日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

見通しが甘かった?-第三セクターの破綻と納税者への説明責任-

2005-10-30 10:05:25 | ビジネス
毎日新聞のWEBサイトに日本政策投資銀:不良債権の半分以上が3セク融資という記事が、掲載されている。
この記事だけではなく、日ごろから第三セクターに対する経営的な不信感は高い。
いわゆる「放漫経営」ということだ。
最近話題になった第三セクターは「大阪ドーム」。
昨年まで近鉄バッファローズが使っていた球場だ。
他にも、書店などで目を引く「廃墟の写真集」等には、経営が立ち行かなくなり廃墟と化した第三セクターの「テーマパーク」や「保養施設」が掲載されている。

記事に掲載してある通り、破綻した第三セクターの多くは「バブル期」に計画・施工されオープンした施設が殆どだ。
確かにあの頃は、老いも若きも地に足がついていなかったというか、世の中「フワフワ」とした浮遊感があった。それに便乗するように採算度外視で作られたモノが、廃墟となっている場合が多い。
そして、「公共性の高い事業なので、高収益は期待できない」という趣旨の考えで、最初から事業展開をするのは、今更ながら言い訳のような気がする。

半官半民というより7割官3割民のような第三セクターは、バブルが崩壊した後も事業の拡大をし続け、その結果、破綻し債権回収が不可能となりそのツケを、税金でカバーするということが続いている。
ところが、破綻した第三セクターの責任者が、その後何らかの責任を追求されたという話は、聞いたことがない。
あくまでも「株式会社」であるならば、その株主に対しての説明責任があるはずなのだが、株主が自治体ということもあり、ウヤムヤになってしまっている。
でも本来なら、自治体の株主である納税者に対して説明する責任があるのではないだろうか? 

どうも、総てにおいて「甘い」という気がする。

「バブル再来」という声も聞こえはじめた。
その中心となっているのは、「ヒルズ族」と呼ばれる人達らしい。
でも三木谷さんや堀江さんが事業を大きくしてきた手法は、決して「生活者利益を考えたビジネス」ではない。
M&Aを繰り返し、株価を上げることによることなのだ。
バブルの正体をしっかり生活者が見極める時代が、今なのだ。

「押してもだめなら・・・-楽天に欠けているもの-」のエントリーに、いくつかのトラックバックをいただきました。ありがとうございました。
どうも、楽天には分が悪いという感じですね。
「日本の底力」には、グッドデザイン賞の公式ブログにご紹介いただきました。
こちらが恐縮してしまいました。
今回のグッドデザイン賞の特徴的なことは「人に優しい、人の気持ちを考えたデザインが、グッドデザインだ」ということだと思います。
このようなデザイン力を含め、日本の底力=知的財産を産業の核としていくことが大切でしょうね。マネーゲームでは国の経済は発展しないということだと思います。
「スポーツにまつわるいろいろなこと」には、コメントとトラックバックを同じ方いただきました。
スポーツ選手の年俸査定というのは、それぞれのチームの考えが反映されているということでしょうか?引き際というのは、難しいような気がします。


スポーツにまつわるいろいろなこと

2005-10-28 23:24:08 | スポーツ
野球は、マリーンズが4連戦圧勝という結果で今季終了。
タイガースの熱狂的なファンの応援とは、対照的な「声」による声援。
きっと選手達を勇気付け、力を与えたのではないだろうか?
そして、選手の契約更改も始まっているようだ。
ジャイアンツの桑田投手は、30%ダウンの提示にサインしたらしい。
それでも、1億を越す高額年俸。
野球って、凄いな~・・・いや、ジャイアンツが「お金持ち」という、だけなのかも知れない。
なぜなら、今季1勝もしていない投手に1億超のお金を支払えるのだから。
海の向こう、メジャーリーグもワールドシリーズが終わった。
ホワイトソックスが80年以上ぶりの優勝を決めている。
15年程前までは、メジャーリーグの話題が日常的なものではなかったが、日本人選手が普通に活躍することで、ズッと身近になった。

