日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

女性の起業は、身近な視点

2008-09-30 12:38:13 | ビジネス
産経新聞のWEBサイトに、「バリアフリー子供服」についての記事が掲載されていた。
昨今イロイロな場所で聞かれる「バリアフリー」という言葉だが、ファッションの分野にも「バリアフリー」があるとは知らなかった。

この「バリアフリー子供服」を企画したのは、2児のお母さんだ。
そのキッカケも、出産時同室だった方のお子さんの一人が障害児だったからだという。
女性が起業する場合、身近なコトから発想をする場合が多い。
「身近な視点」というのは、男性の視点からは見落としがちな視点でもある。
自分のお子さんのコトではなく、同室だった方のお子さんのために!という思いは、「折角プレゼントをしたのに、着てもらえない」という思いが、その行動へと結びついている。

もうひとつ特徴的なのは、「行動優先」と「ネットワーク」だろう。
ネットワークといっても、男性のような営業活動や企業人脈ではない。
主婦なら主婦仲間、子育て中なら「ママ友」だ。
実際、この「バリアフリー子供服」を起業した女性は、起業するに当たり(障害児の)ママ友にアンケートを取り、問題点を分析している。
だからといって、きめ細かな事業プランがどれだけあったのか?といえば、やや疑問な感じがする。
その点で「行動優先」だとも言えるのだ。
とにかく「障害を持った子供が、着られる服を作りたい」、「何故、障害児向けの服が無いの?」という思いや疑問が、行動の原動力となっているように思えるのだ。

男性から見れば無謀と思えるコトでも、「一念の思いは岩をも通す」という信念で、ひたすら突き進むバイタリティーを持っている。
そんな思いは、周囲を動かすようだ。

このような行動は、周囲を元気付ける力を持っている。
そして、彼女のような思いや行動を見ていると、難しい経済の話などは、二の次三の次という気もしてくるのだ。




パーティーの後始末-金融安定化法案否決-

2008-09-30 11:24:55 | ビジネス
新聞各紙WEBサイトのトップは、金融安定化法案否決で、NYダウ過去最大の下げ、777ドル安になっている(紹介記事は、日経新聞)。

週末、何とかアメリカ発の金融不安を軽減させるために、アレコレと策が練られたようだが、結局無駄となってしまったようなカタチだ。
今回のアメリカ発の金融不安の発端は、言わずと知れた「サブプライムローン」だった。
今となってしまえば、「何故?どうして?」という疑問符ばかりがつくようなビジネスだったのだが、その時は我も我もという感じで、無いものへ投資をしていたのだ。
日本のバブルは、価値の無いモノへの投資(特に土地など)だったのだが、アメリカの場合「価値の無いモノ」ではなく「価値すら無いモノ=現物が無いモノ」への投資だった。
カタチのあるものであれば、二束三文でも売れば何とかなるだろう。
しかし、カタチすら無いモノは二束三文で売る事も出来ない。
強いてあげるなら、「価値がある」と書かれた紙だけだ。

今回の「金融安定化法案」が否決されたのは、「パーティーで踊った人たちの後始末を、何故パーティーに参加していない人たちがしなくてはならないのか?」というのが、その理由のようだ。
「パーティーで踊った人」というのは、リーマンブラザーズをはじめとする、現在経営危機に陥っている「投資銀行」だろう。
そしてそこで働いていた人たちの多くは、それこそ毎週末派手なパーティーができるくらいの報酬を得ていたような人たちなのだ。
そんな高額報酬を得ていた人たちの「尻拭いはしたくない」というのが、多くの納税者の考えだろうというのが、下院議員たちの考えもあったようだ。

この考え方は、膨大な税金を投入して当時のメガバンクを救った日本とは、大きく違う。
実際、日本ではメガバンクが救われ、優良中小企業が倒産したということがあったのだ。
だからといって、このままではアメリカ発の世界大恐慌が起きる可能性は高い。
果たして一体誰が、パーティーの後始末をするのだろうか?
私たち(=日本で慎ましやかに生活している人達に押し付けられても困るのだが・・・。

