久しぶりに大好きな友人に会った。
同じ市内に住んでいるのになかなか会えない忙しい人だ。
彼女がいると場が和む。
彼女に心を開く人は多い。
明るくて、謙虚でよく気が付く。
しかし、一見ざっくばらんでおおらかに見える彼女は
実は、とても気を使う人で
そのせいかどうか、ちょっと前に大腸がんになってしまった。
幸い、ステージは低く
治癒して
今は元気に好きなことに専念しているが、
それでも
円形脱毛症にかかり
抜け毛に頭を悩ませている。
彼女を見ていると
「素直」とはこういうことを言うのだろうな
と思う。
女も50を過ぎると
そうそう素直にはなれない。
まあ、半世紀も自分流に生きてきたのだから
「自分」というものがあって当然だ。
しかし、彼女は
偉そうにいろんなことを講釈する私の話を
興味深そうに聞いてくれるのみならず
時にはメモを取ったり
すぐにそれを実行したりしてくれるのだ。
それをいいことに
私は調子に乗って
今日もあれこれと彼女のこの頃の忙しさについて指摘した。
人は自分の負の部分を指摘されると
とっさにそれを否定しようとすることが多い。
彼女もそうだった。
「でもね」
彼女はそう言った。
「以前と比べると、全然楽になってるのよ」
何言ってるの!!
今の暮らし方に問題がないなら
なぜ、円形脱毛症なんかになるの?!
以前と比べて何になるの。
以前より楽であろうがなかろうが
今、異常があるということが問題でしょう?!
精神的か、肉体的か、仕事上か、私生活か
そのいずれかは知らないけれど
無理があるから身体が異常をきたすのでしょう?!
いくら好きなことばかりしているといっても
身体がSOSを出している以上
何かを直さなければならないということでしょう?!
イエローカードのうちにそれを改めなければ
レッドカードになってからでは遅すぎるのよ!!
退場になってからでは遅すぎるのよ!!
そんな思いが私の言葉をますます強くした。
そして、彼女を責めるような口ぶりになってしまった。
こんな時
私は今まで二通りのパターンを体験している。
ひとつは
即、攻撃的に反論され
嫌な雰囲気になってしまう。
もうひとつは
その場では何も感じていないかのように受け流され
けれど
しっかり根に持って
何かの折に仕返しされるか
離れられてしまうか。
いずれも
気持ちの良いものではない。
だが彼女は違った。
「なんで、そんなこと言うのぉ~
そんな意地悪を言うなら
もうあなたとは会わないわよぉ~」
とってもにこやかな魅力的な笑顔で
そう言ったのだ。
角を立てず、怒りもせず
でも
自分が不愉快な思いをしているということを
直接、リアルタイムで教えてくれたのだ。
参った。
「しまった!!」
私は即座に反省した。
「そうよね、もう少し、言い方というものがあるわよね」
“笑顔に勝る武器はない”
何かに書かれていたが
彼女はまさにそれをやってのけたのだ。
脱帽である。
同じ市内に住んでいるのになかなか会えない忙しい人だ。
彼女がいると場が和む。
彼女に心を開く人は多い。
明るくて、謙虚でよく気が付く。
しかし、一見ざっくばらんでおおらかに見える彼女は
実は、とても気を使う人で
そのせいかどうか、ちょっと前に大腸がんになってしまった。
幸い、ステージは低く
治癒して
今は元気に好きなことに専念しているが、
それでも
円形脱毛症にかかり
抜け毛に頭を悩ませている。
彼女を見ていると
「素直」とはこういうことを言うのだろうな
と思う。
女も50を過ぎると
そうそう素直にはなれない。
まあ、半世紀も自分流に生きてきたのだから
「自分」というものがあって当然だ。
しかし、彼女は
偉そうにいろんなことを講釈する私の話を
興味深そうに聞いてくれるのみならず
時にはメモを取ったり
すぐにそれを実行したりしてくれるのだ。
それをいいことに
私は調子に乗って
今日もあれこれと彼女のこの頃の忙しさについて指摘した。
人は自分の負の部分を指摘されると
とっさにそれを否定しようとすることが多い。
彼女もそうだった。
「でもね」
彼女はそう言った。
「以前と比べると、全然楽になってるのよ」
何言ってるの!!
今の暮らし方に問題がないなら
なぜ、円形脱毛症なんかになるの?!
以前と比べて何になるの。
以前より楽であろうがなかろうが
今、異常があるということが問題でしょう?!
精神的か、肉体的か、仕事上か、私生活か
そのいずれかは知らないけれど
無理があるから身体が異常をきたすのでしょう?!
いくら好きなことばかりしているといっても
身体がSOSを出している以上
何かを直さなければならないということでしょう?!
イエローカードのうちにそれを改めなければ
レッドカードになってからでは遅すぎるのよ!!
退場になってからでは遅すぎるのよ!!
そんな思いが私の言葉をますます強くした。
そして、彼女を責めるような口ぶりになってしまった。
こんな時
私は今まで二通りのパターンを体験している。
ひとつは
即、攻撃的に反論され
嫌な雰囲気になってしまう。
もうひとつは
その場では何も感じていないかのように受け流され
けれど
しっかり根に持って
何かの折に仕返しされるか
離れられてしまうか。
いずれも
気持ちの良いものではない。
だが彼女は違った。
「なんで、そんなこと言うのぉ~
そんな意地悪を言うなら
もうあなたとは会わないわよぉ~」
とってもにこやかな魅力的な笑顔で
そう言ったのだ。
角を立てず、怒りもせず
でも
自分が不愉快な思いをしているということを
直接、リアルタイムで教えてくれたのだ。
参った。
「しまった!!」
私は即座に反省した。
「そうよね、もう少し、言い方というものがあるわよね」
“笑顔に勝る武器はない”
何かに書かれていたが
彼女はまさにそれをやってのけたのだ。
脱帽である。