日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

W杯は、ビジネスの場でもある

2018-06-29 19:28:25 | ビジネス

昨夜のW杯、日本対ポーランド戦は、0-1という負けながら、勝ち点と得失点差で並んだセネガルに対し、今大会から導入された「フェアプレーポイント」によって、日本が決勝トーナメント進出を決めた。

開幕直後、拙ブログでFIFA W杯のチョッと視点を変えてみると、スポーツビジネスの現状が見えてくる、という内容のエントリをした。
どうやらその傾向は、選手たちが履くシューズにも表れているようだ。
Victory:日本代表はアディダス優勢 ロシアW杯出場全736選手のスパイク事情

FIFAの最大のスポンサーのアディダスではなく、ライバルであるナイキを履く選手が多いようだ。
このデータは、意外だった。
サッカーの世界において、アディダスはいわば老舗スポーツメーカーであり、力のあるスポンサーだ。
そこに割って入ろうとしているのが、ナイキだ。
ユニフォームなどを見ていると、その力関係が如実に表れている、といわれている。
ユニフォームの場合、各国のサッカー協会がスポンサー契約を結ぶのに対し、シューズなどはあくまでも選手個人との契約になる。
サッカーというスポーツは、道具をほとんど使わないスポーツなので、シューズが重要になってくる。
代表選手となるような選手たちは、シューズにもこだわりがあり、微妙なフィット感などを大事にしているはずだ。
もちろん、市販モデルで十分!という選手もいるが、多くの場合選手一人ひとりに合わせたシューズを提供していることがほとんどだろう。

とすれば、例えばアディダスからナイキへ変更する、というのは選手にとっては冒険に等しいと思うのだ。
それでも、ナイキへ変更する選手が増えている、ということなのか?それとも他の理由があるのだろうか?と、考えてしまうのだ。
というのも、ナイキが有名スポーツブランドになる切っ掛けとなったNBAにおいて、契約選手に対して細かなサポートプログラムを用意していた、といわれている。
同様のプログラムが、サッカーにもあり今では、バスケットボールよりもサッカーのほうが中心になっているようだ。
ナイキ:ナイキアカデミー

ナイキの場合、単なるシューズなどのサポート契約ではなく、トレーニングなどを含めたサポートを受けることができるようになっており、アカデミーで成長した選手たちが、代表選手に選ばれるようになってきた、ということも考えられる。
もちろん、高校生を対象に「ザ・チャンス」と呼ばれる、アカデミーに参加できるような選抜もある。

そう考えると、ナイキの戦略が見えてくる。
アディダスをはじめとする多くのスポーツメーカーは、選手とサポート契約をすることで、自社の製品を広く宣伝している。
これは、以前からあったビジネスモデルといえるだろう。
それに対して、ナイキは「選手を発掘し、育てる過程でナイキファンをつくる」という戦略をとっているのだ。

アディダス、ナイキどちらが優れた戦略ということはできない。
ただ、ナイキの戦略は確実にサッカー選手のシューズで勢力を伸ばしている、ということだけはデータから言えるのではないだろうか?

昨夜の試合そのものには負け、セネガルと同一成績であったが「フェアプレーポイント」により、予選突破ができた。
この「フェアプレーポイント」は、今大会から導入された制度で、実は日本が初めてW杯に出場したフランス大会から今大会まで、日本はレッドカードを1枚ももらっていないようだ。
そして、今大会でのイエローカードも出場国の中でも一番少ないという。
FIFAが目指す「フェアプレー」の体現者が、日本代表でもあるということは、戦績とは別に胸を張っても良いことかもしれない。

コメント

速いだけが、旅の楽しみではない

2018-06-27 08:36:33 | アラカルト

JR西日本が、7月1日から鳥取~出雲間を走る「観光列車」の運行を始める。
先日、その試乗会があったようだ。
乗り物ニュース:「古事記」由来の新観光列車「あめつち」に乗車! 五感で山陰楽しむ列車
リンク先には、動画(松江→出雲間)がある。
車窓から見える風景も、どこかほのぼのとして「あめつち」の速度にあっている気がする。

