日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

キャラ弁に見る「日本」

2011-11-30 21:34:47 | アラカルト
ここ2、3年ほど前から「キャラ弁」という、お弁当が話題になっている。
「お弁当が話題になる」と言っても、どこかで販売されているわけではない。
お母さんたちが、幼稚園などに通うお子さんのために作っている、テレビアニメなどのキャラクターを模したお弁当のコト。。
実際、ブログなどでご自身の力作キャラ弁を写真で紹介されている方も、決して少なくない。
「キャラ弁」作りのための道具なども、販売され人気のようだ。

そんな力作キャラ弁を、見ながら思ったことがある。
それは「キャラ弁の始まり」というコトだ。
フッと思ったのは「キャラ弁の始まりは、愛妻弁当」だったのでは?というコト。
今ではお子さん向けのキャラ弁だが、その昔の新婚さんの愛妻弁当もなかなか凝ったものがあったように思う。
と言っても、私は(残念なことに)愛妻弁当を作ったことがない。
ただ、いろいろなところで知る限りではご飯に桜でんぶでハートのマークを作ったり、海苔で何かメッセージを伝えたり、というコトが愛妻弁当にはあったような記憶がある。

それが「たこさんウィンナー・かにさんウィンナー」などの登場(というべきか?)により、子ども向けのお弁当がとてもカラフルでにぎやかなモノになっていったように思う。
実際、私の持っている料理本(大体3月~4月号)には「幼稚園児のお弁当」の注意として
1.ご飯は食べやすくおにぎりなどにすること
2.色彩にも注意を払い、子どもがお弁当を開けたとき楽しく食べられる工夫が必要
といったことが、記載されているモノも少なくない。
その意味で、今流行りの「キャラ弁」というのは理にかなったモノなのかも知れない。

もう一つ思ったことは、「キャラ弁」は日本独特の食文化なのでは?というコト。
最近では、日本の「キャラ弁」が海外で紹介され、興味を持つ海外の方も多いようだが、日本のお母さん方が作るような「キャラ弁」は、難しいようだ。
海苔を様々な形に打ち抜くパンチやテレビアニメの主人公を転写するフィルムなど、様々な道具がある点も大きいとは思うのだが、やはり主食となるものが米飯である、という点も大きいと思う。
サンドイッチでキャラ弁が作れるのか?といわれると、とても平面的なものになってしまうような気がする。
小さなおにぎりに絵を描くように、ハムや海苔を貼りつけたりしながら立体的な造形のお弁当を作る、というのは米飯だからこそできるのでは?

そんな視点で「キャラ弁」を考えると、とても日本的な新しい食文化という気がする。





大阪のコトが気になる、東京都知事

2011-11-29 15:35:28 | 徒然
日曜日にあった、大阪府知事と大阪市長のW選挙。
その結果については、ご存知の通り。
マスコミを挙げての橋下ネガティブキャンペーンは、大阪とは関係の無い私でさえ「チョッと・・・」と、やや引いてしまうほどだった。
そして週が明け、今日当たりになるとあまりのマスコミのネガティブキャンペーンで、橋下さんへの同情票となったのでは?という指摘までされているようだ。

そんな、マスコミの思惑違いの結果はともかく、橋下さんの「大阪都構想」に面白くない人がいらっしゃるようだ。
東京都知事の石原さんである。
「大阪都構想」と言っても、別に「大阪府」が「大阪都」になるというのではなく、東京のような独立性の高い地方自治を獲得したい、というコトなのだと思うのだが、どうやらそれが石原さんにとっては面白くないようだ。

しかし、考えてみれば、大阪府は大阪府独自の考えで大阪府を運営すればよいだけのコト。
それを、東京の石原さんがアレコレ言う必要はないのではないだろうか?
もともと、江戸時代の頃は江戸は武家のまち、大阪は商人の町として独自の経済を持っていた。
海外に目を転ずれば、米国は経済の中心はニューヨーク、政治の中心はワシントンDCだし、ドイツなども経済の中心はフランクフルトで政治はベルリンになっている。
東京のように、経済も政治も一つの都市に集中しているコトが、普通というわけではない。
むしろ、東京とは違うカタチで大阪が活性化されれば、良い意味でのライバル都市となるのでは?