自然が大きな地域資産

2008-09-29 22:24:57 | アラカルト
世間的には、既に総選挙モードなのかも知れない。
少なくとも、衆議院の議員さんなどは10月3日解散か?はたまた11月解散か?と、ソワソワしているようだ。
生活者としては、選挙云々よりも与野党がシッカリと政策論議を尽くし、国民生活が安心できれば選挙などは二の次三の次なのだが・・・(少なくとも私は)。

今日のお天気は、1ヶ月ほど進んだような寒さを感じさせる1日だった。
1週間ほど前までは、「残暑の中にも秋の気配」という感じだったのだが・・・今年は、どんな秋となるのだろう?
そんな気がしながらWEB広告等を見ていると、なかなか素敵な広告を見かけた。
JR東海が行っている高山本線・中央本線沿線の広告だ。
「Shupo」というキャンペーンようだ。

JR東海の広告といえば「そうだ、京都いこう」が有名だが、こちらのキャンペーンもなかなか魅力的な風景が使われている。
むしろ京都や奈良のキャンペーンとはチョッと違う視点で作られているのが、魅力的なのかも知れない。
京都や奈良などは、文化資産とも言うべき内容が中心となっている。
ポスターを見るだけで、「行ってみようか!」という気分にさせられる。

それに対して、今回の「Shupo」は、高山本線・中央本線沿線にある自然の豊かさをPRしている。
秋の空に映える紅葉した北アルプス。
湖面に映る周囲の山々と紅葉など、名古屋にいながら見落としている「近場の行楽地」の魅力を改めて感じている次第だ。

もちろんこのキャンペーンの背景には、この夏開通した「東海北陸自動車道」に対抗するというコトがある。
高速道路の開通で、名古屋~高山方面の時間がグッと短縮されたからだ。
この夏は、ガソリンの高騰などで電車の利用が増えたようだが、そのガソリンは少しづつ値下がりはじめている。
元々、名古屋はクルマで移動する人が多い都市でもある。
夏、電車を利用した人たちを繋ぎ止めておくためにも、このようなキャンペーンは重要なのだ。
今回の「Shupo」以前から、高山本線を中心としたキャンペーンは行われていた。
それをバージョンアップ(というのか?)させ、周辺自治体も巻き込んだ内容となっているのだ。

注目したいのは、上述したとおり「自然の豊かさ」のPRだ。
正に「そこに行かなくては見られない、瞬間の美」をPRの中心としている。
このキャンペーンなどを見てみると、「自然」というのはその地域にとっての大きな資産だということが良く分かる。
何もアミューズメントパークを作るコトが、観光誘致ではないのだ。
むしろ、これからは「自然の豊かさ」こそが大きな地域資産となっていく可能性が高いのではないか?
そんな事を感じさせるキャンペーンだ。

それにしても、JR東海は宣伝が上手い!企業だ。





ニッポン売りと見るか?それとも・・・

2008-09-28 21:42:19 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトに、スティール、日本株売却 08年累計700億円、運用成績が悪化 という記事が掲載されていた。
日本企業の運用実績悪化に伴い、売却を急いでいるようだ。

トコロでこの記事を読まれて、どう思われただろう?
よく言われる「ニッポン売りが始まった」と、見る方もいらっしゃると思う。
「日本企業が魅力がない」と、思われる方もいらっしゃるかもしれない。
私は「ニッポン売りが始まった」というよりも、「本来の株主の姿が求められるようになってきた」と、感じたのだ。
というのも、昨年の株主総会での話題は「スティール一色」という感じで始まった。
スティール側の言い分は「株主に対する利益を多くする事」ばかりだったような感じだった。
ファンド会社なのだから、安い株を買って高値で売り抜ければ、それが利益となる。
そのためには「株主にとって魅力的な会社であれ=高配当」という考えばかりを主張していた印象があるのだ。
確かに「高配当」は、株主にとって魅力的なコトだが、それだけが企業の魅力なのか?といえば、そうではない。
その企業の考える社会貢献や、地域との関わり方、何よりも一番大切なことはお客様を大切にしている、というコトのほうが大きいのではないだろうか?