最近JR各社が導入する「観光列車」の多くは、特急クラスがほとんどだと思う。
それに比べこの「あめつち」は、快速列車として運行される。
もちろん車内は、観光列車らしく鳥取・島根の伝統工芸品などが使われ、快速電車でありながら車内販売もある。
「あめつち」という観光列車は、移動するための列車ではなく、車中を楽しむ為の列車、ということになる。

毎年(という印象がある)展開される、JR西日本の「デスティネーション・山陰」のキャンペーン列車ということもあり、期間限定(7月~11月)の週末運行ということのようだが、それでもこのような観光列車の登場は、これまでも「速さ」一辺倒だった列車の旅に、一石を投じるのでは?という気がしている。
理由は上述した通り「車中を楽しむ。車窓を楽しむ列車」だ。
「車中を楽しむ、車窓を楽しむ」ためには、速さは必要ないからだ。

このような「快速・観光列車」と共に、復活すると案外人気になるのでは?と思われるのが、「寝台列車」だ。
昨今の「フェリー人気」などを考えると、「夜シッカリ休んで移動できる」という点では、「寝台列車」も同じようなメリットがある。
確かに「寝台列車」で移動するよりも、新幹線などを利用したほうが、遥かに速いし便利だと思う。
しかし視点を変えてみると、今のように生活時間帯が様々だと「夜移動する」という需要も、多いのではないだろうか?
目的地到着が夜遅い時間であれば、いっそのこと「夜、体を休めながら移動」するほうが、メリットが多いと思うのだ。
以前のような「寝台列車」のような造りでは、今のニーズには応えられない部分もあると思うが、列車の運行そのものの需要はあるのでは?

そしてこのような「旅を楽しむ」方法も、様々に変わってきていると思うのだ。
例えば、海外からの観光客誘致という点だ。
最近欧米からの観光客は、深夜の高速バスで移動する傾向があると言われている。
理由は値段の安さと、バスの中で休んでいる間に目的地に到着し、朝から観光できる、という点だ。
彼らは、移動するための費用を節約し、目的地で楽しむ為の費用は減らさない、ということでもある。

そのような需要があるとすれば、この「あめつち」も「鳥取⇔出雲」間ではなく、もう少し区間を延長しても良いかもしれない。
例えば、「京都⇔出雲」くらいの距離にすれば、ユネスコのジオパークに指定されている地域も、十分車窓から楽しめるはずだ。
確かに距離も長く、時間もかかるが「旅の楽しみ方の多様性」という視点で考えれば、検討の余地はあると思うのだ。

ちなみに「あめつち」についての運行予定などは、JR西日本のサイト↓を参考にしてほしい。
JR西日本:山陰を走る新たな観光列車「あめつち」


コメント

企業が主導していく、大学の研究事業

2018-06-26 21:24:51 | ビジネス

ニュースサイトを見ていたら、オランダに本社があるフィリップスが仙台にイノベーション研修施設を立ち上げる、という記事があった。
innavi net:フィリップス、日本で初めてのイノベーション研究開発拠点PHILIPS Co-Creation Centerを宮城県仙台市に設立

拙ブログでも時々取り上げる「大学などの研究の事業化」というのは、これまであまり成功したことがない、というか実績がほとんどないのでは?という、状況にある。
しかし国立大学といえども今は「独立行政法人」となり、それなりの収益(アカデミーと収益は合致するとは思えないのだが)をあげる必要が出てきている、という現実もある。
多くの大学では、学内に「イノベーションセンター」のような部門が設置されるようになっているようだ。
しかし残念ながら「事業化する」ということに関しては、大学などは一番苦手な分野なのでは?という、気がしている。

現在の大学の多くが、そのような状況である、ということと日本の大学における基礎研究のレベルの高さなどから考えると、今回のフィリップス社の試みというのは、全国的に拡がっていくのでは?という、気がしている。
いうなれば、「大学のイノベーション事業を、企業が主導していく」ということだ。
イノベーションを起こすであろう!という事業に関して、重要なのは「市場をカタチつくる」ということだ。
この「市場をカタチつくる」ということにおいては、上述した通り大学の研究施設が一番苦手としている分野でもある。
その大学の苦手な部分を、企業が主導していくことでスムーズ(というべきか?)に市場を創り出していくことを考えいているのでは?という、気がしている。

