昨日書いた‘知財コンサル’とは何かについて、大阪の一弁理士さんから顧客の「ニーズ」という重要なご指摘をいただきました。シーズ・オリエンティッドな発想が事業の成功を妨げがち、というのは大学発ベンチャーなどでよく言われる問題点ですので、事業分野を選択する際に「顧客ニーズ」というのは重要な視点になります。
というわけで、フェーズ1の図を補正したのですが、「顧客ニーズ」をどこに位置づけるかという点については、大阪の一弁理士さんのご意見と少々異なる考え方に基づいています。図でいえば、「どの分野で勝負するか?」を検討する際に考慮すべき事項として、「経営資源」の他に「事業環境」を加えました。これは当然に必要な項目だったのですが、「顧客ニーズ」というのもこの中に含め、「どの分野で勝負するか?」を検討する際に考慮すべき要素になるのではないかと思います。
図の左側で「シーズ」と表現したのは、その企業のコアになる技術・ノウハウなどですが、ここに「顧客ニーズ」をもってくると「儲かりそうなものは何でもやるコアのない便利屋」になり、企業の拠って立つ軸が失われてしまうように思います。やはり自社の持っているリソースをベースにしたうえで、そのリソースを活かして顧客ニーズにどのように応えられるかと考えるべきであって、絞り込みの順序としては「シーズ→ニーズ」になるのではないかと思います。野球に例えれば、試合に勝つという顧客ニーズに応えるには、まずは自分のリソース(シーズ)を見極めたうえで、長打力はないけど器用というリソース(シーズ)をもった選手であれば、そのリソースを活かしてバントという形でニーズに応えるという順序になるだろう、という意味です。
また、ある本でですが、「顧客ニーズに応える」というと響きがよいので誰も異論を差し挟まないことが多いけれど、本当にそうだろうか?、という意見を読んだことがあります。ヘルシア緑茶というヒット商品が出る前に、果たして「カテキン濃度の濃いお茶を飲みたい」などという顧客ニーズがあっただろうか?、みたいな実例を挙げていましたが、確かに言われてみればそのとおりです。iPodが流行る前に、「スタイリッシュでカラフルな携帯型デジタル音楽プレイヤーが欲しい」という顧客ニーズがあっただろうか? 写メールが登場する前に「携帯電話で写真が撮りたい」という顧客ニーズがあっただろうか? これらのヒット商品は、顧客ニーズを追いかけてできたというよりも、自社の技術で何ができるかというところから想像力を働かせてできあがった‘作品’なのではないかという気がします。勿論「顧客ニーズに応える」という視点は必要不可欠な要素ですが、本当のヒット商品はそれを超越したところにあったりするとも言えるかもしれません。
というわけで、フェーズ1の図を補正したのですが、「顧客ニーズ」をどこに位置づけるかという点については、大阪の一弁理士さんのご意見と少々異なる考え方に基づいています。図でいえば、「どの分野で勝負するか?」を検討する際に考慮すべき事項として、「経営資源」の他に「事業環境」を加えました。これは当然に必要な項目だったのですが、「顧客ニーズ」というのもこの中に含め、「どの分野で勝負するか?」を検討する際に考慮すべき要素になるのではないかと思います。
図の左側で「シーズ」と表現したのは、その企業のコアになる技術・ノウハウなどですが、ここに「顧客ニーズ」をもってくると「儲かりそうなものは何でもやるコアのない便利屋」になり、企業の拠って立つ軸が失われてしまうように思います。やはり自社の持っているリソースをベースにしたうえで、そのリソースを活かして顧客ニーズにどのように応えられるかと考えるべきであって、絞り込みの順序としては「シーズ→ニーズ」になるのではないかと思います。野球に例えれば、試合に勝つという顧客ニーズに応えるには、まずは自分のリソース(シーズ)を見極めたうえで、長打力はないけど器用というリソース(シーズ)をもった選手であれば、そのリソースを活かしてバントという形でニーズに応えるという順序になるだろう、という意味です。
また、ある本でですが、「顧客ニーズに応える」というと響きがよいので誰も異論を差し挟まないことが多いけれど、本当にそうだろうか?、という意見を読んだことがあります。ヘルシア緑茶というヒット商品が出る前に、果たして「カテキン濃度の濃いお茶を飲みたい」などという顧客ニーズがあっただろうか?、みたいな実例を挙げていましたが、確かに言われてみればそのとおりです。iPodが流行る前に、「スタイリッシュでカラフルな携帯型デジタル音楽プレイヤーが欲しい」という顧客ニーズがあっただろうか? 写メールが登場する前に「携帯電話で写真が撮りたい」という顧客ニーズがあっただろうか? これらのヒット商品は、顧客ニーズを追いかけてできたというよりも、自社の技術で何ができるかというところから想像力を働かせてできあがった‘作品’なのではないかという気がします。勿論「顧客ニーズに応える」という視点は必要不可欠な要素ですが、本当のヒット商品はそれを超越したところにあったりするとも言えるかもしれません。