昨年、話題になった人たちがいた。
それが「デイトレーダー」と呼ばれた、素人さんがネット上で、株を証券会社のトレーダーのように、売買をして儲けていた人たちだ。
今年に入り、「デイトレーダー」と呼ばれる人たちの話を、聞かなくなった。
実際、どれだけの「デイトレーダー」が儲けたのかは知らないが、おそらく多くの方たちは、儲けよりも損の方が多かったのではないだろうか?
そんな人たちにとって、株価は気になっても企業のあり方は関係がなかった。
だからこそ、スティールのような発想の企業に共感していたのかもしれない。

ところが、サブプライム問題など次々とアメリカ発の経済問題が噴出し、スティール自体も大変厳しい状況になってきているのではないだろうか?と、勝手に想像しているのだ。
だからこそ、長期的成長でしか期待できない日本の企業を手放し、短期的に儲けられそうなトコロへと転換しているのではないだろうか?
あくまでも私の想像なのだが・・・。

今のような経済状況だからこそ、社会貢献意識の高く、お客様中心(=生活者中心)の企業への投資ができるような気がしている。
その様な企業の株は短期的利益は出せないかもしれないが、将来に渡ってそれなりの株主利益を提供できるように思うのだ。

ファンド会社の日本企業離れは、「ニッポン売り」のようにも思える。
だが、「短期間で売り買いをし、儲ける」というあり方そのものが、今の企業投資に合わなくなってきている、というだけなのではないだろうか?







俳優とビジネスと社会活動-ポール・ニューマン訃報-

2008-09-28 08:15:18 | ライフスタイル
新聞各紙がポールニューマンの訃報を伝えている(紹介記事は、毎日新聞)。
今の30代の方にとっては、「ハスラー2」の印象が強いかもしれない。
私と同世代以上の方にとっては、「明日に向かって撃て!」か「スティング」もしくは「タワーリング・インフェルノ」か?
いわゆる「二枚目俳優」さんだったのだが、単なる「二枚目俳優」というよりも、幅の広い演技ができる実力派俳優さんだったように思う。

映画ファンの方はよくご存知だろうが、ポール・ニューマンは有能な企業経営者でもあった。
料理上手だったポール・ニューマンが「自家製サラダドレッシング」を製造する会社「ニューマンズ・オウン」を起業し、販売し始めたのは30年近く前の話だ。
当時は、「人気俳優のお遊びビジネス」程度にしか見られていなかったのだが、これが今ではアメリカ家庭の定番となっている程のヒット商品となった。
もちろん、現在はサラダドレッシングだけではなく、パスタソースやサルサソースなども製造・販売をしている。
その意味では、「事業家としても成功した人気俳優」ということになるだろう。

ただ、ポール・ニューマンが単なる「事業家として成功した人気俳優」にならなかったのは、その社会活動が大きい。
その社会活動の幅は広く、息子さんが麻薬中毒死をしてからは麻薬撲滅活動を支援し、不治の病と闘う子供たちを支援する国際的な団体に対して企業収益の一部をチャリティーとして寄付を続けている。
その意味では「人気実力俳優兼企業家+社会慈善家」だとも言える。
「ニューマンズ・オウン」HPに掲載されている、子供たちとの写真の笑顔が素敵な事を見れば、その活動を楽しんでいるということがよく分かる。

そんなポールニューマンの一面を伝える記事があった。
「Wired Vision」のポール・ニューマンのフィランソロピー計画がそれだ。
特に記事中にある
企業は「ただのキャッシュレジスター」ではない
という言葉は、「慈善的な貢献は、社会への投資だと考えている」からこそ出てくるのだろう(この点が、日本の「タレント兼事業家」と大きく違う点でもある)。