それは企業側にとっても、大きなメリットがあるはずだ。
まず「基礎研究」という部分において、時間を大いに節約できるという点が挙げられると思う。
「基礎研究」そのものは、とても重要なことではあるがそのための時間と労力を企業が担うというのは、経営という面で見ると負担が大きすぎる。
それに対して、大学などの研究の多くが基礎研究~応用研究が中心になっている。
企業の潤沢な資金の援助を得ながら、基礎研究~応用研究までできる、というのは大学側にとっても大きなメリットがあるだろう。

そう考えると、このような「イノベーション」が期待される事業に関して、ますます企業主導型になっていくのでは?という、気がしてくる。
その一方で、先日のソフトバンクグループの孫さんが表明したような「ユニコーン投資」という形で、積極的に「イノベーションの芽」を育てていく、という企業も現れるかもしれない。
「企業主導型」であっても「ユニコーン投資」であっても、企業側にとっては「世界標準を獲る」ことで、市場の優位性を保つだけではなく特許などからの膨大な利益を得られる、という期待があるはずだ。
そしてこのような企業と大学との関係は、深まることはあっても関係が薄れていく可能性は低いのではないか?と、感じている。

コメント

マーケティングが強い企業とは?

2018-06-25 22:53:57 | マーケティング

日経クロストレンドというWEBサイトに、「マーケティング実力企業ランキング」という記事があった。
残念ながら、会員にならないと全文を読むことはできないのだが、上位30社のランキングは見ることができる。
日経クロストレンド:1位はポテチ新規客を掘り起こしたカルビー「マーケティング実力調査300」 

調査対象や内容については、記事を読んでいただければと思うのだが、1位となったカルビーについては「フルーツグラノーラ」のヒット、などの理由が挙げられると思うのだが、おそらくタイトルにある通り「ポテトチップス」に対しての印象が強いのかもしれない。

その「ポテトチップス」だが、カルビーとその他のメーカーとの大きな違いは「ご当地チップス」だろう。
これまでも「地域限定」という商品は、数多くあった。
カルビーのポテトチップスやかっぱえびせんにも「地域限定」という商品がある。
他社との違いは、「地域限定商品」を全国で販売した、というところに大きな違いがあるのでは?と、考えている。

これまでの「地域限定商品」といった場合、「販売をしている地域に限定された商品」という意味だった。
ところがカルビーは「地域限定の味」を、全国で期間限定で販売をする、という方法を取ったのだ。
それは百貨店などで人気の催事「全国駅弁大会」のような、感覚に近いかもしれない。
駅弁の場合は、居ながらにして旅気分の駅弁を楽しめる、という感覚があるのと同じように、出かけなくては味わえなかった「ご当地ポテトチップス」を出かけなくても味わえる、というのは「旅気分」とまではいかないが、ポテトチップスを食べる+αの楽しみを生活者に与えることになる。
それが近所のスーパーなどで、年に数回味わえ、元々がそれほど高額な商品ではないので、つい買ってみたくなる・・・という生活者の気持ちを理解した戦略だと思う。

「フルーツグラノーラ」にしても、1種類ではない。
いくつもの種類があり、朝の気分によって食べ分けている方もいらっしゃるかもしれない。
何より、これまでの「トーストとコーヒー、ハムとたまご(+できればサラダ)」というメニューに比べ、手軽でそこそこの栄養バランスの良さも期待できる、というメリットがある。
何より他社のシリアルに比べ、ドライフルーツやナッツが入っているというのは、これまで見落とされがちだった栄養素が入っている、という点でも生活者の気持ちをとらえた、とも考えられる。

ただ、この調査で気になったコトがある。
それは「マーケティングの優等生」といわれるP&Gの名前が無い、という点だ。
P&Gそのものは、様々な分野の商品(食品から日用品、ペット用品まで)扱っている為、P&Gとブランド名が結びつかないのかもしれないのだが、この点は意外だった。
もう一つ気になった点は、調査対象者をフルタイムで働く人に限定をしている点だ。
そう考えると「フルーツグラノーラ」という商品が、クローズアップされるのも十分理解できるのだが、フルタイムで働かない人達は、どう思っているのだろうか?という、疑問も出てくる。

この調査は、「フルタイムで働く人は、このように感じている」という程度で見る必要かもしれない。

コメント

「Cool Japan」を再定義してみたら?

