日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

名コピーライター

2009-03-31 12:22:27 | アラカルト
新聞各社のWEBサイトに、コピーライター・土屋耕一さんの訃報が掲載されている。
「土屋耕一」といわれても「誰?」という方の方が、多いかも知れない。
多分、多いだろう。
ただ、彼の作品を見たことがあるコトがある方は、大分いらっしゃるのではないだろうか?
例えば・・・「あぁ、スポーツの風だ(伊勢丹)」、「こんにちは、土曜日くん(伊勢丹)」など、1970年代の生活者の気持ちを口語で表したコピーライティングがある。
他にも、「彼女が美しいのではない、彼女の生き方が美しいのだ(資生堂・インウイ)」、「君の瞳は、10000ボルト(資生堂)」、「もどっておいで、私の時間(伊勢丹)」などがある。
特に「君の瞳は、10000ボルト」や「もどっておいで、私の時間」は、CMソングのタイトルとして使われた。
おそらく今の50代以上の方にとっては、思い出のある曲だと思う。
その意味で、テレビCMとヒット曲が結びつくキッカケとなった、コピーライターだったかも知れない。
なによりも、コピーライターと言う仕事を、確立した人物のひとりといっても過言ではないと思う。

実は、土屋さんにはもう一つの顔がある。
それが「回文作家」だ。
ご存知のように「回文」というのは、「頭から読んでも、後ろから読んでも同じ」という文である。
そんな洒落た文を作るコピーライターでもあった。
むしろ回文作家だったからこそ、洒落たコピーライティングが出来たのかも知れない。

今では、コピーライターと言えば、広告と言う仕事の中で注目され、あこがれの職業の一つとなっているが、単にあこがれでなれる仕事ではない。
まぁ、ほとんどの仕事は「あこがれ」だけで、なれるものではないのだが・・・。
おそらく回文を作るほどの「コトバの引き出し」がたくさんあり、生活者の気持ちとクライアントへの提案力の両方を兼ね備えていらっしゃったのでは?と、改めて思う。

土屋さんが長い間、会長として務められたTCC(東京コピーライターズクラブ)のHPには、「殿堂入り」したコピーライターの作品を見ることができる。
その中には、サントリーで活躍された開高健さんの作品も見ることができる。
そしてこれらの作品を見て思う事は、直接的・間接的表現は別にして、どのコピーにも一種の自由さと闊達さを感じることができる。
もちろん、ユーモアのセンスも十分にある。
いくら、社会が閉塞化していた時であっても、それは変わることがない「筋」のような気がする。
ところが今は、どうなのだろう?
やたらと「効率・合理性・儲け」ばかりが先に立ち、ユーモアのセンスも自由で闊達な雰囲気さえも感じられない。

明日から新年度が始まる。
新社会人たちを迎い入れる私たちの社会は、どこか窮屈で目先のことだけで終わってはいないか?
そんなことを土屋さんの訃報が、問いかけているようにも思える。







「鬼の霍乱」につき・・・

2009-03-30 19:49:13 | Weblog
昨夜から、体がゾクゾク。
クシャミが、途切れず。
鼻はグシュグシュ・・・どうやら、本格的に風邪を引いてしまったようだ。
丁度、先週定期検診に行ったので、今日その結果を聞きに行く予定をしていた。

お昼、クリニックへと定期検診の結果を聞きに行くと、問題なしということで一安心。
しかし、担当のお医者様はやはり「風邪薬を出しておきますね」と、一言。
市販薬も丁度無くなったところだったので、タイミングは良かったのだが、ココで今まで知らなかった事を知ることになった。

私が通っているクリニックと言うのは、婦人科なのだが、婦人科は外科系に属すると言うのだ。
そして、内科のお医者様は抗生物質を出したがるけど、外科系のお医者様は手術などの時以外では抗生物質を余り出したがらないというのだ。
病院そのものに余り行く事が無い私などは、まったく知らない事でビックリ!
もちろん、婦人科のお医者様でも、抗生物質を使いたがる方はいらっしゃると思う。
ただ、更年期障害などの対処薬などは圧倒的に、漢方を処方されるお医者様が多いと聞く。
もちろん、患者さんの希望などがあってのコトだと思うのだが、意外な事実を始めて知った。

