経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

あらためて考える 中小企業のデザイン経営

2023-10-03 | お知らせ

note に投稿しました。

中小企業のデザイン経営に関する取組みを続ける中で、普通のビジネスパーソンである自分(たぶん)が素朴に感じてきた疑問をなぞりながら、今の時点での考えを整理してまとめたものです。超長文ですが、中小企業を対象にした「デザイン経営」に関心のある方々にご一読いただけると幸いです。

あらためて考える 中小企業のデザイン経営

https://note.com/t_habu/n/nefce669457f7


動画「デザイン経営 10分解説」

2023-07-31 | お知らせ

 9月から大阪でスタートするデザイン経営×知的財産をテーマにしたワークショップ型連続セミナーのオリエンテーション動画として、「デザイン経営 10分解説」が公開されました。

 これまでの一般的な経営スタイルとの違いがわかりにくいと言われることが多い「デザイン経営」ですが、中小企業向けにノンデザイナー目線でコンパクトに解説しておりますので、「そもそもデザイン経営って何なん?これまでの経営と何が違うの?」と思われている方に、10分で終わりますのでぜひご視聴いただけますと幸いです。

 「デザイン経営 10分解説」 https://www.youtube.com/watch?v=SSUIYMki8is

 


中小企業の未来をひらく 「デザイン経営×知財」セミナー

2023-03-27 | お知らせ

  特許庁さんの公式YouTubeチャンネルに、

  中小企業の未来をひらく『デザイン経営×知財』セミナー

の動画が公開されました。

  このセミナーは、特許庁デザイン経営プロジェクト・中小企業支援チームの「デザイン経営×知財」研究会の中間報告という位置付けで開催されたものです。
  デザイナー主導で進められてきているデザイン経営に、知的財産がどのように関係してくるのか。両者の好循環を目指す研究会でのこれまでの成果を公開していますので、このテーマに興味のある方はぜひご視聴ください。
  私も 0:27:30 ~ 0:51:40 の25分弱、「デザイン経営と知財 – 未来を拓く 中小企業経営の羅針盤」と題してお話をさせていただいています。


知財が中小企業にもたらす意外なメリットとは?-ブランド力を高め、企業間共創を加速させる知財の捉えかた

2023-01-31 | お知らせ
 ロフトワークさんのWebサイトの「Dcraft デザイン経営リーダーズゼミ」のコンテンツに、同社のクリエイティブディレクター・加藤修平さんとの対談記事、
  知財が中小企業にもたらす意外なメリットとは?
  ブランド力を高め、企業間共創を加速させる知財の捉えかた
をご掲載いただきました。

 https://loftwork.com/jp/project/dcraft/dcraft-kansai2022-chizai

 未来感のあるポジティブな内容にまとめていただきましたが、特に強調したかったのは次の一節です。

 一方で、これから知財の中で特許以上に重要になってくるのは、ブランドのロゴマークや商品名といった「商標」かもしれません。そのサービスやプロダクトを通じてどんなメッセージを発信していきたいか、どんなビジネスをしかけていきたいのか。昔の武将が自分たちの旗印を掲げて仲間意識を高めたみたいに、コンセプトやビジョンをロゴマークなどに可視化し、ストーリーを語りながらユーザーやパートナーに提示して、そこに共感してくれる仲間と新しいビジネスを創っていく。そうした意味で商標は、特許やノウハウなど企業に固有の資源である知財を束ね、それらを自社らしさや自社の想い、ビジョンを発信する役割を担うものです。そして共通の目的でつながる仲間との知の重なり合いにより新たな知が生まれ、そうした知のアップデートが他には追随できない強いビジネスを作り出していくのではないかと。

あなたの会社の「知的財産」を活かせていますか? ー会社を元気にする中小企業のための知的財産活用術

2016-06-06 | お知らせ
 ちばぎん総合研究所発行「MANAGEMENT SQUARE(2016年5月号)」に寄稿した
 あなたの会社の「知的財産」を活かせていますか?
 ー会社を元気にする中小企業のための知的財産活用術
のPDFをホームページの以下のURLに公開しました。
 http://www.ipv.jp/data/documents/ms1605.pdf

 「知的財産はうちには関係ない」と思っておられる中小企業経営者の方々に向けてということで、「知的財産」は一般にイメージされるよりその範囲が広く、効果も多様であることを、できるだけわかりやすく説明するように努めたつもりですが、これだけ「知的財産」という単語を使っていること自体が、「知的財産はうちには関係ない」という方々を遠ざけてしまっているのかもしれません。うーん、そこが難しいところですね...

