日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

少し不自由なほうが、クリエイティブになる

2019-05-08 21:52:53 | アラカルト

このGW中、何冊かの本を読んで過ごした。
そのうちの一冊「京大変人講座」はとても面白く、私たちが「常識」と思っていることを疑う大切さを感じた。
京大の教授の本と言っても、講座の内容を本にまとめたものなので堅苦しいものではない。
どの先生方も、独特(?)な世界観があるのは当然だが、ビジネスという視点で考えながら読んでも「なるほどな~」と。感じるものばかりだった。
その中でも「サービス」と「不自由さ」という内容には、今の日本の社会の問題となっている要因の一つのようにも思えたのだ。

昭和という時代から平成という時代になって、大きく変わったと感じるのは「便利さ」だろう。
コンビニが日本に上陸したのは、1970年代だったが小売業の雄となったのは、1990年代になってからだろう。
そして今ではコンビニだけではなく、スーパーなども24時間営業というところも出てきた。
昭和の頃は、夕方7時頃になればスーパーなども閉店し、翌朝食べるパンが無いことに気づき焦るということもあったが、今ではそのようなことはほぼ無くなった。
2000年になるとAmazonや楽天のようなECサイトを利用するのが当たり前のようになり、パソコンやスマートフォンから「ポチ」ッとするだけで買い物ができるようになった。
「買い物」だけでも、これだけ便利になったのだ。
そしてECサイトで購入した商品が、当たり前のように翌日に届く物流システムも出来上がった。
それだけではなく、様々な場所で受けられる高い質のサービスがほぼ無料で受けられるようになった、と言っても過言ではないと思う。

その結果、当たり前になったコンビニの24時間営業に破綻が起き始めている。
物流サービスについても、翌日配達の必要性ってあるのか?不在持ち戻りによって起きる問題などなど、昨年あたりから表面化してきた。
理由の多くは「働き手がいない」という問題につながっていくのだが、余りにも便利になり過ぎて、便利なことが当たり前になってしまった結果だともいえるのではないだろうか?

当たり前の便利さになれると、その便利さを享受できない不満が当然のように出てくる。
しかし、考えてみれば企業が先回りをした「過剰なサービス」なだけで、本当はそれほどのサービスの提供を受けなくても十分に生活はできる。
何より、「(無いならないで)他の手段を考える」ということになる。
考える過程で、それまで必要と思い込んでいたモノ・コトが不要なことだった、と気づくかもしれないし、逆に別の必要なモノ・コトを思いつくかもしれない。
何より「考える」ことで、脳はイキイキと活動をする。

「クリエイティブ」というと、芸術的なこととか発明のようなことを思い浮かべるかもしれないが、「脳がイキイキと活動し、それまでとは違うモノ・コトを見つける」ことそのものが「クリエイティブ」ということだと思う。
とすれば、少しくらい不自由な方が「考える」機会をつくり、それがクリエイティブなことへと発展していくのではないだろうか?



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1 コメント

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Unknown (マダム・グラハン・洋子)
2019-05-08 23:10:48
そうなんですね

不自由の事
私の体?と思ったけど
あまりに便利。
余りに直ぐを求めた結果だったんですね

徳子さんの記事、楽しい❤
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