石原さんご自身が、「東京>日本>その他地方」という思考の持ち主であっても、地方自治権が認められてるはずの大阪のコトについて、アレコレ言うのはいかがなものか?
それも自治体の首長さんは、その自治体に住んでいる人たちから選ばれた、期限付きの代表者でしかない。
とすれば、もう少し違う発想をもたれても良いのでは?

ゆるキャラとまちおこし

2011-11-28 20:24:50 | ビジネス
昨日、「ゆるキャラグランプリ2011」が、埼玉県羽生市で開かれ、熊本の「クマモン」が見事1位に選ばれたようだ。

先日行われた「B-1グランプリ」同様、「ゆるキャラ」もまちおこしの一つとして、全国各地の自治体が競うように作っている。
いまだに私にとって衝撃的な「ゆるキャラ」は、岐阜市の柳ヶ瀬商店街のゆるキャラ「やなな」嬢なのだが、今回8位内に入っている。
ただ、残念なことに「やなな嬢」だけでは、商店街の集客には結びついていないようだ。

「ゆるキャラブームをつくった」のは、ご存知滋賀県彦野市の「ひこにゃん」だ。
彦根城築城か何かの記念イベントに合わせて作られた、元祖ゆるキャラ。
「ひこにゃん」人気に続いたのは、平城遷都1300年にあわせてつくられた「せんとくん」だろう。
何とも表現しがたい風貌が論議を呼び、遷都イベントにあわせ様々な団体がオリジナルキャラを次々と発表したことで、ますます「せんとくん」に注目が集まるようになった、というゆるキャラとしては異色のキャラクターだった。

その間、本当に様々な自治体が「ご当地ゆるキャラ」を作り、時には製作者と自治体の間で、問題も起きたようだが、現在はやや落ち着きつつある、という印象がある。
逆に、全国各地に「ゆるキャラ」が登場したことで、「ゆるキャラでまちおこし」の効果については、やや疑問を感じるところがある。
その理由は、柳ヶ瀬商店街の「やなな嬢」のように、様々なメディアに登場し、それなりの人気と話題があるのだが、それが柳ヶ瀬商店街の活気とは結びついていない、という現実がある。
「ひこにゃん」や「せんとくん」のような、イベントキャラであれば、イベント中話題とともに集客への呼び水となる可能性があるのだが、「イベント」とは関係がない場合、ゆるキャラは話題になっても、実際の集客・まちおこしに結びつきにくいような気がしている。

まちのPRとしては、ゆるキャラはある程度効果的だと思う。
しかし、本当に大切なことは「どんなまちをつくるのか?」という点なのだと思う。
それにしても、埼玉県のゆるキャラ登録数39というのは、多すぎるのではないか?


メガソーラだけではもったいない?

2011-11-26 19:41:17 | アラカルト
東日本大震災と東京電力・福島第一原子力発電所事故発生で、「エネルギー」への関心が高まっている。
そして、ソフトバンクの孫さんは「電田計画」を発表したのは、今年の初夏の頃だったように思う。
孫さんの「電田計画」は、その後動きを見せていないように思われるのだが、これに刺激されたかのように、商社を中心に全国で「メガソーラー」の計画が次々と発表されるようになってきた。
愛知で言うと、渥美半島でトヨタ自動車が中心となったメガソーラー発電所が、今月稼動し始めている。
そして今日は、震災被災地で三菱商事が中心となって、メガソーラー発電所を作る計画を発表している。

確かに今現在の「再生可能エネルギー」の中心的話題は、太陽光発電だ。
他にも「再生可能エネルギー」はあるのだが、手軽さとローコストという点では、太陽光発電が魅力的、というコトになるのだと思う。
「初期投資額が少なく売電で儲ける」となると、太陽光発電が強いというコトだろう。
そのことに対しては何も言うことは無い。
ただ、メガソーラー発電の写真を見るたびに、思うことがある。
それは、太陽光パネルの下の土地の利用方法だ。

