手に「トヨタカラー」を打ち出さなかったこともまた、「一人勝ちトヨタ」の理由なのかもしれない。

ホンダに関しても、7割近くの減益が見込まれているが、この要因はトランプ関税だとすれば、回復の見込みはあるだろう。
トヨタ自動車と双璧をなして日本の自動車産業をけん引してきたはずの日産の凋落ぶりは、日本の企業システムの凋落なのかもしれない。



日本の経済政策は、どこで間違ってしまったのか?

2025-04-27 09:35:34 | ビジネス

昨年から続くコメ不足。
備蓄米放出と言っても、先日発表された流通量は、放出量に対してわずか0.3%だった。
政府側は「流通と精米などが上手くいかなかった」という、趣旨の発表をしているが、多くの生活者はその発表を信用していないだろう。

反面、日本のお米は「安価で美味しい」と言われてきた。
日本から米国に輸出されたお米が、カリフォルニア州のスーパー(?)で販売された動画には、コメ不足の日本とは真逆で産地も様々ないわゆるブランド米が円安とはいえ、相当な安価で販売されていた。
当然、この動画を日本で見ている日本の生活者は「政府は一体何をしているんだ!」と、怒り心頭だった。

ここで、改めて考えてみたいのは「日本国内で流通しているお米は、本当に高いのか?」という点だ。
今回のコメ不足で判明したのは、コメ農家がコメ栽培に関する時給の安さだ。
手間をかけて作ったお米に対する対価が、安すぎるのだ。
とすれば、現在流通しているコメの価格とコメ農家が手にする対価の差額がありすぎる、ということになる。
ガソリン価格の高騰で、物流コストが高騰する、という条件を別にして本当の「小売りされているコメ価格の適正価格とは?」ということを、考えてみる必要があるのでは?ということだ。

それはコメに限らず、野菜や水産や牧畜にも言えることで、「国内産」の食料品が生活者に与えているモノは「食品」という物質的なモノだけではなく、「食の安心・安全」も提供している。
そのような「食に対する安心・安全」も価格に含まれるようにしなくては、「食の適正価格」が見えてこない。

それに対して、それらの「食」を購入する生活者の実質賃金が、ここ30年下がり続けている。
「食」の重要性を理解しつつも、最低限の「安心・安全」を含めた「食」を購入したくても、「安価」が食品購入の動機となっているのであれば、今の「国産の食」を購入することが難しくなる。

これらの関連が、今の「食と農水畜産物価格」のギャップが、生まれているのでは?という気がしている。
国内の農・水・畜を守るためには、生活者が安心して「国内産」を購入できるだけの所得が、必要ということなのだ。
言い換えれば、今回の「コメ不足」で露呈した問題は、単純な農政の失敗だけではなく、経済対策の失敗ともいえるのではないだろうか?
実質賃金が上がっていないのではなく、生活者が安心して「国産農・水・畜産物」が購入できないまでに、経済が落ち込んでいるということなのだ。
そこに注目せずに、農政を考えたり、中小企業を含めた経済政策をバラバラに考えても、国内全体の経済効果として現れない、ということになるのでは?

1960~1970年代前半までは、そのような事を考える必要がない「高度成長」をすることができた。
現役世代も多く、あらゆる業種で若い人たちが、活躍できる場があったし、その活躍の中心であった工業(第2次産業)に従事することで、バランスよく(と言ってよいのだろうか?)日本経済を伸ばすことができた。
当時の感覚では、政府が中心になった政策そのものが機能していなくても十分だった。
ところが今は、そのような時代ではない。
農・水・畜産業の現場はもちろん、中小企業の現場も知らない、数字合わせの政策では日本の経済政策は、ますます失敗し続けるのではないのか?と、不安になる。


「電通」がスポーツイベントから、外れるということ

2025-04-23 11:48:39 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、「国際的スポーツイベント中継が、地上波から無くなるのかな?」という、記事があった。
東洋経済on-line: 【スクープ】2026年ワールドカップ放送権でFIFAが博報堂と交渉か→「電通外し」へ動いた真因をFIFAに直撃すると意外な狙いが見えてきた 