サッカーでは、来年のW杯ドイツ大会の抽選会が12月に行われる。
日本人としては2人目となるドロワー(抽選役)に、中山雅史選手がAFC(アジアサッカー連盟)の推薦を受け、FIFAから招待された。
12月9日の抽選会では、その大役を無事に果たしてもらいたい。
それだけではなく、来週になれば天皇杯3回戦が始まる。
サッカーファンなら、馴染みのある「日本サッカー頂上大会」。
プロ・社会人・大学生~高校生までを対象とした、大規模な大会。
そのため、地域予選は8月ごろから始まり、元旦の国立を目指すのが「正しいサッカー選手」なのだ。

W杯がらみで思い出したことがある。
それは、「W杯キャンプ誘致」のこと。
W杯キャンプボランティアを登録した頃は、何処の国がW杯に出場するのか分からない6月の頃。それから研修が始まったのが8月。当然、キャンプ地となる保障などない時期から、キャンプボランティアの研修が始まっていたのだ。
それが・・・11月10日ごろ、急転直下のようにキャンプ国が決まってしまった。
それを知ったのは、テレビのニュース。
ニュースを見ながら「エ゛?!」と叫んだことを覚えている。
それからは、毎月のように研修があり4月からは2、3回/月の研修となった。
このときのボランティア活動が、「ソーシャルマーケティング」の興味と勉強へと繋がっていく。
ボランティア活動そのものは、とても楽しいモノだったし、ご一緒させてくださった方々もとても素晴らしい方たちばかりで、今でも「ボランティア同窓生」としてお付き合いをさせていただいている。

W杯と同じくらい大規模なスポーツイベントとなると、やはりオリンピック。
どうやら石原東京都知事は、マジで2016年のオリンピック誘致をするようだ。
記事を読む範囲では、オリンピックをテコとして東京再開発+景気刺激策という気がするのだが・・・。
日本でのオリンピック誘致ということは、夢があるし、マイナースポーツの振興という点でも有意義だと思う。
それを都市再開発だとか景気刺激策的要素を含ませることには、疑問なのだ。
今、実は日本が誘致合戦に参加している世界的スポーツ大会がある。
ラグビーW杯の誘致だ。
余りにも、マイナーな扱いしかされていないので、やや心配なところもあるのだが・・・サッカーW杯の成功やアジアにおけるラグビー振興策などで、何とか誘致を成功させたいと関係者は、一生懸命に活動しているようだ。

2002年のW杯の時は、日本と日本人の持っている「寛容的ホスピタリティー」をアピールしたと聞く。もちろん、FIFAに対してもそれなりのお金も動いたという話もあるようだが、実際W杯終了後、日本に対しては参加国だけではなくアジアの国々からも、高い評価を受けることができたのは、「質の高いホスピタリティー」を持っていたからなのだ。
ハード面をアピールポイントとしたがる石原さんって、発想が古くて「今」が分かっていないような気がする。

日本の底力-町工場にみるモノづくり-

2005-10-27 18:11:44 | ビジネス
一昨日、「グッドデザイン賞」の各部門受賞が決まった。
今年の大賞受賞商品は、テルモの「痛くない注射針」
糖尿病治療で使われるインスリン注射のための針である。

この注射針を作っているのが、日本の町工場
このインタビューを読んでみると「モノづくり」の意味とはなんだろうか?ということが、分かるような気がする。
何もトヨタや松下が、世界をリードするモノづくり企業というわけではない。
本当は、このような町工場が一杯あって、大企業製品を支えているのだ。

このインタビューを読んで、もう一つ感じることがある。
それは「相手を考えたモノづくり」ということ。
その為に、様々な情報収集に時間もお金もかけている。
やはり、こういう「ビジネスの基本」が大切だ、ということなのだろう。

楽天の三木谷さんは、このインタビューを読んだらなんと感じるだろうか?
本当のビジネスとは、株価を上げたり一方的な業務提携ではない。
グッドデザイン賞大賞という、賞から見えてるのは「モノづくりの原点」という気がする。



押してもだめなら・・・-楽天に欠けているもの-

2005-10-26 23:45:31 | アラカルト
今日、楽天がTBSの株を19%以上取得していたことが分かった。
先日の発表から、ひっそりと買い進めていたんですね、三木谷さん。
そして、今日の記者会見の席で「どうして、株を買い進めるのがいけないのか分からない」という趣旨の発言。
株取得によって経営的な力関係が優位になり、話合いが迅速に楽天の思うような方向へと運ぶ、と思っているのだろうか?