と考えると、現在Yahooや楽天のサイトにポップアップされる「薬のネット通販」というのは、どうなのだろう?
何でも「ネット通販」と言うのは、やはり問題だと思う。
しかし、ネットと言う便利さには代えがたいモノもある。
であれば、コンビニで販売されている程度の薬であれば、ネット通販をしても良いのでは?と、思ったりもするのだ。
もう一つは、糖尿病など処方箋が必要で、長期的投薬が必要な場合などだ。
定期検診以外のときなどは、決められた「かかりつけ処方箋薬局」で、定期的にネット通販するという方法だ。
もちろん、そのために必要なモノ・コトはあるだろう。
何より、通販で申し込んだ相手が本人なのか?確認する必要がある。
そのような問題点を、洗い出していくコトが先決なのではないだろうか?

本日「鬼の霍乱」につき、本日はこれにて失礼。

どっちを向きたいの?方向性が違いすぎる経済戦略

2009-03-29 09:43:44 | ビジネス
昨日、「CO2削減が雇用を減らす」という内容の、日銀と経団連の試算について、エントリさせていただいた。
そして今日、讀賣新聞のWEBサイトには、200万人雇用創出へ「低炭素」など集中投資…政府戦略と言う記事が、掲載されている。

日銀と経団連、そして政府の「成長戦略」では方向性が違いすぎるように思えるのは、私だけだろうか?
日銀と経団連の試算の素となっている発想が、これまでのような産業構造と雇用の維持だと言うことは、明らかだと思う。
米・オバマさんが雇用の創出としてあげている「グリーン・ニューディール政策」に習って、「グリーン政策先進国」といわれている欧州でもより一層、経済政策の中心に掲げているはずだ。
それに対して、日銀も経団連もこれまでの産業だけの成長を考えた試算を出しているようでは、とてもではないが「グローバル経済」の中での成長など期待できないはずだ。

実際、日本の「グリーンエネルギー開発」は、様々な発想でおきている。
テレビなどで頻繁に紹介されている「振動床発電」などは、化石エネルギーがほとんど無い、日本向きの「グリーンエネルギー」だろう。
他にも日本独特の「MOTTAINAI精神」で研究開発されている、バイオマス燃料や地蓄熱発電システムなどもあるようだ。
既にそのような産業が生まれ・成長しつつあると言うのに、それを政府や経団連に所属する大手企業が支援・応援しないと言うのは、日本経済の将来は無いといってもおかしくは無いだろう。
その点から考えれば、オバマさんの「グリーン・ニューディール政策」に刺激をされたかも知れない(?)今回の「成長戦略会議」の打ち出した方向性のほうが、現実的だろう。

一番懸念するのは、経団連自ら(=産業界)が「イノベーションを生み出す企業」を支援・応援する気が見えないことだ。
現在のような経済危機の状況であれば、力強い政府の経済戦略が雇用を創出し、経済を発展させる一助になることは確かだが(だからといって、今回の政府提案となっている「経済成長戦略会議」が素晴らしい!と言っているのではない)、本来であれば経済界自らがそのような企業を応援・支援する事の方が重要なのではないだろうか?
今更「そんな新しい産業を知りませんでした」などと、経団連会長が言うようでは困ってしまう。
できれば、「グリーン産業」を考え・開発する企業と、それを作る中小企業が連携して、大きな産業となることが、ベストなのではないだろうか?
大企業に「モノ・金(特に金)」が集中する産業構造のほうが、問題なのでは?
産業界自体が、このような小さな企業と技術を持っている中小企業を結びつけるような、動きがあっても良いはずだ。
そのような動きが、日本を元気にさせるのでは?
まぁ、経団連に所属している企業そのものが、大企業だから仕方ないのかも知れないが・・・。

とは言うものの・・・日銀の試算って・・・一体何を見ているのか?
本当に、この人たちに日本の金融を任せて大丈夫?


