日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「アベノミクス」検証の年

2014-12-31 19:32:40 | アラカルト

今年も残すところ数時間。
毎年、この時期に「1年を振り返る」という特集が、新聞やテレビなどで特集される。
そして「振り返る」と、毎年様々なことがあった1年であった、と感じる。
その中で、年末に行われた選挙の結果が、来年を大きく左右するように思っている。

選挙では「アベノミクスを力強く推進し、経済を立て直す」と、安倍さんは各所で話をしていた。
テレビを見ない私であっても、インターネットの動画広告で勝手に流され、嫌でも見る羽目になった。
「CM鑑賞が趣味」という私であっても、見るのが嫌になる選挙CMだった。
もっとも「選挙CM」そのものは、どの政党のCMであっても見るのが嫌になる要素が高いのだが、メディア的な公平性が微塵も感じられないほどの「統制」をかけられていたような印象があり、なんとなく安倍政権の本質を知らされたように感じた

そして、来年はその選挙で公約した「アベノミクスを推し進める1年」ということになる。
言い換えれば、これまでの「アベノミクス検証年」でもある。
「推し進める」というのであれば、当然「Plan→Do→Check」というステップが必要になる。
そのうえで「Action」があるはずなのだ。

ただ残念なことに「アベノミクス」だけではなく、安倍さんの打ち出した政策の多くは「言いっぱなし」というか、ご自身の興味のあることにはひたすら邁進し、強行してでも実現をさせる!!という部分があるものの、肝心の「アベノミクス」は、やや(というか、ずいぶんというか・・・)見当はずれな政策となってしまっている。
それが、「円高(訂正「円安」)だろう。
当初安倍さんは、「円高(訂正「円安」)なれば、日本の基幹産業である自動車などの輸出産業が、大幅に伸び経済が回復する」と、考えてきた節がある。
しかし現実は、その基幹産業である自動車メーカーは、世界各地で「現地法人」を設立し、現地生産を行っている。
「円高で輸出産業が伸び、経済が回復する」というのは、「日本国内に基幹産業のメーカーが国内生産をし、その下請け企業も、生産増となる」という、昭和の頃の話であって、今とは全く状況が違う。
その社会的変化を理解せずに、起きた「円高(訂正「円安」)」は国内に残っている中小・零細企業を苦しめる結果となってしまった。

「アベノミクス」が「経済の回復」ということを、掲げるのであればこの「円高(訂正「円安」)」で苦しむ中小・零細企業が、どうやって業績回復ができるのか?というテコ入れ策が重要になってくるはずだ。
そのような「テコ入れ策」は、今のところ全く見られないが来年こそ、この「テコ入れ策」ができないと、「アベノミクス失敗」という、レッテルが貼られることになる。

そのような意味も考えると、「アベノミクスで、力強く経済の回復」という公約そのものの、検証年になるのが来年だと思う。

今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎えください。

年明け早々、間違いのご指摘をいただきました。
ありがとうございます。
このように「ボ~とした」ところが多い、管理人ですが今年もよろしくお願いいたします。


老獪な印象のある「多国籍軍恒久支援法」

2014-12-29 19:53:50 | 徒然

今年の年末年始のお休みは、9連休という企業もあると聞く。
先週末は、帰省客だけではなく海外へ旅行に出かける人たちで、空港もごった返したというニュースがあった。
そんな「お休み気分」のときに、唐突に政府から発表された「多国籍軍恒久支援法の検討」というニュース。

時事通信:自衛隊派遣の恒久法検討=米軍・多国籍軍支援強化-政府

ニュースの内容にも驚いたが、このお休みの時期を見計らうように発表したタイミングに、政府というか安倍内閣の老獪さを感じるのは、私だけだろうか?

このような記事が掲載されると、多くの人は「どうせ、自衛隊が行くんでしょ」と、自分には関係のないことのように受け止める傾向がある。
確かに、自衛隊が派遣されるのだが、その派遣費用は税金である。
安倍政権になってから、これまで「バラマキ」といわれるような、公共事業の投資が行われてきた。
その内容を見ると「昭和の公共事業」という印象の公共事業が、多い。
反面、子育て支援とか介護などの分野は何気なく切られているのが、現状だ。
そんな財政の状態で、自衛隊を恒久的に海外に派遣できるだけの財政状態なのだろうか?