「メガソーラー発電」という限り、ある一定の地域内の世帯が1年なり半年なり使う電力が供給できなくては「メガソーラー発電」とはいえないと思う。
とすれば、それなりの広大な土地にソーラーパネルを設置する、というコトになる。
そんなことは、拙ブログで書かなくても十分承知のコトだと思う。
私が気になるのは、「もともと平地が少ないところに、ソーラーパネルを並べる」というイメージが、メガソーラー発電にはあり、パネルだけを並べるために広大な土地を使うのは、どこかもったいないような気がするのだ。

また、現在のように電力会社への売電画目的となると、メガソーラー発電所を作った企業(多くの場合は、都市部に本社がある)の利益になっても、その土地を提供した人たちに対する還元というかメリットは、どんなモノがあるのだろうか?
「津波被害で、農作物が作れない土地となったため、メガソーラー発電所として利用する」という理由もわかるのだが、せっかくの土地をメガソーラー発電だけに使うのではなく、何か+αの使い方は無いのだろうか?と、考えてしまうのだ。
たとえば、ある一定温度以上になると発電効率が落ちるといわれるパネルに、水を流しながら一定温度に保つようにし、太陽熱で暖められた温水を塩害に強い農作物のハウス栽培に利用するといったコトはできないのだろうか?

そんなことをいろいろ考えると、メガソーラー発電だけでは地元メリットがあまり無いような気がするのと同時に、その土地がもったいないような気がしてくるのだ。

大きなお世話?それともTPP参加を見越して?

2011-11-25 20:05:34 | ビジネス
日本のTPP参加については、農業問題ばかりが取り上げられているがTPP参加で変わるのは、農業だけではない。
実は、医療という面でも影響があるといわれている。
それが「混合医療」 といわれる制度(日本医師会HP「混合医療って何?」より)。
この「混合医療」を推し進めることで、海外から進出してきている保険会社の参入がしやすくなるのでは?とか、現在未承認の海外の薬が自由に使えるようになるのでは?というコトが言われている。

実際問題として、日本の医療費はうなぎ上りで破綻に近い状態?と言われている。
実は、先日経過検診に行った際、「がん治療における医療費調査」について協力依頼を主治医からされた。
私などは、早期の乳がんであったため「がん治療における医療費」と言っても、定期的に行く経過検診の医療費(薬等の処方はされていない)と交通費程度。
調査内容からすると、あまり参考になる患者だとは思えなかったのだが、調査協力だけはさせていただいた。
その時の主治医が「日本の医療費、パンク寸前だから・・・」と、調査の目的を話してくれた。

そんなことがあったこともあり、今日中日新聞のWEBサイトにあった日本は病気で年3兆円の経済損失という記事は、とても興味深く感じたのだった。
ただ、この調査を行ったのが在日米国商工会議所が行ったことに、チョッと引っかかりを感じている。
それが今日のタイトルとなっている。
というのも、現在の医療費で問題になっている点は
①高齢者の医療費
②がんなどの高額な治療費
という点があると思われるからだ。
もちろん、国民健康保険の保険料未納者・滞納者の増加が一番の要因であるコトには変わりない。
①については、「後期高齢者医療負担」というコトで既に制度が始まっているが、これは対象年齢となる後期高齢者(=75歳以上)の医療費が、生涯利用医療費の7割以上を占めていて、年々増加傾向にあるといわれている。
薬を飲みながら元気(?)に過ごす高齢者が増えている、というコトかもしれない。

そして②が、「混合医療」と大きく関係をしてくる点となる。
一つは、日本の社会が「長期治療を必要とする病気に対しての理解が低い」という点があると思う。
そのため、多くの人は長期治療を必要とする病気になった場合、退職を余儀なくされ、国民健康保険へ切り替えることになってしまう。
経済的ゆとりがある人であれば問題は無いが、多くの場合「病気を持った貧乏人」に陥りやすい状況にあるといえる(これが、医師会が主張するTPP「混合医療」反対理由)。
そのために健康保険の保険料滞納者・未納者が増え、それが原因で保険料値上げ、という「負のスパイラル状態」になっているとも言われている。
反面「(経済的ゆとりがある人であれば)自分が思う(高額な)治療」を存分に受けるという選択ができる(これが、米国などの主張するのTPP「混合医療」参加を促す部分)。