ポールニューマンは、実に自分を上手にブランド化し、企業家として成功させただけではなく、社会慈善家としても成功させた稀有な人物だったように思う。
その引退の仕方も、彼らしくとても素敵だった。
ご冥福をお祈りしたい。

アチラコチラに不具が出る

2008-09-27 13:42:49 | 徒然
昨日は、エントリをお休みさせていただいた。
理由は、病院で大分時間を取られたため。
といっても健康診断で、重篤な病が発見された!ということではない。
1ヶ月ほど前から出来ていた左足小指のデキモノで、皮膚科に行っていたのだ。

基本的には、健康診断以外で病院に行くということがないため、「大したデキモノじゃないから、病院に行けばすぐだよね~」と、思って病院に行ったら・・・。
2時間待ち。
診察と処置をしてもらい、病院を出までに3時間以上かかってしまった。
患部が、微妙なトコロなのでとても歩き辛い。
今も歩く時は痛いし、夕べは患部が痛くて寝たのか?という状態。

デキモノの正体は血管腫のようなのだが、お医者様から病名を何度か聞いても覚えられなかった(お恥ずかしい)。
細い血管が塊のように集まり、大きく腫上がったような感じだ。
原因は、患部に小さな傷ができ、そこから何らかの感染があったらしい。
確かに、足は物凄く(丁寧)に洗っている。
特にかかとや指の間、足の裏などは丁寧に洗っているつもりだった。
それが仇になったようで、小さな傷を治そうと血が集まり、見た目「魚の目」のようなモノが足の指にプックリと・・・。
一種のイボのようなモノらしいのだが、魚の目と勘違いした私は、魚の目取りのバンソウコウを貼り、既に固くなった患部を取ってしまったため、一種の感染症状態を引き起こしていたようなのだ。
病院に行った理由も「化膿したようで、痛い」だった。

帰宅後も痛さの余り、食欲が減退。
当然、思考力の低下・・・となり(「それはいつも!」と突っ込まないでください)、昨日はお休みをしてしまった。
世間では「アンチエイジング」が注目されているが、体は正直なようだ。
外見をいくら繕ってみても、チョッとした事で体には不具合が出るようだ(トホホ)。








梯子を外された?小池さん

2008-09-25 21:47:41 | 徒然
今日、小泉前首相が政界引退を発表(と言うのだろうか?)した。
既に新聞各紙のWEBサイトには、様々な記事がUpされている。
その中で、産経新聞などは、既に後継者の名前まで挙げている。

自民党の総裁選が終わり、昨夜新内閣の閣僚が発表されたばかりの時点での引退発表。
政界引退→後継者確定→総選挙というタイムスケジュールを考えてのことだろうか?
小泉さんの年齢を考えれば、まだまだ政治家として活躍できる年齢だ。
その余力を残して政界引退というのは、小泉さんらしいという感じがする。

でも、小泉さんの政界引退で残された「小泉チルドレン」と呼ばれる人たちは、これから先どうするのだろう?
多くのチルドレンたちは、既に「派閥」に属して活動をしているようだし、「偉大なる(だったか?)イエスマン」武部さんが作った勉強会が実質的な「小泉派」と呼べるのかもしれない。
何よりも、小泉さんに担ぎ出された感のある小池さんは、どうするのだろう?

小泉さんという後ろ盾もなくし、ある意味、1年生議員のチルドレンたちの面倒も見なくてはならなくなったように思える。
先だっての「総裁選」の出馬を決めたのは小池さんだが、推薦者の人数を集めることが出来たのは、小泉さんの力が大きかったのではないだろうか?
「(おだてられて)木に登ってみたら(=総裁選に出馬したら)、梯子を外されてしまった」、という感じを受けてしまうのである。
武部さんにしても、小泉さんという主を無くしてしまったコトで、これから先どうなってしまうのか?
少なくとも、自民党内でも影響力というものは、急速に失われていくような気がする。