それでなくても、安倍政権になってから、ずいぶん「キナ臭い」動きが目立っている。
「武器輸出」に関しても、これまで一貫して「武器輸出はしない」という立場だったが、安倍政権は「武器輸出」をOKにしてしまった。
「集団的自衛権」にしても、憲法解釈という荒業で決めてしまっている。
その次が、この「多国籍軍への恒久的支援」ということなのだろう。

そしてこれらの内容は、選挙公約の中にはほとんど含まれていなかったのも関わらず、選挙直後に動き始めている、というのが、とても気になる。
安倍さんご自身が好戦的な性格で、「アメリカ大好き!」であっても構わないが、国民を付きあわせてもらいたくない。
確かに、日本の様々な技術は様々な「兵器をつくる」くらい難しいことではないと思う。
もしかしたら、世界の主要武器輸出国がつくる兵器よりも、優れたものをつくることはできるのでは?と、思っている。
だが、安倍さんを見ていると、このような国民全体の議論が必要なのでは?という案件に関して、勝手に決めていく傾向がある。
しかも、選挙で公約したことは二の次三の次・・・。
結局のところ、憲法を改正して「戦争のできる国にしたい!」だけで、経済を良くするとか国民生活を豊かにする、という気持ちなどは、ないのでは?という気がしてくるのだ。

だからこそ、今この休みの時期に何気なくこのような法案を検討するのでは?
その意味で、安倍さんの老獪さを感じるのだ。


企業もボーダーレスの時代?

2014-12-27 20:09:50 | ビジネス

昨日で仕事納め、という方も多かったのではないだろうか?
今年、話題になった企業といえば、エボラ出血熱の治療薬として注目された「富士フィルム」だと思う。
治療薬を作っているのは、富士フィルムの関連子会社である製薬会社なのだが、富山の小さな製薬会社を傘下にしていた、という事実に、驚かれた方も多かったのではないだろうか?
もちろん「富士フィルム」側からすれば、ボーダーレスでもなんでもなく、企業の重要事業領域の一つに「ヘルスケア」を掲げ、その一つとして、今回「エボラ出血熱」の治療薬として注目された製薬会社を傘下にしていただけのことだったのだろう。
ただ見方を変えると、今年は「企業の(事業内容の)ボーダーレス化」が活発になり始めた、という年だったようにも感じる。

企業における「異業種参入」というのは、何も今に始まったことではない。
バブル真っ盛りの頃、様々な企業が事業ノウハウを全く持たない異業種に参入する、ということは間々としてあった。
一番多かったのは、自社の保有地を活用した不動産事業やリゾート事業だったような記憶がある。
しかしバブルが崩壊した直後から、参入した不動産事業やリゾート事業が不振に陥り、本業部分では黒字決算であるにも関わらず、新規参入した事業の赤字が膨大に膨れ上がり、倒産した企業もいくつもあった。
そのような経験から、「やはり本業に力を入れるべき」という、堅実な経営が見直されるようになった。

このような「堅実な経営」というのは、企業体力を維持していくには良いのだが今のように様々な市場が飽和状態になっていると、躍進というか企業全体の伸びは期待できない。
まして、ITの一般化により社会の変化は、バブル期の数倍の速さで変化している。
時代の社会変化に対応できなければ、企業そのもの生き残りが厳しくなっている、というのもまた事実だと思う。

そんなときに「富士フィルム」の製薬会社を傘下におさめていた、ということはある種の驚きとともに「企業のボーダーレス化」ということを実感させたのではないだろうか?
バブルの頃と大きく違うのは、企業側がしっかりと経営ビジョンの中に新しい事業分野を組み入れている、という点だ。

先日大型書店である丸善が、ジュンク堂書店を吸収合併というニュースが流れた。
おそらく、この吸収合併を進めたのは、「電子書籍」の影響があったのでは?と、考えている。
ご存知の方も多いと思うのだが、丸善とジュンク堂書店は共通の「honto」というポイントカードを発行している。
そしてこの「honto」を運営しているのは、印刷会社である大日本印刷だ。
その大日本印刷は、同じ「honto」という名前で「電子書籍と書籍通販サイト」を運営している。
ちなみに毎週末、FMで「感じて漢字の世界」という、わずか5分ほどの番組も提供しており、番組で紹介された白川文学の内容を「聴く・読む」の両方で楽しむことができる「配信事業」も行っている。