とすれば、このレポートの「3兆円の損失」というのは、乱暴な見方をすれば「3兆円のビジネスチャンス」とも読み取れるし、素直に「3兆円という経済損失」とも読み取れる。
どのように読み、感じるのかは人それぞれだが、いずれにしても「日本の保険制度」はとても優秀なのに、それが予防・早期発見という点で生かされていない、というコトだけは確かなこと。
なぜなら「がん検診」の受診率は先進諸国の中でも、最低だからだ。



見方が違うと正反対になる

2011-11-24 20:48:28 | ビジネス
新聞社のWEBサイトチェックは、仕事上毎日何度かしている。
そうすると、同じことを取り上げているにもかかわらず、違う内容の記事となっている場合がある。
「同じこと」を違う見方で書くと、これほどまで印象や伝わる内容が違うのか!?と思うこともしばしばある。

そして今日、iPhoneについて取り上げた記事がYahooと日経新聞のIT関連誌に掲載されていた。
日経BP:シンクタンクの視点:日本はiPhone不毛の地
Yahooトピックス 東洋経済オンラインiPhone4Sがとどめ、国内携帯端末メーカーの最終章

東洋経済の記事は、「iPhoneが日本の携帯端末メーカーに大打撃を与え、既に国内メーカーは壊滅的状況にある」という内容。
日経BPは「日本ではiPhoneは、受け入れられにくい市場」という内容。
少なくとも、タイトルだけを見れば正反対のコトを書いているように思える。
ただ記事の内容としては日経BPは「アプリケーション」をはじめとする「機能」といった面を中心に書いてあり、一方の東洋経済オンラインは「価格」という視点で書いてある。

その違いが、見出しの違いとなるわけだが、両方の記事を読んで「???」と思ったのだった。
それはスマートフォンが、アプリケーションの充実度だけで購入されるわけでもなく、また価格という点だけ購入されるわけでもない、と感じているからだ。
確かに「価格(利用料)」は、携帯端末(「携帯電話」ではない、というのもポイントだ)の機能やアプリケーションの充実度との関連性が書かれていないからだ。
逆に言えば携帯端末の機能やアプリケーションだけで、スマートフォンを購入しているわけでも、価格が安いからという理由だけでスマートフォンを購入していない、というのがおそらく現在のユーザーの声なのではないだろうか?

なんとなくだが、二つの記事を読んで「実際のユーザーの声が聞こえていない」という気がしたのは、私だけだろうか?

日本の新しい「モノづくり」

2011-11-23 19:40:15 | ビジネス
今年は、日本のものづくりが元気の無い1年になりそうだ。
そのきっかけとなったのは、東日本大震災だったと思う。
その後も、日本には次々と災害が襲い掛かった。
そして最後(であって欲しい)にダメージを与えたのは、おそらくタイの大洪水だろう。
他にも円高という、経済的要因も忘れてはならないと思う。

そのようなニュースばかりに接していると、「今後の日本はどうなってしまうのだろう・・・」と、心配になるのは仕方の無いこと。
だが、他の「モノづくり」に目をやれば、まだまだ日本元気になれる要素があるんじゃないか?という気持ちにさせてくれる。
実は、そんなニュースが昨日新聞各紙に掲載されていた。
それが、副作用ほとんどない抗がん薬、浜松医科大が開発(紹介記事は、内容が一番詳しく掲載されていた讀賣新聞)。

この開発された抗がん剤が優れている点は、タイトルにある通り「副作用がほとんど無い」という点。
私自身、がんという病気になるまで知らなかったのだが、「抗がん剤」の場合、市販されている風邪薬や胃腸薬、頭痛薬などとはまったく違う考えから開発が始まっている。
それが「副作用」に対する考えだ。
自分の細胞が増殖し続ける、というのが「がん」の特徴。
がん化した自己細胞をたたくために「ある種の毒薬」のようなカタチで、抗がん剤を投与することになる。
当然、健全な細胞にも影響を及ぼし、それが「副作用」となって現れるコトになってしまう。
そのため「抗がん剤」の開発というのは「副作用があって当然」という考えから、開発がスタートするという。
その「開発スタート」の考えを覆すような新薬の研究が、この日本で行われていた、というコトがとても重要なコトなのだ。

