日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

知識を得るだけでは・・・

2013-06-30 05:28:56 | 徒然

昨日、浜松で開催されていた「日本乳癌学会学術総会」の「患者向けセミナー」へ、出かけてきた。
「患者向けセミナー」は、今回初めての試みでこれまでは、専門医による学術総会のみだった。
セミナーとしては、とても充実した内容だったと思う。

乳がんに限らず、がん治療のポイントは「情報」と言われている。
その意味では「患者向けセミナー」での情報は、患者にとって新しい治療や治療の選択肢が増える。
患者として知っておく方が、治療の選択肢も増え自分にあった治療を知ることができる、数少ない機会といえる。

それに対して総会は、専門医を中心に最新の臨床情報などの発表が中心。
その学術総会に、患者が有料とは言え参加できた、というコトに違和感を感じたのだ。
患者が学術総会に参加してはいけない、と言うのでは無い。
違和感を感じたコトと言うのは、患者が学術総会で知った情報がどのような方法で、活用されているのか?と言う点で、疑問に感じたからだ。

学術総会のそれぞれの内容は、臨床の現場で活躍をされている専門医を対象にテーマ別に行われている。
この様な学術総会に参加する患者さんたちは、日頃乳がんに対して相当の勉強をしていらっしゃる方達だと思う。
何故なら、専門医と同じ内容を理解できるだけの知識が必要だからだ。
専門医であれば、常に臨床の現場にいるし、新しく得た知識を基に治療など臨床の現場で生かすことができる。
しかし、患者の場合得た知識を生かす現場というのは、「患者会」くらいだと思う。
「くらい」と言っては失礼だが、患者会でそれほど高度な知識を必要とするのだろうか?と、疑問に感じたのだ。

米国のがん患者会というのは、専門医並の知識を持ち活動をしていると聞いている。
しかしその活動内容は、日本とは全く違う。
患者会が大きな連合組織となって「治験」などの情報を患者会が会員に伝え、治験参加を呼びかけたり、ロビー活動のようなコトもしている。
時には、患者会が募金活動をし研究資金の資金提供まで行っている。

上述した通り、患者の集まりである「患者会」でも、がんについての様々な知識は必要だ。
必要だが必要とされている内容が、臨床の専門医レベルでは無いと思うのだ。
何より、様々な不安を抱えている患者や家族の心に寄り添い励ますためには、専門医とは違う視点が必要だと思うし、得た知識を説明したりするためには、専門医とは違う、患者の気持ちに寄り添った判りやすい言葉で伝える、と言う難しさがある。
学術総会で発表される高度な内容を説明をする、と言うのは専門医であっても相当大変だと思うと、「知識を得る」と言う意欲だけで終わっているのでは?と言う気がしたのだった。

何もこの様なコトは、医学学術総会だけのコトでは無いと思う。
ビジネスパーソンが、難しいセミナーに参加をしても得た知識をアウトプットできないまま、記憶の彼方にしまわれたままで終わっている・・・そんなコトは案外多いのでは?と、考えながら帰ってきたのだった


appleの決意表明?脱ジョブスそれとも・・・

2013-06-28 14:34:29 | マーケティング

昨日、新聞の真ん中二面を使ってAppleが広告を打っていた。
ご覧になられた方も多いと思う。
ご覧になられた方は、どのような感想を持たれただろう。

Apple:Designed by Apple in California

この広告を見て気づくことは、「Alppe 」のマーク=リンゴが無いと言うコト。
チョッとだけかじったようなリンゴのデザインは、ジョブスのお気に入りだった、と言う説もあり「ジョブス=Alppe=かじったリンゴ」というイメージがある。
その「かじったリンゴ」を使っていない、と言うコトを考えるとこの広告は「脱ジョブス」を謳っているようにも見える。

ところが、本文をよく読むと「アレ?ジョブスが生前言っていたコト?!」という印象へと変わる。
少なくとも私には、そう読み取れる文だった。
「脱ジョブス」を謳いながら、ジョブスの精神は引き継ぐ・・・そんな広告のように思えたのだった。
言い換えれば、「Appleの決意表明」とも読み取れる。