「本」をキーワードにし、書籍の販売を丸善やジュンク堂書店といった実店舗での支援を行いつつ、紙の本と電子書籍の配信事業を行うだけではなく、試験的な内容ではあるが「聴く本」という配信サービスも手掛けているのが、大日本印刷、ということになるのだ。
かつてのように、印刷会社という領域だけでは考えられない、事業展開をしているともいえる。
そう考えると、以前言われていた「電子書籍VS紙の本」というやや敵対的関係ではなく、様々な方法によって「読書(場合によっては聴書かもしれない)を楽しみを提供する」という事業をボーダーレスに提供している、ということになる。

おそらく、このような傾向は来年はますます加速するのではないだろうか?
「エ!こんな会社がこんなサービスや商品を提供するの?」という驚きだけではなく、その背景にはいくつもの企業が協力しあうことで市場そのものの形成がボーダーレス化する・・・そんな予感をさせる今年だったように感じる。




30年前のクリスマスソングが、再び

2014-12-25 22:20:38 | 徒然

今日は「クリスマス」。
昨夜は、家族でケーキを囲み、クリスマスイブを過ごされた方も多いだろう。
バブルの頃は「クリスマス=カップルで過ごす1日」と、されてきたようだが最近では、本来(?)の家族で過ごすのが一般的になってきているという。

さて、丁度30年前に世界的にヒットしたクリスマスソングが、今年再びヒットしているという。
といっても、日本ではなく海外での話だ。
30年前、世界的にヒットした「クリスマスソング」というのは、BAND AIDの「Do They Know It's Christmas?」。
ご存知の方は、50代以上の方だろうか?
当時は、ブリティッシュサウンドが世界的に大ヒットしていたこともあり、参加したアーティストたちはそれこそ「ブリティッシュロック」の大御所や人気バンドばかりで、日本でもヒットしたと記憶している。
その後、何度かイギリス出身のアーティストたちがリメイクをし、発表し続けている。

ただリメイクといっても「懐かしい楽曲のリメイク」ではなく、世界的な社会問題が起きたときにリメイクされ、その時々の人気アーティスト達が参加して、発表されているというのはこの楽曲が、もともとエチオピアの飢餓救済のために作られたためだろう。
そして今年、エボラ出血熱に苦しむアフリカ諸国救済支援のために、再びリメイクされた。
ユニバーサルミュージック:BAND AID30 「Do They Know It's Christmas?」

30年前の歌詞には「大地は乾き、川は干上がり・・・」という内容があったが、今回は違っている。
このように、救済目的によって歌詞の一部が変更される、というのもこの楽曲誕生に関係しているのかもしれない。

歌詞の中にあるよう、すべての人たちが祝福のグラスをあげるようなクリスマスと新年が迎えられる世界になることを、願いたい。

明日が仕事納めという方も、多いのではないかと思う。
どうか良い新年を迎えられますことを。
拙ブログはお正月休みがあるか?ちょっとわかりませんが・・・(苦笑)。


テレビに必要なのは、高画質ではなく高音質かもしれない

2014-12-24 21:02:41 | マーケティング

最近FM番組を聞いていると、聞きなれない言葉を耳にするようになった。
「ハイレゾ」という言葉だ。
普段聞いているFMではなく、「高音質音楽専用衛星デジタルラジオ」の番組で使われている。
ただ、最近ではこのような高音質の衛星デジタルラジオだけではなく、ネットでも「ハイレゾ」の音楽が聴けるようになってきたようだ。
ソニーはすでに「ハイレゾ対応のウォークマン」を発売している。

「ハイレゾ」という、CDよりも高音質で原音に近い音楽が楽しめるようになるのは、音楽ファンにとってはうれしいことだ。
しかし考えてみれば、「音質」がよくなることで楽しみが増えるのは、何も音楽に限ったことではないと思う。
たとえば、映像の分野だ。
一時ブームとなった(?)3D映像。
家庭用テレビでも、デジタル放送に次ぐ新しい映像技術として期待されたが、結果はご存じのとおりだ。
その後、4Kテレビが今年登場し、家電メーカー各社が力を入れているようだが、4K映像を受信するための専用チューナーなどが必要なこともあり、普及には程遠い感がある。

最近「ハイレゾ」という言葉を聞くたびに、映像ばかりが進化して、音質がおざなりになってしまっているのでは?という気がしているのだ。
もともと「ハイレゾ」を十分堪能するのは、上述した通り「音楽」向けだ。
しかし、「原音に近い」という点を考えてみれば、映画やドラマ、スポーツなども映像とともに、「音」も重要なのではないだろうか?
映像ばかりが迫力があっても、音がその映像にともなっていないと、魅力は半減してしまうのではないだろうか?