「日本における国際スポーツイベントの仕切り役と言えば、電通」と言われるほど、電通の力は強かった。
特にサッカーにおいては、電通とFIFAのマーケティング会社・ILS社が突然倒産したのは2001年だった。
日韓W杯開催前年の倒産ということで、チケット販売などが混乱に陥った、ということを覚えていらっしゃる方もいるのでは、無いだろうか?
ILS社が倒産した時、電通は既に資金などを引き上げていたため、電通側はILS社との関係を否定することになったのだが、ILS社そのものはアディダス社と電通が共同で設立した、FIFA専用のイベント会社であった、と言っても過言ではない(と、再三言われてきた)。

FIFAにとって、アディダス社と電通は最大スポンサーであり、実質的な運営会社であった、と考えてもよいだろう。
それほど「蜜月状態」であった、FIFAが電通を外しにきている、というのは衝撃的なことだ。
まして、日本サッカー協会と電通、そしてアディダス社との関係は長く、深い。
日本代表の国内外の試合は、電通が仕切ってきた、と言っても良いだろう。

もちろん、FIFA側の言い分もわかる。
FIFAという組織も一枚岩という訳ではなく、むしろ「南米vs欧州」という、組織内での権力争いが常に起きている。
FIFA組織内で圧倒的な権力者であった、ブラッター氏の失脚は欧州役員にとって自分たちの権力拡大のチャンスでもあった。
とすれば、欧州役員にとって南米側に近いとされてきた電通を排除したい、という考えが起きるのは当然のことだろう。

だからと言って、博報堂が日本代表の試合が仕切れない、という訳ではないと思う。
というのも、Jリーグの運営には博報堂が大きく関わっているからだ。
日本代表関連は電通。Jリーグ関連は博報堂。というすみ分けができているからだ。

博報堂に力がない訳ではない。
ただ電通はサッカーW杯だけではなく、オリンピックや国際陸上など、世界規模のスポーツイベントを企画段階で仕切り、放送権などの調整をし、事前イベントなどを行ってきたからだ。
現在開幕中の「大阪・関西万博」も、電通が数々の不祥事発覚により、企画・運営から降りたため、数々のトラブルを解決できていないのでは?という、指摘すらあるほどだ。
今や電通や博報堂といった「広告代理店」は、テレビ局などのスポンサー探しから広告制作などを請け負う企業というよりも、国際的なイベントの誘致から企画、運営、キャラクターデザインの選考、販促企画などなど、実質的な運営母体となっているのだ。

そのことを考えると、FIFAが電通を排除するということは、これまでの電通とFIFAの関係を断ち切る、ということであり、懸念されるのは、むしろこれまでのFIFAと日本サッカー協会との関係が、大きく変わるのではないか?という点なのだと思う。



トランプ氏の翻弄される、世界経済-トランプ氏の目的は?

2025-04-19 08:55:12 | ビジネス

世界の経済が、トランプ関税に翻弄されている。
今日の夕方、FRB議長解任検討、というニュースまであった。
REUTERS:トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるFRB議長批判 

この見出しにある「NEC」とは、当然のことながら日本の電機メーカーNECのことではなく、「米国家経済会議(National Economic Council)」の略である。
これまでのトランプ氏の「関税」に関する発言を見て見ると、
「米国の貿易赤字を無くしたい→海外からの輸入を減らす→減らす為に関税を上げれば、米国産の商品を安く提供できる→貿易赤字が減る」という考えなのでは?という気がしてきた。
確かに、米国内で一貫生産できる製品であれば、この方法は一見有効のように思える。
何故なら、海外から部品を含む製品を輸入せず、輸出のみを行えば、貿易赤字そのものは減ると考えられるからだ。
言い換えれば、経済のみの一方的鎖国状態をつくる、という感じだろうか?