そしてこの広告を見ながら、今の日本の企業にこれだけの「決意表明」ができるだろうか?と考えたのだ。
大切なことは「プロダクトでは無い、体験である」という言い切り。
「誰のためになるのか?生活を良くするのか?」という自問のような文には「、『YES!』という答えを自分たちは持っている」と言う、自信すら感じる。

先週、10年ぶりに来日をしたマーケティングの父と言われるコトラーが、講演をした。
その時、日本企業が低迷している理由の一つをこう話している。
「いいものをつくれば勝てるという考えは間違っている。顧客を知ることも大切です」と。
その顕著な例を挙げるとすれば、低迷が続く家電・特にテレビやスマートフォンだろう。
その日本企業が低迷している分野で、著しい成長を見せたのが「iPhone」のAppleだろう。

もちろん、S・ジョブス氏のカリスマ的存在も大きかったと思うのだが、この広告やテレビCM等で見られるような「チョッと生活風景を変えた」のが、Appleだったように思える。
そう考えると、Appleという企業は決して「パソコンや通信端末」をつくっている企業では無い、と言うコトだと思う。

ジョブス氏がこの世を去って、今年で2年になる。
「脱ジョブス。でもジョブスの精神は受け継ぐ・・・」という、力強さを感じさせる広告だと思う。


企業にとって、株主という存在

2013-06-27 12:48:38 | アラカルト

先週から始まった「株主総会Week」も明日で、最後となる。
今回もいろいろなニュースがあった。
昨日エントリをした日産のゴーン氏の給与、ソニーの海外株主からは「エレクトロニクス事業と音楽事業などの切り離し」という提案とその回答、シャープは大赤字の決算でも役員報酬を出していたと言う事実・・・。
「企業の様々な姿」が垣間見れた気がした。

考えてみれば「株主総会」という場は、本来普段面と向かって話すコトができない株主と企業が、より良い企業に成長する為に話合いをする場、だとも言える。
残念ながら、日本の場合「総会屋対策」など慣習からか?企業側の描いたシナリオ通りに短時間で終了する「シャンシャン総会」が、良い総会だと思われてきた。
それだけでは無く、「株主総会」後に出される報告書なども、「え!」という早さで、株主に送られる様になっている。
「フクシマ事故」後の東京電力の株主総会の記事を書くために、株主となったライターさんが「株主総会」から2日後ほどで、報告書が届き驚いた!と言う記事を読んだことがある。
おそらく、株主総会が行われる以前に報告書が印刷をされ、発送準備が整えられていて、「株主総会」修了直後に発送されたのでは?と言う記事の内容だった。

この様なことは、何も東京電力に限ったコトではないだろう。
ここ2,3年、分散化傾向が見られる「株主総会」だが、「集中日」という、申し合わせたような「株主総会」が集中する傾向があるのも事実だ。

そう考えると、日本の企業の多くは「株主と余り話したくない」と、思っているのでは?と感じるのだ。
たしかに「総会屋対策」ということもあっただろう。
「総会屋」の後は「ハゲタカファンド」と呼ばれた、「海外からの乗っ取り屋」が話題になった。
この頃盛んに言われたことばの一つが「(株式)会社は、誰にのためにあるのか?」という「企業の存在意義」が問われたこともあった。
確かにこの頃は「小泉旋風」まっただ中で、「ディトレーダー」と呼ばれた、「にわか投資家」が話題になっていた。

その様な経験が、企業を「シャンシャン総会」へと駆り立てているのかも知れない。
でもそれでは、本当の株主と会社と良い関係にはならない、と考えるのだ。
「企業の中で視野の狭まった考えから、生活者感覚の視点を株主から得る機会」が、株主総会だと考えれば、時間とは関係の無い充実した総会になるのでは?
そんな企業が増えてくれば、イノベーティブな企業も増えてくると思うし、何よりも企業が生活者に近くなり、経済そのものが活性化するのではないだろうか?

株主と企業は、敵対関係にあるのでは無いのだから。



 


株主と政府・・・電力会社にとって大事なのは?