趣味として本格的な映像とオーディオシステムが楽しめる専用の「オーディオルーム」が持てるような人であれば、問題はないと思うのだが、そのような「本格的なオーディオルーム」が持てる人ばかりではない。
映像と同じだけの迫力ある音で、テレビが楽しめたら「テレビの楽しみ方」そのものも変わってくるのではないだろうか?
その意味では、もしかしたら低迷しているソニーなどは期待できるかもしれない。
他の家電メーカーにしても、YAMAHAなど世界的にも優れた音響技術を持っている日本の企業とジョイントすることで、これまでとは違う市場を創り出すことができるかもしれない。

そのためには、日本のテレビ局も番組を制作する方向を変える必要があるかもしれない。
なぜなら、安直なバラエティ番組では「ハイレゾ音源」で、「ハイビジョン映像」を楽しむ必要がないからだ。


地方の活性化は、国主導では難しい?

2014-12-22 19:50:57 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトを見ていたら、「そのような方法があったか!」と思う記事があった。
日経新聞:マザーネット、鳥取産食材を宅配

この歳になって、時折実家(鳥取県米子市)から送られてくる美味しいお米などを食べるたびに感じることがある。
それは、海山というか自然の豊かさの恵みをいただく幸せ感だ。
実家の父が送ってくれる、島根の仁多米や鳥取の日南米を食べると、名古屋でお米を買いたいという気がなくなってしまう。
身贔屓ということは十分承知しているが、農業や水産、酪農などの産業が中心の地方ならではの魅力が、あるのにな~と感じることが多くなってきた。

実はあまり知られていないと思うのだが、愛知県というのは意外にも「農業県」で、名古屋近隣から美味しい野菜や果物、水産品だけではなく、牧畜なども盛んな地域で、このようなことを感じることが今までなかったのだ。
そして、このような「地物」は、以前はあまり見向きもされなかったような気がするのだが、ここ数年人気が高まっているらしく、スーパーに行くと、このような「地物」のコーナーが設けられるようになってきた。
それだけ「地物」に対するイメージが大きく変わってきているのだと思う。

そして今回のマザーネットの試みで面白いと感じるのは、「鳥取」という「田舎」のイメージを逆手(というべきか)にとって、「田舎だからこそ、届けられる安心・安全な産直」という点だ。
実際鳥取県だけではなく、日本各地の「田舎」と呼ばれる地域の多くの県は、海山に恵まれ「美味しい地物」がたくさんある。
昭和の「地方の活性化」の波に乗れず、「工業団地」は造ったものの誘致に失敗し、塩漬けになっている土地がたくさんあり、そのような土地が、地方経済の低迷を象徴するような取り上げられ方をされてきた。

考えてみれば、日本全国同じような産業だけで経済が成り立つはずはない。
様々な産業があってこそ、相乗効果で経済が成り立つはずなのだ。
TPPに揺れる農業や酪農などにしても、実はそれほど悲観する必要はないのでは?と思うほど、日本の「食材」は美味しく、新鮮だ。
それを支えているのは、都市部ではなく地方でも一番端っこにある「田舎」なのではないだろうか?

これまで「田舎」というと、どこか古臭く閉鎖的というイメージばかりがあった。
確かに閉鎖的なところは強く、私などはその環境に馴染めなかったのだが、今や「閉鎖的」と言っている場合ではない。
むしろ積極的に、情報を発信し都市部と繋がることが必要な時代になっている。
その一つの試みとして、「マザーネット」の動きは、もっと注目されてもよいのではないだろうか?
「東日本大震災」以来、若い人たちが積極的に農業や林業、酪農などに従事する動きが出始めている。
それを支援するのは、国ではなく地方の行政であったり農業団体を中心とした地域だと思う。
なぜなら、国の考えというのは「霞が関」という東京の真ん中での考えであって、実際の地方の姿を見ているわけではないし、消費をする生活者の姿も見えてはいないからだ。

安倍さんは「地方創出」と息巻いているようだが、東京育ちの安倍さんに、どれだけ地方のことがわかるのだろう?
「地方創出」のためのお金を出すにしても、これまでの安倍さんの「昭和型の発想」では、厳しいような気がする。
そう考えると、地方のことは地方で考え、動く(発信し、都市部の生活者と繋がる)ことではないだろうか?