2018-06-23 22:49:40 | アラカルト

今月初め、Yahoo!のトピックスに「海外でのクールジャパン実態」ともいえる記事があった。
Yahoo!:海外で見た酷すぎるクールジャパンの実態~マレーシア編~

この記事を読んだとき、「イチゴ一箱、2,000円、山梨ぶどう20,000円って、一体誰が買うの?」という単純な疑問はもちろんだが、投資額に似合った収益が上がっているとは思えないような実態に、唖然とした。
名前に「ISETAN」とついていることから、百貨店の伊勢丹が売り場協力などをしているとは思うのだが、新宿にある伊勢丹のイメージとは随分違う気がした。
と言っても私が知っている新宿・伊勢丹のイメージは、カリスマバイヤーとして有名だった藤巻幸大さんが活躍されていた頃なので、今とは違うのかもしれないのだが、それにしても価格設定から売り場の閑古鳥状態を含め、信じられないほどの店舗運営という気がする。

「Cool Japan」という政府肝いりのキャンペーンが始まったのは、おそらく10年くらい前のような気がするのだが、その頃の「Cool Japan」の中心は、いわゆるアニメやマンガといった日本発のポップカルチャーだったように思う。
実際毎年夏になると、名古屋では世界中のコスプレファンが集まる「コスプレサミット」があり、アジアだけではなく欧米やオーストラリアなどからも、このイベントの為に来名するコスプレファンがいる。
それがいつの間にか、違った方向へと進んで行ってしまったのが、「The Japan Store」なのでは?という気がしたのだ。
この記事にあるように、日本のポップカルチャーを発信するのではなく、日本の物産を販売する「Cool Japan」だとすると、もう一度「Cool Japan」そのものを考え直す必要があるのでは?という、気がしたのだ。

例えば、日本のポップカルチャーと日本の伝統技術や伝統工芸などとの融合だ。
その一つとして挙げたいのが、Ukiyo-e Projectだ。
江戸時代の大衆文化の一つである「浮世絵」に、デビットボウイやKISSといったロックスターたちとの共演は、新しい日本発のポップカルチャーだと感じるし、何より一つに時代を映しだしたロックスターたちをモチーフにした「浮世絵」は、江戸時代の人気歌舞伎役者の「浮世絵」と相通じるところがあるように思える。

その一方で伝統的な手工芸を現代の感覚で作り続けている人たちもいる。
そのような「手仕事」を紹介しているサイトの一つが「東京手仕事」だ。
「東京手仕事」と銘打っている為、東京の伝統工芸士に限られているが、おそらく全国にはそれぞれの地域に根差した文化の「手仕事」をされている方々が、いらっしゃるのではないだろうか?
そのような日本の伝統文化に新しいエッセンスを加えて、進化し続けている「日本の手仕事」のほうが、「The Japan Store」で扱っている商品よりも「Cool Japan」という気がする。

「官製Cool Japan」には、世界に向け膨大な額の税金が投入されているにもかかわらず、酷い結果になっている(といわれている)。
現代新書:「クールジャパン」はこんなにひどいことになっていた
その失敗(といっては失礼だが)の要因は、「Cool Japan」の定義づけがズレているからではないだろうか?
とすれば、今一度「Cool Japan」の意味を再定義し、今ある様々な情報のアクセスをしやすくする、というほうが発信力とインバウンドにつながるような気がする。

コメント

「老朽化した空き室が目立つマンション」のほうが問題だと思う

2018-06-22 21:17:47 | アラカルト

「空き家問題」というと、地方の過疎地域のことのように思われるが、深刻なのはどうやら都市部のようだ。
日経新聞:空き家予備軍、東名阪に330万戸 高齢者だけ居住
冷静に考えてみると、東名阪にある「空き家予備軍」が約5割近くある、というのは当然だという気がする。
高度成長期以降、地方にいた若者は労働力として、東名阪の大企業へと移り住んでいった。
大学進学についても同じように、地方の進学校の生徒ほど東名阪、特に東京の大学へ進学をし、そのまま就職をした人も多いはずだ。
そのような時代的背景や東京一極集中化が始まった頃を考えると、このような状況はある程度想像できる範囲だと思う。