小泉さんは、「自民党らしくない」という意味で人気を集めてきた。
分かりやすい「キャッチフレーズ」的なコトバを使うコトで、支持されてきたトコロもある。
それが「郵政選挙」だったのだ。
そんな小泉さんだったが、彼もまた「世襲議員」の一人だった。
何でも後継者として名前が挙がっているのは、次男さんのようだ。
昨日決まった新内閣で話題になったのは、「世襲議員」の多さだった。
麻生さん自身、吉田茂という戦後の昭和を代表とする宰相の孫だ。
日本の政治家(だけではないだろうが)は、子供や孫に後を継がせたいという願望が強いようだが、自民党らしさのなかった小泉さんですら、自分の子供に継がせたいようだ。
そしてそんなジュニアのお世話係として、小池さんを選んだような気もするのだ。
傍目から見ると、余り世話好きなお母さんには見えないのだが・・・。

小泉さんからすると梯子を外したのではなく、息子に梯子を上らせるための準備だったのかもしれない、と、つい穿った見方をしてしまうのである。
もちろん、梯子の上をシッカリ持っているのは、小池さんと武部さんだ。




こちらが現実?-タレント好感度調査-

2008-09-25 15:59:08 | アラカルト
毎日新聞のWEBサイトにタレントイメージ調査の記事が掲載されている。

昨日発売された「anan」では、キムタクが「V15」と言うコトのようだが、現実はこちらの調査の方が信頼できそうだ。
もちろん「anan」の読者と、今回の調査対象となっている層とは違うとしても、キムタクの順位が相当低い印象が窺える。
同じSMAPのメンバーである香取慎吾の方が、順位としては上なのだ。

キムタクと香取クンとの大きな違いは、CMにもよく現れている。
香取クンは、味の素の冷凍食品や食用油、マヨネーズ、明治製菓など主婦・家庭向け食品の出演が多い。
それが「好感度調査」に、反映されたとも考えられる。

他に目を引くのは、「anan」の読者層を取り込んでいると考えられる福山雅治さんだ。
実際、福山さんは「anan」の表紙を飾る事も多い。
だがなぜか「anan」の「イイ男ランキング」では、常にキムタクの次なのである。
当然だろう、キムタクは15Vを達成しているのだから。
その意味で「anan」のキムタクのV15というのは、特異な気がするのである。

イチロー選手はともかく、全体的には清潔感があるだけではなく、面白さなど+αのあるタレントさんが上位を占めている。
俳優の阿部寛史さんは、コメディータッチの役からシリアスな役までこなす俳優さんだ。
単にカッコイイだけでは、好感度はアップしないというのが今なのだろう。

このような調査は、テレビCM等の起用の参考になるといわれている。
キムタクが上位ではないというのは、キムタクが好きな人とそうでない人がはっきりしているからかも知れない。
その意味で、今後CMに起用する商品が限られるというコトが今後考えられそうだ。

個人的に気になっているのは、小栗旬さんだ。
実際、CM起用が最近急激に増えているように感じるからだ。
それも、食品、クルマ(MCだけの出演)など幅広い。
次回の好感度調査では、どのような結果となるのだろうか?

日本は本当に、バブルから抜け出たのだろうか?

2008-09-24 12:55:36 | アラカルト
「リーマン・ショック」から日がたつにつれ、日本の金融企業がアメリカ金融を支えるようなカタチで動き始めている。
昨夜まで、野村HDは、リーマンブラザーズのアジア部門の買収だけだったのに、一夜明ければ欧州部門の買収したようだ。
今朝、FMを聞いた時「え?アジア部門じゃないの?欧州部門??」と一瞬聞き間違えだと思ってしまったほどだ。
先日エントリさせていただいた通り、三菱UFJフィナンシャルグループはモルガンの筆頭株主になった。
お昼になって、三井住友がゴールドマン・サックスに出資か?というニュースが飛び込んできた(紹介記事は日経新聞)。
まるで日本のメガバンクが、アメリカの証券会社トップ3を飲み込むような勢いだ。

だが、ここで考えたいのは「日本は本当にバブルから抜け出たのだろうか?」という点なのだ。
というのも、再三拙ブログでも指摘させて頂いているのだが、現在のメガバンクは税金を多額な税金を投入し、合併を繰り返して生き延びてきたからだ。
その間、生活者の実質的生活が豊かになったのか?といわれると疑問が残る。
なにより、生活者に「景気回復実感」というモノが、あったのだろうか?
今の日本経済は、リストラと企業にとって都合の良い雇用形態、下請け・孫請けなどの犠牲に成り立っていたのではないだろうか?