「リサイクル・ダウン」という発想はないのだろうか?

2014-12-21 20:02:17 | ビジネス

先週は、本当に寒い日が続いた。
木曜日は名古屋でも、12月としては異例の積雪23cmを記録した。
私なども、あわててロングブーツをだし、10数年前に購入したダウンコートを着て出かけた。

この「ダウンコート」に関して、アウトドアウェアの「パタゴニア」が少し変わった取組をしている。
パタゴニア: 健全な動物福祉を保証するために、パタゴニアのダウン製品にトレーサブル・ダウンを100%使用

サイト内にある「プラッキングとは一体?従来のダウンは恐ろしいビジネスです」という動画を見ると、「羽毛ビジネス」は動物を虐待して得ているビジネス、というようにみられる。
それは確かなことだと思うし、同様の指摘がこの夏「フォアグラ」でも起きた。
どちらも人の都合で強制的にえさを与えビジネスにしている、 という指摘だ。
この指摘そのものをうんぬんする気はない。
それぞれの立場で、考えがあると思うからだ。
ただ、今現在市場に出回っている「ダウン」の行方に興味を示す、という視点がパタゴニアにはないのだろうか?という気がしたのだ。

実は、ここ2,3年「ダウン」の市場が高騰している、と言われている。
その理由は、「ダウン」の供給地である中国で、「鳥インフルエンザ」が毎年のように発生するため、「ダウン」を採る(?)量が減少しているからだ。
そのためか?今年大手通販の千趣会(「ベルメゾン」)のカタログを見ると「フレンチ・ダウン」という表示が目につくようになっている。
それだけ、安価な中国産ダウンが減ってきているのでは?という気がしている。

と同時に、羽毛布団を含め日本中にある「羽毛・ダウン製品」は、使われなくなったらどうなるのだろう?と、考えてしまうのだ。
というのも、長い間使っている羽毛布団がそろそろお役御免という状態になってきており、綿の布団のような打ち直しができない。
だからと言って、購入したときはそれなりの値段だった布団だ、簡単に捨てる勇気もない。
ネットで調べてみると、確かに「羽毛布団の打ち直し(正しくは、羽毛の洗浄)」をしている業者さんはあるのだが、打ち直しの値段が買ったときよりも高いかも?!という価格になってしまう。 

おそらく「羽毛布団の打ち直し」を考える人が少ないため、高額な値段になってしまうのだと思う。
ただ、もし日本中の使われなくなった羽毛布団を、リサイクルダウンとしてアパレルに使うことができれば、パタゴニアが問題提起しているような、ブラッキングは減るのではないだろうか?
布団で使われるダウンとアパレルで使われるダウンが、どれほど品質などで違うのかはわからない。
ただ、「動物を虐待しない」という発想であれば、「リサイクル・ダウン」という考えがあってもよいと思うのだ。

もし、日本のアパレル企業が共同でそのような活動を始めれば、ずいぶん「ダウン製品」の価格も生活者の意識も変わるのではないだろうか? 


マックに新ライバル登場か?

2014-12-19 21:45:59 | マーケティング

今年の夏以来、マクドナルドの売り上げが芳しくない。
売り上げ回復のための様々な策を打って入るのだが、功を奏しているとは言い難い状況だ。
それだけ「チキン・ショック」は、大きかったということだろうか?

最近では、フライドポテトのサイズをSのみにする、というリリース発表もあった。
サイズの見直しそのものは、良いのではないか?という気がしている。
というのも、これまでのセットメニューをみていると、なぜかポテトのサイズがMばかりで、全体のバランスから考えるとあまりよくないように感じていたからだ。

マクドナルドの売り上げが伸びない=ハンバーガーが飽きられたというわけではない。
マクドナルドとは逆(?)の売り方をしている、モスバーガーなどは売り上げだけでは横ばいからやや上昇という傾向がみられる。
MOS BURGER:月次情報