この中でも「空き家問題」と一括りされているが、最大の問題となるのは「空き室マンション」なのでは?という、気がしている。
「戸建ての空き家」であれば、更地にする、という方法がある。
実際、我が家の近所では昭和40年代~50年代初めに建てられたと思われる、戸建て住宅が相次いで取り壊され、更地になりコインパーキングへと変わっている。
敷地が比較的広い物件が、ご近所同士で複数出た場合などは、新築のマンションが建つ場合も多い。
最近では「サービス付き高齢者住宅(別名「サ高住」)」が、建てられることもある。

言い換えれば、戸建ての場合は簡単に更地にすることができるため、空き家になっても相続者の考え次第で次への活用転換ができる、ということなのだ。
むしろ問題なのは「空き室マンション」なのではないだろうか?

というのも「分譲マンション」の場合、マンションの住民の同意が無くては取り壊すことはもちろん、建て替えさえ難しいからだ。
だからと言って、「空き室」が目立つマンションとなれば、地域全体の治安の問題も出てくる。
それが昨今流行りの「タワーマンション」であれば、なおのことだろう。
「老朽化し空き室が目立つタワーマンション」がある地域を想像してみてほしい。
しかも、都市部の比較的ロケーションの良い地域に、それらの「タワーマンション群」があるとしたら・・・。
個人的には「余り近寄りたくない地域」だ。

そう考えると「空き家問題」と一括りで考えるのではなく、「戸建ての空き家」と「空き室が目立つマンション」とでは、当然対策の仕方も変わってくるはずだ。
上述したように、「戸建ての空き家」は相続者の意思が反映されやすく、その後の活用もしやすい要素がある。
一方、「老朽化し、空き室が目立つマンション」の場合、簡単に取り壊したり、建て替えすること自体が難しい。
一度建ってしまったマンションは、リノベーションなどをしながら誰かに住み続けてもらう、という方法しかないのでは?
「分譲マンション」ということであれば、分譲時に「空き室」になったときの対応も考える必要があるだろう。
しかし、毎週末のように入ってくる新聞の折り込みチラシを見ても、そのような文言は一切ない(のは、当たり前だが)。

自分が住まなくなった時の話を、購入時にすることに違和感があるとは思うのだが、これから先の少子化=人口減少ということを考えれば、「空き家・空き室問題」は、遠い話ではない。
それだけではなく、マンションを建て・販売をする企業そのものも「将来、誰も住まなくなった老朽化マンション」をどうするのか?という、視点を持ってマンション建設・販売をする必要があるのではないだろうか?

「二世代・三世代同居が当たり前」という時代は、高度成長と共に終わってしまった。
もしかしたら、その時から「空き家問題」は、始まっていたのかもしれない。

コメント

孫さんの狙いは、どこにあるのか?

2018-06-21 17:05:09 | ビジネス

昨日、ソフトバンクグループの株主総会があった。
自社株が以前に比べ随分安くなり「今が買いですよ!」と、熱く語る場面もあったようだが、今回の株主総会で一番注目されたのは、おそらく通信事業から投資事業へのシフト、だったのではないだろうか?
SANKEI BIZ:通信から投資に注力鮮明に ソフトバンク株主総会で孫氏

この報道があったとき、何故孫さんは通信事業から投資事業へとシフトするのだろう?と、疑問に思ったのだった。
「ユニコーン投資」という言葉も、聞き慣れず(私だけかもしれないが)一体、ソフトバンクはどこへ向かうつもりなのだろうか?と、思ったのだった。

「ユニコーン投資」の意味を調べると、評価額が10億ドル(日本円換算で約1250億)の、非上場のベンチャー企業である「ユニコーン企業」に投資をする、ということのようだ。
非上場のベンチャー企業で評価額が10億ドル以上の企業が、どれほどあるのだろうか?と、想像をめぐらしてはみるもののイメージがなかなか浮かばない。
一つ思い浮かぶのは時々聞く「アカデミア発」のベンチャー企業だ。
「アカデミア発のベンチャー企業」というのは、いわゆる大学や研究施設が行っているベンチャー企業のことだ。
地元の名古屋大学の市民公開講座などに出かけると、実はこの「アカデミア発」のスタートアップやベンチャーの話を聞くことが多くなってきた。