発想の転換と・・・

2009-03-28 14:24:34 | ビジネス
一昨日(だったと思う)、Yahooのトピックスに「CO2削減策で、失業者が増える?」というような内容のニュースがあった。
元のニュースは、読売新聞に掲載されている「温室ガス減らすと失業者増える」政府検討委が試算結果だと思うのだが、この政府検討委員会の試算が「本当?」という疑問を持ってしまうののは、私だけではないと思う。

おそらく、この試算をした人たちは「今後産業構造が変わらず、尚且つ生活者の意識変化も起こらない」という発想しかなかったのではないだろうか?
例えば、以前拙ブログでエントリさせていただいた「第6次産業」と呼ばれる、「第一次産業+第二次産業+第三次産業」のような事業が起きコトなく、相変わらず自動車はガソリンだけで走り、生活者は企業の言うことを素直に受け入れる・・・」そんな前提であれば、このような試算の通りだと思う。

ところが、実際はどうなのだろうか?
先日発売されたホンダのハイブリッドカー「インサイト」は、その価格も魅力だと言うこともあり、納車までに1ヶ月以上も待つような状態だと言う。
単なる価格ではなく、同等の価格帯のクルマなら「環境を意識したハイブリッド車に乗りたい」という人たちの多さを現しているのではないだろうか?
そのためにホンダは、販売価格を押さえる努力や技術開発をしたはずなのだ。
そのような刺激を受け、トヨタも新型プリウスと旧モデルとなる現行プリウスの価格見直しを発表している。
もちろん他の自動車メーカー各社も、次々と「ハイブリッド車市場」へ参入するだろう。
と言うコトは、自動車メーカー各社も「ガソリンのみで走るクルマ」から、「電気などを使うハイブリッド車」へと移行し始めていると、考えるの方が自然だろう。

もちろん生活者の意識も、急激に変わり始めている。
「安かろう、悪かろう」という時代ははるか昔に終わり、「分相応」と言うコトを意識し始めている。
それは自分たちの収入と支出のバランスと言う問題だけではなく、「この品質であれば、この価格は当然」という、商品と価格のバランス感覚を重視してきているように思うのだ。
その代わり、メーカーや販売の現場では「真っ当な説明」が必要になってきている。
言葉を変えると「生活者が、吟味して選び、納得する」という時代になってきているのだ。

それにしても・・・ビジネス誌などでは「これまでの概念を打ち破れ」という意味での「パラダイム・シフト」と言うコトバが飛び交い、生活者の意識や思考を懸命に吸い上げようとしているのに、何故企業の集合体であるはずの「経団連」などが、この現実を理解できていないのか?

「経団連」であれば、「パラダイムシフト後の経済と産業構造」を念頭において、考える出来ではないだろうか?
本当に旧態然とした発想しかもてない、経団連と日銀に今後の日本経済の舵取りを任せてよいのだろうか?
そちらの方が不安なのだが・・・。

桜の下で・・・

2009-03-27 18:14:13 | 徒然
先週「桜の開花宣言」が出たのに、今週になって「花冷え」の日が続いている。
気の早い方たちは、今週末にお花見を予定されているかも知れないのだが・・・。
今日の毎日新聞のWEBサイトに「お花見の写真」が掲載されている。

明治から昭和の「花見」の写真だ。
よくよく見ると、桜の下のテーブルでさながら「アフタヌーンティー」を楽しんでいるかのような令嬢たちの姿もある。
そして、今と変わらずござやムシロを引き、お弁当を広げ「宴を楽しむ」という姿や、「踊りに興じる人」の姿もある。
その姿は今とは変わらない、桜の下で「春を楽しむ」姿と同じだ。
平安神宮では、桜をバックに文金高島田に紋付の羽織袴と言う結婚式と言う写真もある。
のどかで、暖かな陽気だけではない、心も微笑むような写真だ。

今週末は、「1,000円で高速道路乗り放題」が始まる。
「チョッと遠出をして、桜を見に行こう」と言うプランを立てている方もいらっしゃるだろう。
といっても、まだまだ肌寒いようなのでくれぐれもお風邪など召しませぬよう、お気をつけください。

専門店とネット通販

2009-03-26 09:02:29 | ビジネス
今、探し物をしている。
「探し物」と言っても、遺失物と言うコトではなく、財布を買い換えるために、「探している」のだ。
財布も10年以上使っていると、それなりに汚れや痛みが目立つようになり、昔から「春財布」は縁起がよいからと言う理由もあって、財布を探しているのだ。
元々海外の有名ブランド品など持つ気が無く、ノーブランドで、質感と使い勝手の良さを最優先としている。
10年前までは、そんな財布を街中で見つけるコトは、決して難しいコトではなかったはずなのだが、先日用事で百貨店が建ち並ぶ繁華街に出かけた時には、「財布探しの旅」のように、街中を歩き回る結果となってしまった。

