経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

セミナー等のお知らせ

2011-01-15 | お知らせ
 これまでに確定している1~3月のセミナー等の宣伝をさせていただきたいと思います。

1月18日(青森) 知的財産フォーラムin青森
 「経営に効く知財戦略はどこが違うのか?~中小企業の事例からみる7つの知財力~」と題して、「経営に効く7つの知財力」のエッセンスを中心にお話しをさせていただきます。

1月25日(東京) 国際特許流通セミナー 【B3】中小企業における知財経営の定着に向けて
 昨年の「中小企業における知財経営」の続編で、パネリストとして登壇させていただきます。モデレーターは師匠の鮫島弁護士です。今年も2社の知財活動の考え方を掘り下げさせていただく他、特許庁の地域中小企業知財経営基盤定着支援事業(長い…)の内容・成果の一部も織り込ませていただく予定です。

2月4日(草津) 知財経営戦略ビジネスセミナー
 第1部「ライバルに差をつけるための知財経営戦略」、第2部「ライバルに差をつける知財経営を定着させるには」を担当します。第1部では中小企業の先進事例のご紹介を、第2部では特許庁の地域中小企業知財経営基盤定着支援事業(長い…)で検討している‘定着モデル’を中心にお話しさせていただく予定です。

2月9日(浜松) 中小・ベンチャー企業向け知的財産セミナー
 「経営に効かせる知財活動のポイント~中小企業の事例から見出した7つの知財力~」と題して、「経営に効く7つの知財力」のエッセンスを中心にお話しをさせていただきます。

2月25日(大阪) IPアカデミー
 「知的財産と資金調達,知的財産の価値評価」を担当します。前者の「知的財産と資金調達」の話がメインになります。

3月1日(東京),3日(大阪) 日本知的財産協会・臨時研修「今なすべき、知財の役割と効率的な知財活動」
 「知財活動の基本的機能と企業経営における役割」を担当します。昨年のネットデジタル研修に続き、企業経営における役割・・・という危ないビックワードにチャレンジさせていただきます。‘7つの知財力’から、知財活動で何ができるかを考えます。

3月12日(大阪) 日本弁理士会近畿支部 パテントセミナー2011
 大阪パテントセミナー(応用編)第4回で、「中小企業の事例から考える~経営に効く 戦略的知財活動の実践法~」と題して、「経営に効く7つの知財力」のエッセンスを中心にお話しさせていただきます。

今年は‘非効率化’で。

2011-01-14 | その他
 毎年、年の最初にはいろいろ思うところを書いてきたので(20102009,2008,2007)、さて今年は何を書こかいな、なんて思っているうちに全く筆が進まず、月半ばとなってしまいました。

 昨年末に同業の友人数人とあった時に、「最近どういう方針でやってますか」みたいなことを尋ねられたのですが、「求められていることをする、ってところですか」なんて答えていました。昨年の初めには「価値を顕在化させるビジネスモデルを持たなければならない」なんてエラそうに書きながら言(書)行不一致も甚だしいですが、特に昨年後半くらいからそういう心境になっています。これは、取り扱う業務の性質や、個人で動くのか組織で動くのかによって違ってくると思うのですが、知財サービスというのは基本的に顧客からフィーをいただいて成り立つものだから、提供者側の戦略やビジネスモデル云々が表に出てくると、そこに提供者と顧客の利益が対峙しているように見えてしまいやすい。もちろんWin-Winであればいいのだけれども、知財サービスの成果というのは短期的には測りにくいものだし、そんなに簡単には結果が出ません。
 ビジネス感覚を持つべしとか、戦略的に考えるべしとかいうときに、それは顧客のビジネスについてのことなのか、それとも自らのビジネスについてのことなのか。知財人が‘ビジネス’を学ぶのは、顧客のビジネスのためなのか、自らのビジネスのためなのか。企業内にいればこうした矛盾は生じないのですが、業として知財を扱う場合には曖昧になってしまいがちです。これは知財に限ったことではなく、Win-Winとなるように顧客のビジネスと自らのビジネスを高次で融合させていけばいいわけですが、そこは言うは易し行うは難しで、自らのビジネスを考えているうちに、どうしても顧客のビジネスを自分の都合のいいように解釈してしまいやすい。
 繰り返しになりますが、これは個人で動くのか組織で動くのかによって異なるものであり、組織であればそれでも高次のWin-Winを追及しなければならない、それがビジネスというものなのですが、個人で動くのであれば、自らのビジネス云々はあまり考えず「求められる」方向に動くことによって、新たに生み出せるものがあるのではないか。多分に感覚的なものでうまく表現できないのですが、そんなところから出てきた「求められることをする」です。

 話は変わりますが、今週の日経ビジネスの特集が「‘非効率経営’の時代」でした。企業は効率化を追及することで戦ってきたが、‘効率化’の追及は結局のところ‘同質化’に結びつき、利益なき繁忙を生むだけで(『ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業』も同旨)、むしろ‘非効率化’にこそ‘差異化’の鍵がある。中国、アジアの成長が凄い、日本はダメだ、っていうけれども、いずれそれらの国々だって成長が限界に達し、低成長時代を迎えることになる。日本は先回りして、その先にある高次の経済に向かえばよい、って話です。これだけだと何のことかわからないかと思いますが、できれば今週号の特集のご一読をお勧めします(たとえば、昔懐かしいパナソニックの系列販売店が最近業績を伸ばしている、といった事例が紹介されています)。『お金の流れが変わった! (PHP新書)』を読んで暗い気分になってたところに、ちょっと光が見えた気がしました。そういえば、イチローさんのメッセージにも、「ムダなことを考えて、ムダなことをしないと、伸びません。」(『イチロー 262のメッセージ』No.51)とありました。‘非効率化’そのものが価値を生むわけではありませんが、‘非効率化’が新しい何かにつながる鍵になるのかもしれません。