2013-06-26 13:43:26 | アラカルト

先週から、株主総会のニュースを聞くようになった。
昨日は、シャープや日産の株主総会があった。
シャープは2時間以上の総会で、株主からは役員報酬などについて、激しいやりとりがあったようだ。
日産のニュースで驚いたのは、株主総会の内容と言うよりも社長であるゴーン氏の給与。
年間9億以上の給与だったことだ。
先に行われた、トヨタの株主総会では、豊田章男社長が2億弱だったことを考えれば、ゴーン氏の給与は、豊田氏の5倍くらい多いと言うコトになる。
事業収益が、それほどの差があるのなら納得もできるのだが・・・。

そして今日は、電力会社の株主総会の集中日だったようで、ネットでの午後のニュースは電力会社各社の話題が多くなっている。
個人株主を中心に、「脱原発」を訴えているようだ。
もちろん、「脱原発」だけでは無く「自然エネルギーやバイオマスエネルギーへの投資」と言った提案もされていることだろう。

一方、政府は「フクシマ事故」の収束が見えない状況で、原発再開への動きを強めている。
特に、自民党になって以来加速度的に「原発稼働」へと動き出している感がある。
これまで電力会社は「原発を稼働させず、火力に頼っていると原材料の輸入高騰などにより、電気料金が値上がります」と説明をしてきた。
してきただけでは無く、実際値上がっている。

「電力会社」と言う、特殊な企業であるがゆえに株主、特に個人株主よりも政府よりの議決がされる傾向が強い。
おそらく今回も、個人株主に対しては「体の良い回答」をし、実際は政府主導による「原発再稼働」へと動くのでは?と、思っている。

企業にとって、株主というのは「事業資金を出している人」であり、企業を経営していく上でとても重要な人達だ。
電力会社の大口株主は、本社のある自治体などがなっていることが多いはずだが、その自治体を作っているのは、地方公務員では無くその地域に住んでいる人達でもある。
電力という生活の重要なインフラを「人質」のようにして、生活者に目を向けない姿勢は、多くの生活者にはどう映っているだろう。
そんなことを電力会社の役員さんたち、大口株主となっている自治体や大手企業の役員さんたちは、創造して欲しい・・・と、思うのだった。



都議選の結果は、何を意味するのだろう

2013-06-24 19:55:14 | 徒然

昨日行われた「東京都議選」。
自民圧勝で終わったようだ。
ライバルだったはずの民主党は、第4党へと転落し代わって躍進したのが共産党、と言う結果。

この結果を知ったとき、感じたコトは「アベノミクスで恩恵があったのは、東京だけなのでは?」というコト。
もう一つが「この都議選の結果と来月の参議院選挙と違う結果になるのでは?」というコトだった。

この選挙では、「民主党の自滅、みんなの党と維新の会が、選挙協力をしていれば違った」と言われている。
確かに、今現在の民主党は「これ」と言った、政策も何も見えてこない。
維新の会は、橋下さんの失言(?)によるダメージが大きいだろう。
逆に石原さんの地元・東京で大阪の橋下さんの発言でのダメージが大きい、と言うのは石原さんの求心力の低下、と言うコトも考えらそうだ。

今朝のラジオ番組などを聞いていると、「今回の選挙が、来月の参議院選挙の前哨戦」と見ている政治評論家の方が多いようだ。
確かにこれまでは、その様な傾向が強かったと思う。
だが、果たしてそうだろうか?
と言うのも、この都議選の前にあった地方の首長選挙では、自民党は決して勝った!と言う状況では無いからだ。

地方では、「アベノミクス」による経済効果も感じられず、TPPなどで不安になっている生活者が多いのでは?
それだけでは無く、安倍さんが打ち出した「景気対策・3本の矢」が、地方経済とマッチしているとは思えないからだ。
安倍さんの打ち出した「3本の矢」の内、「女性の活用」という点では、女性の就労率が比較的高い地方では、余り関係が無い。
そして他の政策に関しては、地方は冷遇されたような内容という印象がある。

そう考えると、都議選の結果が参議院選挙に影響する、と言うのは「???」なのだ。
都議選は、あくまでも東京都の議員さんを決める選挙。
参議院選挙は、国政選挙なのだ。
むしろ、原発再稼働に積極的な自民党、地方冷遇の政策が、自民党への投票へと結び付くとは思えないのだが・・・。
既に自民党有利な状況にあるとはいえ、選挙そのものはどの政党も伸び悩むようなきがするのだ。


スターバックスのコーヒーは、美味しい?