探し始めて、気が付いたことがあった。
それは、カバン店そのものが減り、カバン店が扱う財布も減っていると言うことだ。
では、どんなお店にカバンや財布が置かれているのか?と言うと、アパレルを扱うお店にあるのだ。
もちろん、ノーブランドではない。
ショップの名前=アパレルブランド名が、シッカリ入ったカバンだったり財布だったりする。
肝心な素材感や使いやすさとなると「・・・・・・????」となってしまうのだ。
百貨店の財布売り場と言うのも選択の一つなのだが、やはりブランドライセンス商品ばかりで、個人的に「これは!」という感じではない。
かといって、東急ハンズなどの売り場には婦人物はほとんど見かけない。
私のように10年くらい同じ財布を使う、と言う人を対象にはしていない、と言うコトが良く分る。

ノーブランドにこだわる理由は、財布やカバンは「使うコトが目的」だと考えているからだ。
海外の有名ブランド品を持つ「ステータス」よりも、気恥ずかしさを感じ、「余り知られていない、上質なモノを持ちたい」というが先にあると言うが、ブランド品を持ちたくない理由ではある(単なる「へそ曲がり」なだけなのだが)。
そのため、カバンや財布、靴などを探す時には、真っ先に「専門店」に行くことにしている。
しかし、専門店は繁華街から姿を消しつつあるようなのだ。
靴屋さんは、それでも「工房」の看板を掲げビルの一室でこじんまりと、お客様の足型を取って、注文靴だけを扱うところが最近増えてきているようなのだが、靴のように型の要らないカバンや財布などは、見かけなくなったように思う。

アパレルメーカーやファッションブランドが、カバンや財布を手がける理由はわかるのだ。
洋服とのコーディネートと言う「提案」を、生活者にしていると言うコトなのだ。


結局、「これは!」と思える財布を探す事が出来ず、自宅に帰ってからネットで探して見ると、幾つかヒットする。
おそらく、私のようなタイプは市場的には余りいないのだろう。
だから、マスで販売するお店では扱えないのだろ。
反面、ネット通販のような販売形態であれば、製造業者さんが直接販売することもできるし、その対象は全国と言うコトになる。
販売数は多くなくても、大きなリスクを負わずにビジネスができるのだ。

当然と言えば当然のコトなのだが、今日改めて、ネット通販の中心の一つがこのような小さな工房などの販売ルートとなっているのだ、と実感した。

WBC効果はあるのか?

2009-03-25 21:43:55 | スポーツ
昨日、WBC決勝戦で接戦・熱戦の末日本が優勝した。
テレビのニュースなどで見る限り、「日本中が大熱狂!!」という感じだったのだが・・・。

実は、昨日この熱戦が繰り広げられている時間、名古屋の繁華街へ用事があり出かけていた。
出かけていた場所は、全国一地価が下がったと言われている所の近くだ。
そのためだろうか?余り熱狂を感じられなかったのだ。
確かに、ワンセグ携帯を見ながら歩くサラリーマンの姿を見なかったわけではないのだが、そのような姿もチラホラ。
電機量販店やマックでは、それなりに人が集まっていたのだろうか?と、思っていたのだが・・・自宅に帰って気が付いたことがあった。
それは、今回の「侍ジャパン」には地元・中日ドラゴンズの選手が、一人も参加していなかったコトだ。
野球ファンではない私は、余り気にしていなかったのだが、やはりこのようなコトが盛り上がらない理由だったのかも知れない。

4月になれば、日本のプロ野球が開幕する。
プロ野球関係者(中日関係者は除く?)は、このWBCの勢いを借りて昨年までの人気低迷を脱したいところだろう。
しかし、そう簡単に思惑とおりになるだろうか?
やや疑問なトコロがある。
と言うのも、先回のWBC優勝で盛り上がったはずの野球が、シーズン中それほど盛り上がらなかったと言う気がしたからだ。

もう一つは、一般的に言われる「経済効果」という点だ。
今日からスポンサー企業の一部は、「連覇達成!優勝セール」を始めているところもあるようだが、このような一時的な経済効果はあくまでも「一過性」のモノ。
まして、今の経済状態から考えればいわれているような500億円を超えるような、経済効果が期待できるのか?と言う点でやや疑問なトコロがある(紹介記事は産経新聞)。