残念なことに、日本ではこの「アカデミア発」のスタートアップやベンチャーが、ことごとく失敗に終わっているようだ。
その理由は「マーケティングが分かる人材がいない」という点にあると、個人的には考えている。
自分たちの研究が、
1、誰に必要とされているのか?
2.その研究によって社会をどう変えていくのか?
3.そもそもその研究は、何かしらの社会的問題を解決することができるのか?
というようなことが、分かっていないのでは?と、感じることがあったからだ。

「マーケティングの父」と呼ばれる、コトラーはマーケティングが果たすべき役割として、上述した1~3のことを挙げている。
ところが、研究者にとって「研究テーマ」を追求していくことには関心があっても、その研究によってもたらされる(はずの)社会的変化や市場の創造ということまでは、想像することができないし、市場そのものが理解できていない。

なんとなくだが孫さんは、このような事業に積極的に、投資をしていくつもりなのではないだろうか。
それによって、ソフトバンクという企業は「世界の標準」を勝ち取ることを目的としているのかもしれない。
それは通信事業とも無関係ではないだろう。
例えば、これから先のキャッシュレス時代を考えた時、その場合の安全・確実なセキュリティーシステムが必要になる。
現在は、顔認識や瞳認識などが一般的だが、年齢と共に変化したり病気によって瞳の認識ができない、という場合も出てくる可能性はある。
とすれば、より確実な生体認証のシステムが必要となるだろうし、おそらくそのような研究は一般企業よりも大学などのほうが、得意だろう。

スマートフォンでの決済もこれから一般的になっていくことを考えれば、このようなシステムの世界標準を勝ち取った企業には、膨大な利益をもたらすことも可能になるはずだ。
投資先1つだけで見るのではなく、様々な投資先を見ることで孫さんが考える戦略が、見えてくるような気がする。

 

コメント

C2Cビジネスは、定着するか?

2018-06-19 21:37:41 | ビジネス

今日、メルカリがマザーズへの上場を果たした。
メルカリの上場については、様々な意見があったように思う。
いくら新興企業向けのマザーズとは言え、C2Cというビジネスそのものが定着をしている、とは言い難いのでは?という状況での上場だったからだ。

実は私自身、メルカリのシステムを利用してC2Cのビジネスモデルが、イマイチわかっていない。
システムそのものは、ある程度理解をしているつもりなのだが、利用者の気持ちということが、イマイチわからない、というのが正直なところなのだ。
そして日経新聞もCOMEMOにも、同様の感覚を持っていらっしゃる方がいた。
日経新聞 COMEMO:C2Cなサービスを利用する人の感情がよく分からない問題

私の周囲でもメルカリを利用して、自分にとっては不要となったものを売っている知人がいる。
自分にとって不要なものでも、違う人にとっては欲しいもの、ということはあるだろう。
引っ越し前に自宅ガレージで不用品を販売する「ガレッジ―セール」や、一時期人気を博した「フリーマーケット」などは、その典型だとおもう。
子どもの頃の「お店屋さんごっご」気分があり、売り手と買い手のチョッとした駆け引きなども、その面白さの一部だったのでは?と、思っている。

それがネットで展開をするようになったのがメルカリであり、メルカリ以前にもYahoo!や楽天のオークションはあった。
最近ではモバイル専用のオークションサイト・モバオクもある。
オークションの場合、競り落とすというゲーム的な要素もあり、随分前だが問題になったコトがあった。
競り落とす商品が欲しいのではなく、競り落とすというゲーム感覚が楽しくて参加する、という人が想像以上にいたからだ。
今でも、話題となった商品のオークションには、現実的ではない金額が提示されることもあり、オークションサイトではこのような競りに対して、様々な防止策をしている(ようだ)。