しかし残念ながら、現在米国で生産されている工業製品の部品の多くは、米国内で生産されているものは極わずかで、海外から輸入している、というのが現状だ。
とすれば、関税を上げる=米国での生産するための部品が値上がる=米国内で販売される米国企業製品が値上がる、ということになる。
そのような事を、トランプ氏は考えているのだろうか?ということなのだ。
そのことに気づき、米国内で販売価格が急騰しそうなスマートフォンとPCに対して、相互関税見送りを決めた、と考えべきだろう。

これらの動きから考えられるのは、トランプ氏の経済に対する考えがとても単純である、ということだろう。
「貿易赤字を減らす=輸入を減らし輸出を増やす」ということは、確かに基本的な考え方ではあるが、そのような考えが通用していたのはおそらく第2次世界大戦直後までなのではないだろうか?
少なくとも、日本が高度成長期を迎える様になった頃には、米国に対する日本の輸出額は増え始めていたはずだ。
それが日本から韓国、韓国から中国、中国からアジア全地域へと広がっているのが、現在のグローバル経済なのでは?と、考えるのだ。

それだけではなく、トランプ氏自身は安保を含む国際関係についても、十分な理解がされているとは思えない。
ただトランプ氏が考えるのは、米ドルを外に出したくない!という1点のような気がする。
それは先日のトランプ氏が突然出席を決めた、赤沢経済再生担当大臣との話し合いだ。
トランプ氏が「日本に駐留している米軍の人件費を含めた全ての費用を日本に求める」という、内容だったのだが、このトランプ氏の主張は以前トランプ氏が大統領になった時と全く変わってはいない。
少なくとも「日米地位協定」があるために、沖縄の生活者は駐留している米軍兵の犯罪行為を、追及できず泣き寝入りの状況が続いている。
他にも「思いやり予算」と言われる「駐留費負担」をしている。
なぜ、米軍所属の人件費(米国の国家公務員というべきか?)の費用まで、駐留国に負担させる整合性の無さに、トランプ氏は気づいていない(気づこうとしない)のだ。

そこにあるのは、米国のお金(もしかしたら、自分の懐のお金という感覚かもしれない)を、少しでも減らしたくない、という考えばかりで、国際経済や国際的安保という視点はない、ということなのでは?
だからこそ、自分の考えに反対する人や組織(大学や政府機関)をどんどん減らす・無くすという、単純な発想になるのだと思う。



メタンガスだけではなかった、大阪・関西万博の問題

2025-04-14 18:09:14 | ビジネス

昨日開幕した、大阪・関西万博だが、初日からトラブルに見舞われたようだ。
最大の要因は、雨だったのかもしれない。
大屋根リングは雨漏りが発生し、雨宿りをする為に大屋根リングに入った人達が、傘をさしている写真が、毎日新聞のWeb版に掲載されている。
毎日新聞:万博の大屋根リングで雨漏り 協会が補修へ 支出は小規模の見通し 

昨日は時折横殴りの雨が降るほどの荒天だったようなので、大屋根リングのような構造では屋根の下にいる、という状況ではなかったのかもしれないが、それにしても写真で見る限り「雨漏り」ではなく「屋根の意味があるの?」という印象を受けてしまう。

先日来から問題になっている「メタンガス」についても、その要因は下水汚泥を埋め立てに使ったから、というのが理由だったようだ。
下水汚泥を使う計画で、事業が進んでいたのであれば、最初から「メタンガスが発生する」という、想定はされていたのでは?と、素人考えをしてしまうのだ。
「メタンガス」だけではなく「硫化水素」も発生している、という調査レポートがあったようで、このことは衆議院でも取り上げられていたようだ。
衆議院質問本文情報:大阪万博会場における硫化水素の発生に関する質問主意書 

この質問主意書が提出されたのが、昨年10月のことなので現在は状況が変わっているかもしれないのだが、万博会場のトイレが汲み取り式、という点でもこのようなトラブルが起きやすい状況をつくったのでは?という気がしている。