ニッポン放送の時の堀江さんも同じなのだが、どうして「自分のことばかり」を言うのだろう?
交渉事は、自分ひとりで進めることはできないのに。
「押して、押して、押し捲れ!」という交渉術を、MBAで学んだのだろうか?
しかし、それでは「自分の主張ばかり」を言っているに過ぎない。
これでは、自分の主張ばかり通す(複数の)某大国などと、同じではないだろうか?
その意識を持っていないとすれば、やっぱり経営者として「ステークホルダーの存在」を意識していない、ということになるように思う。

「押してもだめなら、引いてみな」という言葉があるが、今の楽天・三木谷さんに必要なことは、株を買うことではなくTBSだけではなくNHKまでを含めた「放送事業」に対するヴィジョンを、少し引いて「俯瞰図」で見ることなのではないだろうか?
その上で「楽天」の強みとなる事業と、放送事業の「しあわせな発展」を提示することだと思う。
「押す」だけが交渉術ではないし、相手の気持ちを思い測るということも「事業統合」には必要なことではないだろうか?
まして、放送事業と楽天の事業は文化的にもまったく違うものなのだ。

それと・・・今日の三木谷さんのファッション、どう思われました?
ピンストライプのスーツ。
テレビで見ても分かるほどの上質な素材感のあるスーツでしたが、三木谷さんに似合っていました?
私には、「一歩間違うとどこかのアンチャン」のような印象だったのですが。
着ているモノは上質なのに、三木谷さんの焦りや強引さが引き立ってしまったような感じ。
あくまでも、個人的な印象ですが。


エステに行くより、女性外来

2005-10-26 18:47:20 | ライフスタイル
昨日のエントリーに、讀賣新聞の社説を紹介したら・・・なんと×××@yomiuri.ag.co.jpというアドレスのウィルスメールを受信した。
これって何か?
余りのタイミングのよさに、ややビックリ。
そもそも、それほどアクセス数が多いとは思えない拙ブログ。
ランキングにも参加していないし・・・ムゥゥゥ、どうして?

「Hanako営業」さん、コメントありがとうございました。
朝日新聞が実施した「アメリカ産輸入牛肉についての意識調査」によると、やはり女性の方が「買わない」方が多いようですね。
それに、今回の輸入再開でも「吉野家」さんなど牛丼店が使う部位の輸入は、多くないようです。当分、290円の牛丼は難しいかも知れませんね。
同じエントリーにトラックバックを下さった「時事を考える」の管理人・マルセルさん、ありがとうございました。
本当に「政治決着」で、「食の安全」を考えてもらっては困るんですけど。
アメリカという国のエゴに付き合うのも、程ほどにして欲しいですね。
普天間の問題にしても、環境問題よりもアメリカの顔色伺い+アメリカは(日本以外の)環境団体の顔色少し伺い決着みたいな感じですから。
そして「NPOという生き方」にトラックバックを下さった、「きむの社会的責任」の管理人で「コミュニティーバンクmomo」代表・木村さん、日曜日はお疲れ様でした。これからが大変だと思います。応援しています。

「VOGUE Nippon」の最新号(12月号)をみていたら、「今、女性であるということ」という特集に目がとまった。
「女性の病気」という内容があったからだ。
これまで、女性ファッション誌といえば「エステ」が「女性のきれいを作る」ような記事が、目立っていた。
この特集を読むと、最近の婦人科系の病院も様変わりしはじめているようなのだ。
例えば、総合病院などでは「女性外来」という名前の診療科目が、増えはじめている。
これまでの婦人科系の診療科目は、「産婦人科」か「婦人科」という名称が殆どだった。
妊娠とは関係のない目的で、この診察科目の待合室にいるときの居心地の悪さといったら・・・。「女性外来」という名称変更だけでも、だいぶ気分的には楽になることは確かだろう。
それだけではない。
最近の「女性外来」には、マッサージや鍼、アロマテラピーなども受けられる施設があるようなのだ。
先日の毎日新聞にも「女性外来:“健康美”チェック!! 自分の体、見直すきっかけに」という記事が、掲載されていた。
「加年齢の肌診断チェック」などという言葉を見ると、まるでエステティックサロンのようだ。
これまでのような「産婦人科」では受け難かった、「子宮筋腫」など「子宮関連の病気」の検査、「PMS(月経前緊張症)」といった女性特有の精神的な病気」など「乳がん検査」だけではなく、受けやすくなっていくような気がする。
これからは「エステに行くより、女性外来に行くのが、センスある女性」となるかも知れない。