2013-06-23 19:57:34 | アラカルト

今日、1日会合があり途中休憩の時、スターバックスのコーヒーをいただく機会があった。
スターバックスのコーヒーを飲むのは、多分10年ぶり位だったと思う。
普段、コーヒーを飲まないのでスターバックスのコーヒーが美味しいのかどうかは、よく分からない。
一口飲んだ時の感想は「濃い!」だった。
私以外の方も、「スターバックスって、こんなに濃い味だった?!」と、話していらっしゃったので、決して私1人が濃い!と感じた訳では無いと思う。
美味しいとか不味いと言うよりも、ただただ濃い!と言う感じたのだった。

しかし考えてみれば、スターバックスは、「シアトル系カフェ」の先駆者的なカフェ。
「シアトル系カフェ」のコーヒーは、いわゆる「ブレンド(コーヒー)」ではなく、エスプレッソのような濃いコーヒーにミルクやクリームなどをタップリ入れて飲むのが基本。
「ブレンド」とは違うコーヒーの味わい方をするタイプ。

数年前、100円マックのコーヒーとスターバックスのコーヒーとどちらが美味しいのか?と言う、テストで、100円マックの方が美味しいと答えた人が多かった、と話題になった。
ナリナリドットコム:コーヒーの味はスタバよりマック?米消費者情報誌が比較

確かにこの消費者情報誌の様に、ブラックコーヒーで飲むにはスタバは濃すぎてコーヒー本来の美味しさを味わうコトは難しい様に思う。
何故なら元々スターバックスのコーヒーは、マックのコーヒーと味わい方が違うのだ。
言い換えれば、飲み方が違うコーヒーを比べても意味が無い、と言うコトになると思う。

そしてもう少し考えてみたのだが、今の季節スターバックスで人気があるのは「プラペチーノ」と呼ばれる、フローズンドリンク。
フローズンドリンクを作るのであれば、コーヒーの味もブレンドと呼ばれるコーヒーとは違っていて当然だろう。
ミルクや氷をタップリと入れて、美味しいと感じるコーヒーを淹れているのでは?
美味しさをスターバックスと比べるのであれば、同じ「シアトル系カフェ」のタリーズと比べる必要があると思う。

だからと言って、スターバックスでフラペチーノをオーダーするのか?と聞かれれば、多分しないと思う。
それはスターバックスに対する価値観が、私と合わないからだ。


炭素繊維で車体ができると、クルマはどう変わるの?

2013-06-22 19:44:50 | マーケティング

日経新聞に「炭素繊維でクルマを産学協同で開発」という記事があった。
炭素繊維そのものは、既に身近な素材としてある繊維だろう。
ゴルフや釣りをされる方などは、特に身近に感じていらっしゃるのではないだろうか?
「軽量で強靱、しなやかさもある」と言う素材だ。
そしてこの分野に関しては、日本の東レや帝人など日本の繊維メーカーが世界のトップランナーとなっている。

その炭素繊維を使ってクルマを開発しよう!と言うコトのようだ。
帝人のサイトを見ると既に「次世代のエコカー」として、コンセプトカーを製作している。
帝人:ソリューション01 CFRP 繊維がつくるモビリティーの未来 
サイトを見ると、2人乗りとは言え50kgに満たない車体がつくれる、と言うのは驚きだった。
成型と言う点でも、新しい技術によって短時間でできるようだ。

帝人のライバル企業でもある東レも、クルマへの利用という点を既に考えているようで、プレスリリースには、2011には、コンセプトカーをモーターショーに出品。
今年の3月には、レーシングカーなどの設計をしている株式会社童夢のグループ会社を子会社化している。
東レ・プレスリリース:株式会社童夢カーボンマジック買収について

どうやら炭素繊維メーカー各社は、随分前から「クルマ」に対して積極的だったようだ。
問題であったコスト面などが解決出来れば、炭素繊維の車体のクルマというのは一般車として目にするコトになるかも知れない。

とすれば、このような「炭素繊維車体のクルマ」になると、クルマそのものはどんな風に変わるのだろう?
軽量化によって、どんなメリット・デメリットが生まれるのだろう?
例えば、車体の軽量化によってEV用のバッテリーが多く搭載できる様になる?
追突事故が起きた時、車体全体で衝撃を緩和するコトができる?
アクリル繊維を原材料にしているので、アクリル素材の衣料品のリサイクルがしやすくなる?
生活者にとって、どんなベネフィティングがあるの?