この文を読まれて、「万博のトイレって2億円とかかけていたはずなのに、汲み取り式なの?」と、疑問に思われる方もいらっしゃると思うのだが、万博の公式サイトにも「契約情報」として、きちんと掲載されている。
大阪・関西万博公式サイト:契約情報 

ということは、今回問題となっている様々な要因は、埋め立て土砂から始まり、外観だけ膨大なお金をかけたにもかかわらず、下水処理システムを十分にできなかった、ということも関係している、ということになるのではないだろうか?
とはいえ、既に開幕してしまった万博。
今後どうする必要があるのだろうか?と考える必要があると思う。

今回発覚した「メタンガス・硫化水素・アンモニア」は、上手に活用すれば「次世代エネルギー」として活用できる物質でもある。
東北大学 シリーズ代替エネルギー2:下水汚泥から水素エネルギーの開発

今更、これらの物質をエネルギーに変えるプラントを建設する時間はないとは思うが、それでも会期終了までに少しでも活用する方向性を検討する意味はあるのでは?と、素人ながらに考えるのだ。
何故なら、今回の万博のテーマに「未来社会のデザイン」という言葉が含まれているからだ。
次世代エネルギーを万博施設内でつくりだし、活用することは、国際的紛争の要因の一つとなる「エネルギー問題」の解決の一つを提案することができる。
「世界の人たちのいのち」という視点でも、整合性がとれるのでは?

2億円のトイレやギネスに登録されるような巨大木造建築物が、「いのちかがやく未来社会のデザイン」なのか?
そのような視点やアイディアが設計段階で行われなかったことが、とても残念に思う。

 

 


トランプ関税の根拠に、驚く

2025-04-05 20:09:45 | ビジネス

昨日、「トランプ関税が引き起こすトランプ不況」というテーマで、エントリをした。
昨日のエントリでも少し触れたのだが、途上国と言われる国々に対する関税率が目立って高かった。
確かに中国は、34%と高いのだが、これはこれまでのトランプ氏の発言などから考えれば、あり得る関税率だった。
しかし、他の高関税の国々というのは、上述した通り途上国がほとんどで、1国で考えた時、米国との輸出額が多いと、感じるような感じるものではなかった。

経済力があるとは思えない国に対して、高関税を課すということは、それらの国々からの輸入を止める、ということでもある。
考え方を変えれば、高関税を課す国と米国は付き合わない、という宣言の様でもある。
とはいえ、昨日エントリした通り高関税を課される国の中には、鉱物資源が豊かな国も含まれているので、輸入が止まることで米国内の産業にも影響を与えるのでは?ということが考えられる。
そう考えると、なんとも不思議な関税の課し方だ。
その根拠について、Huffpostにあった。
Huffpost:トランプ関税の根拠になる「計算式」が物議。識者は「恥ずかしい」と反応 

記事中にもあるのだが、「米国の貿易赤字を米国への輸出額で割った数値」だと考えれば、途上国への高関税であるという理由もわかってくる。
何故なら、途上国は米国へ輸出するほどの産業も経済も発展していないからだ。
このような国に対して、高関税を課すということで米国はどれほど貿易赤字を解消することができるのか?というと、甚だ疑問だ。

では、この相互関税について、トランプ氏はどう考え・何を目的としているのだろう?
まず考えられるのは、貿易赤字の解消だろう。
というよりも、それしかないだろう。

しかも「数字上の貿易赤字の解消」なのでは?という気がするのだ。
貿易と産業という関係での視点ではなく、単純な数字合わせなのか気分なのか?というところだろう。
何故なら、先日あった「日本のコメに対して700%の課税」という話が、今になって、なかったことになっているからだ。
とすれば、石破さんは急いでトランプ氏との会談を進める必要はないのでは?という、気がしてくる。
トランプ氏の気分に振り回されるのではなく、日本経済の立て直しのために、何を優先すべきなのか?
なにより「日本が、トランプ不況に巻き込まれない為には何をすべきか?」ということを、考える必要があると思うのだ。


 


「トランプ不況」が、始まる?