ただ、記事の内容には、「・・・???」というところがないわけではない。
「勝ち犬」ならぬ「パンサー女」って・・・雑誌「NIKITA」の「艶女(アダージョ)」に対抗したような、ネーミングは普通に引いてしまいますが・・・。
世間の女性の多くが、この記事あるような「超パワフル・何でもひとり勝ち女性」というわけではない。ファッション誌としては、十分楽しめますがそれにしても・・・。



本当に、大丈夫なのかな~?-アメリカ産輸入牛肉-

2005-10-25 20:42:31 | ビジネス
BSE問題で、輸入停止となっていたアメリカ産牛肉が12月にも再開されるかも?しれない。
毎日食事を作る立場から言えば、「本当に大丈夫?」という疑問だけが残る。
そんな時、讀賣新聞の社説を読んでやや驚いた。
これまで日本がこだわってきた「全頭検査」は、「世界で実施されていないから、諸外国からから理解されない」的な論調や、牛肉の輸入再開が遅々として進まないから、日米関係に悪い影響を及ぼしているのではないか?という指摘。
どのような方が書いているのか知らないけれど、それって違うんじゃ・・・。

確かに、アメリカは牛肉の輸入再開に対して相当の圧力を仕掛けてきていた。
その背景にあるのは、日本からの輸入が減ったことでアメリカの畜産農家が「何とかしてくれ」と、政府に泣きついたからだろう。
でも、だからといって「日本国内における食の安全」にまで、口を出しては欲しくない。
アメリカの畜産農家自身も、「日本の基準が厳しいのなら、その基準に合わせるだけの客観的検査や、飼育の公開」をすればいいだけのことなのだ。
何も、日本がアメリカの基準に合わせる必要などないはずなのだ。

こういうアメリカの態度を見ると、思い出すことがある。
それは、「バーガーキング」の日本進出失敗だ。
「バーガーキング」というのは、アメリカへ旅行したことのある人なら、有名なハンバーガーチェーン店ということは、よくご存知だろう。
この「バーガーキング」、実は以前日本に進出をし早々に撤退をしている。
「バーガーキング」が、日本進出を決めた理由は「マックドナルド」の成功にある。
「日本人にもハンバーガーを食べる習慣があるのなら、大丈夫だろう」と思って、進出をしたのだが、ものの見事に失敗。
その理由は、「アメリカンスタイル」にこだわったからだ。

例えば、ハンバーガーの大きさ。アメリカのスタンダードサイズは、日本人にとっては大きすぎる。
厨房などの作りも、アメリカ仕様のモノをそのまま持ってきたために、実際作業をする日本人にとっては、使いにくい。
ところが、実際そのようなトラブルが起きても「これが、バーガーキングのスタイルだ」ということで、押し通してしまった。
結果、あっという間に撤退を余儀なくされるのである。
「マックドナルド」が、日本で成功したのは「日本人に合わせた」からなのだ。
もっと簡単に言えば、「お客様のニーズを、キチンと理解し、提供」したから。

では、今回のアメリカ産牛肉の輸入再開。
どう見ても、アメリカサイドの「ごり押し」という感じにしか思えない。
「アメリカの手法が正しい」という考えが、最初にあるのだから仕方ないのかも知れない。
これでは、「食」と「家計」を預かる主婦は、たまったものではない!
確かに安い牛肉は、「家計にはやさしい」が、家族の健康を考えたら「我慢」という選択をするだろう。
その「日本人の生活者の意識」が、分からないのがアメリカの畜産業団体であったり、それを政治問題としてしまっているアメリカ政府や、および腰になってしまった日本政府なのではないだろうか?
これで、アメリカ産輸入牛肉の消費が伸びると思っているとしたら、日本の生活者を侮っているということでしょう。
とにかく大切なことは、日本市場がNO!ということだと思いますね。