ネットカフェどころか、24時間営業のファーストフード店で100円コーヒーで一夜を過ごす人たちもいる。
健康保険料が支払う事が出来ず、無保険状態で病院にかかるコトも出来ないという人もいる。
そんな現実の上に、「いざなぎ景気を超えた、景気」があったのではないだろうか?
その様な国内の問題点の解決策も見出せない状況で、今回のようなアメリカの投資銀行への出資は、大丈夫?と、思ってしまうのである。

もちろん、このままアメリカの投資銀行が次々と破綻していくと、「21世紀型世界大恐慌」となる可能性は高い。
むしろ、日本のメガバンクグループが支えることで、日本が注目され、「日本売り」から「日本買い」へと移る可能性もある。
そうすれば、中小企業への資金調達もしやすくなるかもしれない。
その結果、本当の「バブル崩壊から脱却できる」のかも?とは、思わないわけではない。
だが、そのリスクは余りにも大きいような気がするのだ。

といっても、私は経済学者でもなければエコノミストでもないので、あくまでも私考の範疇なのだが・・・。

ナイキの判断と素材開発ビジネス

2008-09-23 19:51:45 | スポーツ
中日新聞のWEBサイトにトップ選手用水着から撤退 米ナイキという記事が、掲載されている。

ナイキといえば、アディダスとスポーツビジネスで覇権を競っている企業だ。
そしてナイキがここまで大きく成長した理由の一つが、「トップアスリートの起用」があった。
有名なところでは、マイケル・ジョーダンだろう。
彼がナイキのバスケットシューズを履き、大活躍をした事からジョーダン仕様のシューズが一般にも大評判になったのだ。

「(カッコイイ)スポーツ選手と同じ仕様のシューズが履きたい」という、バスケットボールファンからバスケットファンではない若者まで巻き込んで、一大流行となったのは記憶にあると思う。
ナイキのもうひとつ特徴的なのは、「選手をトップアスリートに育てながら、自社をアピールさせる」というモノもあった。
そうやって育てた選手が、トップアスリートとして活躍する時には、胸にスォッシュのマークがあるという戦略だったのだ。
そのためのスカウトチームもあったはずだ。

最近では、バスケットなどアメリカ生まれのスポーツだけではなく、サッカーなどにも分野をひろげている。
むしろ、今はバスケットよりもサッカーの方に、力点をおいていたような感すらあった。
というのも、サッカーにはW杯という大会があり、そのテレビ視聴者数などを考えるとその影響力は、バスケットよりも遥かにあるからだ。
他のスポーツの場合、やはりオリンピックが最高の晴舞台ということになる。
その晴舞台で、ひとつのメーカーがある競技団体とほぼ独占的契約をし、そのメーカーの一人舞台となったのが今回の北京オリンピックだったのだ。
その競技とは、水泳。
スピード社と国際水泳連盟との関係については、以前エントリさせていただいた。
その様なカタチで、出し抜かれたのだからナイキ他のスポーツメーカーとしては、面白いはずが無い。
まして、競泳用水着の開発には膨大な時間と費用がかかる。
そのコストと利益ということを考えたら、意味が無いという判断をしたのだろう。

今回のナイキの競泳用水着の撤退は、ナイキだけに止まらないかもしれない。
それは本当に、スポーツの発展に良いことだろうか?
今回のスピード社のLRは、泳ぐ時の姿勢を保つことで、記録を伸ばすというモノだった。
むしろ山本科学の「タコヤキラバー」のような素材の方が、素材開発としては本流のような気がするからだ。