それだけではなく、実は日本の製薬会社は新薬の開発にとても力を入れている。
ユニークなところでは、三浦半島に生息している「クロイソカイメン」の成分から、新しいタイプの乳がんの抗がん剤をエーザイが開発し、日本では今年7月から発売されている(米国では昨年秋に承認・認可が下りている)。
この抗がん剤は、現在使われている抗がん剤の効果が期待できない患者さん向けのモノで、世界的に承認・認可されている。
すなわち、抗がん剤という薬の開発には、膨大な費用と時間が必要とされるが、承認・認可されると世界中がその抗がん剤を「標準治療薬」として使う、というとても大きな市場を持つている。

長い間、日本の経済を引っ張ってきた自動車や家電といった産業から、新薬を中心とした産業の「モノづくり」が、日本の経済の中心になってもおかしくは無いのだ。
「モノ作り=自動車・家電(トヨタやパナソニック)」ではない、「モノづくり」にもっと注目すべきなのかもしれない。



統計数字と表現方法

2011-11-22 13:44:43 | ビジネス
Yahooのトピックスに、チョッと気になるピックアップ記事があった。
マイナビニュースの、2011年の脆弱なスマートフォン・ランキング - トップ12全てがAndroidだ。
何が気になったのか?お分かりだろうか?

現在、スマートフォンと呼ばれる携帯電話のOSは、アップルのiPhoneとグーグルのAndroidの2つしかない。
そして、iPhine以外のスマートフォンに搭載さえているOSは、全てAndroidというコトになる。
確かにスマートフォンを作っているメーカーはいろいろあるが、OSに関しては2種類しかない。
もし、Androidに不具合があればiPhone以外のスマートフォン全てに不具合が生じる、というコトになる。
そのように考えると、この脆弱ランキング(というと、語弊があるが)の見出しタイトルとしては、あまり意味が無いということになる。

もしタイトルをつけるのであれば、「2011年脆弱なスマートフォン機種ランキング」だろう。
そこに「Android」という言葉を付け加えてしまったために、この見出しタイトルはある意味センセーショナルさを感じさせることには成功していても、その内容を伝えることにはなっていない。
むしろ、AndroidというOSをイメージダウンを狙っているのか?という印象を与えてしまう結果となっている。

実は最近、スマートフォンの記事にはこのような表現がされることが多い。
何もスマートフォンだけではないはずなのだが、スマートフォンの場合、アップルのiPhoneとそれ以外の全ての機種が搭載しているOSがAndroidというコトもあり、扱い表現が「iPhone VS Android」になりやすい状況にある。
そこがいわゆる「数字のマジック」になってしまっているのだ。

一件データとして正しいように思っても、よくよく見ると比較対象とはならない、というケースになってしまっているのだ。
もちろん、内容そのものに問題があるわけではない。
表現方法として、もっと注意深く考えなくては、センセーショナルだが中身が無いデータとなってしまう。
「たかが数字、されど数字」・・・表現一つで、まったく違う意味になってしまう、わかりやすい例だと思う。

体脂肪計タニタの食堂事業

2011-11-21 18:52:47 | ビジネス
新聞のWEBサイトをチェックしていたら、体重計などの製造メーカー・タニタが東京丸の内にレストランを出店するという記事があった。
タニタ プレスリリース 2012年1月「タニタ丸の内食堂」を開業(注意:pdfファイル)

ご存知のようにタニタという企業は、体重計や体脂肪計、活動計など「計る」モノを作っている企業だ。
そのタニタが食堂という飲食事業を展開する、というのはやや意外な感じがする方もいらっしゃるかも知れない。
しかし、昨年「体脂肪計タニタの社員食堂」というレシピ本を出して、話題になり、「社員食堂のレシピ本」のさきがけとなった。
その後「女子栄養大学の学食レシピ本」なども発売され、いわゆるタレントさんや料理研究家ではない、「栄養学からみた料理本」の火付け役ともいえる。
そのため、ダイエット目的の女性だけではなく、メタボが気になるご主人のために購入された方も多かったのではないだろうか?
今年は、その続編も発刊されどちらも大ヒットレシピ本となっている。

そのような経過を知ると、決して今回の飲食事業(厳密に言うと「食堂事業」か)は、とっぴな分野への進出ではない、というコトがわかる。
何より現在のタニタは「健康を計る企業」という、コンセプトを持っているコトを考えると、自然な流れのような気がする。
バブルの頃の、企業の基本企業とは無関係と思われる事業への参入とは、まったく違う視点だ。