「ビジネスの基本から、関係者のみなさんやり直し!」というのが、私の感想だ。

NPOという生き方

2005-10-24 08:56:32 | ライフスタイル
二日間のお休みをいただいた。
「秋眠、暁を覚えず」週間の週末を、たっぷり?と過ごさせて頂いた。

とは言うモノの、実は昨日以前拙ブログで書いた「NPOバンク」の話を聞きに出かけていた。
「NPOバンク」というのは日本では馴染みがないが、海外ではポピュラーな存在のようだ。
その存在が、地域であったり社会生活の中でしっかり根付き、一般銀行とは違う利用のされ方をしているのだ。
例えば、ドイツの「GLSコミュニティー銀行」はシュタイナー学校設立を目的とた生協組合が作った銀行。
イタリアの「倫理銀行」(注意!PDFファイル)は、融資条件に「武器製造や輸出、性産業などに関わっていないという証明書を提出する」というモノがあったり、融資を受けたあとでも「VARIメソッド9」というメソッドを実践しなくてはならないという。
アメリカなどでは「コミュニティー銀行」が、年間200行近く増えている。

ところが、日本では都市銀行はメガ・バンク化し、信用組合などはなくなってきている。
日本の信用組合の活動そのものが、余り理解されていなかったり、紹介されていないため、いくつかあった不祥事のイメージが強いという現実があるのだが。
でも日本には昔から「互助会制度」のような、社会システムがありそれがカタチを変え「NPOバンク・コミュニティーバンク」になっていく素地があるはずなのだが、「経済優先」という発想と、監督官庁が積極的ではないという現実が、それを阻んでいるようだ。

この「経済活動」に、背を向けているイメージのある「NPO」という活動だが、決してそうではない。
「非営利の経済活動」ということなのだ。
「非営利だから、儲けが要らない」のではない。
「非営利だからこそ、儲けが必要」なのだ。
それは、「社会へ還元するために必要な儲け」ということ。
だが、どうも日本での受け止められ方は「無償の奉仕」となっているのは、ある意味残念な気がする。
というのも、今現在問題になっているNEETなどの職業訓練の受け皿となる可能性もあるだけではなく、2007年問題とも言われる「団塊の世代の定年退職」後の人材活用と言うことも、考えられる。
これまでの「シルバー人材センター」等での活動の多くは、「園芸」等の趣味の延長となる軽労働が主だった。
それが本当の人材活用なのか?といえば、むしろ「お年よりだから、これくらいの仕事が適しているだろう」という一方的な見方でしかない。
これからは「これまでの社会経験、企業人としての経験を活かす」ことが、必要となっていくのではないだろうか?
何よりもNPOには、「新卒」も「定年退職」もないのだ。

様々な経験をもつ人や、夢を持つ人たちが持ち寄って「自分たちの描く理想的な社会」を創るNPOという生き方も、LOHAS的なのかも知れない。

今回、NPOバンクを立ち上げたのは20代の若者が中心。
そして「環境、地域社会」ということに対して熱心に活動している「A SEED JAPAN」も、20代が中心。
「今世界にある貧困を知ってください」という、啓蒙活動資金集めを目的とした「ホワイトバンド」よりも、行動的であることには間違いないだろう。

書店にて-最近気になる装丁-

2005-10-21 19:24:53 | トレンド
昨日のエントリー「J&Jのタイレノール事件」について、訂正があります。
「毒物が入り」ではなく「毒物を入れられ」が、正しいです。
J&J自身も、被害者のひとりであったのですから。

こういう仕事をしていると、目新しいモノをチェックするために「現場」に行くことは、半ば日常的なことになっている。
最近気になる商品の一つは、お菓子の分野。
8月のお盆を過ぎると、コンビニエンスストアーなどの入り口正面は、チョコレートのディスプレーへと変わる。
春と違うのは、栗や抹茶などの「和」テイストのチョコレートが多くなること。
「人恋しい季節には、やはり「和」なのだろうか?」と思いつつ、売り場をチェックしている。