本来であれば、この優勝をキッカケに野球をする人が増えたり、野球と言うほどではないにしても、キャッチボールをするためにグローブやボールを購入する人が増えたりする事が、一番だと思うのだ。
もう一つは、やはりプロ野球をテレビ観戦ではなく、球場で観戦する「野球ファン」の拡大が無ければ、「経済効果」と言うほどのモノが無いのでは?と、思っている。
今更、「侍ジャパン」のレプリカユニフォームが、爆発的に売れるとは思えない。
キャッチボールをするために、グローブやボールを購入してもキャッチボールができる場所がどれほどあるのだろうか?
元々、スポーツファンを自認する人たちの多くは「テレビ観戦派」だとも言われていることを考えると、球場へ足を運ぶ野球ファンが急増するとは考えにくい。
一時的「経済効果」ではなく、長期的経済効果を考えなくては?と、思うのは私だけだろうか?
それとも、WBCへ選手を派遣しなかった中日の地元だから、そう感じるのだろうか?





ベビーフードとシニアフードの関係

2009-03-24 10:55:13 | ビジネス
日経新聞WEBサイトに、筋肉が衰えがちな世代に、たんぱく質補う飲料 和光堂と言う記事が、掲載されている。

ご存知の方も多いと思うのだが、「和光堂」という食品会社は、ベビーフードで有名な企業だ。
粉ミルクと言うよりも、離乳食を中心に作っている企業でもある。
他では意外なトコロで、見かけられたことがある方もいらっしゃるかも知れない。
カップコーヒーなどの自販機の中に、「牛乳屋さんの珈琲」と言うメニューがある自販機を見かけたことはないだろうか?
実は「牛乳屋さんの珈琲」を作っているのも、「和光堂」だ。

その「和光堂」が、シニア向けフードを製造販売するというのが、記事の内容だ。
もちろん離乳食と同じ形状のモノを販売するわけでは無いようだが、離乳食作りの過程で身に付けた(と言うのだろうか?)栄養摂取効率を高める技術が応用されているようだ。
このような記事を読むと、新しい事業への進出のように思えるのだが、決してそうではない。

過去拙ブログでも何度かエントリさせていただいた、ファミレスのお子様メニューのシニア向けサービスなどは既に始まっている。
他にも、和光堂と同業他社となる企業では「離乳食」のノウハウを活かし、「介護食」として、製品化・販売をしている。
その流れから考えれば、当然のコトなのでは?と言う気がするのだ。

ただ、今回の食品の場合これまでの「介護食」と大きく違うのは、介護などを必要としてないシニア世代を対象としているコトだろう。
むしろ、補助食品としての意味合いが強い。

そこで、フッと思ったのがシニア向け飲料水としてだけではない、客層の存在だ。
と言うのも、今から20数年前ファッション誌「ヴォーグ」に、あるスーパーモデルが食事について「ダイエットが必要な時は、ベビーフードを食べるの」という記事があったからだ。
単に痩せているだけでは、モデルとしての仕事をする事は難しく、そのため栄養を効率よく摂取すると言う目的で、ベビーフードを食べていると言う内容だったのだ。
同じように、このシニア向け飲料水もダイエットなどを必要としている人たちにとって、心強い補助食品となる可能性もあるのでは?と、思ったのだ。
この場合、「健康上の問題を抱えた人のための補助食品」と言う意味だ。

市場と言うのは、実はこのようなトコロで生まれてくるのではないだろうか?

助成金を求める前に

2009-03-23 20:44:31 | アラカルト
読売新聞のWEBサイトに、環境対応車“乗り換え”に20万円助成、経団連会長が提言と言う記事が掲載されている。

経団連会長の御手洗さんの言うとおり、自動車産業は様々な業種が関わる裾野の広い業界だ。
そして、ドイツだけではなくフランスなど欧州では環境に配慮したクルマの買い替え助成金によって、新車の販売台数が伸びたと言う実績もある。
それはそれで分るのだが、どこか違和感を感じてしまうのだ。