そう考えれば「これからのクルマって、どんなクルマ?」と言う、「未来のクルマ」というコトまで発想が拡がる。
それだけでは無い。
炭素繊維のライバル繊維として、注目されている「人工合成繊維・クモの糸(Qmonosu)」も、おそらく参入する意志があるだろう。
そう考えると、「未来のクルマ・モビリティーとは?」という夢や創造がふくらむ。


大胆な発想だけど、良いと思います

2013-06-21 19:59:34 | アラカルト

毎日新聞のwebサイトを見ていたら、面白い意見を述べる文があった。

経済観測:東大法学部を創造的破壊せよ=経営共創基盤CEO冨山和彦

「経済観測」となっているが、どちらかというと社会観測のような気がする内容だ。

ご存じの方も多いと思うのだが、創立当時の東大が目指したのは「列強諸国に対抗できるだけの政府の力になれる人材育成=官僚養成」だった。
その養成機関のトップとして君臨していた(?)のが、法学部。
憲法をはじめとする法律は、日本という国をかたち作る為の基礎となるモノだからだ。
その憲法について、安倍内閣になってから「改憲」の動きがある様だが、それよりも前に、旧仮名づかいの文などは、もっと判りやすい文章に変更して欲しい。
そんなわかり難い文章を、現代文に直して理解する頭脳を一番持っているのが、東大法学部の学生さんというコトになる。

しかし「グローバル化」という波の中では、その様な頭脳よりももっと多角的な視点で、自ら考える力のほうが求められる時代になってきているのは、間違い無いだろう。
まして、明治の頃とは違い「列強諸国と対抗する」必要が、全く無くなってしまった時代だ。
民間企業などは、その「列強諸国」の企業をライバルとし、世界で活躍をしてきている。
活躍しているだけでは無く、「列強諸国」に現地法人を立ち上げ、その国と協調して事業を展開するコトが当たり前となってきているのだ。

とすれば、「官僚養成」の意味も、大きく変わってきても当然だろう。
政府間交渉となると、何となく「及び腰」という印象を持ってしまうのは、東大設立当時の感覚が抜け切れていないから?と、感じてしまうからかもしれない。
もしかしたら、日本の一番「ガラパゴス化」しているのは「携帯電話」などでは無く、この様な分野(と言うのだろうか?)と言う気もしている。

だからと言って、「法学部不要」と言う気は無い。
国の基盤となる法律を学び・時代にあった内容に変えていくコトは、意味のあるコトだし必要なコトだと思うからだ。
ただ「東大法学部」が、エリート中のエリートで「官僚」が優秀という時代では無い、と言うコトは間違い無いと思う。

何故なら、今のような「グローバル化した社会」の中では、如何に柔軟で先見性のある発想が出来るのか、と言う点がとても大切な時代だからだ。
少なくとも世界のトップ大学と呼ばれる海外の大学は、そのような学生を求め、時には奨学金を無償貸与して世界中から集めている。

「日本の官僚養成校」という感覚から抜けだすのか?それが今の東大に求められているのかも知れない。


「子宮頸がんワクチン」は、女の子だけの問題では無い

2013-06-20 16:00:24 | ライフスタイル

しばらく前から話題になっている「子宮頸がんワクチン接種」の問題。
「子宮頸がんワクチン」が原因で、半身不随などの副作用が報告され、これまでの推進から一転、しばらく見合わせる、と言う動きになっている。

この問題の中心となっているのは、ワクチン接種の対象となるお嬢さんを持つお母様方。
自治体により補助が出るケースがほとんどであっても、ワクチン接種により半身不随や、脳障害などが起きてしまうコトへの心配から、ワクチン接種そのものへの疑問が出ている。

このニュースを聞きながら、「子宮頸がんについて、どれくらいの知識があるのだろう?」という疑問が湧いてきたのだ。
実際、私自身「がん」という病気になるまでは、ほとんど知識が無かった。
自分自身や身内が「がん」という病気に罹患していなければ、知識がないのは当然だと思う。
何故なら「がん」という病気を学ぶ機会が、全くと言ってよいほど「無い」からだ。