知的財産を「紛争の種」ではなく「成長の種」として意識しよう

2016-01-13 | お知らせ
 1月5日発行の特許ニュース・新春特集号(No.14114)に、
知財活用の裾野拡大に向けての提言 -中小企業経営を支える知財活動促進のヒント-
が掲載されました。
 以前に「中小企業が抱える課題と知財活動の効かせ方」や「中小企業は『知的財産』をどのように捉えているか」でも紹介した、昨年度の近畿経済産業局の調査事業で行った中小企業へのアンケート調査結果をベースに、これまで知財を意識してこなかった中小企業に、知財活動を通じてステップアップしていただくためには、どのような取組みを推進していくべきかを論じたものです。
 その要旨は、「知財権をおさえないと模倣されてしまいますよ」「他人の知財権を侵害したら大変なことになりますよ」といった従来からありがちなパターン化された啓発活動ではなく、知財活動には多様な効果があること、販売力や人材面など各々の企業が抱えている課題に対して知財活動が有効に働き得ることを広く伝えていくことが必要ではないか、というものです。前者のようなアプローチばかりだと、「知的財産」を「紛争の種」とイメージされてしまいがちですが、自社のオリジナリティ・他社との差異化要因であり、競争力の源泉となる「知的財産」を、まずは前向きな「成長の種」として認識することをスタートラインに設定しましょう。
 全文をこちらに掲載していますので、少々長いですがご一読いただけると幸いです。

「ゼロからわかる 知的財産のしくみ」発売のお知らせ

2015-08-07 | お知らせ
 「<入門の入門>知的財産のしくみ」の後継版となる「ゼロからわかる 知的財産のしくみ」が、間もなく発売されます。帯のキャッチコピーのとおり、「知的財産を速習したいビジネスパーソンのための決定版 一読すれば、知的財産のアウトラインと勘所をつかめる!」というコンセプトで書き下ろした、ビジネスパーソン向けの知的財産の入門書です。
 以下、本書の「はじめに」の一部を紹介させていただきます。

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 筆者が初めて知的財産の入門書を上梓したのは、今から8年前になります。その巻頭に次のように書きました。

 (前略)インターネットの世界では、誰もが自由に参加することが可能な、双方型の利用形態である「Web2.0」への流れが加速しています。
 これを知財の世界になぞらえるならば、これまでは企業の知的財産部門や弁護士、弁理士などの外部の専門家に任せきりであった知財業務の領域に、多くのビジネスパーソンや研究者が双方向で参加する、「知財2.0」とでもいうべき状況への転換が求められているところではないでしょうか。(中略)
 本書が、知的財産のしくみを理解することに役立ち、知財の世界とビジネスや研究開発の現場を結びつける橋渡しとして、「知財2.0」のステージに進む一助となれば幸いです。(後略)

 あれから8年を経て、状況はどのように変わったでしょうか。
 企業の知財部門で・・・
 このように、知的財産に直接関わる側の意識や人材の層が変化する一方、ビジネスの現場ではどうでしょうか。
 特許の出願件数は2割近く減少・・・「知財の双方向化」は、なかなか進展していないのが現状です。
 その間の日本経済を振り返ってみると、リーマンショック、東日本大震災と2つの大きな試練に直面しました。生き残りのための構造改革に追われ、知的財産を活かして新規事業を立ち上げるという、前向きな投資に意識が向きにくい経営環境が続いたことは否めません。
 しかし、日本経済は明らかに変化してきました。上場企業はROE重視の姿勢を鮮明にして、成長のための投資に資金を振り向ける動きを見せています。地方再生の担い手として、中小企業の活性化に向けた様々な施策が打ち出されるようになりました。新しい事業、成長の種となる知的財産を意識する場面が増えるのは必然であり、知的財産を意識する場面が増えるようでないと、経済成長も覚束ないものになってしまうでしょう。
 専門家に任せておくだけでない「知財の双方向化」は、まさにこれからが本番です。

 本書は・・・ビジネスパーソンが、知的財産の「専門家としての知識」ではなく、「専門家と話すための知識」を身につけることを意識して書き下ろしました。一読すれば、知的財産とはどういうものか、そのアウトラインと勘所をつかむことができるように、簡潔さとわかりやすさを重視したため、十分に説明できなかった箇所も残っています。
 知的財産の活かし方について・・・知的財産管理技能検定3級を目標にしてみるのもよいでしょう。

 最後になりましたが、本書のコンセプトを理解して出版にご尽力をいただいた、一般社団法人金融財政事情研究会の田島正一郎様に改めて御礼申し上げます。「知財の双方向化」の担い手となることを期待する金融機関との関係が深い同会から、本書を上梓できることを大変嬉しく思います。