今の日本経済の不安要因となっているモノは、何だろう?と、考えると「雇用」ということがあるのではないだろうか?
「雇用の安定」によってもたらされる、各世帯の収入の安定が実感できれば、それなりに消費にまわるお金も出てくると思うのだ。
ところがその根本となる「雇用」が不安な今、例え自由に使えるお金があったとしても、将来への先行き不安によって消費マインドそのものが冷え込んでしまっているように感じるのである。

実際、今日発表になったスーパーの売上などでも、衣料品などの不振に加え、一般食品まで売上が落ちていると言う。
一般食品と言っても、おそらくビール(と言うより、第3のビールか?)などの嗜好性の高い食料品の売上が落ち込んだのではないか?と考えるのだが、日々の食品などまで買い控えるようになってしまう傾向が出てきているとすれば、それは「消費マインドの冷え込み」というレベルの問題ではない。
と言うコトは、今の生活者は「切り詰められるトコロは、何でも切り詰める」という「聖域なき家計節約」になっているとも考えられるのだ。
これでは、いくら大手スーパーが「生活応援商品」と言って、値下げ商品を数多く店頭に並べても、効果のほどは期待できない。
むしろ、消耗戦と言う状況になりかねない。

そこまで消費マインドを冷え込ませてしまった背景を、まずシッカリ考え、対策を練らないと無理なのではないだろうか?
むしろクルマの買い替えを考えられる人たちは、まだまだ経済的に余裕があり、助成金が出れば「買い換えたい」という気持ちを後押しする事にはなっても、経済的効果は思ったほどではないのではないだろうか?

御手洗さんの言葉には、企業を取り巻くステークホルダーに対する思いやりと言うモノが感じられないのは、助成金を求める一方で、その原因となる問題に取り組む姿勢が見えないことにあるのではないだろうか?


鳩山総務大臣も気づかない文化財

2009-03-22 22:27:38 | アラカルト
朝日新聞のQWEBサイトに、文化財指定の転車台、最古級の駅舎…JR武豊線に再び光と言う記事があった。
おそらく、愛知県民以外の方にとっては「武豊線?」という感じがするだろう。
実は、愛知県民である私も武豊線を利用した事がない(恥)。
知多半島方面に出かけたことが余りなく、出かけるにしても名鉄電車か友人のクルマと言うのがその理由なのだが、そんな小さな駅舎にまさか!文化財があるとは思いもよらなかった。

このような場所が脚光を浴びるのは、2、3年ほど前からの「鉄男・鉄子さんブーム」があるからなのだろう。
拙ブログに来られる方で「鉄男・鉄子」と言っても「何?人の名前?」という方が、いらっしゃるかも知れないのだが、いわゆる「鉄道マニア」の方たちが増えてきており、しばらく前にはテレビドラマにもなったような、記憶がある(テレビドラマを余り見ないので、記憶が定かではない)。

ただ、駅舎の写真を見る限りでは「そんなに古いの?」という気がしてしまう。
建物そのものも、古さを感じさせない。
もしかしたら、外装は新しく塗りなおしなどをして、古さを感じさせないようになっているのかも知れない。

実はこの記事を読んで、とても残念な思いをしているコトがある。
それが、旧JR出雲大社駅だ。
私もお正月の初詣のたびに、利用した駅舎でもある。
昔の「大社詣」で賑わっていた頃を思い出させる駅舎だ。
大社線の廃線により、駅も廃止されたのだが外装だけは今でも見ることができる(おそらく、中に入ることは出来ないと思う)。
もう一つは、同じ出雲大社の玄関口となっている一畑電鉄・出雲大社前駅だ。
こちらは、初詣の帰りによく利用した駅なのだが、旧JR大社駅とは対照的なモダンな造りの駅舎だ。

おそらく、このようなヒッソリと隠れた文化財級の建築物は、全国にあるのではないだろうか?
鳩山総務大臣が、東京中央郵便局の建替えに噛み付いた結果、残される方向へとなったようだが、多くのこのような建物は朽ち果てるか、「時代に合わない」と言う理由で、取り壊される運命のどちらかなのではないだろうか?
とすれば・・・このような建物をかかえている地方は、「YOUKOSO!Japan」キャンペーンを積極的に利用して、国内だけではなく海外からの観光客誘致に使ってみてはどうだろう?
そして、地方に根付いた伝統的手仕事や食事が、きっと訪れた人を喜ばせると思うのだ。