そもそも「子宮頸がん」は、「感染型がん」と呼ばれている。
「誰かから、がんの素となるモノ(=「ヒトパピローマーウィルス」)を受け取らなければ、がんにはならない」というコトなのだ。
その「がんの素」を女性に移しているのは、男性。
と言うコトは「子宮頸がん」は、女性が何とかすれば罹患しないというわけではない。
余り知られていないようだが、この「ヒトパピローマーウィルス」による「がん」は、「子宮頸がん」だけでは無く、「陰嚢がん」も含まれている。
その為、海外では「男子にも、ワクチン接種が必要なのでは?」、と言うコトも言われている。
「ヒトパピローマーウィルス」そのものは、ごくありふれたウィルスで感染したからと言って、総てがん化する訳では無い。

もっと重要な問題は、女子の初体験年齢の低年齢化だと言われている。
「性」についての知識をほとんど持つこともなく、行為だけが低年齢化している、と言うのが今の日本の現状でもある。
一般的に「がんが1㎝にまで成長するのに、10年」と言われている。
同じがんでもタイプなどがあるので一概には言えないが、日本の場合、罹患年齢が急激に増えるのが20代後半。ピークは30代後半~40代前半というコトを考えれば、性経験の低年齢化も影響しているのでは?と、考えられるだろう。

そう考えると、「子宮頸がんワクチン」の問題は、決して10代の女の子と母親だけの問題では無いのだ。
「ワクチン接種をする・しない」の前に、男の子達も知り・考えることが多くある、と言うこと。
そこをキチンと話さないで、ワクチン接種の有無だけを論議する、と言うのは「妊娠・出産は女性の問題」と言っているのと、根本的な部分では同じ発想なのではないだろうか?



アベノミクスの高揚感は、いつまで続くのか?

2013-06-19 14:38:24 | アラカルト

日経MJに、今年上半期のヒット商品番付が掲載されている。

日経MJ:2013年上半期ヒット商品番付 高揚・堅実、二刀流

紹介している記事は、一部抜粋のWEB記事。
詳細は本誌を読んで下さい、と言うコトだが、東西の横綱を見て「アベノミクス効果なのかな?」と、やや半信半疑。
確かに、上半期における「アベノミクス効果」は高かったと思う。
「消費意欲が高くない」と言われている「さとり世代」が、10万以上の腕時計などを購入している、と言われているコトを考えれば、東の横綱に「高級腕時計・宝飾品」が選ばれるのも、納得がいく。

一方西の横綱に選ばれた「住宅ローン」だが、「アベノミクス効果」というよりも、来年の消費税アップを考えてのコトでは?と言う気がしている。
と言うのも、一部週刊誌などでは「消費税アップ前に購入するのがベスト」として、住宅を挙げているからだ。
一部大手企業は、円安になったコトで為替差益で相当額の収益増となった。
それを受けて、賃上げやボーナスのアップが期待されている。
ただ、その「アベノミクス」による「円安」も、今月に入ってからは再び円高傾向になり、差益分などは、既に無くなってしまったのではないだろうか?
そう考えると、西の横綱である「住宅ローン」は、堅実だとは言えないような気がするのだ。


何より株価の乱高下など、腰を落ち着けて事業投資を行う、と言う気分がすっかり減退してしまったのではないだろうか?

安倍さんの「三本の矢・経済成長策」も、「で、具体的には?」というトコロが見えてこない。
もちろん、経済を動かす中心は企業だが、企業が安心して事業投資が出来るような為替市場や株式市場にはなっていない、と言うトコロがとても気になるのだ。

何となく感じるのだが「アベノミクス効果」そのものは、既に終わってしまっているのでは?
そもそも上半期、「アベノミクス」で景気が良くなった、と言う高揚感を感じていた人は、ほとんど無かったのでは?
3月頃(だったと思う)やたらと目に付いた「リフレ政策」も、すっかり聞かなくなった。
計画的にインフレを起こし、景気の浮揚とする・・・と言う政策効果は、一瞬で終わってしまった感があるのだが・・・。

為替差益による一時的な収益増にしても、輸出先の中国の動きも怪しげだ。
と言うのも、ここに来て中国経済の陰りのようなものが、次々都報道され始めている。

一部では「中国版サブプライムローン」が起きるのでは?と言う噂もある様だ。
その様な噂を聞くと、「アベノミクス」の高揚感などは失せてしまうのでは?

今月を過ぎると、下半期。
「アベノミクス」に浮かれている場合では無い・・・と言う気がする。