それに比べメルカリの場合、出品者が値段を最初から提示をし、その価格で納得した人が購入する、という方法だ。
ネット上のフリーマーケットのようなイメージだろうか?
感情的にわからないのは、B2Cの場合Cである購入者がBである販売者に対して、何等かの信頼があり商品を購入しているのに対して、メルカリのC2Cビジネスには、そのような信頼関係は無い。
もちろん、出品者側が何度もメルカリを利用することで、購入者からのレビューなどにより「信頼」が生まれてくるとは思うのだが、出品者自身、そこまで考えて出品しているわけではない、と思うからだ。

とすれば、購入者は出品者の何を信頼して、購入をしているのだろうか?
欲しかった商品が、買える価格で出品されている、という理由で、購入をしているだけなのでは?
そこには、商品とお金の交換という、商売の基本となる行為はあるが、購入者は出品商品を手に取って見られるわけではない。
今年の初めには、北海道の学生が窃盗品をメルカリに出品して370万円も稼いでいた、という事件があった。
そして、同様の事件は後を絶たないようだ。
このような窃盗品と不用品の違いなどを見分ける術は、今のところない(ように思われる)。
また、ネットからネットへの転売ということもあるだろう。

メルカリとういうサービスそのものが、急速かつ急激に広まったため、様々な部分で問題を抱えているようにも思えるのだ。
そのような状況の中で、気軽にサービスを利用する・・・ということに抵抗感があるのだ。
やはり、もうしばらくは様子見をしたほうが良いのでは?と感じる、メルカリのC2Cビジネスという気がしている。




コメント

視点を変えてW杯を楽しんでみる

2018-06-17 22:12:05 | ビジネス

FIFA W杯ロシア大会が開幕した。
連日、サッカーをテレビ中継で楽しんでいらっしゃる方も、多いかもしれない。
選手のプレーを見て楽しむ、ということはもちろんだが、チョッと視点を変えてみるとW杯の裏事情のようなものも、見えてくる。

大会前、一部のメディアで日本代表の背番号10番に関する話題が出ていた。
朝日新聞:背番号10はアディダスの選手 日本代表「暗黙の了解」
このような記事が出るのには、理由がある。
現在の日本代表のユニフォームを提供しているのが、アディダスだからだ。
そのような事情があるため、このような記事となったのだと思うのだが、残念ながら1人だけアディダスとサポート契約をしていない選手がいる。
2002年の日韓大会の背番号10を背負ったのは、当時ジュビロ磐田に所属していた中山選手だった。
中山選手のシューズなどのサポートをしているのは、アディダスとは兄弟げんかの末別れてできた、スポーツメーカーのプーマだ。

ただ、以前に比べ背番号10というエース番号の重みは、薄れつつあるような気がしている。
例えば、ポルトガル代表のC・ロナウド選手の背番号は7番だ。
日本代表でも、背番号10を付けているのは香川選手だが、世間の注目は本田選手と言うことが多い。
アルゼンチン代表のメッシは背番号10だが、背番号ではなく選手自身のプレーが注目されるようになってきているのでは?という、気がしている。

そのアディダスについてだが、FIFAとアディダスとの関係は深く、アディダス本社があるドイツはもちろん、今でも数多くの代表選手のユニフォームを提供しているのはアディダスだ。
その牙城を崩すかのように参入してきているのが、アメリカのスポーツメーカー・ナイキだ。
以前はアディダスが提供していた、フランス代表のユニフォームは今回はナイキに代わっている。
ブラジル代表も前回大会から(だったと思う)、ナイキが提供するようになった。
W杯は、オリンピックよりも放映される国や地域が多いことや、サッカーという一つのスポーツの世界大会が約1ヵ月続く為、スポーツメーカーにとっては、恰好の宣伝の場でもあるのだ。

提供されるユニフォームだけではなく、ピッチ脇にある広告などにも注目してみるのも、面白い発見がある。
韓国の自動車メーカー・現代の広告があるのは、FIFAの常任理事の一人が現代の会長の子息であった、ということがある。
現在の現代の経営状態からすれば、随分経費的には重い広告宣伝費だと思われるのだが、複数大会契約であるために契約破棄そのものが難しいのでは?とも言われている。