そしてこの「食堂」を展開する前に、タニタはローソンの1都6県で「タニタのお弁当」を10月に売り出している。
そしてこちらも、大ヒットしたようだ。
確かに、生活の楽しみとして「食事」というのは、案外重要なポイントとなっているはずだ。
お昼休みになると、「お昼はどこで食べようか?」と考える人も多いだろうし、愛妻弁当のみならず、自分でお弁当を作る人も「食べるときのコト」を考え、作っている人も多いのではないだろうか?
もちろん「夕べの残りをつめて来た」という方も、少なからずいらっしゃるとは思う(実は、私がこの「残り物派」だった)。
最近では、「キャラ弁」という新しい「お弁当分野」も登場してきた。
それほど人にとって「食べる」という行為は、健康のためだけではない要素が高い。
だからこそ、健康に良いものをおいしく楽しく食べたい、という気持ちが強いのだとおもう。
それを「(健康を)計る」という視点で、事業を展開するタニタ。

もしかしたら、自社の事業コンセプトを見直すと、これまでと違った事業分野が見つかるかも知れない。
そんなことも考えさせる、タニタの食堂事業だ。

蛇足ながら、個人的に今後注目したいのは「ダイエットチェッカー」の製品化だ。

体質が古いのは、巨人だけではない

2011-11-19 20:25:16 | アラカルト
現在進行形で行われている、プロ野球「日本シリーズ」。
例年であれば、大手をかけたホークスか?追い上げるドラゴンズか?と、スポーツ新聞をはじめ、一般紙のスポーツ頁でも話題になっているはずだが、今年は違う。
ご存知の「讀賣巨人軍の清武代表VS讀賣新聞+清武代表以外役員」という、話題のほうがスポーツの話題の中心となってしまった感がある。

しかし考えてみれば、「日本シリーズ」というプロ野球界にとって一番話題となる試合を展開し、なおかつ先日行われたドラフトで入団する選手たちの話題もあるはずなのに、一球団の「お家騒動」のほうが話題になってしまう、というのはどこかおかしな話だと思う。
「それほど、讀賣巨人軍というのは影響力がある」というコトなのだと思うのだが、本当にそうなのだろうか?

10年以上前なら、シーズン中「閑古鳥が鳴く」のが当たり前だったパリーグのチームは、ここ2,3年で見違えるような集客をするようになってきた。
選手にしても、とても魅力的で実力のある選手たちも多く、「閑古鳥が鳴いていた」時代からは想像もつかないほどの状況になっている。
そんなパリーグのファンからすれば、今回の「讀賣巨人軍のお家騒動」など、興味の欠片も無いはずだ。

にもかかわらず、新聞やテレビなどで大きく取り上げるのは、新聞やテレビといったメディアが、いまだ「讀賣巨人軍幻想」のようなものを持っているからなのではないだろうか?
それを象徴するかの様な記事が、某スポーツ新聞の記事にあった。
記事全体は、「清武VS讀賣巨人軍球団」というモノで、何か凄いスクープ記事となっているわけではない。
ただ、その記事の最後は「この問題で、球界が混乱することは避けられない」という内容で、締めくくられていたのだ。

かつてのように「讀賣巨人軍」が、日本のプロ野球の顔であり、対巨人戦の試合中継が高視聴率を誇っていた時代であれば、そのような文を見て「そうかも知れない」と、思うかも知れない。
残念なことに今は、対巨人戦の試合中継でも高視聴率が取れるわけでもなく、パリーグのように地元密着型のチームが人気の中心となりつつある現在では、かつての「日本プロ野球の顔・讀賣巨人軍」も、日本のプロ野球球団の一つでしかないのだ。
今回の件は、讀賣巨人軍は混乱するだろうが、その他球団にはまったく影響は無いだろう。
それを今でも、一昔のような感覚の記事を掲載してしまう、という新聞やテレビそのものも、讀賣巨人軍同様、体質的な古さがあるのでは?

新聞やテレビが、メディアの中心では無くなりつつある今だからこそ、そのことに気づく必要があるのでは?