日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

内食化が作る、新しい市場

2010-05-16 07:50:42 | トレンド
少しづつ、景気の回復が伝えられるようにはなってきたようだが、多くの生活者にはまだまだその実感が無いというのが現状なのではないだろうか?
という訳でもないだろうが、外食⇒中食⇒内食へと進み、最近テレビ番組を見ていると「調理道具」が紹介されるコトが多くなった気がする。

昨年話題になった、「生キャラメルを作る調理玩具」もその一つだろう。
昨年暮あたりからは、「焼きドーナッツメーカー」が人気になっているようだ。
もう一つ昨年話題になったモノが「タジン鍋」だ。
陶器製の円錐形のチョッと帽子のような、チョッと変わった蓋がついたトルコ料理を作るためのお鍋だ。
この「タジン鍋」のヒットの陰には、ダイエットや生活習慣病を意識したスチーム料理が簡単にできることにあった。

このスチーム料理のヒットが、次の調理用品をヒットさせている。
一つは、電気スチーム鍋で、一度に幾つかの蒸し料理ができると、人気が高かった。
もう一つはシリコン製のスチームケースで、野菜などを入れ電子レンジでチン!すれば、タジン鍋よりも簡単にでき、そのままテーブルに出せるオシャレなデザインと、後片付けも簡単にできると人気になっている。
この2つの調理道具は、「蒸し料理」だけしか作れないのではなく、鍋やケースに食材と調味料を入れるだけで、様々なバリエーションの料理ができるというコトにある。
他にも、ご飯をプレスして「おせんべいを作る」というモノや、スライサーで薄く切ったジャガイモを立てて並べ、レンジでチン!をすれば、簡単に「揚げないポテトチップス」ができる、メタボなオトウサンのビールのおつまみにもってこいなモノもある。

フライパンやお鍋のように、和洋中関係なくできるという調理道具ではないかも知れないが、子供と一緒に楽しく、安全にできるという調理道具とお料理下手・お料理ビギナーであっても、付属のレシピブックを見て、食材を切って、調味料を入れ、レンジでチン!をすれば、ある程度間違いの無い料理ができる、といったところに人気が集まっているようだ。

昨年話題になった「弁当男子」を応援するには、このような調理道具が便利なのだと思う。
もちろん、忙しい主婦にとっても心強い道具だろうし、子供の頃から「家事手伝い」をしてこなかったの世代が家庭を持つようになり始めたことを考えると、フライパンやお鍋を使うよりも、失敗が少ない調理法かも知れない。
「調理玩具」などの登場は、新しい家族コミュニケーションツールという見方もできる。
その傾向が新しい「調理道具」という市場を創っているのかも知れない・・・と、最近の調理道具サイトを見ると思うのだ。