2025-04-04 20:58:17 | ビジネス

昨日トランプ大統領が発表した「関税率の引き上げ」によって、米国株安という状況になっている。
この状況により、相場のプロは逃げ出し、個人投資家は逆張りをしている、という記事がBloombergにあった。
Bloomberg:プロも逃げ出す米国株安、個人投資家は逆張りー10年後の利益期待 

トランプ関税が発表されてから、米国株は下落した。
代わりに日本の円が高くなり、久しぶりに「円高」という言葉を聞いた。
考えてみれば、トランプ関税はメキシコとカナダといった、特定の国に対する関税率の引き上げではない。
それこそ、米国と取引をしている世界各国の国を対象としている。
いうなれば、トランプ関税は世界に経済的喧嘩を売った、という感じなのではないだろうか?
だからこそ、米国株が安くなってしまったのだろう。

今朝の新聞を見ると、トランプ関税率が大幅に上がった国々というのは、アジアの国々が目立ちインドのように経済発展が目覚ましい国もあれば、カンボジアやスリランカ、バングラデシュといった、紛争から立ち上がろうとする国もある。
もちろん、中国も含まれているのだが、中国とこれらの国々と同じと考えるべきではないと思う。

国名を見て何となく感じることなのだが、これらのアジアの国々の中には貴重な鉱物資源を持っている国も含まれているのでは?ということだ。
言い換えれば、これらの鉱物資源を輸入して米国内で様々な製品を製造・販売している企業があるのでは?ということなのだ。
2011年に発生した、東日本大震災では、iPhoneなどの部品を製造していた企業が東北にあったことで、製造できないという時期があったと記憶している。
それが「グローバル経済」の典型と、言えるのではないだろうか?

確かに、トランプ関税により原材料から製造に至るまで、米国内で完結しているモノであれば、米国中西部の労働者にとって朗報となるだろう。
しかし、今はそのような時代ではない。
相当の原材料を海外から輸入し、米国内で製造をしているはずだ。
トランプ大統領の主要支持者となっている人達に恩恵を与えるはずの、トランプ関税はその実主要支持者の仕事を奪う可能性もある、ということなのだ。

そして、日本に目を向けた時考えるべきことは、アジア圏での経済・産業の連帯を日本がリードする、ということだと思う。
と同時に、日本国内で衰退した産業の復活を考えるべきなのでは?
昭和の頃は、日本は国を挙げて輸出に力を入れ、それが日本経済の発展を支えることになった。
残念ながら、そのビジネスモデルは既に通用しない時代になっている。
トランプ政権では、高等教育に関しても予算の削減などを掲げたことで、優秀な若い研究者が新しい研究場所を求め、世界に出ようとしている、という話もある。
とすれば、私立高校の授業料無償化よりも、若い研究者との共同研究の機会を公立高校位の頃からスタートさせ、日本型スタートアップ企業の育成を考えるという、発想があってもよいのでは?

トランプ関税により、日本の輸出産業が痛手になる!と、騒ぐだけではなく、今一度日本国内の産業や教育などに目を向け、アジア全体の経済・産業・文化の連帯を日本がリードする機会だととらえることも重要な気がするのだ。



フジテレビの問題は、コンポライアンスの欠如だけではないかもしれない

2025-04-02 17:04:02 | ビジネス

先日、フジテレビのセクハラ問題に対する第三者委員会からの報告があった。
フジテレビ:調査報告書(公表版) 

PDFファイルで290頁あまりの報告書なので、読むだけでも大変だ。
要約版もあるのだが、こちらでも60頁近くの内容だ。
それだけ丁寧な調査内容であった、ということでもあると思われるのだが、要約の要約メディア報道によれば、取締役クラスがこの問題に直接かかわっていた、ということが分かったらしい。