2015年7月 土生 哲也



KINZAIバリュー叢書 ゼロからわかる知的財産のしくみ
土生 哲也
きんざい

中小企業の経営課題に応える知的財産活動のポイントと支援のあり方

2015-02-12 | お知らせ
 東京と埼玉で、関東経済産業局主催の「知財コンサル人材発掘・養成セミナー ~中小企業の経営課題に応える知的財産活動のポイントと支援のあり方~」が開催されます。
 最近はすっかり「知財コンサル」という言葉を見かけることが少なくなりましたが、久々に「知財コンサル」と銘打ったセミナーです(と思います、たぶん)。
 このセミナーのパネルディスカッションに登壇してショートプレゼンをさせていただく予定ですが、私自身は知財コンサルタントというわけではないので、副題(中小企業の経営課題に応える知的財産活動のポイントと支援のあり方)のほうに沿って、今年度お手伝いさせていただいたいくつかの公的事業についてお話しさせていただこうと考えています。
 その中で特に面白いのが、近畿経済産業局の調査事業で行った中小企業へのアンケート調査の結果です。
 中小企業の知財活動支援というと、どうも「国内市場の低迷 → 海外展開が必要 → 模倣リスクが高い → 海外での権利取得やオープン・クローズの使い分けが重要」といった直線的なシナリオに基づいて方向性が決まることが多い印象があるのですが、一口に中小企業といっても抱えている課題は様々で、知財活動に期待される効果も一様ではありません。そこで、企業の特徴や抱えている課題と知財活動との関連性を探るべく、知財活動が活発か否か、売上が増加傾向か減少傾向か、といった2つの軸に基づいて、中小企業を図のA~Dのグループに分類して、各々のグループに属する企業が自社の強みをどのように捉えているか、どのような経営課題に悩んでいるかを整理してみました(この分類は、事務局を務めていただいた株式会社ダン計画研究所さんのアイデアです)。
 ここで特に注目したいのが、BとCのグループです。
 知財活動は活発でなくても売上を伸ばしている企業は、何を強みとしていて、どのような経営課題に悩んでいるのか。
 逆に、活発に知財活動が行われていても売上が伸び悩んでいる企業が、強みと考えているのは何で、経営課題はどのようなものなのか。
 こうやって整理してみると、Bのグループにも単純に上記のようなシナリオを適用するだけでよいのか、Cのグループにも知財活動が貢献し得る余地がないのか、といった疑問に対して、少しばかりヒントが見えてきそうなのですが、ここから先の話にご興味をもたれた方がいらっしゃれば、2月24日(火)東京 又は 3月10日(火)さいたま にご参加いただけますと幸いです。

構想力 & 認定支援機関向けセミナー(後半分)のお知らせ

2015-01-12 | お知らせ
 先週の日経ビジネス(2015.01.05)の「賢人の警鐘」日本電産・永守社長のコラムに、新年早々いろいろ考えさせられました。
 「最も大事なのは構想力。頭の中にパズルを描いて、1ピースずつ埋めていく」
 自社の領域から離れた島のように見える企業買収も、実は大きな構想に基づくピースの1つであって、次は橋を渡すようにその間をつなぎ、内海になった領域を埋めていく。事業拡大とはその繰返しであり、経営者には必要なのは「構想力」、といった内容です。
 一つ一つをみれば面白いと思えることに取り組んでいても、それが大きな構想に基づくものでなければ、点と点はなかなか有機的につながってきません(ジョブズは「いつかつながっていることに気づく」と言っていましたが...)。特許出願にしても同じことで、その特許を出願・権利化することが事業の構想の中でどのような意味を持ち、どのような役割を果たすかを考えることが、何よりも重要なのではないでしょうか。
 自分自身も単なる思いつきの連発ではなく、しっかりした構想の基に動いていきたいものです。

 さて、関東経済産業局管内の1都10県で開催中の認定支援機関(経営革新等支援機関)向け知的財産セミナーの後半のスケジュールが決まりましたのでお知らせします。認定支援機関と知財総合支援窓口の連携によって、中小企業支援の幅を広げようという、たしかな「構想」に基づく企画です。
 1月23日(金)宇都宮市、1月27日(火)さいたま市、1月30日(金)甲府市、2月10日(火)東京都、2月17日(火)高崎市、2月18日(水)長野市 で開催予定です。

 ‘知的財産’の力を活かした経営基盤の強化策
  ~中小企業支援の引き出しを増やそう!~


 中小企業を巡る経営環境が厳しさを増し、下請からの脱却、海外進出といった様々な経営課題に直面する中で、中小企業支援を担う人材には、専門分野のみに止まらない幅広い知見が求められるようになっています。
 資金力や有形資産の蓄積が十分でない多くの中小企業にとって、‘知的財産’も支援のキーワードの 一つですが、支援機関の皆様は‘知的財産’にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
 中小企業には縁遠い難しいもの、オンリーワン製品で世界を相手にする特別な会社にしか関係ないもの、事業を独占して儲けるためのもの、他社の権利侵害に注意しなければならない面倒なもの...
 もしそうしたイメージをお持ちなら、ぜひこのセミナーにご参加ください。‘知的財産’のイメージ が変わります。知的財産は多くの中小企業に関わりのある、会社の底力を引き出す栄養剤のようなもの です。そのことを、様々な事例を紹介しながら解説していきます。
 中小企業支援の引き出しを増やすのに役立てていただけるはずです。

※ プレゼンテーション資料の一部をFacebookページに動画で公開しています。