そう考えると、生活者は「マクドナルドに飽きただけ」という見方もできる。
マクドナルドだけではないかもしれないが、少なくともマクドナルドとは違う売り方をしているモスバーガーのほうが生活者から支持を得ている、という見方ができそうだ。

では、モスバーガーとマクドナルドの違いはなにか?と考えると、「(ハンバーガーを)提供する時間」と「材料産地に対するこだわり」というところが真っ先に思い浮かぶ。
いぜんから、モスバーガーは「オーダーが入ってから調理をするので、時間がかかる」ということを、一つの売りにしてきた。
「時間がかかる=その場でオーダーごとに調理する」こと、「野菜などは極力店舗に近い産地のものを使う」ということを、積極的にPRしてきた。
それが「安心」という生活者の心理に結びついている部分が、あると思う。

そんな「ハンバーガー市場」に、新たなライバルが登場するようだ。
新なライバル、というよりも「リベンジ」という気持ちで進出するのかもしれない。
読売新聞:米大手ハンバーガー、25年ぶり日本再上陸へ

再進出する「カールス・ジュニア」というハンバーガーチェーンについては、よく知っているわけではない。
というのも、25年前おそらく日本がバブルで沸き立っていたころは、様々な海外の外食産業が日本に進出をし、バブル崩壊で早々に撤退をしていたからだ。
そのため、東京では店舗があったが全国展開までできずに撤退、という海外の外食産業も多かった。
おそらく、名古屋には進出する前に撤退したのでは?という気がしている。
ただ、記事中にある通り「直火焼きアンガス牛100%のパテ、焼き立てのバンズ」が売りだとすれば、マクドナルドのような「短時間で商品をお渡しします」という感じてはないだろう。
どちらかといえば、モスバーガーに近いハンバーガーチェーンかもしれない。

再上陸の背景には、「早い(だけ)が売り」というのが、日本の生活者から飽きられ始めた、という判断があったかもしれない。
実際、ハンバーガーに限らず牛丼店なども、「早い・安い」では人を呼ぶことが難しくなってきている。
「そこそこに早く、そこそこに安いが美味しい(もちろん、価格に対しての美味しさという意味だが)」ということを、生活者が求めはじめ、そこに「食の安心・安全」という、食材に対する「質(と言っては大げさだが)」を気にし始めたのではないだろうか?

マクドナルドを凌駕するほどにはならないとは思うが、日本の生活者をどれだけ満足させることができるのか、少し注目をしてみたい。


アイリスオーヤマの発想が、おもしろい

2014-12-18 19:49:13 | マーケティング

2週間ほど前にひいた風邪が、長引いている。
風邪だけではなく、気温差による鼻腔過敏症(?)もあり、マスクが手放せない。
私のような、風邪やアレルギー持ちの人だけではなく、最近では「表情を隠すため」にマスクをしている若い人たちもいる、という話を以前聞いたことがある。
確かに、ドラッグストアーに行くと今やマスクは「通年商品」となっている。
それだけ、需要が高いということだろう。

ところで、この「マスク」。
日本という市場だけに限ってみると、その進化には驚かされる。
長い間「マスク=ガーゼマスク」だったが、ここ10年あまりで主流となっているのは「不織布」タイプだ。
ガーゼと違い、不織布だと素材そのものに様々な加工をすることができるため、形も様々なものが登場している。
おそらく一般的なタイプは、「プリーツタイプ」と呼ばれるものだろう。
他には「立体タイプ(またはドーム型)」と呼ばれるタイプで、口紅などがマスクに付かず、呼吸も楽という理由で、女性に人気があるようだ。
もちろん形状だけではなく、最近では「カラーマスク」や「香り付きマスク」も登場している。
この春、社会的問題になった「PM2.5対策」や「抗ウイルス」を謳う「高機能タイプ」マスクも人気があるようだ。
世界的に見て、ドラッグストアなどにこれだけの種類の「マスク」が売られているのは、おそらく日本だけではないだろうか?