そして、この問題が発覚することとなった事件に関しては、既に削除されたデータを復活・解析までしているようだ。
事件が発覚してから、「これはまずい!」と思って、データを削除したのだろうが、そのようなわけにはいかなかったようだ。
何となくだが、フジテレビ側は第三者委員会がここまでするとは思っていなかったのでは?という気がしている。
というのも、この調査を行っている最中も当事者の一人である人物が、堂々と報道番組のキャスターとして、登場していたからだ。
毎日新聞:反町キャスター、出演当面見合わせ セクハラ・パワハラ認定 BSフジ 

テレビそのものを見ないので、この反町キャスターという方がどのような方で、日ごろどのような話をされているのか存じ上げないのだが、少なくとも報道番組のキャスターであれば、過去に海外で起きたセクハラ報道などもしてきたのではないだろうか?
本人もセクハラ・パワハラをしているのに、どのような気持ちでキャスターとしてテレビカメラの前で、話をしていたのだろう?
その神経というか、図太さに驚かれた人は、多いのでは?

と同時に、何故そのような人物をフジテレビは報道番組のキャスターとして起用していたのだろう?という、疑問もわいてくるのだ。
少なくとも、フジテレビ局内でも噂程度はあったのでは?
その噂を無視していたのか、反町理という人物が社内権力があり、握りつぶしていたのか?それとも、セクハラ・パワハラを「武勇伝」ととらえるような社内であったのか?ということだろう。

気になるのは、フジメディアホールディングスとフジテレビの問題取締役が全て退任した後で、第三者委員会の報告書が発表された点も気になる。
31日の会見では、問題とされた取締役以上の人達ではなく、新しく社長となった方がされていた。
当事者となるべき人達の姿は、そこには無かったのだ。
当事者を記者会見の場に登場させなかったことで、フジテレビやフジメディアホールディングスは、責任の所在を追及させないという方法を取ったようにも受け取れる。

それだけではなく、この反町キャスターに対する「当面、出演を見合わせる」という、処遇に対しても疑問に感じるのだ。
これだけ問題となった人物に対して、なぜ番組降板を言い渡せないのだろうか?
このような態度がフジテレビとフジメディアホールディングスの本質的問題の一つのような気がするのだ。


岡山の山林火災の原因から考える、林業の在り方

2025-03-30 11:03:23 | ビジネス

今年は、全国各地で山林火災が発生しているような気がする。
山林火災のニュースを聞く度に、「去年はこんなに山林火災があったかな?」と、感じるのだ。
岩手県・大船渡で発生した山林火災は2週間程度を要して,、鎮圧した。
やっと鎮圧したんだな~と、思っていたら今度は岡山県と愛媛県の両県でほぼ同時に山林火災が発生した。
そして、先日の雨で鎮圧が発表された、岡山県での山林火災の原因らしきものが、分かったようだ。
NHK NEWS:岡山 山林火災の原因 伐採した木を焼却した際 火が燃え移ったか 

まだ特定されたわけではないので、このニュースの原因が本当なのか?ということについては、断定することができないが、要因の一つとして考えるのであれば、現在の林業における問題が含まれているのでは?という気がしたのだ。

覚えていらっしゃる方も多いと思うのだが、「コロナ禍」で輸入木材が入ってこない、という時期があった。
建築資材として必要な木材が不足する、という事態は「ウッドショック」と呼ばれ、国内の木材需要を急激に増やした。
結果として、国内の木材そのものも高騰する、ということが起きたのだ。

ただ、建築資材として使える国内産の木材は、数年前に切り出されたものであり、前日に切り出した木が明日使える、という訳ではない。
「コロナ禍」時に切り出された木が、建築資材として使えるようになるのは、早ければ今年あたり位だろう。
「ウッドショック」によって、改めて注目されたのが、昔からの建築資材の産地であり、今回の山林火災地域と重なる部分があるのでは?と、考えている。
とすれば、NHKのニュースも信ぴょう性がある気がするのだ。

とすれば、伐採(おそらく間伐した木なのでは?と想像している)木を、焼却処分するのではなく、利用する仕組みをつくることが、山林火災の予防対策になるのでは?と、思ったのだ。
上述したように、切り出した木が建築資材として使えるようになるのは、数年~10年位の時間がかかる。
それは、切り出した木そのものが大きなものだからだ。
それが間伐材となると、その期間はずっと短くなる。
昨今の「薪ストーブ」ブーム(?)で、薪ストーブ用の薪を入手するのも大変だという話も聞いたことがある。