他にもこれまでの大会でよく見かけていた企業の広告がなく、代わりに中国系の企業の広告が目立つようになったのも、今大会の特徴だといえる。
SearChina:サッカーW杯ロシア大会の広告を制した中国、本大会で代表チームが活躍はいつ?
記事を読むと「経済が好調な中国企業の躍進」という印象があるが 、そう簡単な理由ではないと、言われている。
これまで長い間、スポンサーとなってきた欧米の企業が軒並み、スポンサーを降りたという話があるからだ。
BBCNews:サッカーロシアW杯、スポンサー収入は下落も中国企業が台頭

長い間スポンサーであった、ジョンソンアンドジョンソンがスポンサーを降りた理由は、FIFAのスキャンダルだと言われている。
グローバルカンパニーだけに、スポンサーとなることで世界規模での企業イメージダウンを懸念したということのようだ。
FIFA側としては、ジョンソンアンドジョンソンのような企業がスポンサーを降りる、というのは収入的には手痛いことだっただろう。
その穴埋めとして、中国企業はFIFA側にとっても魅力的だったはずだ。
これを機に、2030年以降の中国開催ということもあるかもしれない。

試合だけではなく、選手たちのユニフォームや広告などにも注目してみると、様々な勢力図のようなものも見えてくるのだがW杯だと思う。

コメント

「コメダ」の現実的な判断-新規店舗の全面禁煙-

2018-06-16 18:39:00 | トレンド

名古屋の喫茶店の代表格と言えば、「コメダ珈琲」ではないだろうか?
名古屋発の喫茶チェーン店はコメダ珈琲だけではないが、やはり積極的に全国展開をしている、という点ではやはり名古屋の代表的な喫茶店、ということになると思う。

そのコメダ珈琲が、新規出店(フランチャイズ店)については「全面禁煙」にするという。
朝日新聞:コメダ珈琲、新規店舗は原則禁煙「吸う人減った」

記事には、厚労省VS自民党の愛煙家のバトルの結果、骨抜きになってしまった?「健康増進法」改正案の先取りのようなニュアンスが、書かれているが、フランチャイザー側であるコメダ珈琲側の考えは、見出しにある「吸う人が減った」という理由のほうが大きいように思う。

我が家の近くにもコメダ珈琲があるのだが、店舗の奥まった一角にガラスで仕切られた「喫煙スペース」がある。
そのスペースも決して大きいわけではない。むしろ狭さを感じるくらいだ。
その「喫煙スペース」も、時には空席が目立つこともある。
禁煙スペースの席がコンスタントに埋まっていても、禁煙スペースが空いている、という状況があるということなのだ。

おそらく、マクドナルドのようなファーストフード店でも、同じような傾向がみられるのではないだろうか?
というのも、近所に再オープンしたマクドナルドは、全面禁煙になってしまったからだ。
実際、JTの「最新たばこ情報」によると、「喫煙者」は年々減ってきている。
JT最新たばこ情報:JT全国喫煙者率調査

少なくなりつつある喫煙者の為のスペースを設営すれば、席数を減らす必要があるだけではなく、そのための清掃が必要になる。
喫煙スペースの清掃となれば、禁煙スペースよりも大変だろうし、従業員(主にアルバイト)の健康という点でも問題視されかねない。
そのような作業などの費用面や健康面を考えれば、全面禁煙のほうが様々な面でメリットがある、と考えるのは当然かもしれない。

もう一つ考えられるのは、独特の名古屋の喫茶店文化があるかもしれない。
名古屋のモーニングと言えば、コーヒーを注文すると、半切の厚切りトーストとゆで卵がもれなく付いてくる。
実は名古屋ではなく一宮市や豊橋市のほうが、「豪華なモーニング(セット)」なのだが、このようなモーニングが定番なので週末の午前中は家族で喫茶店で過ごす、という文化がある。
「子どもの一緒に行ける喫茶店」となると、必然的に禁煙スペースが大きくないと集客はしにくい、ということになる。

そう考えるとコメダ珈琲の「全面禁煙」は、「健康増進法改案」の先取りではなく、経営という現実的な判断のような気がする。
そして飲食店の「禁煙」の動きは、このような「現実的判断」によって進んでいくのではないだろうか?



コメント