その中で、個人的に気に入っているのが「ぬれマスク」とか「ウェットタイプ」と呼ばれる、マスクだ。
ご存知の方も多いと思うのだが、マスクにポケットのようなものがついており、そこに液体のしみ込んだフィルタを入れて使う、というタイプのマスクだ。
しかしながら、このような商品を作っている企業そのものが少ないようで、なかなか見かけることができない。
できれば、自分の顔・形に合うマスクに取り付けたいのだが、それができない、というのが現状だ。

ところが、アイリスオーヤマのサイトを見ていたら、「ぬれフィルター」のみを販売している。
もちろん、マスクとセットでも販売しているのだが、フィルターのみの販売もしているのだ。
アイリスオーヤマ:アロマ保湿ぬれフィルタ

実はマスクというのは、「個人差」がある商品だ。
最近は、「ふつう(=成人男性向け)」、「やや小さめ(=女性や子ども向け)」、「キッズ(=幼児~小学生向け)」と、サイズも随分増えてきたが、顔幅がなく鼻が低いという難点の多い私には、なかなかフィットするマスクがない。
普段メガネをかけていることもあり、マスクでメガネが曇るのも問題なのだ。
そのような様々な(?)条件をクリアしたマスクに保湿ぬれフィルタが取り付けられたら、どれだけ風邪でのどが痛いとき、どれだけ楽になるだろう・・・と思ったことか。
そんな「些細なニーズに応えてくれる」というのは、嬉しいものだ。

単品フィルタが、もう少し大きければ嬉しいところだが、このような「些細なニーズ」を掘り起こす発想の面白さが、最近ヒット商品を次々生み出しているアイリスオーヤマの力なのかもしれない。


便利なサービスとは思えないLINEの「お友達送金」

2014-12-16 21:11:48 | ビジネス

新聞各社のwebサイトのチェックをしていたら、気になる記事があった。
日経新聞が報じている、「LINEのお友達送金」というサービスだ。
LINE:LINE Pay

ガラケー愛用者の私は、当然のことながらLINEは使っていない。
おそらく、使うことはないと思っている。
というのも、四六時中誰かとつながっていること自体が、煩わしいと思っているからだ。
だからと言って、若い人たちがLINEを使うことを否定するつもりはない。
思い立ったときに、すぐに連絡が取れるというのはきっと彼らにとって便利面があるからだろうし、何よりLINEの利用者が急速に拡大した最大の理由は「無料」だからだろう。
むしろ「無料通話・無料通信」というところに、目を付けたビジネスはスマホという携帯通信時代のニーズにピッタリ合ったものだと思う。

その反面、昨年あたりから「LINEいじめ」という言葉が登場するようになり、便利さの陰に隠れた様々な問題もクローズアップされてきた。
あくまでも使う側の問題なので、LINEというシステムそのものに問題があるわけではないと思うのだが、社会的問題が起きたときの企業側の対応策がされたのか?という点においては、疑問というか「サービスを提供する企業としてどうなのか?」と思っている。

そして今回の「新サービス・LINE Pay」だ。
サイトで紹介されているように「友達同士の割り勘を現金なしでできる」というのは、便利かもしれない。
昨今のように、現金ではなくクレジットカード払いが当たり前のようになってきているし、電子マネーそのものの普及も目覚ましい。
イオンの「WAON」やセブンイレブンの「nanaco」だけではなく、名古屋の「manaca」など交通各社+地域の小売で使えるような「電子マネー」も登場している。私も使っているが、小銭がないときなどはとても便利だ。
そのような「電子マネー」機能を付加したサービスが「LINE Pay」だという説明にはなっているが、友達同士でお金の貸し借りをすること自体、いかがなものだろう?

使い方の一例にあるような、割り勘なら自分も使っているものの支払いなので、問題はないと思うが「お友達の口座がわからなくても送金できる」というのは、様々な問題が起きる温床となるのでは?
今年の夏に問題になった、「LINE詐欺」の問題解決がされていない状況で、それを増長させるようなサービスのような気がするのだ。
LINE側は、「そのようなことがないように、万全を期している」というかもしれないが、では「LINE詐欺防止」をしているのかという発表がされているような記憶はない。

そもそも昔から「お金の貸し借りは、友達を失くす」といわれるくらい、とてもシビアーでよほどのことがない限り、すべきではない、と言われている(というか、そう言われて育った)。
気軽に「お金を貸して」という友達は、友達ではないし、「(お金を)貸してと言われたら、(お金を)あげるつもり」という気持ちが必要だと思う。
昭和育ちの感覚では「友達だからこそお金は貸したくないし、借りたくない」。
そんな感覚は古いのだろうか?
ただ、上述した通り「LINE詐欺」の問題も解決していない状況で、このような新サービスの提供を発表するのは、企業としてどうなのだろう?