昭和40年代前半までは、「燃料店(多くは米穀店と兼業だったかもしれない)」と言って、薪や炭などを販売するお店があったが、石油ストーブやエアコンの普及で、需要が激減、しほとんど廃業されたのではないだろうか?
そのような事もあり、間伐材そのものを販売する先が無くなっていることを考えると、改めて森林組合と薪ストーブ取扱い事業者とが共同して、薪を販売することで、林業従事者の収入に結ぶ付けるという仕組みづくりをしても良いのでは?

それ以外に、ペレットなどに加工し、ペレットストーブ向けに販売したり、「セルロースファイバー(現在は新聞などの紙製品から加工されているようだ)」のような建築資材に加工する、ということを積極的に考え、ビジネス化することで、山林火災のリスクを減らすと同時に林業に携わる人たちの収入を増やす、ということも考えていくことが必要なのではないだろうか?


トランプ大統領の暴走?本当に自国ファーストなのか?

2025-03-12 19:25:35 | ビジネス

今日の夕方のニュースで、米国・トランプ大統領がアルミニュウムや鉄鋼などに対する輸入関税を25%引き上げる、と発表した。
しかも、これまで例外的措置とされてきた日本に対しても、同様に関税を課す、という発表だった。
日経新聞:トランプ政権、鉄鋼・アルミ25%関税発動 日本も対象 

これまでのトランプ政権の考え方は、「自国ファースト」だった。
自国の産業を守るため、輸入される様々な物に大幅な関税率を上げる、というのがその手法だった。
今回も、その手法に準じたに過ぎないのだが、本当に「自国ファースト」という政策なのか?という、疑問が出ている。
Reuters:米のアルミ関税、国内で10万人の雇用喪失招く可能性=アルコアCEO 

Reutersの見出しにある「国内」というのは、米国内のことを指している。
トランプ政権のこれまでの考えは、上述した通り「自国ファースト」であり、米国内の雇用を守るための関税の引き上げだったはずだ。
しかし、今回の関税25%は、逆に米国内のアルミに関わる産業従事者の内10万人という、大規模な失業者を出しかねない、という話なのだ。

では、もう一つの鉄鋼はどうなのか?というと、米国の主な鉄鋼会社の3社の経営トップは「例外なく関税のアップ」を、トランプ政権にしていたようだ。
Bloomberg:米鉄鋼大手首脳。関税適用例外なく認めぬようトランプ政権に要請 

とはいうものの、関税を上げることで米国内での鉄鋼産業は決して順調とは言えない状況にあるようだ。
一つは建築資材としての鉄鋼が低調である、ということ。
米国のインフレや高い借り入れなどにより、米鉄鋼業界自体は、決して利潤を上げているという状況ではないからだ。

そう考えると、今回のトランプ政権の鉄鋼・アルミの関税アップは、米国内における産業に対してダメージを与える可能性が高い、ということになる。
にもかかわらず、トランプ政権は「自国ファースト」を掲げ、様々な分野の関税の引き上げを打ち出そうとしている。

そのような状況を見て「トランプ大統領の暴走」と、言う方もいらっしゃるようだが、暴走という言葉でこれらのトランプ政権の経済政策を言ってしまってよいのだろうか?
諸外国からの関税を引き上げる=自国ファースト政策ではない、ということが徐々にわかり始めた時、トランプ大統領はどのような舵を切るのだろう?
後戻りできるのだろうか?

そして日本政府は、米国に頼らない国内産業の充実を目指す必要があるのでは?と、感じている。
安い輸入商品を市場に出す、のではなく、やや高くても日本製品を市場に出すことで、国内の雇用を守るだけではなく中小企業の雇用を守る、というこれまでとは違う視点と発想の産業保護を考える時期に来ているような気がする。