コンビニエンスストアーと同じくらいの頻度で行くところが、書店。
この春ぐらいから、女性雑誌の装丁にやや変化が生まれはじめている。
もちろん、主流となっているのは話題の女優さんやモデルが表紙を飾っているのだが、60年代風の表紙も見かけることが多くなってきた。
その代表的なものが、学研の「テイブルと」という雑誌。
タイトルも「テーブル」とせず、「テイブル」としているところがポイント。
この雑誌をはじめて見たとき、花森安治の「暮らしの手帖」を思い出したほどだ。

以前、テレビCMやテレビドラマでは70年代が注目されている。と書いたが、このような「くらし提案型雑誌」の分野で50年代~60年代前半の頃に「先祖がえり」しているような感じだ。
実家の母が「暮らしの手帖」を買っていて、馴染みのある表紙ということもあるのだが、編集そのものも中原淳一の「それいゆ」等を彷彿とさせる。
洋裁の心得のあった、母がこのような雑誌を見ながら夏のワンピースや、冬のセーターなどを作ってくれた記憶と重なるのだ。
もちろん、このような雑誌には「女の子についての躾」なるモノがあり、「小学校の高学年になったら、家庭のお手伝いをしましょう」とか、「お友達のお家へ伺う時のマナー」なる頁があったりした。
なぜなら、編集テーマの一つが「心もファッションもきれいな女の子」なのだから。

どうやらこのような装丁の雑誌が、ひっそりと流行っているらしい。
装丁の懐かしさよりも斬新さ。
編集内容の「手作り生活提案」というところが、ターゲットの女子高校生ではなく20代~30代の女性に受けているらしい。
その背景となる「生活観」については、もう少し観察と調査をしてみたい。
ただ、このような雑誌がウケル理由の一つには「勝ち組み・負け組み」という単純なグループ分けから外れる、普通の生活者の価値観があるのではないだろうか?

今年の3月、父の看病で実家に帰った時、なぜか私が使っていた書棚にこのような雑誌あったのは、どうしてだろう???母がなにか・・・?

企業理念の大切さ-最近話題の企業への疑問-

2005-10-20 22:38:04 | マーケティング
「これでおしまい?のまネコ」にトラックバック及びコメントを下さった「モナーを守る具体的方法・・・(以下省略。申し訳ありません)」のProtect MONAさん、ありがとうございました。

この「のまネコ」の問題について、「鎮痛剤『タイレノール』回収に関するJ&Jとエイベックスの対比」という提議をされています。
マーケティングに携わっている人なら、一度くらいは耳にしたことがあるかも知れない「タイレノール事件」。
改めて、「企業の社会的責任」ということを思い出させてくれた。

「タイレノール事件」というのは、ジョンソン&ジョンソン(以下J&J)が発売している鎮痛剤タイレノールに、毒物を入れ7人の方が亡くなった、ということに端を発する。
このとき、J&Jは「この薬は飲まないで下さい」と大々的に宣伝をし、タイレノール回収に努めたのだ。
当然のことながら、一時的な売上は大幅に落ち込んだのだが、むしろこの対応策が功を奏し、この事件収束後「タイレノール」だけではなく、J&Jそのものも高い信頼を市場や生活者から得るようになったのだ。

先月、日本環境協会という財団法人が「企業が社会的責任を果たしていると思うか?」という調査結果が、一部の新聞に掲載された。
ご覧になった方も多くいらっしゃるだろう。
そして、企業に関わる人間にとってこの調査結果は、余りにも哀しいものだった。
というのも、「まったく果たしていない」「余り果たしていない」と感じている消費者は実に57.9%。
調査期間が、自動車メーカーのリコール隠しや農協などの不正表示などが重なった、昨年12月~今年2月までだったことも影響しているのかも知れないが、消費者はとても厳しく企業を観ているとも言える。
そして、このような企業姿勢を正すためには「何をするのか?」というといに対しては「責任を果たさない企業の商品を購入しない」という回答が、43.6%で一番多いのだ。
この数字を、どう読み取り、企業理念へと発展させ、社員一人ひとりが理解をし行動とするのか?というのは、その企業がどれだけ「社会的責任を感じているのか?」ということへと繋がっていくはずである。

