前に‘審ビジネス眼’のエントリで、その時代を知れば建築物に込められたものが美しさとして伝わってくる、みたいなことを書きましたが、似たような話をちょっと違う角度から。
遷都1300年ということで復元された平城京の第一次大極殿には、四神と十二支の壁画が描かれているのですが、その壁画を描いた日本画家の上村淳之氏が、テレビのインタビューで次のような話をされていました。
「自然の中に神を感じる、そういう世界を感じて描かないと、神が宿る青龍(四神の一つ)は描くことはできない。それは見る人には必ず伝わって、思いが深まっていなければただの竜になってしまう。神を感じられるところまで思いを深めるのが一番難しくて、そこを超えると描くのが楽しくなってくる。この建物が何年ここにあるのかはわからないけれども、1000年以上も恥をかくことにならないように、頑張らないといけませんね。」
ちょっと話は変わりますが、龍馬伝を見ながら「岩崎弥太郎は一体何をきっかけにブレークするんだろうか?」というところが気になっていたのですが、先週ようやくその兆しが見えました。そしてそのキーになるのは、商品を売るのに「気持ち」を込める、ということだったようです。
さらに話は変わりますが、こちらもいつブレークするのだろうと気になっているゲゲゲの女房の水木しげるですが、夢中になって漫画を描いている水木しげるを見て、ゲゲゲの女房が「こんなに気持ちを込めて描いているものが、人の気持ちに届かないはずがない」、だからいつか成功するはずだ、と感じるシーンがありました。
いずれにも共通するのは、いささか精神論・宗教チックになってきますが、気持ちを込めて作ったものは相手に伝わる、ということです。
翻って経済社会に目を移してみると、先週末にまた大行列ができたアップルストア。
似たような商品があってもなぜアップルか、ブランド力といえばブランド力なのですが、やっぱりそこには作り手の気持ちが顧客に強く伝わり、共感を得られているという側面があるのではないでしょうか。同じスマートフォンであっても、作り手の気持ち・動機が「アップルに対抗する」ということにいってしまっていれば、顧客としてはそんなことに共感したいわけではない。それより、アップルと一緒に未来をみてみたい、というのが顧客の自然な思いなのでしょう。
大反省モードの経済となってから、企業理念が大切だということがよく言われます。でも、企業理念が商品として売れるわけではなく、その企業理念から生まれた商品やサービスが顧客に受け入れられることによって、はじめて企業が成り立つわけです。つまり、企業理念が込められた商品やサービスを作ること、そしてその商品やサービスが顧客に選ばれることによって企業の競争力は高まるわけで、その裏では、商品やサービスに込められた企業理念が顧客に伝わり、顧客の共感を得ているということではないかと思います。
そうすると、企業にとっては、企業理念を具現化した商品やサービスを開発すること、そして、その商品やサービスに込められた企業理念を顧客に届けることが求められることになります。
そこで、企業理念を顧客に使える媒介としてはたらくのが知的財産です。知的財産というのは、よりよい商品を作りたい、よりよいサービスを提供したいという気持ちから作り出されるものであり、企業理念が具体的に表現されたものともいえると思います。そうすると、その知的財産に込められた企業の思いを顧客に確実に届けること、企業理念を顧客に届けるルートを整えること、これが知的財産に関する仕事の本質なのではないか。だから、理念なき紛い物が混じることによって顧客に届きにくくなっているのならば、それはやはり排除しなければならないし、自分の力だけで顧客までのルートを開けないのであれば、むしろ顧客との接点をもつ人達に積極的に開放していったほうがよい。目の前まで来ていても顧客に気づいてもらえていなければ、PRに重点を置く。そこはいろんなケースがあって然るべきなわけです。
ちょっと中途半端な終わり方ですが、今日はそんなところで。
遷都1300年ということで復元された平城京の第一次大極殿には、四神と十二支の壁画が描かれているのですが、その壁画を描いた日本画家の上村淳之氏が、テレビのインタビューで次のような話をされていました。
「自然の中に神を感じる、そういう世界を感じて描かないと、神が宿る青龍(四神の一つ)は描くことはできない。それは見る人には必ず伝わって、思いが深まっていなければただの竜になってしまう。神を感じられるところまで思いを深めるのが一番難しくて、そこを超えると描くのが楽しくなってくる。この建物が何年ここにあるのかはわからないけれども、1000年以上も恥をかくことにならないように、頑張らないといけませんね。」
ちょっと話は変わりますが、龍馬伝を見ながら「岩崎弥太郎は一体何をきっかけにブレークするんだろうか?」というところが気になっていたのですが、先週ようやくその兆しが見えました。そしてそのキーになるのは、商品を売るのに「気持ち」を込める、ということだったようです。
さらに話は変わりますが、こちらもいつブレークするのだろうと気になっているゲゲゲの女房の水木しげるですが、夢中になって漫画を描いている水木しげるを見て、ゲゲゲの女房が「こんなに気持ちを込めて描いているものが、人の気持ちに届かないはずがない」、だからいつか成功するはずだ、と感じるシーンがありました。
いずれにも共通するのは、いささか精神論・宗教チックになってきますが、気持ちを込めて作ったものは相手に伝わる、ということです。
翻って経済社会に目を移してみると、先週末にまた大行列ができたアップルストア。
似たような商品があってもなぜアップルか、ブランド力といえばブランド力なのですが、やっぱりそこには作り手の気持ちが顧客に強く伝わり、共感を得られているという側面があるのではないでしょうか。同じスマートフォンであっても、作り手の気持ち・動機が「アップルに対抗する」ということにいってしまっていれば、顧客としてはそんなことに共感したいわけではない。それより、アップルと一緒に未来をみてみたい、というのが顧客の自然な思いなのでしょう。
大反省モードの経済となってから、企業理念が大切だということがよく言われます。でも、企業理念が商品として売れるわけではなく、その企業理念から生まれた商品やサービスが顧客に受け入れられることによって、はじめて企業が成り立つわけです。つまり、企業理念が込められた商品やサービスを作ること、そしてその商品やサービスが顧客に選ばれることによって企業の競争力は高まるわけで、その裏では、商品やサービスに込められた企業理念が顧客に伝わり、顧客の共感を得ているということではないかと思います。
そうすると、企業にとっては、企業理念を具現化した商品やサービスを開発すること、そして、その商品やサービスに込められた企業理念を顧客に届けることが求められることになります。
そこで、企業理念を顧客に使える媒介としてはたらくのが知的財産です。知的財産というのは、よりよい商品を作りたい、よりよいサービスを提供したいという気持ちから作り出されるものであり、企業理念が具体的に表現されたものともいえると思います。そうすると、その知的財産に込められた企業の思いを顧客に確実に届けること、企業理念を顧客に届けるルートを整えること、これが知的財産に関する仕事の本質なのではないか。だから、理念なき紛い物が混じることによって顧客に届きにくくなっているのならば、それはやはり排除しなければならないし、自分の力だけで顧客までのルートを開けないのであれば、むしろ顧客との接点をもつ人達に積極的に開放していったほうがよい。目の前まで来ていても顧客に気づいてもらえていなければ、PRに重点を置く。そこはいろんなケースがあって然るべきなわけです。
ちょっと中途半端な終わり方ですが、今日はそんなところで。