経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

知的財産権の本質

2008-06-03 | 知財一般
 ブログの世界でも話題になり始めているようなので、読まれた方も多いかもしれませんが、

中山信弘氏の情熱

 著作権、特に政策的な議論について私はフォローしていないので詳しいことはわからないのですが、特に「著作権法は経済的権利を守る法律であって、リスペクトなどというものは関係ない。」というところには、「他人の知的財産は『尊重』しなければならない。」とのあたかも知的財産権が自然法に基づくものであるかのような主張に日頃から違和感を感じる者としては、大いに共感します。知的財産権の保護は人権保護なんかとは違い、基本的には経済の問題であり、利害調整のルールであると(だから子供に教えるような性質のものではない)。いろいろ御意見あるかと思いますが、これは是非ご一読を。



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2 コメント

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Unknown (ある弁理士)
2008-06-04 22:48:32
「いろいろご意見が…」との一文から、僭越ながらコメントさせて頂きます。

中山先生は、著作権法における「過剰な尊重」が害悪だと主張されているのだと思います。著作権法は、文部科学省と著作者団体との談合によって作られた悪法です。特許法を主に勉強してきたものにとっては、理解し難い部分が多々あります。

一方で、特許法等の知的財産権は、確かに人権ではありませんが、経済活動において極めて重要な権利です。目に見えない無体財産であり、模倣や盗用は極めて容易です。よって、最低限の「尊重」は必要だと思います。
ただ、小学校に行ってまで、教育することまでのことはないと思いますが…。
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Unknown (土生)
2008-06-04 23:56:26
ある弁理士さん

コメント有難うございます。
「知的財産権を『尊重』することが必要か?」というと誤解されてしまいやすいのですが、ご指摘されているような「尊重」というのは「ルールを守る」という意味の尊重で、それは当然に求められるべきことだと思います。
ここで問題にしているのはそういう意味ではなくて、「特許発明は、権利があるから大切にするのではなく、他人が考えたアイデアを素晴らしいものとして『尊重』することが大切」といった「リスペクト」という意味での「尊重」について、それは特許権云々とはちょっと違う話なのではないか、ということです。そういう意味での「尊重(というか尊敬・敬意)」は、特許権や著作権という権利の問題とは関係ないのではないかと。有用な技術を生み出すことは当然にリスペクトすべきことですが、それがちょっとした要件の問題で特許権にならなかったらリスペクトしなくてもよいのか。逆に、研究開発を行わずに特許だけを調べてその間隙をつくような特許権がとれれば、それをリスペクトすべきなのか。リスペクトするかどうかという内心の境界線を、特許法や特許庁の審査官が規定することができるのか。やはり、権利に関する議論というのは純粋に利害調整の問題であって、知的財産権に関する議論にリスペクトという意味での「尊重」を絡めて云々するのはちょっと違うのではないかと思います。子供に伝えるのにも、「特許」云々の大人の世界を絡める必要はないと思います。
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