犯罪被害者であるJ&Jが「タイレノールを飲まないで下さい」と広告を打ち、回収に努めたその理由は、「我が信条」という「企業理念」に従ったからなのである。
強い企業というのは、社会性の「企業理念」を持ち、その理念に従って行動できる企業なのである。

今回の「のまネコ」だけではなく、今世間を騒がしている企業はどんな「企業理念」を持っているのだろう?
今年2月世間を騒がしたライブドアには、「企業理念」がHPにはなかった。
エイベックスのHPを見ても・・・らしきものは・・・「クリエイティブ企業」という文字だけが繰り返されていた。
そして「楽天」も・・・。
彼等が目指す「社会的企業のあり方とは?」今一度考えてみたい。

プロ野球編成?それとも改革?2

2005-10-19 18:22:51 | スポーツ
昨日は、一体なんだったのか?と思うくらい、夕飯の後の記憶が定かではない・・・。
火曜日からこんな状態だと、今週一週間が思いやられる。
といっても、別にお酒のたぐいではなく「秋眠暁を覚えず」状態だったのだ(トホホ)。

月曜日パリーグのプレーオフ第5戦があり、相当緊張感のあるエキサイティングな試合の末、千葉ロッテマリーンズが優勝を決めた。
マリーンズファンのみなさま、おめでとうございました。
そして、ホークスファンのみなさま昨年同様残念でしたが、シーズン中の結果はとても素晴らしいものでした。

実は、私もテレビで試合を観戦していた。
そして思ったことがある。
どうして、プレーオフの試合中継が第4戦と5戦しかなかったのだろう?ということだ。
普段野球を見ない私が見て「面白い」と思うのだから、一般的な野球ファンなら見たいと思ったのではないだろうか?
「他チームのファンだから、試合なんか見ない」という人もいるかも知れないが、野球というスポーツそのものを楽しむ人にとっては、見たかったのではないだろうか?
事実、第4戦を中継したテレビ東京には「良くぞ、中継をしてくれた!」という、好意的な反応が多かったようだ。
そればかりか、シーズン中のジャイアンツ戦よりも視聴率が良かったとか?!
様々なチームの試合中継をすることで、潜在的な野球ファンの掘起しもできると思うし、何よりもプロ野球の試合がない、地方都市の野球ファンにとっては楽しみな時間となるような気がするのだが、違うのだろうか?

そんな楽しい雰囲気が残る最中、楽天の三木谷さんが「横浜ベイスターズ売却計画を話していた」 ようだ。
TBSが親会社となっているということで、「楽天」としては今回のTBSとの業務提携問題でいち早く「子会社・横浜ベイスターズ」の切り離しを考えたようなのだが、これでTBS側が納得するとは思えない。
むしろ「順番が違うでしょ」と、反発を買うような気がしている。
村上ファンドの村上さんは、単純に「不採算なのだから売却すべき」と言っているだけなので、問題は余りない。
でも、楽天の三木谷さんは業務提携を提案しつつ、まだ子会社でもなんでもない相手企業の経営に口を挟んだのだ。どこか三木谷さんの焦りのようなモノを感じる。
この際「横浜ベイスターズ」は、横浜の優良地元企業の共同出資会社が経営することを検討したほうがよさそうな気がする。

そして「千葉ロッテマリーンズ」のような、熱心なファンをひとりでも多く創る努力をしたほうが、良いのでは?
プレーオフ第5戦をテレビ中継で見ながら、思ったのはなにもエキサイティングな試合内容だけではない。
「ヤフーBBスタジアム」を埋め尽くした、ホークスファンとマリーンズファンの姿もまた素晴らしかったのだ。
それは「ファンとチームとの、とてもしあわせな関係」を現しているようだったからだ。
これからの「プロ野球とファンのあり方」を提示しているような気がするのだが・・・。