経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

外観的にはヘルシア緑茶、されど機能的には黒烏龍茶。

2008-05-19 | 知財一般
 知的財産権による保護によって高い利益率を維持している例として花王のヘルシア緑茶をよくとりあげていますが(ex.「知的財産のしくみ」p.134~135)、「カテキン緑茶」という新製品を見かけるようになりました。「カテキン緑茶」の商品名からついに類似品登場か、と思いましたが(この商品名は「ヘルシア緑茶」の品質表示そのものですね)、よく見てみるとカテキン濃度(ヘルシア緑茶の4割弱)、効果ともにかなり違ったものになっています。ネーミング的にはヘルシア緑茶狙いが明らかですが、「燃やす」のではなく「吸収を抑える」という機能からみると、ヘルシア緑茶よりも黒烏龍茶の競合品ともいえそうです。ただ、トクホの表示は「コレステロールを低下させる」で、黒烏龍茶の「脂肪の吸収を抑える」のような直接的な表現に比べると、一見しただけではその効果がわかりにくい。こうしてみると、両横綱に比べると何だか中途半端な商品のように見えてしまいます(まぁ、普通はそこまで観察しないのかもしれませんが・・・)。発売時期にしても、トクホ飲料ブームもやや下火になってきた感がある(花王の決算短信によるとヘルシア緑茶もついに前期は減収とのこと)今日この頃であり、タイミング的にもどうなのかなぁという印象を受けます。
 そんなことは当然よくわかった上での市場投入でしょうが、茶飲料最大手の伊藤園でさえ、時期・商品コンセプトともに中途半端な感じにならざるをえないところにこそ、参入障壁の効果が表れているといえるのかもしれません。そういえば、黒いペットボトルのコーヒーはあまり見かけなくなったような気がしますが、さてこの新製品はどうなるでしょうか。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。